『半沢直樹』最終回ネタバレとおさらい!出向になった理由とは?

2020年4月から『半沢直樹2』がスタート。

2013年の『半沢直樹』の7年ぶりの続編となるわけですが、最終回の中野渡頭取(北大路欣也)の「出向だ」のセリフにびっくりしたのは筆者だけではないはず。

5億円を回収し、伊勢志摩ホテルを再建し、中野渡頭取の危機を救った半沢(堺雅人)が、なぜ出向させられなければならなかったのでしょうか。

当記事では、前作『半沢直樹』の

についてまとめています。



『半沢直樹』とは?



ドラマ『半沢直樹』とは、2013年7月期の「日曜劇場」枠の連続ドラマ。

原作は、池井戸潤さんの小説「半沢直樹シリーズ」(『オレたちバブル入行組』、『オレたち花のバブル組』)。


『オレたちバブル入行組』をベースとする第一部・大阪西支店編と、『オレたち花のバブル組』をベースとする第二部・東京本店編の前後編二部構成・全10話が放送されました。

堺雅人さん演じる半沢直樹の「やられたらやり返す、倍返しだ!」流行語大賞を取り、最終回の平均視聴率が関東地区で42.2パーセントを叩き出した超大ヒットドラマ。


主演の堺雅人さんはもちろん、近藤直弼役の滝藤賢一さんも、同ドラマで一気に知名度を上げましたよね!

あらすじは、タイトルにもなっている半沢直樹が、いまだに古い体質がはびこる銀行において、破天荒ながらも自分の信念を持って突き進んでいくドラマ。

半沢は、目的に対してひたすら猪突猛進、上司といえども悪人は呼び捨てで怒鳴るなど、善人か悪人かわからないほどのド迫力の持ち主。

『半沢直樹』1~9話のネタバレとおさらい

『半沢直樹』1~9話のあらすじを第一部・大阪西支店編第二部・東京本店編の二部構成で簡単にネタバレします。

第一部・大阪西支店編(1話~5話):5億の回収と浅野支店長の土下座


第一部の舞台となるのが、大阪西支店。半沢は自身に降りかかった5億の融資事故の濡れ衣を晴らすために奔走します!

♦半沢が倍返しする相手:浅野支店長


東京中央銀行大阪西支店の支店長で、大和田常務(香川照之)に目をかけてもらっている。

・入行以来本部の、それも人事畑を歩んできたエリート。

・取締役になるのに唯一足りなかった条件が、現場経験。

5億の不正融資を裏で手引きし、全ての責任を半沢になすりつけようとする。



半沢直樹(堺雅人)は、東京中央銀行大阪西支店の融資課長。

バブル経済末期に銀行に入行した、いわゆる「バブル入行組」と呼ばれる社員です。

バブル崩壊後20年近くたった現在、銀行の中において業務の中心を担う世代。


そんな半沢に、ある日突然支店長の浅野(石丸幹二)から無理難題が課せられます。

大阪西支店を最優良店舗にするため、西大阪スチールから無担保で5億の融資契約を取り付けろというのです。


半沢は、浅野の「私が全責任を持つ」の言葉を信じて、緊急案件として5億円無担保で融資することを本部に頼みこみました。

その結果西大阪スチールへの融資額は満額5万円で本部で承認され、浅野は最優良店舗賞を受賞。


ところが融資からわずか3か月後、西大阪スチールは倒産、社長の東田は行方不明に。

実は西大阪スチールは※粉飾決算で黒字に見せかけていたのです。

東京中央銀行は融資額5億円を、まるごと騙し取られてしまったのです!

※会社が嘘の決算書を作り、あたかも利益があるかのように見せかけること。目的は、銀行をだまして返すあてのない金を借りる為。


浅野は、全責任を半沢一人に押し付けるために根回しと画策に走ります(サイテー)。

半沢は「わかりました、5億を取り戻せばいいんですね。もし取り戻せたら今回の件、土下座してわびてもらいます!やられたらやり返す!倍返しだ!」と浅野に宣戦布告。


西大阪スチールの巨額の脱税を追う国税に邪魔されるなど大変な思いをしつつも、半沢は遂に東田の隠し口座(ニューヨークハーバー銀行)を探し当てます。

驚くべきことに、浅野は東田の中学の同級生で、今回の融資事故を裏で手引きした犯人でした!

浅野は、不正融資を行うことで東田から5000万もの見返りを受け取っていたのです(救いようがないほどサイテー)!


