「この世界は不完全。君がいなければ」がキャッチコピーの超純愛ドラマ『パーフェクトワールド』が、2019年4月16日(火)からスタート(夜9:00~9:54)。
車いす生活を送る建築士・鮎川樹(松坂桃李)と、高校時代に彼に思いを寄せていた川奈つぐみ(山本美月)の、偶然の再会から始まるラブストーリーです。
原作は女性コミック誌「Kiss」で連載されている有賀リエさんによる大人気同名漫画。
当記事では、新ドラマ『パーフェクトワールド』の原作漫画のあらすじの結末ネタバレ・前編をまとめています。
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ドラマ『パーフェクトワールド』とは?
新ドラマ『パーフェクトワールド』とは、松坂桃李×山本美月が紡ぐ純愛ラブストーリー。
松坂桃李さんは、連ドラで“純粋なラブストーリー”に初挑戦、ヒロインを演じるのは、初共演となる山本美月さんです。
事故に遭い、車いす生活を送る建築士・鮎川樹(松坂桃李)が、同級生・川奈つぐみ(山本美月)と再会し、困難を乗り越えながら、少しずつ心を通わせていく姿が繊細な描写で描かれます。
2018年10月5日公開の映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』は、岩田剛典さんと杉咲花さんのw主演で描かれました。
『パーフェクトワールド』原作とは?
入院前に購入した漫画
— 夕焼け空 (@benisora1212) 2016年7月3日
久々に漫画の世界へ
では、今度こそ・・・離脱✨
#漫画 #パーフェクトワールド pic.twitter.com/91Qvax19Gh
『パーフェクトワールド』の原作は、女性コミック誌「Kiss」(講談社)で連載中の有賀リエさん原作の同名漫画で、既刊9巻。
覚悟がいる純愛物語が、幅広い層から支持を受け、累計170万部を超える人気ぶり。
樹とつぐみの恋はもちろん、障害にまつわる現実も深く描かれています。
『パーフェクトワールド』主な登場人物
『パーフェクトワールド』の主な登場人物をご紹介します。
「講談設計」勤務の一級建築士。
苦悩を乗り越え、建築士に。
合併症の不安を抱えながらも、仕事にまい進。
インテリアデザイン会社「クランベリーズ」勤務。
絵を描く夢を一度はあきらめたが、樹の前向きな姿に心打たれて再起。
樹と事故後に破局した元カノ。
樹とつぐみの同級生。
ずっと、つぐみのことが好き。
原作ではSEだが、ドラマではアプリ制作会社経営。
樹のヘルパー。
人生に絶望した樹を立ち直らせた恩人。
『パーフェクトワールド』原作のあらすじの結末をネタバレ・前編
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偶然の再会
川奈つぐみ(山本美月)は、東京のインテリアデザイン会社「クランベリーズ」に勤務。
ある日、取引先の設計事務所の飲み会で、鮎川樹(松坂桃李)と再会。
樹はつぐみの初恋の人で、高校時代はバスケ部のナンバー1キャプテンでした。
つぐみがイラストレーターの夢をあきらめたのに対して、樹は夢を叶えて一級建築士になっていました。
しかし、樹は大学の時の事故で「脊髄損傷(せきずいそんしょう)」となり、車いす生活になっていました。
つぐみは思いがけない再会に胸が高鳴ったはずなのに、車いすと知って一歩引いてしまいます。
そんなつぐみに樹は「俺、誰とも恋愛する気ない。だから安心して」。
再び溢れる恋心
コンペの〆切り前に、樹が高熱を出して倒れて入院しました。
なんでも、背中にひどい※褥瘡(じょくそう)が出来てしまったとのこと。
※褥瘡……圧迫による皮膚の潰瘍で、皮下脂肪や骨まで達するような重症のケースは簡単には治癒せず、感染を合併すると死に至ることもある。
これから手術になるという樹の見舞いに駆け付けたつぐみは、彼の背中のえぐれた肉を見て絶句します。
私、鮎川のことを何もわかっていなかった……。
目を覚ました樹は「コンペのパース書かなきゃ。これまでのみんなの作業がムダになる」と言って、40度の熱がある中、うつぶせか横向きにしかなれない状態で作業をこなしていきます。
