後編では、震度5の大地震が松本で起こり、脊髄損傷者の鮎川樹(松坂桃李)が窮地に立たされます。
命の危険さえある樹のために、川奈つぐみ(山本美月)が出来ることとは……?
当記事では、ドラマ『パーフェクトワールド』の原作漫画のあらすじの結末ネタバレ・後篇をまとめています。
2019年4月27日、雑誌「Kiss」6月号のストーリーを追記しました。
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ドラマ『パーフェクトワールド』原作とは?
入院前に購入した漫画
— 夕焼け空 (@benisora1212) 2016年7月3日
久々に漫画の世界へ
では、今度こそ・・・離脱✨
#漫画 #パーフェクトワールド pic.twitter.com/91Qvax19Gh
ドラマ『パーフェクトワールド』の原作は、女性コミック誌「Kiss」(講談社)で連載中の有賀リエさん原作の同名漫画で、既刊9巻。
覚悟がいる純愛物語が、幅広い層から支持を受け、累計170万部を超える人気ぶり。
樹とつぐみの恋はもちろん、障害にまつわる現実も深く描かれています。
『パーフェクトワールド』主な登場人物
『パーフェクトワールド』の主な登場人物をご紹介します。
「講談設計」勤務の一級建築士。
苦悩を乗り越え、建築士に。
合併症の不安を抱えながらも、仕事にまい進。
インテリアデザイン会社「クランベリーズ」勤務。
絵を描く夢を一度はあきらめたが、樹の前向きな姿に心打たれて再起。
樹と事故後に破局した元カノ。
樹とつぐみの同級生。
ずっと、つぐみのことが好き。
原作ではSEだが、ドラマではアプリ制作会社経営。
樹のヘルパー。
人生に絶望した樹を立ち直らせた恩人。
つぐみの父親と同じ病院に入院していた車いすの女性。
楓の彼氏で、もうすぐ結婚予定。
楓のためにバリアフリーの家を建てようと思っているが……。
『パーフェクトワールド』原作のあらすじの結末をネタバレ・後篇
『パーフェクトワールド』原作のあらすじの結末をネタバレ・後篇をまとめていきます。西村楓・高木圭吾カップル
つぐみは、父親のためにも介護の勉強を始めることを決意。
そして父親と同じ病院に入院している車いすの西村楓と、その彼氏・高木圭吾と知り合います。
楓は美女で、野獣のような外見の圭吾はつぐみと同じ介護の授業のクラスメイトでした。
圭吾はジビエの料理人で、その料理は絶品。
楓は以前はエステティシャンでしたが、1年くらい前から車イスに乗ることになったそうです。
2人はもうすぐ結婚する予定で、バリアフリーの家の設計をしてくれる会社を探していました。
圭吾はその家のために、いずれ店を持つためにコツコツ貯めてきた貯金を全部使うつもり。
つぐみが「私も車いすの人と付き合っていたけれど別れてしまって。だから楓さんたちはすごいなって思う」と言うと、「そんな立派なものじゃないの」と楓。
楓は進行性の病気で、これから少しずつ身体が動かなくなって寝たきりになって、いずれ寝たきりになります。
あと5年、10年生きられるかわかりません。
楓にとって、それなのに圭吾に家を建てさせるのは、まるで彼の人生をメチャメチャにしているだけなんじゃないかと不安なのです。
楓:「それならもう、私は今すぐ死んだほうがいいんじゃないの……?」
つぐみ:「嫌だ!!ダメだよ!!絶対!!別れないで」
つぐみの脳裏には、樹と別れた日のことが浮かんでいました。
つぐみと是枝が結ばれる
圭吾は、車いすの建築士である樹に家の設計を頼みたいと思い、東京に出向きました。
つぐみは、意外なところで再び樹に繋がってしまって動揺。
そして、そんな気持ちを是枝に見透かされてしまうことに。
