『微笑む人』の主人公・仁藤(松坂桃李)は「本の置き場所が欲しかった」という奇怪な理由で妻子を殺害。
彼の動機が真実として、殺人鬼・仁藤がいつ覚醒したのかが気になるところです。
仁藤の過去を遡ると数々の不審死があり、遂にはショウコという小学校の同級生の義父の死にたどり着きます。
小説家「私」が現在のショウコを探して赤羽に行くと、カスミ(佐藤乃莉)という女性がやって来ました。
当記事では『微笑む人』のカスミ(ショウコ)について原作ネタバレして、仁藤との関係について考察してまとめています。
『微笑む人』カスミを演じる女優は佐藤乃莉
- 芸名 佐藤乃莉(さとう・のり)
- 生年月日 1984年6月7日
- 年齢 35歳
- 身長 160㎝
- 血液型 AB型
- 出身地 新潟県
- 趣味 芸術鑑賞・絵画
- 特技 英語・アクション
- 資格 普通自動車免許
- 事務所 エイジアプロモーション
- 公式 http://asiapro.co.jp/profile/nori_sato/
佐藤乃莉さんは、高校3年の時の地元のファッションショーでグランプリを獲ったことで女優を目指します。
高校卒業後の1年ほどは、地元新潟でモデルとして活動。
2007年の映画『LOVE DEATH-ラブデス-』に主演デビュー。
演技経験0なのに北村龍平監督に見いだされていきなり主役を演じるとはスゴイです。
同年の映画『ミッドナイト・ミートトレイン』ではハリウッドデビューを果たしています。
CDインディーズデビューも果たすなど多才で、東京とハリウッドを拠点に活動されています。
『微笑む人』カスミを原作ネタバレ
『微笑む人』で佐藤乃莉さんが演じるカスミ(ショウコ)について原作ネタバレします。物語は、エリート銀行員の仁藤俊実(松坂桃李)が、妻子を殺した理由を「本が増えて手狭になったから」と言ったことからスタート。
※小説家「私」は殺人鬼・仁藤が妻子を殺した本当の理由を知るため、仁藤の過去を探っていきます。
※ドラマでは記者の鴨井晶(尾野真千子)。
現在はエリートで誰からも「いい人」と評される仁藤ですが、過去には周辺でいくつもの不審死がありました。
しかしもし仁藤がそれらの殺人を行っていたとしても、その動機は「本が増えて手狭になったから」と同じくらい短絡的なものでした。
仁藤が犯人として考えられる動機は、早く課長代理になりたかったから。
・大学時代の友人・松山の死
仁藤が犯人として考えられる動機は、最新のゲーム機が欲しかったから。
・中学校時代の隣人の死
仁藤が犯人として考えられる動機は、飼っている犬を排除したかったから。
やがて「私」は遂に仁藤の小学校時代の友人・ショウコの義父の突然死にたどりつきます。
当時を知る関係者の証言によると、仁藤とショウコは親しかったとのこと。
そして仁藤が殺した妻の名前もショウコだし、仁藤が過去に優しくした女性の名前もショウコ。
「私」は、現在のショウコが働いているという赤羽の飲み屋へ。
しかしそこにはショウコはおらず、カスミという女性が出てきました。
カスミの第一印象は……
・年は30前後。
・アイメイクが念入りでやたら目が大きく見える
・襟ぐりの深いドレスを着ているが、体格は貧相。
カスミは読書家ということで、「私」の職業が小説家であることもすぐに見破りました。
カスミは、ショウコについて心当たりを探ってくれると約束してくれました。
後日、「私」はショウコから電話をもらって彼女を会うことに。
カスミがショウコを探してくれたのです。
ショウコの話とは……
・仁藤に相談すると「許せない」と憤っていた。
・ショウコは仁藤に義父を階段から突き落としてくれと頼んだが、仁藤はいざとなると出来なかった。
・なので、ショウコが義父を突き落として殺した。
ショウコは「俊ちゃん(仁藤)はただ怖気づいていただけで何もできなかったんです」と仁藤の無実を訴えましたが、「私」はついに真相に到達した喜びに打ち震えました。
ショウコの義父殺しこそが、仁藤の原点だったのです!