つぐみは「もういいよ、休もう、次がある」と言いますが、「次じゃダメなんだ。次がある保証もないのに、いつ死ぬかもわからないのに、今やらなきゃダメなんだ!!」と樹。
この人は、今までどれほど苦しい思いをしてきたんだろう……。
つぐみは、最後の着色を自分にやらせてほしいと言って、鮎川は承諾。
樹は、高3の春休みに、つぐみの卒業制作の絵を展覧会に見に行っていました。
そして、つぐみの絵が好きだったのです。
出来上がった作品を見た樹は「完璧」と笑って、安心して眠りにつきました。
つぐみの中に、樹への恋心が再び溢れてきました。
樹のコンペ作品は、優勝こそ逃したものの、次点である佳作を受賞。
雑誌にも大きく取り上げられ、予想以上の反響を呼びました。
樹は飲食店リノベーションの担当に抜擢、つぐみもインテリア担当として加えてもらうことに。
しかし飲食店からは、経費削減でバリアフリーを外す設計を依頼を頼まれます。
障害者に向けられる目
病院でコンペ作業を手伝ってから、つぐみと樹は一緒に出掛けるように。
一緒にいるようになって気が付いたのは、障害者に向けられる無遠慮な視線や態度。
樹と出会う前の自分も同じだったかもしれない。
樹の負担はどれほどのものだろう、と思うつぐみ。
つぐみが「彼女作る気ないの?」と聞くと、「ないよ。前の彼女とも事故のあと別れたし」と樹。
前の彼女とは、雪村美姫(水沢エレナ)。
高校時代につぐみが樹への恋心を自覚すらできなかった頃、まっすぐ樹に告白した人でした。
つぐみ:「でも大変なことも、一緒に乗り越えようって人もいるんじゃないかな」
樹:「でも俺、たまにウンコもらすことあるよ?」
つぐみ:「好きなったらウンコくらい平気だよ!」
樹:「排泄障害って言って、自然に便が流れ出ちゃうんだ。どんなに気を使ってもどうしようもない。そんなことが一生続いてく。健常者には色んな選択肢があるのに、わざわざ俺を選ぶことないよ」
元カノ・美姫との再会と別れ
樹とつぐみは、高校の同窓会に出席するために、一緒に松本に帰省。
樹が障害者用のレンタカーを運転してくれました。
同窓会には樹の元カノ・美姫も来ていて、2人は外に話をしに行ってしまいました。
同級生たちの噂話によると、2人は卒業後もずっと付き合い続けていたのに、樹が事故にあった後に、美姫がフッたとのこと。
同級生たちの樹への心無い言葉にムカついたつぐみも、外へ。
そして、美姫が樹に「明日わたし結婚するの。ジャンセン教会で式をあげるわ」と言った後に「本当に大好きだった、樹」と泣いているのを目撃してしまいます。
美姫がつぐみを追いかけて来て、2人で話をします。
みんなは美姫が樹をフッたと言っているけれど、実は樹が美姫をフッたのが真相でした。
美姫の方は、樹と離れることなど考えもしなかったのです。
しかし家族中に大反対されて、だんだん周りの圧力に耐えられなくなっていきました。
どこへ行っても視線を浴び、冷たい扱いし、憐みのまなざし。
そのたびに「昔の彼だったら」と思う自分の弱さに苦しむことに。
樹は美姫を、そんな世間から解放したのです。
美姫:「川奈さん、樹のことが好きなの?」
つぐみ:「え?」
美姫:「簡単じゃないよ」
障害者との恋愛は、乗り越えることができなかったら、普通の恋愛より相手を傷つけるんだろうか……と思うつぐみ。
帰りの車はつぐみが運転して、嫌がる樹をジャンセン教会に連れていきました。
これが2人の最後の別れになるかもしれないのだから、きちんとお別れすべきだと思ったから。
ウェディングドレス姿の美姫を見た樹は「すげーきれいだ」と感動。
「おめでとう」と笑顔で手を振ると、美姫は涙をこぼしました。
樹:「別れたことは間違ってなかった。幸せになってくれてよかった。これで俺も忘れられる。ありがとう、川奈」
つぐみ:「東京に戻ろう」
幻肢痛
東京に戻った樹は仕事にまい進しますが、時々「幻肢痛(げんしつう)」という不思議な痛みに苦しんでいました。
麻痺して何も感じないはずなのに、激痛が走る。
