ドラマ『微笑む人』が、松本桃李さん主演で放送されました。
さすがは『不能犯』で超能力殺人者を演じた松坂桃李さんだけあって、微笑みが怖すぎでした~(^_^;)
終わり方は原作とは違うけどイライラモヤモヤで、仁藤の罪と動機は不明のまま幕を閉じました。
当記事ではドラマ『微笑む人』の
- ネタバレ
- 仁藤の罪と動機
- 原作とドラマの違い
- 終わり方にイライラモヤモヤ
もくじ
ドラマ『微笑む人』あらすじのネタバレ
ドラマ『微笑む人』のあらすじをネタバレします。
衝撃の動機
妻子を殺害した罪で起訴された仁藤俊美(松坂桃李)は、公判で衝撃の動機を明かしました(通称・安住川事件)。
「本の置き場所が欲しかったからです」
事件前から仁藤とは面識があった週刊海潮の記者・鴨井晶(尾野真千子)は「そんなはずない!事件の真相を暴きたい」とデスクの井上肇(生瀬勝久)に直談判!
見事、次の号の巻頭特集を約束された晶は、仁藤の関係者に取材を続け、彼の人物像を掘り下げていくことに。
仁藤は、日本最難関の大学を卒業して、大手銀行に就職。
職場で知り合った抄子(かんこ)と結婚、その1年後に娘の亜美菜(池谷美音)を授かっていました。
横浜のマンションに暮らし、誰もが羨む生活を送っていました。
晶は、仁藤とは幼稚園のママ友で、仁藤のルックスと人柄に心酔していました(正直、少し好きでした)。
晶が知る仁藤とは、上品な笑みを絶やさない超愛妻家でした。
あの仁藤さんが、妻子を殺すはずない。
もし私が仁藤さんの冤罪を暴けば特ダネになる!
本当の仁藤の姿とは?
翌日晶は、安住川事件の担当刑事・佐藤邦男(福田転球)に話を聞きに行きました。
仁藤は妻子の人工呼吸をしていたかと思うと車のことなど気にしてやけに冷静だった。
・搬送先の病院での様子
(妻子が死にかけているのに)仁藤は穏やかに本を読みながら待っていた。
・取り調べでの様子
最初はフザけているのかと思ったが、仁藤の動機は「本の置き場所がなかったから」の一点張り。
自分が以前から知っていた仁藤と、捜査関係者から聞く仁藤、いったいどちらの姿が本当の彼なのか……。
晶は次第に混乱していきます。
仁藤の銀行員時代:梶原を殺した?
晶は、仁藤が勤めていた銀行を尋ねました。
上司は、仁藤は優秀で人柄も申し分なかったと評価していました。
部下の田辺は「私は、仁藤さんと梶原(阿部亮平)さんのエピソードが記憶に残っています」と言いました。
・嫌われ者の行員・梶原が、後輩の田辺の契約を横取りした。
・仁藤は、梶原に「田辺にすまなかったと一言謝ってください」と言ってその場をおさめた。
・梶原が「お前、見た目によらず押しが強いんだな」と言うと、「人に頼られるとNOとは言えない性格なんです」と仁藤。
この件で、仁藤は「正義の味方」と言われるようになったとのこと。
ところが奇妙なことに、この後梶原は自殺していました。
保坂という社員は、他の行員とは違う証言をしました。
・あれは、間違いなく人を殺せる目だった。
・梶原が死んだおかげで、仁藤は同期で最初に調査役に昇進できた。
・梶原は自殺するようなキャラクターではなく、仁藤が絡んでいるのではと思っている。
晶は、拘置所の仁藤に接見。
仁藤の笑顔は、あいかわらず誰もが好感を抱くものでした。
仁藤:「はい、そうなんです」(はにかみながら)
晶:「本の置き場所がなかったからという理由も本当なんですか」
仁藤:「はい」(はにかみながら)
その後仁藤は「私と鴨井さんはキャンディーレイを作った仲だから教えてあげましょう」と不気味な話をしました。
・それに気付いてから私は、あの席で仕事をしたいと思っていた。
晶は「空調の風にあたりたくなくて梶原さんを殺したんですか?」と詰め寄りますが、仁藤は「鴨井さんってとても素直な性格なんですね」と言って去りました。
仁藤の大学時代:松山を殺した?
