『ノースライト』(後編)「夢みた家族」ネタバレと感想!繊細な大人たちの力強い再生に感動!

2020年12月19日(土)放送の『ノースライト』(後編)「夢みた家族」のあらすじのネタバレと感想!

収賄容疑をかけられた岡嶋昭彦(北村一輝)がまさかの自殺?

しかし再生を誓った青瀬(西島秀俊)は、岡嶋の真意を読み取る!

そしてY邸にまつわる謎が全解明する!

当ページでは、NHKドラマ『ノースライト』(後編)のネタバレと感想についてまとめています。

『ノースライト』(前編)「消えた家族」の ネタバレと感想!吉野とゆかりの関係とは?

2020年12月13日



『ノースライト』(後編)「夢みた家族」のネタバレ

『ノースライト』(後編)「夢みた家族」をネタバレします。

それははじめから奇妙な依頼だった。

吉野:「青瀬さん、あなた自身が住みたいと思う家を建てて下さい」


吉野さんは気に入ってくれていたはずだ。

しかし吉野一家は姿を消した。

タウトの椅子をひとつ残して。

前編の詳しいネタバレ記事はこちら

岡嶋の苦悩


公共事業にまつわる贈賄嫌疑をかけられた岡嶋(北村一輝)は、ストレスから来る胃の痛みで倒れた。

これで、藤宮春子メモアールのコンペにも参加出来なくなった。

しかし岡嶋は無実だった。


岡嶋は、青瀬(西島秀俊)に今まで隠していた秘密について話す。
岡嶋の愛息子・一創は、岡嶋の実子ではなかった。

妻の不貞でできた子供だったのだ。

しかし岡嶋は一創が可愛くてたまらず、ただ無心に愛を注ぐことに決めた。

だから、コンペで功績を残すことにこだわった。
岡嶋「埋めること。足りないものを埋めること。

埋めても埋めても、足りない物をただ埋めること。

芸術も人生も同じだな、青瀬。

お前にとっていちばん美しいものはなんだ」


青瀬「ノースライトだ」

これが青瀬が岡嶋と話した最後となった。


岡嶋の死


岡嶋は、遺書も残さず、病院の窓から飛び降りた。

青瀬は、すぐに病院に駆け付けた。

岡嶋の妻は「私が死なせたんです」と不貞をした自分を責めていた。


ふと、青瀬は急に駆け出した

そうだ、その光景は俺だけが知っている


岡嶋は、窓に座ってこっそりタバコを吸っていた。

そして窓の外側の壁にタバコを押し付けていた。


青瀬は、岡島が落ちた場所でタバコの吸い殻を発見した。

間違いない!

岡島は、タバコの火を消そうとしたときに手が滑って、落ちたんだ!


父親が自殺か事故死かは、子供にとって大問題だ。

岡嶋がそんな思い苦しみを、一創くんに残すわけがない


青瀬は、岡嶋の収賄をスクープした記者に怒鳴る。

「これは事故だ。

ちゃんと調べて本当のことを書け!!」


ゆかりと吉野の関係


岡嶋の葬式

青瀬は、元妻・ゆかり(宮沢りえ)と話す。

青瀬「どうして君は吉野さんを知っているんだ?