手足を切断した人が、ないはずの手足が痛むと言うけれど、同じ症状が脊髄損傷でもおこる場合があるのです。
車いすの高校生・晴人
樹が、車いすの高校生・晴人の家のバリアフリーのリフォームを担当することになりました。
つぐみも一緒に、晴人の家へ内見に行きます。
晴人は、樹と同じ脊髄損傷でしたが、まだ※障害受容(しょうがいじゅよう)が出来ていませんでした。
※障害受容とは、自分はもう障害者になったんだという現実を受け入れること。
樹とつぐみが帰ろうとすると、門のところに女子高生が。
晴人の彼女・舞花でしたが、なんと晴は事故のあと1年も彼女に会ってくれないとのこと。
インターハイの常連校・帝南高校のバスケ部のエースだった晴人は、プロになるのが夢でした。
晴のようなスポーツマンにとっては、身体の自由を奪われたことは本当に辛いのです。
つぐみは「鮎川の経験を話してあげたらどうかなあ?」と言います。
後日、樹は晴に「今度の日曜日、俺が所属している車イスバスケを見に来ないか?」と誘います。
晴は「行かねえよ」と言いますが「迎えに来るから。つまらなければすぐに帰ってもいいから」と樹。
バスケ大好きな晴は、文句を言いながらもやってきました。
樹たちがプレーする姿を見て「ふーん、けっこううまいじゃん」と感心。
樹が「軽くシュートでもしてみる?」と言って、晴にボールを渡します。
しかし晴は、至近距離でシュートを外しました。
車いすだと、ゴールがとにかく高いのです。
樹は「重心がぐらつかないように意識して、ヒジを最大限に使うんだ」とアドバイス。
晴は何度か失敗しましたが、あっという間にシュートをキメました。
つぐみと一緒に観客席に来ていた舞花は「やったーっ」と叫びました。
しかし晴は「車いすでバスケなんかやっても」と言って、出ていきました。
樹とつぐみ、舞花は晴を追いかけました。
晴:「どうしたら、障害を受け入れられるんだ?」
樹:「俺だって全然受け入れられてない。受け入れられないまま生きることもできるんじゃないかな。俺、今日君とバスケしてすごい楽しかった。君は?」
晴:「楽しかった。事故にあってからこんなに楽しかったの初めてだ(涙)」
樹:「歩けない人生は辛いけど、なにかひとつ楽しいことがあれば生きていけるんじゃないかな?」
舞花は「今日かっこよかった晴人。バスケしている姿がいちばん好き」と涙を流しました。
舞花は今後も、前向きな気持ちで晴人と向き合っていくとのこと。
その夜、つぐみは樹に電話して「鮎川のことが知りたい」と言いました。
樹は「突然なに言い出すのかと思ったら」とフフフと笑い、いつの間にか幻肢痛の痛みを忘れていました。
怖い合併症
樹はその後も仕事に勉強に精力的な日々を送っていましたが、※尿路感染(にょうろかんせん)で高熱が出て入院。
※尿路感染は、おしっこの出口(尿道口)から細菌が膀胱内に進入することで生じる病気。
お見舞いに行ったつぐみは、樹の母親と初対面。
しかしつぐみが席を外している間に、樹と母親は大ゲンカ。
母親は樹にもっとゆっくり生活してほしいと思っているのに、樹は「ただでさえ、色んなことをあきらめてる。チャンスをもらえるなら、自分からはあきらめたくない」と言うのです。
怒った母親は「(川奈さんを)また美姫ちゃんみたいな子にする気?」と怒鳴りました。
つぐみが戻ると、樹は「俺の勘違いかもしれないけど、もし川奈が俺のことを思ってくれているなら、その気持ちには応えられない」ときっぱり言いました。
このままでは全て終わってしまう……と思うつぐみ。
翌日、つぐみは樹の母親に呼び出されました。
母親は、樹が合併症を起こして命を落とすことを心配していました。
歩けなくても死ぬわけではないけれど、今回の尿路感染も何度も繰り返すと※腎不全(じんふぜん)を起こす原因になるのです。
※腎不全……腎臓が動かなくなって、身体から毒を出せなくなってしまう状態。
つぐみは、大切な人(樹)が5年後、10年後にそこにいるとは限らない現実を思い知らされます。
しかしつぐみは、それでも樹に自分の気持ちを伝えることを決意。
つぐみの思いが、樹に届く
雪の日。