晶は、仁藤の大学時代について調査。
すると、松山という同級生が亡くなっていました。
大型ダンプカーの後輪に巻き込まれたとのことで、事件性はないとのことだが……。
さらに仁藤が大学時代に、抄子という女性と付き合っていたことが判明します。
抄子(ショウコ)とは、仁藤の妻と同じ名前です。
抄子は、仁藤が亡くなった松山のゲーム機(当時は入手困難)で遊んでいたことを教えてくれました。
仁藤は「松山にもらったんだ。形見分けだよ。ラッキーだったよ」と不気味に笑っていたとのこと。
しかし松山の両親は、そんなことは覚えてないといったという。
翌日、昭は仁藤と2度目の接見。
仁藤は「松山が都合よく死んでくれたんでそのままクリパクしたんです……なんて私が言うのを期待しているんですか」と挑戦的な目を向けてきました。
わかりやすい物語がほしいのでしょう
わかりやすくないと世間の人がついてきてくれない
世間の人がついてきてくれないとビジネスにできない
だからマスコミの人はどんな出来事も強引にわかりやすい物語に持って行く
私の場合なら、妻子殺害には、やむにやまれぬ悲しい動機があった……とか?
それとも本やゲーム機のために簡単に人を殺すシリアルキラーとか?
鴨井さんは最初は前者の考えだったけれどうまくいかなかったから、今はなんとか私を異常な殺人者にしようとしている。
晶は「あなたはショウコという名前にこだわりがあるのですか?」と聞きますが、仁藤は「それもサスペンス小説にありがちですね。私が殺したのは妻子だけで、松山や梶原は殺していません」と言いました。
仁藤は「うん、私より鴨井さんの方が、人殺しの素質がありそうですよ」と言って去っていきました。
仁藤の小学生時代:ショウコの義父を殺した?
井上のなじみの店に、仁藤の小学校時代の同級生・ショウコ(佐藤乃莉)がいることが判明!
晶はさっそく話を聞きにいきました。
・ショウコは小学生の頃に義理の父親から性的虐待を受けていたが、仲よしの仁藤には打ちあけた。
・仁藤は怒ってくれて「俺らで排除してやるんだ」と義父殺しを計画した。
・計画は簡単で、酔っぱらった義父を階段の上から突き落とすというもの。
・ところが仁藤は怖気づいて殺せず「僕には無理だ」と泣いてしまい、ショウコが義父を突き落として殺した。
・ショウコは「俊ちゃんみたいな意気地なし、何の役にも立たないから!」と仁藤に罵声を浴びせた。
晶が仁藤の記事を書く
ショウコは「だから俊ちゃんに殺人なんてできない」と仁藤は無実だと言いましたが、晶はやっと仁藤の本性に辿りつけたと大喜び。
「これで仁藤の誕生秘話が書ける!」と記事を徹夜で仕上げ、翌日拘置所の仁藤に報告に行きました。
その源流は、小学生時代の異常体験にあった
・小学生の仁藤は殺人は犯していないけれど、邪魔な者は殺人で簡単に排除できることを学んでしまった。
・よって本の置き場を理由にした殺害動機は真実で、仁藤は妻子を排除した。
・ショウコという名前にこだわるのは、好きな女の子に「意気地なし、役立たず」と言われたショックを引きずっているから。
・もう意気地なしじゃない自分を証明するために、ショウコの前で殺人を繰り返し、遂にはショウコも手にかけた。
衝撃の事実
勝ち誇った顔の晶に、仁藤は「あなたが会ったショウコは別人ですよ」と衝撃の発言!
本物のショウコは早くに両親を亡くして祖父母に育てられていて大金持ち、義父から性的虐待を受けていたのは同級生の男の子だったとのこと。
晶が会ったショウコは、男だったということなのか?
晶:「それはあなたみたいな理由で人を殺したら不安だからよ。それを取り除いであげるのが私の役目」
仁藤:「不安なのは、あなた自身だったんじゃないんですか?あなたが恐れてるから懸命に記事にしようとした。でもね、理解できる結末なんて現実の社会には存在しないんですよ」
拘置所を出た晶が昨日の店に電話すると、ショウコ(カスミ)は辞めたとのこと!