つぐみと是枝が久しぶりにドライブデートした日は、土砂降りでした。
是枝は「俺はやっぱり自分だけを見てもらえないのは嫌なんだ。でもそれを相手に強要することはできないから努力するしかねーなって」と不安な気持ちをつぐみに告げます。
雨による倒木で道が塞がり、2人では宿泊することに。
是枝は「川奈の中が俺ひとりになるまで待つわ」と言いますが、つぐみは是枝に抱きつき、2人は結ばれました。
つぐみは、いつまでも樹を引きずっている自分が嫌で、是枝を大事にしたいと思ったのです。
樹が、楓と圭吾の家の設計を断る
東京から帰ってきた圭吾は、深い落胆の色を見せました。
なんと、樹に家の設計を断られたのです。
楓の病状が思ったより早く進行しているので、早く家を建てないといけないのに……。
「まさかあの鮎川が、松本からわざわざ自分を頼ってくれた人を断った?!」と驚くつぐみ。
樹が以前設計を手掛けた小川夫婦は、バリアフリーの家で幸せに暮らしているというのに……。
つぐみは、圭吾から樹が設計を断った理由を聞きます。
それは……
・彼女がいなくなってもローンは残るし、圭吾の人生は続く。
・家族の理解を得られないまま、家を建てるのはハイリスク過ぎる。
・一番気になるのは、彼女がこの家の建築を望んでいるのかどうか、もし彼女が望んでいないなら受けられない。
最後の言葉を言われたとき、圭吾は言い返せませんでした。
楓が本当は、家なんか望んでいないことをわかっていたから。
「いつもいつも私に負担をかけまいと思ってきた鮎川には、楓さんの気持ちがわかるんだろう」と思うつぐみ。
それでも、圭吾は家をあきらめたくないと言います。
樹が長沢を受け入れる?
一方、東京の樹は、圭吾を否定して断ったことを後悔し始めていました。
代替え案を出すべきだったのではないかと。
そして樹の家には相変わらず長沢がヘルパーとして来てくれていましたが、長沢の告白以来、変な空気が流れています。
そんな中、樹の母親が「松本で長沢さんを見たよ」と樹に電話してきました。
樹が「長沢さん、まさか川奈に会いに行った?」と問い詰めると、長沢は動揺してグラスを割ってしまい、破片でケガをしてしまいました。
樹は、受傷者たちから“恩人”と慕われる長沢を、こんな風にしたのは自分のせいなのか?と悔やみます。
長沢は「バレた。これで終わりだ」と樹の元を去る決意をしましたが、樹は「今まで通り来てください」と頼みました。
楓の一時退院の日、圭吾とつぐみで病院に迎えに行きますが、楓はいませんでした。
つぐみは圭吾と一緒に楓の自宅に行きますが、それは障害者が生活するには大変なことが多すぎる家でした。
道路に出るまで細い砂利道で、しかも家の前は坂、玄関の取り付けスロープもスペースがないから凄い角度。
圭吾は楓をこれ以上、こんな悪条件の家に住まわせるわけにいかないから、家の建築を急いでいるのでしょう。
楓はひとりで河原にいて「別れたい。圭ちゃんを不幸にしなくてすむならそっちの方がいい」と言って泣きました。
「楓も、あの建築士も、どうして人の幸せを勝手に決めるんだ」と憤る圭吾。
まだ楓が歩けた頃、楓は圭吾と暮らす家が欲しいと言っていました。
圭吾は、楓の夢を叶えるために、家を建てようと思っているのに……。
樹とつぐみの再会
つぐみと圭吾は2人で、東京の樹のところへ。
樹は「なぜ川奈が?」と怪訝な顔をしますが、「私は鮎川より圭吾さんを知ってるし、圭吾さんより鮎川のことわかってる」とつぐみ。
つぐみは複雑な心境の中、楓と圭吾の家への思いを伝え、樹は今週中に松本に行くことを約束してくれました。
金曜日、樹は楓に会うために松本に来ました。