意を決して樹のマンションに行ったつぐみは、拾った猫がいなくなって探し回る樹に出くわします。
樹は自分の身体が冷えることより、猫の心配をしていました。
樹は「俺のことはどうでもいいから、猫がいるか見て来て」と言いますが、つぐみは「どうでもいいわけないじゃん!鮎川の代わりなんていないのに……!」と泣きました。
樹とつぐみがマンションに戻ると、なんと猫が引き出しの中にいました。
樹は「また迷惑かけてごめんな」と言いましたが、つぐみは「迷惑なんて思ってない。もっと何でも言ってほしい。何でも受け止めるから」と言ってキス。
2人は、付き合うことになりました。
樹は今まで一人でも強く生きていけるようにならなきゃと思っていましたが、つぐみが「鮎川の代わりなんていないのに……!」と叫んだ瞬間、長く張り詰めた糸が切れたような気がしたのです。
世界は、もう少し優しいものなのかもしれない……。
正月には、晴&舞花カップルと一緒に江の島へ。
樹はつぐみに「付き合った記念」のネックレスをプレゼント。
つぐみは本当にうれしそうな顔をして「彼女にしてくれてありがとう」と言いました。
その後も2人は幸せな時間を過ごしますが、樹は楽しいと思う一方、再び歩きたいという思いが込み上げてきます。
歩けたら出来たはずのこと、一緒に見れたはずの景色。
樹に「お前にしてやれることがあまりにも少なくて辛くなる」と言われて、つぐみは抱きしめることしか出来ませんでした。
父親の反対と、是枝との再会
2日後、樹とつぐみは年越しのために松本に帰省。
つぐみと樹はそれぞれの実家に帰って、初詣に一緒に行く約束をしました。
樹が車でつぐみを家に送った時に、つぐみの父親に出くわします。
樹は本当は車から降りて挨拶したかったのですが、乗ったまま挨拶しました。
実家で気の緩んだつぐみは、さっきの車いすの男性と付き合っていることを親に話してしまいます。
しかし父親は「それ親に笑って言う話か?」と激怒。
つぐみは、もっと時間をかけて話すべきだった……と後悔します。
父親は去年から体調を崩していました。
その後、つぐみが帰る日まで父親と一度も話すことはありませんでした。
初詣の日、樹は両親と一緒にやってきました。
樹が小学校6年生の時に親が離婚して、現在の父親は義理の父親でした。
樹は「今度(お父さんに)会った時には、必ず俺からきちんと挨拶するから」とつぐみに約束してくれました。
樹は、つぐみが親から色々言われてきたこと、不安になっていることが、全部想像がついているのです。
つぐみは「どうか神様、新しい一年が二人にとって優しい未来でありますように」と祈るのでした。
帰り道、つぐみは高校時代の同級生・是枝洋貴(瀬戸康史)と再会。
昔は“ヒョロザル”だったのに、身長が伸びてかっこよくなっていました。
そして東京でSE(システム・エンジニア)をしているとのこと。
是枝は樹のことも知っていましたが、話すのは初めてでした。
つぐみが「わたしたち、付き合ってるんだ」と言うと「へえ、そう」と是枝。
是枝は「今度東京組で集まろうぜー」と言って去っていきました。
実は是枝は、ずうっとつぐみのことが好きだったのです。
ヘルパー・長沢
樹とつぐみが東京に帰ると、樹の部屋に超美女がいました。
彼女の名前は長沢葵(中村ゆり)といって、樹を支えるヘルパーでした。
思った以上にキレイでナイスバディの彼女を見て、圧倒されるつぐみ。
長沢は「樹くんの心のことも身体のことも、付き合い立てのあなたなんかよりずっと理解しているから」と宣戦布告(?)。
つぐみは「この人は鮎川のことをどう思ってるの?」と不安に。
そんな中、樹が部屋のどこかに足をぶつけて、爪を剥がしてしまいました。
あまりの出血量につぐみは「痛い?」とパニックになりますが、長沢は落ち着いて対処して手際よく治療しました。
長沢が帰った後、つぐみは「長沢さんとどういう関係なの?昔看護師だった人がどうしてヘルパーをしているの?」と樹を問い詰めてしまいます。
樹は車いすを降りてつぐみの肩を抱いて、話してくれました。
彼女は看護師にしかできないやり方で、樹を外の世界へ引っ張っていった。