「今までなんだったんだ」と茫然と立ち尽くす晶。
エピローグ
帰宅した晶は、調査会社の男から調査結果を受け取りました。
そこには、夫・拓郎(小久保寿人)が隣の家の奥さんと浮気する写真が入っていました。
晶は、自分の夫が仁藤そっくりの笑顔をすることに気が付きました。
「どうして今まで気が付かなかったんだろう」
衝動的に晶はアイスピックで夫を刺し殺しました。
拘置所の仁藤は、春琴抄ではなく晶子曼荼羅を読んでいました。
看守から晶が殺人を犯したと聞いた仁藤は「人間ですからね、そんなことがあってもおかしくないんじゃないでしょうか」と穏やかな笑みを浮かべました。
仁藤は廊下で晶とすれ違いました。
「笑顔の方がいいですよ、その方が魅力的です」
ドラマ『微笑む人』の考察:原作とドラマの違い
ドラマは基本的に原作に忠実な内容でしたが、結末は大きく違いました。晶が夫を殺して仁藤側の人間になってしまったことには、驚きでした。
・ドラマの週刊誌記者・晶は、原作では小説家「私」。
・原作ではニューハーフの偽ショウコだけでなく、本物のショウコも登場する。
・原作のニューハーフの偽ショウコは、本物のショウコの知り合いだけど仁藤の同級生男子ではない。
・原作では偽ショウコと本物のショウコがタッグを組んでいて、2人の連携プレーで晶を煙に巻く。
・原作ではショウコも仁藤と同じ笑みをしていて、仁藤との深い結びつきを想像させる。
・原作でも晶は調べれば調べるほどわけがわからなくなるが、ドラマの晶はそれに加えて殺人まで犯してしまう(闇落ち)。
「他人の心はわからない。わかった時にはもう遅い」というメッセージ性は、原作もドラマも同じでした。
人は、理解できない犯罪が怖いから、殺人者の動機を知りたいと願います。
しかし絶対に理解できないと諦めた時、今度はシリアルキラーだと思おうとします。
でも本当は人間の心理とは複雑なもので、納得できる真実があるとは限らないのです。
ドラマ『微笑む人』の考察:仁藤の動機と罪は?
ドラマの仁藤の動機と罪について考察します。最後まで、仁藤の罪も動機もはっきりしないままでモヤモヤの人も多かったと思います。
筆者は、奥さんの爪から仁藤の皮膚片が発見されたことから、仁藤の妻子殺しはクロで確定だと思っています。
仁藤自身も、妻子殺しについては認めています。
残るは、梶原、松山、ショウコの義父を殺したかどうかです。
仁藤自身は、この3件については認めていません。
ますはその動機を以下に整理します。
松山殺しの動機:新しいゲーム機をてっとり早く手に入れたいから
ショウコの義父殺しの動機:初恋の女の子を守るため?
梶原殺しと松山殺しの動機は、妻子殺しの「本の置き場所が欲しかった」と同じくらいフザけています。
真偽はわかりませんが、仁藤ならば梶原と松山をそんな取るに足らない理由で殺してもおかしくありません。
問題は、仁藤と初恋の女の子・ショウコの関係。
仁藤は明らかにショウコという名前にこだわっていて、抄子はレアな名前なのに仁藤の人生に3人も登場しています。
原作のニューハーフのショウコは、虚言癖アリです(これも結局真偽は定かでありませんが)。
もしドラマのショウコも同じ設定なら、性的虐待や義父を殺した話をまるごと信じるわけにはいきません。
しかしそれならなぜ偽ショウコが、晶と井上にそんな作り話をしたのでしょうか?
本物のショウコに頼まれたから?
やはり本物のショウコも、義父から性的虐待を受けたことがあったのでしょうか?
筆者は、やはり本物のショウコと仁藤には誰もが震撼する恐ろしい体験があったと思います。
このあたりは堂々巡りになっていきますが、はっきりしているのは以下の2つの事実のみ。
・仁藤がショウコ(もしくは偽ショウコ)の義父殺しに関わったかは不明だが、大学時代には現在の仁藤の人格が形成されていた。
ドラマ『微笑む人』の考察:終わり方にイライラモヤモヤ
ドラマ『微笑む人』の終わり方は、夫殺しの罪で捕まった晶と仁藤が廊下ですれ違うシーン。仁藤が晶の耳に「笑顔の方がいいですよ、その方が魅力的です」とささやいて終わりです。
この結末にイライラモヤモヤした人は多かったです。
僕の2時間返して!!
— あずきもち (@omamechan3437) March 1, 2020
モヤモヤしか残らないんですけど…#微笑む人
ガチで本を置く場所がなかったんだな、と家族で一致w
— -G.C-drum (@jetaimer_rock) March 1, 2020
#微笑む人
肝心なところ丸投げで終わったやん笑
— Arca (@rukanan07020816) March 1, 2020
結局仁藤はただのサイコパスやったってことでいいの?#微笑む人
え???え????どゆこと!?www結局二藤は犯人だったの??違うの??#微笑む人
— 🌙ゆえのん🌸 (@yueno_haruki) March 1, 2020
あぁ。「殺人犯の動機が理解できないと人は不安になる」というのはこの物語の核心やな。 #微笑む人
— まっしろろ (@masshiroro) March 1, 2020
まさかの結末….!
— さかいはじめ (@oskn70srkm) March 1, 2020
分かりやすい勧善懲悪がすきなんだけど、
これに関してはこの後味の悪さが不思議と嫌ではない….
ちゃんと原作も読みたい!#微笑む人
しかしイライラモヤモヤはするけど、この作品に関してはこの後味の悪さがいいという意見もけっこうありました。
晶も今後は、仁藤みたいな笑みを浮かべる人間になりそうな気がします。
本当に怖いドラマでした(>_<)