樹は「圭吾さんの気持ちを受け入れてもいいのかもしれません」と説得を試みますが、楓はヒステリックに「私の気持ちがわかる?簡単に言わないで」と怒鳴りました。
楓が家を望まない理由が、圭吾が自分の店のために貯めたお金を家のために全部使ってしまおうと考えているからだと知った樹は、徹夜で新しいプランを考えてきました。
それは、以下のようなプラン。
・寝室との壁を外せば、ひとつの広い空間になるようにしておく、テーブル席が3、4つ、オープンキッチンに小さなカウンター。
楓は、涙を流して喜びました。
「この人はやはり私が憧れ続けた人だ」と感動するつぐみ。
その後、樹とつぐみは2人で話します。
樹:「(是枝に)ちゃんと大事にしてもらってる?」
つぐみ:「すごく、してもらってる」
樹は「よかった」と満面の笑顔。
樹はつぐみと別れたあとも、つぐみの幸せを願ってくれていたのです。
樹とのことがあった翌週末、是枝がつぐみの実家にやってきました。
つぐみは「鮎川に会ったこと、言っとかなきゃ」と思いつつ、言い出せません。
結局樹のことを言えないまま、是枝は帰っていきました。
一方、東京の樹は「松本で川奈と会ってこれからも仕事で会うけど、心配しないでほしい」と長沢を安心させました。
その後、長沢と是枝はバッタリ出くわします。
長沢から、樹とつぐみが再会したことを知らされた是枝は、激しく動揺。
是枝:「長沢さんはそれで平気なの?あの2人は会うようになったらダメなんだよ」
長沢:「樹くんは川奈さんに抱いていたような気持ちを私に持つことはないと思うけれど、それで十分。樹くんも川奈さんも、もうわかってる。相手を幸せにできるのは自分じゃないと。あの2人はもう戻らないの」
つぐみがインテリアを担当
圭吾が「つぐみさん、家のインテリアやってもらえない?」とつぐみに言ってきました。
つぐみなら色々理解してくれているし、楓とも仲がいいので適任と思ってのことでした。
つぐみはいまだに樹への恋心を引きずっていましたが、もし樹と仕事仲間として新しい関係を築けたら、今度こそ本当に恋を終わらせることができるのではないかと考えます。
しかしつぐみが樹に「楓さんと圭吾さんの家のインテリアをさせてもらえないかな?」と頼むと、あっさり断られました。
樹は、本当はつぐみのインテリアデザインをしたいという夢を叶えてあげたいと思っていましたが、自分たちが近づくとまた悪いことが起こるんじゃないかと怖かったのです。
しかしつぐみはあきらめず、インテリアデザインの案をやり直して再び東京にやってきました。
強くなったつぐみに驚いた樹は「どうしてそんなに強くなったの?新しい道が見えてそれに進んでいるのかな?それなら俺たち別れて良かったと思う」と言いました。
つぐみは「私が強くなったとしたら、それは鮎川と出会ったからだよ。鮎川が私と変えたんだよ」と返答。
自分たちはただ傷つけあったのではなく、ちゃんと出会った意味があったことを知った樹は「わかった、やろう、一緒に」と言ってくれました。
つぐみは是枝の部屋で、樹と仕事をすることになったことを報告。
つぐみ:「鮎川と戻ることは絶対ないから」
是枝:「理屈では理解できるんだ。でも気持ちがついていかない」
2人は、一気に気まずくなります。
その後、是枝は松本に行き、樹とつぐみと食事します。
是枝には15年前に亡くなった兄貴がいて、兄貴は是枝の夢を応援してくれました。
是枝は「俺も兄貴みたいに川奈の夢を叶えたい」と言いました。
そしてつぐみに「仕事、がんばれよ」と笑顔で言ってくれました。
樹は「俺たちが戻ることは絶対にないから」と是枝に約束。
上棟式と大地震
樹とつぐみは順調に仕事をこなしていき、とうとう※上棟式を迎えました。