東田の愛人・ミキの協力を得て、半沢は東田の預かり資産の明細と取引記録、浅野に5000万を振り込んだ記録を手に入れて、見事5億を回収。

浅野に土下座させ、本部の営業第二部へ栄転。



第二部・東京本店編(6話~9話):伊勢志摩ホテルの再建と大和田の不正


第二部の舞台となるのは東京本店。営業第二部の次長となった半沢は、頭取から「伊勢志摩ホテルの再建」を命令されます。すると、裏に大和田常務がからんでいることが発覚して……?

♦半沢が100倍返しする相手:大和田常務


・旧産業中央出身の出世頭で、歴代最速最年少で常務取締役にまでのぼりつめた切れ者。

・派閥意識が強く、駆け引きに長けているが常に冷静で、これまで目にかけてきた部下であっても切り捨てる時は容赦がない。

・5億回収して同じ旧産業中央出身の半沢に目をかけていたが、半沢にとって大和田は父の仇。

伊勢志摩ホテルの羽根専務(倍賞美津子)と結託して不正融資を実行して頭取の失墜を狙うが?



半沢が本部の中枢・営業第二部に異動してから、はや1年。

東京中央銀行は、大口取引先である伊勢志摩ホテルに、200億の融資を実行しました。

しかしその直後、株の運用失敗によって120億円もの損失が出ることが発覚。


ちょうどそのタイミングに、金融庁から※金融庁検査を行うとの連絡が。

金融庁は、伊勢志摩ホテルを狙い撃ちするに違いありません!


金融庁が120億円の運用損失をだした伊勢志摩ホテルを問題のある融資先(実質破綻先)と分類した場合、東京中央銀行は伊勢志摩ホテルがつぶれた時の準備金として※莫大な資金の積み立てを金融庁から命令されます。

※これを引当金という。


引当金はそのすべてが経費とみなされ、今年度3000億円の収益を見込んでいた東京中央銀行は一気に収益が半減することになります。

そうなれば株価の暴落を招き、経営の根幹を揺るがす事態となり、頭取は責任を取って辞職することに!


半沢は、頭取から銀行の危機を救うように命令されます。


半沢の使命は、伊勢志摩ホテルが金融庁に実質破綻先に分類されることを阻止すること。

しかし伊勢志摩ホテルの運用損失の裏には、融資を得るための隠ぺい工作があり、東京中央銀行の大和田常務(香川照之)と伊勢志摩ホテルの羽根専務(倍賞美津子)が結託して不正融資(200億円)が行われていたのです。

つまり120億円の損失が出る事実を隠蔽して、不正に200億の融資を実行したってことね。


大和田常務と羽根専務の利害は、以下の点で一致していたのです。
・頭取の座を狙う大和田は、不正融資を実行することで銀行の経営を悪化させ、現在の頭取・中野渡を失墜させようと企んだ。

・社長の座につきたい羽根専務は、120億円の損失を全て湯浅社長のせいにして、自分が社長になろうとしていた。


大和田は、湯浅社長が退いて羽根専務に新社長になってもらえば、金融庁も納得してくれると半沢に提案。

半沢:「私は湯浅社長の退陣には反対です」

大和田:「ほかに対策があるのかね?だったら土下座でもしてみるか?さあ、私に君の覚悟を見せてくれ!出来ないのかね?」

半沢は土下座をして「もう少しだけ時間をください」とお願いするしかありませんでした。


近藤(滝藤憲一)の出向先であるタミヤ電気は、5年間も粉飾決算をして、不正に融資を得ていました。

近藤は、タミヤ電気がラ・フィットという会社に3000万円を※転貸していることを突きとめます。

※東京中央からタミヤに融資された3000万円がそのままラ・フィットに流れている。


転貸(金融機関から借りた金を無断で又貸しすること)はルール違反です。

調べた結果、ラ・フィットが大和田の妻・棚橋貴子の会社であることが判明!


ラ・フィットは大赤字の会社で、この転貸は※迂回融資と考えられます。

その時融資を実行した京橋支店長は、岸川部長(大和田が指示したのは間違いない)。

※銀行が融資できないような相手に、顧客を通じて金を又貸しする詐欺行為。

自分の妻の赤字会社に資金を横流しするために、タミヤ電気を利用したのか~!


半沢は、大和田常務に勝負を挑みます。

半沢:「大和田常務、もしわたしが伊勢志摩を救えなければあなたに対する非礼を土下座しておわびします。ですがもし、隠蔽を指示した人物があなたなら、私に土下座して詫びてください!

大和田:「できるもんなら、やってみたまえ!」


半沢は、アメリカ最大のホテルチェーン・フォスターの傘下に伊勢志摩ホテルを入れることで、金融庁検査を乗り切りました。

これで引当金を積まなくてよくなり、頭取の首が繋がりました。


一方近藤は、タミヤ電気の社長から迂回融資を指示したのが大和田であるという証言をもらい、報告書にまとめました。

これは、大和田の不正を証明する動かぬ証拠ってヤツです!