仁藤は確かにショウコの義父を殺しはしませんでしたが、殺人によって困難な状況を解決するという方法をその時知ってしまったのです。
人を殺しても捕まらないケースがあるとわかっていれば、殺人も選択肢の中に入ってきます。
しかし「私」がようやく得た確信は、この後のカスミの話(爆弾)によって根底から崩れてしまうことに!
虚言壁が本当なら話自体が嘘だし、ニューハーフならそもそも仁藤の小学校時代の同級生のショウコじゃないし、義父から性的暴力を受けるはずもありません(義父が特殊な趣味だった場合を除いて)!
後日、「私」は更なる衝撃的事実を知ることになります。
『微笑む人』カスミ(ショウコ)の正体をネタバレ考察
カスミ(ショウコ)の正体をネタバレ考察します。カスミ=ショウコなのですから、カスミが「私」に紹介したのは偽ショウコ(男)です。
カスミと偽ショウコはグルになって、「私」をハメたのです!
カスミ=ショウコは、なぜこんな手の込んだことをしたのでしょうか?
考えられる理由は……
カスミは「私」に以下の気になるセリフを言っています。
最終的に理解できる結末があるのなんて、フィクションの中だけですよ。
現実には、他人の心の中なんてわからないものでしょ。
殺人鬼に限らず、身近な人の考えていることだって、本当のところはわからないじゃないですか。
(中略)
恋人とか友達とか、考えを百%理解し合えていたとしたら、それは超能力者同士ですよ。
そんなふうに理解できるわけがないとわかっていて、どうして殺人犯の心理だけは理解できないと落ち付かないんですかね。引用元:「微笑む人」カスミのセリフより
このカスミの話はもっともで、相手が殺人鬼とはいえ他人の心の中を洗いざらい知ろうとする行為は傲慢なのかもしれません。
そして筆者を含めた視聴者が、殺人鬼の動機を知りたい理由とは安心したいから。
理解できない動機で殺人を犯す人間が存在するなんて、怖くて認めたくないからです。
小説家「私」は、のちにカスミの仁藤そっくりの不気味な笑みを思い出します。
やはりカスミ=ショウコは、仁藤の人生をゆるがす大きな影響を与えた女性なのです。
カスミ=ショウコの義父をどちらが殺したかは不明ですが、仁藤がカスミに恋をしてそれ以上に崇拝していたことは間違いありません。
そうでなければ、病的にショウコという名前の女性にこだわって妻の名前もショウコなんて有り得ません。
そして仁藤とカスミ=ショウコは、自分の信じたいことしか信じない凡人をあざ笑っているのです。
つまり現代は、信じられない(しかも短絡的な)動機で人を殺す人が確かに存在しているということです。
ドラマ『微笑む人』のショウコが原作と違う?
ドラマ『微笑む人』のショウコは、原作と少し設定が違いました。原作では、まずホステスのカスミ(実はこちらが本物のショウコ)が出てきて、ショウコ(ニューハーフの偽物)を晶に紹介します。
しかしドラマでは、井上の行きつけの店にたまたまショウコがいたのです(こんな偶然ってあるのか?)。
原作では本物のショウコが偽ショウコと組んで晶を翻弄しますが、ドラマでは本物のショウコは登場しません。
(もちろんショウコがニューハーフではなく本物のショウコの可能性もあるのですが、とりあえず仁藤の言い分を信じた場合で考えます)
しかし筆者は、都合よくニューハーフのショウコが現れたのは本物のショウコの差し金ではないかと思っています。
本物のショウコと仁藤の間には深い闇があり、ショウコは絶対にそれを知られたくない。
だから偽ショウコを使って、晶を煙に巻いたのではないでしょうか?
この筆者の考察も、仁藤がシリアルキラーと考えての想像に過ぎないので当たっているかはわかりませんが。
まとめ
『微笑む人』のカスミについて原作ネタバレしてまとめました。ドラマではどんな結末になるのか楽しみです。