※上棟式……家の骨組みが完成した区切りの時期に、ここまで無事に工事が進んだことへの感謝と、完成を祈願する儀式。
樹が「弘法山から、この家がどう見えるか見たい」と言ったので、つぐみが車いすを押して連れていきます。
最後の階段はかなり大変でしたが、つぐみはなんとか押し上げて、2人は山頂へ。
「川奈は変わったよ。俺を押し上げてくれるくらいに!!」と樹。
その後、大きな地震が起こり、つぐみは樹と連絡が取れなくなりました。
つぐみは、樹が今日は親が出かけていて一人だと言っていたことを思い出し、心配でたまりません。
圭吾に連絡すると、これから一緒に樹の家に行ってくれるとのこと。
つぐみと圭吾は車で樹の家に向かいますが、渋滞が酷いうえに余震に見舞われることに。
車を降りて樹の家へ向かいますが、雪が降ってきました。
樹のような重度の脊髄損傷者は、健常者と比べて体温調節機能がとても低い。
もしかして氷のように冷たくなっているかもしれない……。
そこへ是枝から電話がかかり、長沢と合流して樹の家へ向かっているとのこと。
長沢が電話に出て、つぐみに樹が陥っているであろう深刻な状況を説明します。
・地震が起きたのは朝だから一度はしていると思うが、半日以上たてば深刻な尿毒症に。
・限界以上の毒が溜まればショック状態に陥ることもあり、死に至ることも。
・だから一刻も早く、樹の安否を確認しなくてはならない。
つぐみは、必死で樹の家まで走りました。
そこでまた余震があり、圭吾と一緒に裏から家に入ります。
樹は倒れていましたが、無事でした。
しかしカテーテルは、朝から使っていないとのこと。
つぐみは散らかった中から、カテーテルを見つけ出しました。
樹は助けを求めるために大声を出し過ぎて声ガラガラで、手はベットのふちを叩き続けて出血しています。
つぐみは「よかった、無事でよかった」と涙を流しました。
樹が「(圭吾の)家が大丈夫かどうか見に行きたい」と言って、3人で向かいます。
棟梁たちも、心配して集まっていました。
家は倒壊していませんでしたが、修繕すべき箇所があり、余震が来る前にみんなで協力して作業を終えました。
一方、是枝と長沢は、まだ松本から遠い場所にいました。
長沢:「こういう大きいことが起こった後って、人ってどこか変わってしまうんじゃないかな。樹くん、地震の直前に言ってくれたの。一緒に遊びに行こうって。これから会う彼は、その時と同じ彼なのかなって」
是枝:「考えすぎだよ、長沢さん」
避難所でまたしても大ピンチに
圭吾と別れ、樹とつぐみは避難所へ向かいます。
しかし避難所である体育館に到着すると、樹は「ここにはいられない、出ていくよ」と言いました。
その理由は、バリアフリーではないし、身障者用トイレもないし、混雑し過ぎで車いすが通れないから。
さらに、この床の上で寝ると、一晩で褥瘡(じょくそう)が悪化してしまいます(>_<)
樹は「俺は病院に行ってみるから、川奈は家族といて」と言いますが、「私も一緒に行く」とつぐみ。
病院で樹は寝床としてマットを借りられることになりますが、そのマットを年老いた女性に譲ってしまいました(優しい)。
結局、樹は職員の人の車の中で一夜を過ごすことに。
つぐみはいったんは避難所に戻りますが、心配で樹のところへ。
樹が「車の中に入らない?」と言ってくれて、つぐみが車内に入ると予想以上に温かい空間でした。
樹がスケッチブックを見つけて「川奈、一枚だけ絵を描いて」と頼んで、つぐみは絵を描き始めます。
樹が「助けてくれてありがとう」と言って、つぐみは「生きててくれてありがとう」と涙。
2人は後部座席で同じ毛布にくるまり、至近距離で話をしました。
今夜だけは昔の2人に戻ろう、付き合ってた頃より前の夢だけ見てた高校時代の2人に。
朝になって、是枝と長沢が到着。