あとは半沢が取締役会で大和田にこの証拠を突きつけるばかり……だったはずが

近藤が、大和田に呼ばれて「銀行に戻らせてやるから(タミヤ電気の社長の証言を)握りつぶしてくれ」と言われて、Yesと言ってしまいました~(>_<)


絶体絶命の半沢ですが、親友の近藤がまた銀行員として活躍できることについては嬉しく思うのでした。

近藤でなくても泣いちゃう半沢の男気と友情

でも、3日後の取締役会までに大和田の不正を証明する新証拠が必要よ!

『半沢直樹』最終回(10話)のネタバレとおさらい

『半沢直樹』最終回(10話)のネタバレをします。

半沢と大和田の確執


最終回では、3日後に迫った取締役会に向けて半沢が大和田の不正の証拠を必死に探しますが、なかなかみつかりません。


半沢は、大和田に個人的恨みがありました。

25年前の半沢がまだ中学生の時、大和田が融資を断ったせいで半沢の父親が自殺したのです。

半沢の父親は大和田の言うことを信じて土地を担保に入れたのに、土壇場で大和田に裏切られて全てを失ったのです。


ところが、半沢が東京中央銀行に入社して大和田と再会した時、大和田は「半沢ねじ」という会社のことなど覚えていませんでした。

半沢は、大和田に会うたびに父の作ったねじを握りしめて悔しい思いを我慢してきました。


そんな半沢は、最終回には大和田に宣戦布告。

大和田:「いまさら25年前のことを言われてもね~」

半沢:「銀行に時効なんてありませんよ、覚えていようといまいとあなたのしたことの責任はきっちりとっていただく。人の善意は信じますが、やられたらやりかえす、倍返しだ、それが私の流儀です。あなたに対しては100倍返しだ!


岸川を追い込む



取締役会の前日、半沢の妻・花(上戸彩)が会社に泊まり込みの半沢に着替えと愛妻弁当を持ってきてくれました。

意外にも有能なスパイ・花は、婦人会で岸川の妻から半沢の窮地を救う情報を得ていました。

・金融庁の黒崎(片岡愛之助)が、岸川の娘の婚約者。

岸川が大和田の腰ぎんちゃくだった理由は、大和田にこのことを知られて脅されていたから(銀行員の娘と金融庁の結婚は良くない)。

なんと岸川は、娘婿である黒崎と内通して銀行に不利益となる情報を流していたのだ!


半沢はすぐに岸川の家をズカズカと訪れ、黒川との関係をバラされたくなかったら、明日の取締役会で大和田の不正を証言しろと迫りました。

金融庁と内通して銀行に不利益をもたらそうとしたことがバレたら、娘の結婚もご破算になるかもしれません。


翌日の取締役会で、岸川は以下の事実を泣きながら認めました。
・京橋支店にいたときにタミヤ電気に3000万の融資を実行したが、それは大和田の妻の会社に転貸するため(大和田の指示で)。

・伊勢志摩ホテルからの内部告発によって120億の損失が出ることを知っていたが、隠蔽(大和田の指示で)。

岸川がしどろもどろになっているときに、大和田が「岸川くんは体調が」と阻止しようとして、半沢が「今岸川さんが話しているんだ、黙ってきけー!」と言った時はスカッとしましたよね(笑)。


大和田常務の土下座



岸川に裏切られてもはや弁明の余地がなくなった大和田に、半沢がトドメをさします。

中野渡頭取や内藤が「もういいだろう」と制するのも聞かずに、大和田を怒鳴りつけます。


半沢:「あなたが謝るのは私じゃありません、今まであなたが雨の日にかさを取り上げ、とかげの尻尾として切り捨てて来た全ての人と会社です。土下座をしてください、大和田常務。やれー!大和田ー!

大和田はものすごい形相で、自分の足を叩いて折りたたんで土下座。


大和田の処分は出向で決まり?


不正融資を行い、会社を私物化していた大和田。

数日後、大和田は頭取に呼ばれます。


出向を覚悟した大和田は「どこですか(出向先は?)北海道ですか」とたずねます。

ところが中野渡頭取の辞令は「本日付けで常務取締役職を解任し、取締役への降格を命じる」でした!


つまり大和田は、常務取締役から取締役に降格しただけで出向ではない!


