映画「日本沈没」(2006)あらすじ結末ネタバレ!悲恋のラストだが人の心が繋がっていく結末!

1973年の映画化以来、何度も映像化されてきた不朽の名作『日本沈没』。

2021年度10月には小栗旬さん主演でドラマ化されます。

2006年の草彅剛さ×柴咲コウさの映画のテーマは、「命よりも大切なひとがいる」。

とてもとても重いタイトルの裏には、潜水艦パイロット(草彅剛)とハイパーレスキュー隊員(柴咲コウ)の悲恋がありました。

ハッピーエンドでありながらバッドエンドでもあった今作は、人が人を思う心の強さが描かれました。

当ページでは映画「日本沈没」(2006)のあらすじ結末ネタバレについてまとめています。



映画『日本沈没』(2006)主な登場人物

まず、映画『日本沈没』(2006)の主な登場人物をご紹介します、

小野寺俊夫:草彅剛(SMAP)

JAMSTEC所属の潜水艇パイロット。今までは好きなことだけやってきたが、玲子を愛して変わる。

阿部玲子:柴咲コウ

ハイパーレスキュー隊員。過去に地震で両親を亡くしている。

田所雄介博士:豊川悦司

「日本沈没」を叫ぶ学者。荒い気性の持ち主。

■結城達也:及川光博

小野寺の同僚の潜水艇パイロット。

■倉木美咲:福田麻由子

避難民の少女。地震で両親と離れ離れになる。

■山本尚之:石坂浩二

内閣総理大臣。地震による噴火に巻き込まれて死亡。

■野崎亨介:國村隼

内閣官房長官内閣から内閣総理大臣臨時代理になるが、悪党としか言いようがない腹黒男。

■鷹森沙織:大地真央

文部科学大臣だったが、総理(石坂浩二)から危機管理担当大臣に任命される。あつい正義感の持ち主。

日本と日本国民を守るために自らの地位を投げ打って奮闘する。

映画『日本沈没』(2006)あらすじネタバレ



日本に激しい地震が起こり始める


日本では、各地で激しい地震による建物倒壊や火災が起きていた。

そんな中、潜水艦・わだつみの敏腕パイロット・小野寺俊夫(草彅剛)は、ハイパーレスキュー隊員の阿部玲子(柴咲コウ)と出会う。

2人は、地震で両親と離れ離れになった少女・倉木美咲(福田麻由子)を助けた。

海の深いところにいるのが好きな小野寺と、美咲同様に災害で両親を亡くした玲子は、次第に惹かれあっていく。

CHECK!幼い頃に地震で両親を失った玲子はレスキュー隊に助けられ、自分も誰かを助けたいと思いレスキュー隊員になった。


田所博士(豊川悦司)が日本沈没を予言する


田所雄介博士(豊川悦司)が「調査の結果、日本は1年以内に沈没することが明らかになった」と政府に警笛を鳴らす。

よく聞け!プレートの断裂は北海道の南部から始まる。日本の活断層は次々に割れていく。富士山の大噴火と共に、日本は一気呵成に沈んでいくんだ

官僚たちの多くは、田所の発言を鼻で笑った。

しかし内閣総理大臣・山本尚之(石坂浩二)は田所の発言を重く受け止め、信頼できる文部科学大臣・鷹森沙織(大地真央)危機管理大臣に任命。


内閣総理大臣・山本(石坂浩二)が噴火に巻き込まれて死亡


最初は他の官僚同様に田所の言うことに半信半疑だった鷹森だったが、田所の予言通りに地震が起こっていくのを目の当たりにし、遂に田所の言うことを信じるようになる。

内閣総理大臣の山本は、中国に日本人の受け入れを要請するために飛行機に乗るが、九州の阿曽算噴火に巻き込まれて行方不明に!(死亡)


内閣総理大臣代理・野崎亨介(國村隼)が私利私欲から日本人をあざむき見捨てる


日本各地の地震は、田所の予言通りにどんどん増えていく。

人々はパニックを起こし、車が渋滞し、飛行機は満席になり、銀行に人が押し寄せ、スーパーには水を買い求める人々が列をなした。

内閣総理大臣代理・野崎亨介(國村隼)は「5年後に日本は沈没するが、政府は対策を持っているので安心してください。順次海外に移動してもらいます」と嘘八百を発表。

CHECK!真実は、日本は1年以内に沈没!諸外国への受け入れ態勢は整っていない!