車いすの一級建築士に会わせ、夢をあきらめるなと言ってくれた。
樹があきらめかけていた夢を、もう一度目指すきっかけをくれた人。
樹は「長沢さんに恋愛感情はない」と言いましたが、「長沢さんは鮎川のことどう思ってるのかな」と不安になるつぐみ。
もしかしたら、自分なんかより長沢みたいな人の方が鮎川にふさわしいのかもしれない。
長沢は一度結婚しましたが、現在は離婚してバツイチ。
そして今では樹を好きな気持ちをどうやっておさえたらいいのか、わからなくなっていました。
がんばり過ぎたつぐみが、線路に転落
その後も樹が“設計”でつぐみが“インテリアデザイン”という形で2人で仕事しますが、長沢と会ってからつぐみの不安は消えません。
つぐみは次第にがんばり過ぎるようになり、平日も樹のマンションに来て掃除などするようになりました。
つぐみは部屋にネジがいっぱい付いたボルトがあるのを見つけますが、それは事故のあと樹の身体に埋め込まれていたものでした。
つぐみ:「こんなに大きくて重たくて冷たいものを身体に入れていたの……?鮎川のこと全部知りたいのに何にも知らない!!だから鮎川に何もしてあげられない!!」
樹:「これが身体に入っていた時には今より辛かったけれど、外したときはひとつ乗り越えたと思ったからその記念にもらってきた。だから過去のことはいいんだよ」
つぐみ:「私、鮎川の彼女としてちゃんとやれてる?」
樹:「俺は前より、ずっと幸せだよ」
その夜、樹のパソコンがフリーズして、つぐみが是枝に電話して直しに来てもらいました。
是枝は「川奈の頼みだったら、すぐに駆け付ける」と樹に宣戦布告。
帰り際、是枝は「なんでそんなにあいつのために必死になんだよ!!」とつぐみを抱き締めました。
つぐみは、是枝のあまりの力の強さに激しく動揺します。
さらに母親から「車いすの人とまだ付き合っているの?」という心無いメールが来て、過呼吸に。
つぐみは、目に見えて痩せていきました。
そしてある朝、樹に向かって「2人で暮らしたい」と言って、フラッと線路に落ちてしまいました。
樹は助けようとしますが、何もできませんでした。
幸いつぐみは駅員たちに助けられて、救急車で病院に運ばれることに。
樹は付き添いを申し出ますが、駅員に「ほかにも誰か、彼女に付き添える人に連絡とってください」と言われてしまいました。
そこに是枝からつぐみの携帯に着信があったので、樹は「頼む、来てくれ」と是枝を呼びます。
つぐみの検査の結果は、頭の傷は軽傷で、左足を骨折して全治2ヵ月。
さらに、本人に自覚はないけれど、相当疲労がたまった状態でした。
樹は眠っているつぐみのそばに付き添いながら、自分の無力さを感じて泣きました。
つぐみの両親も駆け付けて、樹を責めました。
樹は平謝りして、つぐみは骨折が治るまで実家に帰ることに。
樹は、つぐみは身をすり減らして一生懸命やってくれるのに、自分は負担をかけるばかりで肝心な時に守ることもできないことに落胆し、このまま一緒にいていいのか、悩みだします。
つぐみの父親は樹に土下座して「頼む、娘と別れてくれ!!」と頼みました。
自分の娘は、自分の代わりに背負ってくれるひとに任せたいから。
その後、つぐみは樹に「ちょっとだけ向こうに行ってくるけど、待ってて」と伝えて、療養のために実家(松本)へ戻りました。
父親はあれからさらに身体を悪くして、もうあまり長くないかもしれないとのこと。
母親に「安心させてあげてほしい」と言われて、どうしたらいいかわからなくなるつぐみ。
高校時代の是枝の意外なエピソード
つぐみは、友達の結婚式で一時帰省した是枝に会います。
そして、高校時代の意外な事実を知ることに。
しかし絵をコンクールに出したのは、つぐみではなく是枝だった。
つぐみは、樹と美姫が付き合うことになったのを目撃して、絵を焼却炉に捨てたのだった。
しかし何故か、捨てたはずの絵がコンクールに出されていた。
つぐみはずっと先生が出してくれたのだと思っていたので、実は是枝だと知ってびっくり。
是枝は「言っちゃった。俺だけの川奈との思い出だったのにな」と言って笑いました。
樹とつぐみを合併症が引き裂く?