大和田は「なぜですか、懲戒解雇になっても文句の言えない男ですよ、今の私は。それだけですませてよろしいんですか」と理由を聞きます。

(おそらく視聴者全員が、同じ疑問を中野渡頭取に持った瞬間だと思われます)


頭取の答えは「人の価値は金では推し量れない、銀行員は金ではなく人を見るべきだ。そういうことだ。私は、銀行員としての君を尊敬していたんだよ」というワケワカラン答え。


大和田は泣いて、深々とお辞儀して退出。


渡真利の解釈


その夜、半沢、渡真利、近藤の3人トリオは飲みながら話しました。

3人とも、大和田の降格処分になっとくいかず。


結局、出向になった岸川部長だけが詰め腹を切らされたわけです。

まさしくとかげのしっぽ。


渡真利は、今回の中野渡頭取が大和田に下した処分について見解を述べます。

渡真利:「それにしてもやるよね、さすがは中野渡頭取だ」

近藤:「どういうことだ」

渡真利:「大和田を出向させることは簡単だ、でもそれだと第二、三の大和田が出てきて結局派閥争いが続く可能性がある」

近藤:「確かに」

渡真利:「だから頭取は、旧産業のトップである大和田を取り込むことで、その勢力の全てを掌握したというわけさ。大和田は一生頭取には逆らえない。あとは一気に行内融和政策をすすめるつもりだろう。黒を白にしたのは頭取なんだよ」

近藤:「本当にそれでいいのか、半沢、本当にこれでよかったのか」

半沢:無言


つまり中野渡頭取は、行内融和政策のために大和田を取り込み、第二、第三の大和田の存在を阻止して派閥争いの収束を図ったということでしょうか。

中野渡頭取、けっこう腹黒い。


半沢が出向?



数日後、半沢が中野渡頭取に呼ばれます。


半沢の同期で親友の渡真利(及川光博)と近藤(滝藤賢一)は、半沢が二階級特進の出世コースに乗ったと確信します。

渡真利:「頭取じきじきの内示となれば、サプライズ人事があってもおかしくない」

近藤:「部長に昇格か~」

渡真利:「さかのぼれば大阪西支店時代の五億の回収、伊勢志摩ホテルの再建、金融庁検査の危機回避、大和田の不正断罪。

これだけそろってりゃおまえ、二階級特進ぐらいあってもおかしくない。

今の半沢は、頭取の懐刀みたいなもんだからな~。次期取締役候補のラインにのったのは間違いない

近藤:「本当にあいつが頭取になる日がくるかもな~」


半沢が頭取室へ。

頭取:「半沢、今回はよくやってくれた、

頭取として礼を言わせてもらう。ただし最後のはやり過ぎだ、反省しろ」

半沢:「はい、すみませんでした」

頭取:「では、君に辞令を伝える。是非とも受理してもらいたい」

半沢:「はい」

頭取:「半沢直樹次長、営業企画部部長として東京セントラル証券への出向を命じる」


驚いた顔のあと険しい目の半沢。

頭取室から出てきた半沢は、渡真利が声をかけても一人で階段を降りていきます。

渡真利:「半沢、ちょっと待てよ、どうなったんだ。まさか、出向か」

近藤:「お前、やめるつもりじゃ」

半沢:「渡真利、今度飲みにでもいくか~」

渡真利:「おお」

ここでドラマは終了。

なんで半沢が出向で、大和田が銀行に残れるのか?

疑問符だらけの最終回でした。

『半沢直樹Ⅱ エピソードゼロ 狙われた半沢直樹のパスワード』で半沢が決意表明



2020年1月、前作『半沢直樹』の続編である『半沢直樹Ⅱ エピソードゼロ 狙われた半沢直樹のパスワード』が放送されました。

半沢直樹はラストシーンで登場、渡真利と久しぶりの再会を果たします。

渡真利によると、大和田は態度を180度変えて今や中野渡頭取(北大路欣也)の忠実な部下になっていて、のうのうと役員として生き残っているとのこと!

原作の大和田は取締役降格のあとに出向なのですが、ドラマでは生き残るんですね~(^_^;)


渡真利の「お前だけが憂き目にあって悔しくないのか。やられたらやり返すんじゃないのか?」の言葉に対する半沢の答えは……

「渡真利、時代は変わったんだ。俺の立場も変わったんだ。

今の俺はメガバンクの銀行員ではなく、証券会社の一社員だ。

だけどな、だからってなにもしないわけじゃない

セントラル証券にいる以上は、セントラルのルールの中で戦ってやるさ

それが俺の流儀だ。いつか俺はここでデカい仕事をやってみせる。銀行を見返してやるためにも

半沢は、デカい仕事をして銀行を見返すつもりなんですね!

これは2020年4月からの『半沢直樹2』が楽しみです。

まとめ

前作『半沢直樹』最終回のネタバレをまとめました。

半沢が出向になった理由は、やはりやり過ぎたからではないでしょうか?