鷹森は一人でも多くの日本人を助けたいと思うが、野崎は諸外国に日本の受け入れを要請せずアメリカに賄賂を渡し始めた。

野崎が「どうせ日本人はある程度死ぬ。死ぬ人間の受け入れ先は必要ないでしょう」と笑うのを見た鷹森は、田所の元へ。


鷹森が自らの地位を投げ打って、田所に全面協力


鷹森は田所に頭を下げて、力を貸してくれとお願いした。(実は鷹森と田所は元夫婦)

鷹森:「お願い、日本人を一人でも多く助けたいの」

田所:「あと1年で日本は沈没する。日本沈没を食い止めるには海の深いところにあるプレートを爆破して切断するしかない」と言った。

田所の計画:強大な力で引っ張られているプレートには湾曲して無数の亀裂が走っている。

この部分の亀裂を使って、掘削口にたくさんの爆薬を仕掛ける。それぞれの爆弾が連鎖的に爆破るすると、プレートが切断されて日本は助かる。

N2爆薬を使えばプレートを切断することが可能。しかしこの作戦にはたくさんの掘削船が必要、不可能に近い。


鷹森は田所に全面協力することを誓い、諸外国に頼み込んで多数の掘削船を用意した。

田所は、鷹森に感謝して掘削作業に取り掛かる。(もうあまり時間がない)