長沢は、樹に抱きついて涙を流しました。
その後、樹はヘリで別の病院に移動していきました。
「車の中で鮎川と過ごしたことは、一夜限りの夢のようだ」と思うつぐみ。
つぐみは、是枝の家に行くことに。
つぐみが眠った後、是枝は一枚の絵を取り出しました。
それは職員から預かった、つぐみが昨日描いた絵。
是枝はこの絵を見たとき、つぐみが一晩中樹のそばにいて樹を見つめながら描いたことに気が付きました。
この絵を自分が持っていてはいけないと思う一方、どんな顔でつぐみに渡したらいいのかわかりません。
地震から5日間が経過して、樹からメールが。
うちの両親も松本に戻ったから、家の方は大丈夫です。
今回の震災で障害があることによるまた新しい厳しさを経験した。
それは正直辛いことだったけど、川奈のおかげでなんとか乗り越えることができたよ。
晴人と舞花の進化
つぐみは、久しぶりに晴人と舞花と会いました。
この2人は樹との仕事で知り合った高校生カップルで、特に舞花とは東京にいた頃恋愛話をよくした仲。
舞花は希望通り福祉の大学に進学し、晴人はもう1年高校に行きます(引き籠ってたから)。
つぐみは2人が相変わらず仲がいいな~と思いますが、なんと2人は別れていました。
でも元の幼馴染に戻って、今もいい関係だとのこと。
舞花は「あたしたち付き合ったことにひとつも後悔はないし、別れたことにも後悔はないよ」と言いました。
後悔の行き先は……
その夜、是枝の部屋に行くはずだったつぐみが向かったのは、樹の元でした。
「鮎川、私。後悔があるの」
樹の提案で、一緒に散歩に行きます。
日本各地の震災復興を祈るキャンドルナイトをしていて、樹とつぐみもろうそくに願い事を書きます。
ろうそくの光を見ながら、全てを裏切っても失っても樹のことが好きなんだと思うつぐみ。
そして不意に、樹がつぐみの手を取りました。
「俺も後悔があるんだ。松本で別れてからずっと考えてた。“後悔”をどんな言葉で伝えればいいのあk。でも結局、見つけることはできなかった。ただ、この言葉しか残っていなかった。川奈が好きだ」
あなたさえいてくれれば、この世界は完璧なんだ……。
キャンドルナイトが終わって居場所がなくなった樹とつぐみは、バーでお酒を飲み、始発まで過ごしました。
つぐみが電車に乗ると「すぐ会いに行くから」と樹。
つぐみは是枝に電話しますが、繋がりません。
つぐみは、大事に思ってくれていた人を裏切った心の痛みを感じます。
その夜、是枝は樹に会いにいきました。
「一回だけ殴っていい?」と樹を殴ろうとしますが、寸前でやめました。
そして「殴られた方がいいのは俺の方かもな」と言って、地震の日につぐみが描いた絵を渡しました。
是枝:「渡せなかったのは、俺のさもしい嫉妬心だよ。
その絵、高校の時、川奈が描いた絵と同じ構図だよね。
川奈が鮎川見ながら描いてるの、俺遠くから見てたよ。
俺はずっと気持ちを伝えられなくて、告白しようと一大決心して呼び出したのに、あいつ風邪ひいて待っても待っても来なくて、結局それっきりだった。
けど本気で好きなら、別に卒業してからだって言いに行けば良かったんだ。
でも俺はしなかった、自分で自分をあきらめたから。
再会した彼女は鮎川といて、でもお前車いすに乗ってて、他人の彼女想うなんてやっちゃいけないことだと思った。
なのに俺は、心の奥底で、“今なら勝てる”って思ったんだ。
最悪だろ。でも結局、お前にはかなわなかった」
樹:「おまえが本音言ったから俺も言う。
歩けなくなってからもう普通に恋愛しちゃいけないと思ってた。
でも本当は、俺だって幸せになりたいんだよ!!」
是枝は「もしもう一度川奈の手を離したら、その時は本当に殴るから」と言って去っていきました。