つぐみが「会いにきてほしい、鮎川」と電話して、「わかった、迎えに行く」と樹。
この時点では、2人は誰に何を言われても付き合い続ける覚悟でした。
ところが樹が車で出発しようとした時、全身に激痛が走りました。
パニックになった樹はクラクションを何度も鳴らして、マンションに来ていた長沢に助けを求めました。
樹はすぐに病院に搬送され、※「骨髄損傷の合併症」の可能性があるので検査入院するように言われました。
※「骨髄損傷の合併症」とは「空洞症(くうどうしょう)」のことで、脊髄の中に水が溜まってちくわのような空洞ができてしまう症状。
先天的な病気として発症する他に、腫瘍による発症や、脊髄を損傷した人が数か月から数十年後に発症することがあります。
ちなみに、発症原因は不明。
樹は「空洞症になったら、もう仕事もできない。もう松本にも行けない、川奈に何て言えばいいんだ」と嘆きます。
長沢は、樹の入院の手続きをしながら、なぜ彼にばかりこんな困難か襲い掛かるのか……と思うのでした。
樹はつぐみには「仕事で急に行けなくなった」と説明しますが、樹の様子が変だと思ったつぐみは、松葉杖の状態で東京に行くことを決意。
しかし家の人間は猛反対で、誰も車を出してくれません。
つぐみは、思わず是枝に電話してしまいます。
是枝は車で松本から東京に帰る途中で、まだ比較的近くにいましたが、つぐみはそのまま電話を切りました。
しかし是枝は車でつぐみを迎えにきました。
なぜなら、電話のつぐみの声が震えていたから。
「川奈に何かあったら俺はどこからでも駆け付ける。俺は川奈が好きだから」
翌朝、東京に到着したつぐみと是枝は、樹が入院している病院へ。
つぐみは長沢にお礼を言って、是枝は長沢を樹のマンションまで送りました。
道中の車内で、長沢はずっと樹を支えていきたいという気持ちを語り、是枝は「この人は俺と同類(報われない片思い組)かも?」と思うのでした。
目を覚ました樹は、是枝がつぐみを連れてきてくれたことを知って、自分より是枝の方がよほどつぐみの役に立っていることを思い知らされます。
一方、つぐみは、かいがいしく樹の世話をする長沢にやはり圧倒されていました。
夜になって、樹の熱が上がってきました。
3日間排便がないことを知った医者は「誰か※摘便(てきべん)してあげて」と言います。
※摘便とは、脊髄損傷で排泄障害があって自分で排便するのがむつかしい場合、指を挿入してかき出すように便を出すこと。
つぐみは「わ、わたしがやりますっ」と言いますが、「あなたできるの?」と長沢。
つぐみは、やり方もわからないし、どんなことなのか想像もつきませんでした。
樹に「川奈、席を外してくれ」と言われ、つぐみは病室を出ます。
長沢が出て来て「どうして彼を動揺させるようなことを言うの?!」とつぐみを叱責。
「愛があれば障害は乗り越えられると思ったら、大間違いよ。歩けないことも、生活の介助、日々起こる合併症、病気への不安、全て日常なの!障害を日常としてとらえることができなければ、どんなに愛してても、ともに生きていくことはできないのよ」
つぐみはくやしい思いをしますが、何も言い返せず……。
とうとう長沢は「私は樹くんが好き。あなたが現れる前から。私には自信がある。何があっても彼を支えていく自信が!」と自分の本心を打ち明けました。
意気消沈したつぐみがフラフラと帰路を歩いていると、是枝が忘れ物を届けに走ってきました。
つぐみ:「優しくしないで。私、是枝くんを利用しているだけだから」
是枝:「利用なんていくらだってすればいいんだ。好きになった方が負けなんだから」
つぐみ:「でも私は鮎川が……!」
是枝:「川奈には鮎川しか見えてないってわかってる。でも気になってしょうがないんだよ。好きな子が松葉杖ついて危なっかしいことしてるの。俺が川奈を守りたいって思ったんだ!」
思い描いていた未来が見えなくなり、不安で押しつぶされそうなつぐみの心を、是枝の言葉だけが支えていました。
樹とつぐみの別れ
検査の結果、樹は「空洞症」ではありませんでした。
ガッツポーズをして微笑む樹を見て、ほっとするつぐみ。
樹が「川奈の足が治ったら、旅行に行かないか」と言って、つぐみは快諾。