敏腕パイロット・小野寺(草彅剛)がイギリスからヘッド・ハンティングを受ける


そんな中、小野寺はイギリスからヘッド・ハンティングを受ける。

「一緒に行かないか」と同僚の結城達也(及川光博)を誘うが、断られる。

結城は、田所の研究を手伝う覚悟を決めていた。


玲子と美咲のチケットを用意した小野寺は「一緒にイギリスに来て欲しい」と玲子にプロポーズ。

しかし玲子の返事は「幼い頃の私や美咲みたいな子を助けたい。私は自分だけ幸せになんかなれない」というものだった。


小野寺は実家に帰り、母親に早く外国に逃げるように言う。

しかし母親は「ここを離れたくない。亡くなったお父さんと最後まで一緒にいたい。命より大切なものがあるの」と答えた。


その後、小野寺は玲子の叔母から玲子の過去について聞く。

玲子は祖父がとびの棟梁だったと小野寺に言っていたが、それは嘘だった。

嘘をつくことでいじめっ子から身を守ってきたが、いつしかそれを本当だと信じるようになっていたのだ。

今では、玲子のヒーローは架空のとび職の祖父なのだ。


大阪、奈良、京都が壊滅。

もし富士山大噴火が起これば、それが引き金となって一気に日本列島は沈むだろう。

そんな大混乱の中でも、玲子はレスキュー隊員として人命救助に向かっていた。


結城(及川光博)が失敗&死亡


田所の準備が整い、結城がわだつみに乗って起爆地点まで海底深く潜った。

目的は、N2爆薬という強大な破壊力を持つ兵器を起爆地点で爆破して、海底プレートを切断すること。

しかし結城は起爆地点の爆破に失敗し、その後わだつみが爆発して死亡。

田所は、優秀な結城とわだつみを失い、絶望する。


小野寺がハイパーレスキュー隊員・玲子(柴咲コウ)に会いに行く


小野寺は、被災地で救助活動を続ける玲子に会いに行く。

小野寺:「明日イギリスに行くよ。最後になるから会いに来た


相変わらずそっけない玲子に、「僕が嫌いならそう言えばいい」と小野寺。

玲子の答えは「嫌いじゃない。来てくれて嬉しい。でもどうやって言っていいかわからない」というものだった。

玲子の話:小学校の頃、両親も大好きな友達もたくさん亡くなった。

だからその時思ったの。私はもう誰のことも好きにならないって。

そしたらもうあんな悲しい思いはしないから。

でも小野寺さんのこと好きになって、どうしていいのかわからない。


小野寺は、泣きじゃくる玲子を抱きしめてキス。

2人はテントの中で一夜を過ごしたが、小野寺は玲子に手を出さなかった。

玲子は「必ず美咲と一緒にイギリスに行く。だからイギリスで待っていてね、小野寺さん」と言った。


小野寺の手紙


玲子が目を覚ますと小野寺はいなかった。

玲子は、小野寺の置手紙を読んで凍り付く。

小野寺の手紙:君に謝らなければならないことがある。

イギリスには行かないことにした。

君と同じように、僕も僕の使命をみつけることができた。

僕は君の最後の一人まで助けたいという夢を叶えるために深い海の底に潜る。

僕は今までやりたいことだけやってきた。

でも、やらなけらばならないことがあることを知った。

君と美咲ちゃんが幸せに暮らせる日は来る。

生きて幸せになると僕に約束してくれ。


その頃、小野寺は、旧式のわだつみ(潜水艦)で限界地点を突破して潜ることを田所に告げていた。

田所:「お前はバカか。こんな旧式の潜水艦で行けるかよ。それにお前はもう戻って来れないんだぞ」

小野寺:「そんなことわかってますよ」

田所:「この状況下で爆薬を起爆させるのは奇跡に近い。行かせられない」

小野寺:「僕にも守りたい人がいます


小野寺がヘリに乗る直前に玲子がやってきた。

小野寺は玲子としばらく抱き合いヘリに乗った。


小野寺が奇跡を起こして死亡


小野寺はわだつみに乗って海深くに潜っていく。

しかし限界地点を突破した時点で、エアーが故障!

(地上で待機している田所は絶望を感じる)


小野寺:「15秒なら機体を動かせます。その間に起爆させて見せます。僕は先生の研究を信じています

小野寺は見事N2爆薬を起爆させプレートを切断された。(小野寺死亡


鷹森は国民に政府声明を発表。

地盤の異常な動きによる未曽有の災害は、収束に向かっています。

(中略)

最後に日本を沈没から救うために命を懸けて戦い抜いた潜水艇のパイロット・小野寺俊夫、結城達也両名に深い感謝と哀悼の意を述べさせていただきます。

最終的に、日本は部分的には沈んだものの、全土沈没はまぬがれた。

映画『日本沈没』(2006)感想



映画『日本沈没』(2006)の感想です。

原作では日本全土が沈んでしまう結末ですが、2006年の映画版では勇敢なパイロット・小野寺(草彅剛)と結城(及川光博)の活躍により部分的な沈没で助かります。(両名とも死亡)

内閣総理大臣・山本(石坂浩二)の「このまま何もしないのが一番いいのかもしれない」発言もぞっとしましたが、山本亡き後の総理代理・野崎亨介(國村隼)が悪党過ぎて背筋が凍りました。

政府がテレビ画面で国民に大嘘つくとか怖いですよね。

本当は1年で沈没するとわかっているのにまだ5年あると国民を騙して安心させて、その間に自分だけ外国に賄賂を送って優遇されるとか……酷いですよね。

そんな中、危機担当大臣の鷹森(大地真央)の活躍はかっこよかったです。


諸外国の日本受け入れ態勢が消極的なことにも衝撃を受けました。

しかし考えてみれば、毎日のように日本人が移民としてやってくれば諸外が色々な不安・恐怖を感じるのは当然です。

そして1年は守ると約束していたアメリカの裏切りも怖かった……。現実にはこんなことはないと願うばかりです。


小野寺(草彅剛)は最初はイギリスに行く予定でしたが、玲子(柴咲コウ)、結城(及川光博)、母親が日本に残りたいというのを聞き、考えが変わっていきます。

最終的には、被災で両親を失った玲子はたとえ日本が沈んでも日本を去る気持ちはないとわかり、小野寺は玲子と美咲の未来のために自分の命を投げ出す覚悟をします。

自分のことだけ考えるのであれば、小野寺は楽勝で助かっていた人物。

しかし自分のことではなく他者のことを考えられるというのは、辛いけれど素晴らしいことです。

小野寺死亡のラストは悲しいものでしたが、人の心が確かに繋がっていくという未来を感じさせる結末でもありました。

2021年度の小栗旬さん主演のドラマ『日本沈没』では勇敢な政治家が日本を救う結末とのことですので、2006年度版で大地真央さんが演じた鷹森のように、社会的地位など投げ打って国民を守る政治家が出てくるのでしょう。