その後、つぐみの携帯に是枝からメールが。
川奈との時間は本当に幸せだったよ。
ひとつだけ心残りがあるなら、昨日の夜会えたらプロポーズするつもりだったんだ。
それで派手に振られようと思ってたけど、でも結局言えなかった。
だけどそれ以外は俺はなにも後悔してない。
全力で人を好きになったんだから。
つぐみはその場で泣き崩れました。
樹とつぐみは一緒に変わることができた
一方、樹は長沢につぐみとのことを伝えようとしますが、褥瘡(じょくそう)から大量に出血して、病院に行きます。
診断結果は、初期の敗血症を起こしている可能性があるので手術が必要で、2ヵ月は休む必要があるとのこと。
つぐみは、すぐに病院に駆け付けました。
つぐみ:「長沢さん、お久しぶりです。ご連絡いただいてありがとうございます」
長沢:「二人が一緒にいたって、前と同じことの繰り返しじゃないの?あの時から何が変わったのか私に見せてよ」
長沢にとって、樹は「障害」がなければ出会うはずもない相手でした。
しかし、この「障害」は何より強い絆に思えるのです。
長沢の予想に反して、つぐみの決断は冷静なものでした。
病院には医者も長沢も樹の母親もいるのだから、自分は樹が担当している圭吾夫婦の家の現場に毎日通って、状況を一つ残らず報告するというのです。
つぐみ:「私、『障害を日常としてとらえることができなければ、共に生きていくことはできない』という長沢さんの言葉がずっと忘れられなかった。
今日、ここに来るまでずっと考えていました。
鮎川はきっとこの先も、こういうことが何度もある。
だけどこれが彼の日常なんだって。
彼といたいなら、自分にとってもこれが日常にならないといけない。
いつも一緒にいることが最善じゃない、それが長沢さんのあの時の言葉の意味なんでしょう?」
長沢:「そうよ、そのとおりよ」
つぐみ:「長沢さん、私、鮎川が好きです」
長沢:「もう行って!!」
長沢が病室に行くと、樹は「長沢さんがくれる愛情を、同じ形で返せない」と言いました。
長沢は決して泣くまいと決めて、「樹くんは変わったんだね」と微笑みました。
長沢が樹に出会ったとき、はじめて手に負えない患者かもと頭を抱えました。
その後樹はリハビリを頑張って「建築士はあきらめない」ともう一度人生の目標を持ってくれました。
しかし樹は、人生でもう一つの大事なこと(人を愛し愛されること)には心を閉ざしたままでした。
長沢は「川奈さんと一緒に樹くんは変われたんだね。この手術が終わるまで私そばにいていいかな。看護師として」と言いました。
病室を出た長沢は、涙を流しました。
圭吾と楓の結婚式
つぐみのサポートのおかげで、樹は入院しながら現場にいる感覚で仕事が出来て、圭吾たちの家は着実に完成に向かっていきます。
樹は敗血症にかかっておらず、無事に褥瘡の手術を終えました。
腰のあたりに大きな穴があいてしまっているけれど、今は縫わずに傷を開放させたまま治す方法もあって、退院後は自宅療養に移りました。
とうとう家が完成して、圭吾と楓は大喜び。
つぐみは、父親に是枝とは別れて樹とやり直すことを報告。
しかし父親は「ナイチンゲールにでもなったつもりか?私は許さんぞ!」と言いました。
そして迎えた圭吾と楓の結婚式。
つぐみと樹も出席して、2人を祝福。
それは家族や友人の愛情が溢れた素敵な式でした。
「圭吾さんたちのように、いつか私と鮎川のことも理解されたい」と願うつぐみ。
しかしつぐみは、酔っぱらった圭吾の父親が「(嫁は)先は長くないだろ?それまで好きにさせてやればいいんだよ」と言っているのを聞いて悲しくなります。
あんなに幸福そうな2人を見て、どうしてあんな言葉が出てくるのか……?