なんでも、観覧車から桜が見えるすごいキレーな場所があるというのです。
旅行は、いつも通り樹の運転する車で出かけました。
桜に雪が積もっていて、本当にきれいな景色。
最後に、2人で観覧車に乗ります。
つぐみは「来年も来ようね」と言いますが「俺は川奈に恋人らしいことを何もしてやれない!今日、最後。川奈との思い出が欲しかった。もういいんだ、川奈の人生を大事にしてくれ。別れよう」と樹。
樹は、線路から落ちたつぐみを助けられなかったこと、両親の反対を説得できないこと、一人にさせて傷つけたことで自分を責めていたのです。
一方つぐみは、樹と付き合い始めてから、どうすれば彼の苦しみを分かち合えるのかを考え続けてきました。
しかしそんなことは、できるわけもなかったのです。
長沢の言う通り、樹を一番苦しめていたのが自分だったのだから。
観覧車からの帰りに車内で、つぐみはずっと泣き続けました。
樹は、何も言いませんでした。
つぐみは、この恋が終わったことを思い知らされるのでした。
しばらくして、つぐみは東京に戻って仕事に復帰。
樹の事務所にも挨拶に行きますが、樹は以前にも増して仕事に没頭していました。
つぐみが職場の飲み会に出席中に、是枝から電話が。
職場の仲間に「男?呼んで呼んで」と言われて、なぜか是枝も飲み会に参加することに。
帰り道、悪酔いしたつぐみを、是枝がおぶって送ってくれました。
つぐみは、樹と別れて苦しい胸の内を語ります。
是枝は「あの絵のときと同じだ。なんで全部捨ててぐちゃぐちゃにしちゃおうとするんだよ。楽しかったことも辛かったことも全部大切なものだろ」と言いました。
実は是枝は、卒業して東京に行く前の日に、つぐみに告ろうと思っていました。
しかしつぐみはその日は熱を出して、待ち合わせ場所に行けなかったのです。
是枝が「俺は待つのに慣れているからな。おまえがまた恋愛に向き合えるようになったら、付き合ってくれってその時言うから」と言って「え……」となるつぐみ。
つぐみは、樹と最後に見た桜と観覧車の絵を描いて、樹に送りました。
あの時雪で隠れてた満開の桜を“こうであればよかった”と思いを込めて描きました。
つぐみは、樹がバリアフリー住宅を設計した小川夫婦の家の地鎮祭に行くことになりました。
樹も出席して2人は再会しますが、つぐみは樹の手が触れただけで、顏が近づいただけで、胸がしめつけられてしまいます。
小川夫婦も夫が車いす生活ですが、2人は一緒に生きる道を選択しました。
自分たちが行けなかった場所にいる小川夫婦のことを、まぶしく思うつぐみ。
しかし小川夫婦も、つぐみたちと同様の理由で、別れ話が出たことがあったそうです。
しかし別れても全然楽にならず、夫のことじゃなく自分の幸せを優先して考えたとき、それでも一緒にいたいと思ったから、妻から強引によりを戻したとのこと。
自分自身のためによりを戻したことで、障害を乗り越える力がわいてきたのです。
樹は絵のお礼を言って「これからの心の支えにする」と言ってくれました。
つぐみは「もしかして私にも残されているのかな、小川さんたちみたいにまた一緒に二人過ごせる可能性」と思うのでした。
そして、樹もまた、つぐみと別れたことを後悔していました。
つぐみの父親がステージ4のガンに
父親が倒れたという知らせを受けたつぐみは、松本へ。
父親はつぐみに「お前の花嫁姿が見たい、そして写真に残したいよ」と言いました。
父親はガンが進行してステージ4で、これから大変な治療が待っている状態でした。
父親はそれがわかっているから、つぐみに帰ってこいと言ったのです。
つぐみは、仕事を辞めて松本に帰ることを決意。
樹の後悔と、是枝の告白
樹は、秋部のシンポジウムの記事を読みます。
秋部とは、樹が事故に遭って絶望していた時に、長沢が会わせてくれた一級建築士。
シンポジウムで、秋部は「障碍者であることを過剰に意識してしまうことは、『心のバリア』を作り出してしまいます。我々がバリアをはることで、健常者との壁はさらに高くなってしまう」と語っています。
樹は「俺自身も、壁を作っていたんだろうか」と思い知らされます。
つぐみに放った言葉「恋人らしいことを何もしてやれない」の後に「それでも一緒にいてほしい」と伝えるべきだったのではないか、と。
樹がつぐみともう一度やり直したいと考え始めていた頃、つぐみは是枝と一緒に歩いていました。
つぐみが「松本に帰ることにした。今までありがとう」と言うと、是枝はつぐみにキス。
そして「遠距離でもかまわない!!このままあきらめたくない!!」とつぐみを抱き締めました。
つぐみは、強引な是枝の気持ちをどう受け止めていいかわかりません。
しかし「それが彼と再会した運命の帰結であるならば、私は彼と一緒にいるべきなのかもしれない」と思い、是枝を抱き締め返しました。
地面に落ちたバッグの中で樹からの電話が鳴っていましたが、つぐみは気づきませんでした。
つぐみが「是枝くんの気持ち、受け止めたから。私でいいなら」と返事をして、是枝はまさかのYESの返事に動揺(笑)。
そのあと2人は手を繋いで歩きました。
是枝はつぐみの家の前まで送ってくれて、2人はもう一度抱き合いました。
そんな2人の様子を、樹が目撃。
部屋に帰ったつぐみは樹からの着信に気が付いてかけなおしますが、樹は「大したことじゃない」とすぐ電話を切りました。
樹の決死の告白に、つぐみの返事は?
樹の仕事先に、元カノ・美姫から電話がかかってきて会うことに。
美姫:「別れたんだ。つぐみさん、いい人だったのにね」
樹:「俺はいつも失ったときにその大きさに気づくんだよな。もう誰とも付き合わないって思ってたけど、心開いて川奈と付き合ったつもりだった。でも俺の心、閉じたままだったみたいだ。別れてからそのことに気が付いた」
美姫:「伝えればいいんじゃないかな?伝えなきゃ、やっぱり閉じこもったままなんじゃないかな」
つぐみは、今日東京を離れて松本に帰ります。
樹はつぐみが電車に乗る前に、車イスで駆け付けました。
そばには、是枝の姿も。
「俺、お前に嘘ついた。
あの電話した夜、本当はなんでもなくなんかなかった。
もう一度やり直そう、やり直したい、そう言いたかったんだ!!
俺と一緒にいてほしい」
是枝が「早く電車に乗れ!荷物、電車に置いたままだぞ!」と叫びます。
つぐみは「鮎川、今までありがとう!」と言って、電車に飛び乗りました。
電車が出発して、つぐみは泣き崩れました。
是枝もいる前で、ああいうしかなかったから……。
是枝は樹に「川奈の一番がお前だってわかってる。でも俺は俺のやり方で川奈を大事にしていく」と言いました。
長沢の告白
樹は長沢に、つぐみが松本に帰ったことを報告。
長沢は「寂しかった。川奈さんが来てから私の居場所はなくなってしまった。彼女と別れたあとも壁にはあの絵があって、いつまでも彼女が樹くんのとなりにいるみたいだった。ずっとあなたが好きだったの」と告白。
その後、松本で父親の介護に励むつぐみに、長沢から電話が。
長沢:「今、松本駅にいるから、これから会えませんか?」
話を聞いた是枝は「会う必要ないよ」と心配しますが、「会わない理由もないから」とつぐみ。
つぐみが待ち合わせの場所に行くと、長沢はまず今までの非礼を詫びてきました。
そこに「どーもー」と是枝が登場。
是枝:「俺と川奈、今付き合ってるんです。せっかくだから、観光でもしていきます?」
こうして、なんかよくわからない流れで、3人で観光に行くことに。
是枝が「鮎川とはどうなってるんですか?」と聞くと「樹くんと付き合うことになったから」と長沢。
つぐみは、樹が長沢を受け入れたことに戸惑いを隠せません。
しかし長沢は、嘘をついていました。
長沢の告白のあとに以下のやり取りがあって、長沢はフラれたのです。
長沢:「結婚すれば樹くんを忘れられると思ってた。でも無理だった」
樹:「ごめん。そんな辛い思いさせてたなんて……」
長沢:「あはは。こんなこと急に言われたら困っちゃうよね。忘れてね」
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まとめ
新ドラマ『パーフェクトワールド』の原作漫画のあらすじのネタバレ・前編をまとめました。お互いを思い合うがためにすれ違ってしまう2人が、切なすぎます。
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