つぐみが「私はもう、この世界に2人きりでいられればいい。ほかは何もいらない」と言うと「川奈、お父さんに反対されてる?そうなんだね?」と樹。
父親の猛反対に、樹は……
樹はつぐみの父親が入院する病院に行き、自分という人間を知ってほしいとお願いします。
しかし父親は、2人の関係に猛反対、説得の術がありません。
つぐみは最近父親と話しておらず、2人の間に入ることもできません。
そんなつぐみに「最初から話を聞いてもらえるとは思ってない。何度でも顏を出すよ」と樹。
しかし樹が何度顏を出しても、父親の態度は変化しません。
樹は、父親が好きだという“さくら萬壽(桜の塩漬けがのったお菓子)”を差し入れました。
さくら萬壽のさくらの塩漬けは、昔、父親が経営していた会社が倒産して生きる希望をなくしていた時、つぐみがおかゆに入れてくれたものでした。
それからというのも、父親はつぐみのために一生懸命働き、可愛がってきたのです。
翌日、父親は樹を散歩に誘いました。
今では父親も、樹と同じ車いすです。
樹は「つぐみさんを大切にします、2人で幸せを見つけていきます!!」と頭を下げますが、「鮎川さん、あなたは今はまだ若く、体力もあるだろう。でもいつかは一般の人より早い段階で今の私と近しい状態になるのではないか?」と父親。
父親に「お願いです、もう2度と娘に近づかないでください」とお願いされ、樹はその場を去りました。
その夜、自分には人を愛する権利も愛される権利もないのか、と落ち込む樹。
つぐみは「私がお父さんの気持ちに向き合ってみる。今のままじゃ誰も幸せにならない。2人のことをわかってもらうことが父を救うことにもなると思うから」と言いました。
その後、つぐみの父親は倒れて危篤状態に……!
病院からの連絡でつぐみたち家族が集まりますが、樹も駆け付けました。
樹とつぐみは昏睡状態の父親に向かって話しかけますが、父親は何の反応もしません。
しかし樹とつぐみが部屋を出ようとしたとき、血圧が上がり、父親は一命を取り留めました。
その後は順調に回復していき、外出できるまでに。
娘をよろしくお願いします
ある日、つぐみは父親に誘われて、河川敷の公園まで散歩に出かけました。
すると、なんと前から樹がやってきました。
樹を呼んだのは父親で、今から2人に話をしたいと言います。
父親:「ICUに入った時“ああこれで死ぬんだな”と、どんどん意識が薄れていった。
だが闇の中からつぐみと鮎川くんの声が聞こえて来て、その声が私の目を覚ました。
鮎川くん、今まで酷い言葉ばかり言い続けた私を許してほしい」
樹:「いや、そんな。顏を上げてください」
父親:「君とつぐみの声が私を呼び戻してくれた時、思った。ああ、そうだ、俺はまだ死ねない」
そしてその時、父親は、悲しむ娘を必死に支えようとする男(樹)の姿を見ました。
もうどんな言葉よりもその光景が全てを語っていて、この2人は出会うべくして出会ったとわかったのです。
父親が樹に「娘をよろしくお願いします」と頭を下げ、つぐみも樹も感激で涙がこぼれます。
父親:「つぐみ!花嫁姿を見せてくれ!」
父親はつぐみに東京に戻るように言いました。
つぐみは以前働いていた「クランベリーズ」に戻れることになり、今夜樹と一緒に一度東京に戻ることに。
その夜、樹とつぐみは圭吾の家へ。
楓はバリアフリーの家で生き生きと動き回り、圭吾と以前にも増していい関係になっていました。
圭吾によると、楓は“終活”を始めたとのこと。
圭吾は「この家で2人で暮らして、その先のことまで楓と共有していられること、かけがえがない」と樹に感謝。
ベランダで涼んでいると、圭吾が真っ赤な顏でつぐみに何か言おうとします。
つぐみは急いで水を取りに走りますが、樹はプロポーズしようとしていたのでした。
しかし「結婚」の2文字を聞いた圭吾と楓がワヤワヤとやってきて、台無しに(笑)。
プロポーズ
圭吾の家からの帰り、樹はつぐみを夜景の見える場所へ誘いました。
そして江の島でネックレスを買ったのと同じ店で買った指輪を渡して、今度こそプロポーズ。
樹:「俺は自分のことはできる限り自分でやる。
川奈に負担かけないように、最大限努力する。
具合が悪ければ自分で病院に行くし、入院も極力ひとりで過ごすし、掃除も洗濯もするし、料理は苦手だけど腹が減ったらなんか買ってくるし。
高いところのものだって、工夫次第でどうとでもなるんだ。
でも本当にどうしようもない時は、川奈に向かって叫ぶよ。
その時はすまないけど、力になってほしい。
でもそれ以外の時は、俺のことなんかほっといていい。
もう一度言うよ、結婚しよう」
つぐみ:「はい」
結婚式
結婚式の日、父親は美しいつぐみの花嫁姿を見て「言葉にならん……」と絶句。
つぐみは「わがままばっかり行って来た私をここまで育ててくれてありがとう」と言って、父親は「それはこちらこそだ。本当にこれ以上のことはない」と喜びました。
いつもは杖をついている父親ですが、今日はつぐみとバージンロードをあるくために杖は預けました。
今日ぐらいは、父親らしく娘を送り出したいから。
父親はつぐみをエスコートして、樹に託しました。
樹とつぐみは……誓いのキス。
家族や親せき、会社の人やたくさんの友人が来て、祝福してくれました。
そして新婦・つぐみから、新郎・樹にサプライズプレゼント。
それは2枚の絵で、1枚は金賞を取った桜の絵で、もう1枚は「あの頃の大切な思い出」というタイトルの樹がバスケをしている絵でした。
つぐみは、高校生のときのまだ歩けているときの樹を思い出して描いたのです。
実は樹は、昔の写真は辛くて全て捨てていました。
その後は捨てたことを後悔しましたが、今日からはそんなことも少しずつ減りそうな予感がします。
この絵は、樹の新しい宝物に。
その頃、腐れ縁の長沢と是枝は、2人で別の場所で呑んでいました。
つぐみは、長沢からの手紙を読んで泣きました。
そこには「私から障害について伝えることはもう何もないわ。本当にがんばったわね」と書かれていたのです。
子供を作ろう
結婚式が終わって一か月後、つぐみの父親の状態は再び悪くなり、間もなくして逝去。
つぐみと樹はバリアフリーの家に引っ越して、公私ともに充実していました。
しかし大事な問題である「子供をどうするか?」については、2人とも不安があって前に進めずにいました。
樹は本当は脊髄損傷したときに精子を凍結しておけば良かったのですが、してなくて受傷して長い時間が経過したので、精子の状態が悪くなっている可能性も。
そうなると子供を作るとしても、もうあまり時間がなく、夢を持って治療したとしても子供ができる確率は低いかもしれません。
その夜、つぐみは初めて樹のベッドに行きました。
普通の恋人たちのように身体をひとつにすることは出来ませんが、その分慈しみ合うことが出来ました。
もう、十分なのかもしれない……。
樹が所属する障害者のバスケットボールの練習を、石橋夫婦の息子・風太が見学に来ました。
石橋夫婦とは、旦那さんが車いすのとても仲のいい夫婦。
風太は父親と口喧嘩になり、外に飛び出してしまいました。
風太はプロのバスケットボールの選手になりたいのですが、最近勉強をしなくなったので、父親から「本気でなれると思ってんのか」と言われてしまったのです。
樹とつぐみで迎えに行き、3人で手を繋ぎました。
その瞬間、樹にもつぐみにも“未来の自分たちの姿”が見えました。
樹はつぐみの手を取って「俺たち、やっぱり子供作ろう」と言いました。
治療を開始
子供を作ることに決めた樹とつぐみは、病院へ。
“体外受精ができない夫婦に対して行う治療”をスタート。
樹の手術は一回だけで、そこで採れる精子の量と質で治療回数は決まってくるとのこと。
樹の手術の結果、治療は4回に決まりました。
つぐみは排卵日に向けて排卵誘発剤を打つために、毎日会社を早退。
筋肉注射を打つなど大変なつぐみのために、樹は慣れない料理もします。
しかし今回、つぐみは妊娠に至りませんでした。
1回で妊娠に至ることは少ないとわかっていたのに、つぐみは落ち込んでしまいます。
注射して採卵して移植して、治療が進むたびに前に進んでいる実感があったのに……。
そして着床を待っている間の赤ちゃんへの期待度も。
これっきりではなく、あと3回チャンスは残っています。
しかしつぐみは、自分は本当に樹の子供を産めるのだろうか……と考え込んでしまうのでした。
まとめ
『パーフェクトワールド』原作のあらすじの結末ネタバレ・後篇をまとめました。最新話が発表され次第、追記していきます。
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