ゆかり「ごめんなさい、口止めされていたのよ、吉野さんに」


ゆかりの話は以下の通り。

吉野さんは、興信所を雇ってあなたを探して、私のところへ来たの。

理由はよくわからない。

ただ、大きな恩があるんだって言っていた。

返しても返しきれない恩があるから、その返し方を教えてほしいって。


最初は断った。

でも何度も電話があって、どうしてもって。


それもあなたに知られずに、恩を返したいって

三千万を受け取ってほしいと言ってきた。

それは無理と言った。


それであたしもつい、考えてしまって。

あなが住みたい家を建ててもらったらって。


本当にごめんなさい、あなたを騙すことになってしまった


青瀬「だけど、君の思惑は正しかったよ。

おれは救われたんだ、Y邸に。

それなのにどうして吉野さんは消えたんだ」

ゆかりは、腕に大きなギブスをした男のことを知らなかった。

しかし吉野の故郷が、群馬県の桐生であることを知っていた。


桐生は、青瀬の父親が事故で死んだ場所だ。


青瀬は、父親が死んだのは自分のせいだと、自責の念に苦しんでいた。

父親は青瀬のために3日間も探し回って、崖から足を踏み外して死んだからだ。


コンペを続行


青瀬は、岡嶋の妻の元へ。

岡嶋の妻は、自分のせいで岡島が死んだと苦しんでいた。


青瀬は、岡嶋は事故死に違いないと書いた新聞記事を見せる。

そこへ一創が、岡嶋が死の直前まで描いていたスケッチブックを持ってきた。


「おじさん、これを見て下さい。

おとうさんが病室でかいていたんです」


それは、岡嶋がコンペに使おうとしていた原案となる絵だった。

岡嶋は、最後までコンペをあきらめていなかったのだ。


あいつは、あの病室で終わる気なんかさらさらなかった。

そうだろう、岡嶋。


青瀬は、事務所の皆に「藤宮春子メモアールのコンペ続行だ」「岡島のプランで戦うんだ!」と告げる。

所内のメンバーは、見事に一致団結した。


しかし青瀬たちは、コンペに参加はできない。

だから能勢事務所の鳩山のところに、3週間で仕上げて持ち込む作戦だ。

この事務所の名前は出ないけど、岡島の作品をなんとしても残したい。


ギブスの男の正体


そこへ「ここに青瀬って建築士いるか」と指にギプスのあとがある男が来た。

男は、吉野(伊藤淳史)の義兄だった。


吉野は、Y邸の完成を機に、男の妹との復縁を迫っていたが、男は断固拒否。

モメたあげくに、吉野がドアを閉めた時に指を挟んでギブスをすることになったのだった。


男は「離婚届だ、あいつにサインさせてくれ。

そしたらもうあの家(Y邸)を取り上げたりしない」と青瀬に約束した。

(青瀬の心の声)

俺にY邸を依頼したとき、吉野さんのそばにはもう奥さんはいなかったはず。

俺が会ったあの家族はいったい?


吉野からの手紙


青瀬の元に、吉野から手紙がきた。
義兄が青瀬さんに会いに行ったと聞き、慌てて書きました。

私の父は独学で木工の技術を磨きました。

30半ばで結婚して息子と娘をもうけました、その息子が私です。

桐生に工房を構えていました。


母親は苦労がたたって死亡して、妹から笑顔が消えました。

そんなある日、父がきゅうかんちょうを捕まえて持って帰ってきました。


妹は「お母さんだ、お母さんが帰ってきたのかな」と喜びました。

しかし青瀬さんのお父さんがきて、持ち帰りました。

妹は泣きました。


父が青瀬さんのお父さんを追いかけました。

そしてタウトの椅子をあげるからきゅうかんちょうが欲しいと訴えましたが、青瀬さんのお父さんは断りました。

悪いけどこれはせがれのもんだから、と。



2人はもみ合って、青瀬さんのお父さんは転落しました。

3年前、父が脳卒中で倒れ、はじめて事実を話しました。

私たちに、償いを託して亡くなりました。


私は、Y邸をいずれにしろ、青瀬さんに渡すつもりでした。

しかしY邸を見た時、私もやり直せるかもと夢を見てしまいました。


私は間違っていました

私はまず青瀬さんに謝罪して、父の話をすべきでした

申しわけありませんでした。

青瀬は、吉野兄妹に会いに行く。

2人は夫婦ではなく兄妹だったのだ。

そしてその時一緒にいた子供3人は、妹の子供だった。


吉野兄妹「本当に申し訳ありませんでした

青瀬「私は手紙を読んで、今でも父は事故だったと思っています


青瀬「Y邸はどうされますか」

吉野「もともとあの家は青瀬さんに渡そうと思っていたんです。

しかし私も夢を見てしまいました。

あそこでまた家族とやり直すことが出来たらと。

だけど、それはもうあきらめました。

青瀬さん、あの家を受け取ってもらえませんか」


青瀬「それなら、私に売ってください。

銀行でローンを組みます。その金で吉野さんもやり直してください。

そう言うつもりでここにきたんです



吉野「それなら、せめてあの椅子を受け取っていただけないでしょうか。

そうしてくれたら、きっと父も喜びます」


青瀬「わかりました

いつでもあの椅子に会いにきてください」


青瀬「吉野さん、私は建築家のくせに今まで自分の住みたい家を、買いたい家を考えてきませんでした。

それを吉野さんから教えていただきました」


吉野「私ではありません

それはどうかゆかりさんに伝えてください。


ゆかりさん、三時間もいたんですよ。

あの家に」


青瀬の決意


青瀬は能勢事務所に「岡嶋の案をもとに作った模型」を持ち込んだ。

それは、床に並べた絵を天井からのノースライトが照らす空間。

能勢は「これを譲ってもらえるのですか?条件は?」と驚く。


青瀬の要求はたった一つ。

もしこれがコンペで勝って、あの土地に建物が建ったら、それが父親が建てたものだと一創に伝えたい

能勢はうなづいた。


青瀬は、一創に引き渡すその日まで、岡嶋建築事務所を続けることにした。

青瀬は、ゆかりと話をする。

青瀬「あれが本当におれがたてたかった家なんだ」

ゆかり「とても、いい家だった。変わったのね、鳥類の好みが」

青瀬「君のおかげだ」

ゆかり「あなたのためにしたんじゃない。

それじゃ、まだ第三土曜日にひなこをお願いします」

ふと、青瀬はゆかりが自分の同心ばい(同じ心を持つ2つの体)ではないかと思う。

しかしゆかりは去った。


ラストシーン


後日、青瀬は娘のひなこと一緒にY邸へ。

ひなこは「ママは仕事があるから、今日はいけないって」と笑う。

「今日は」ということは、もしかして?

そんな気持ちを抱えながら、青瀬はひなことY邸の掃除を開始。

『ノースライト』(後編)「夢みた家族」の感想

『ノースライト』(後編)「夢みた家族」の感想です。




西島秀俊さん、北村一輝さん、宮沢りえさんが、傷ついた大人の再生を鮮やかに演じてくれました。

儚いブルーライトが幻想的で、涙が溢れました。


西島さん演じる青瀬は、幼少期の父親の死に対する自責の念のせいで、自分の本当の気持ちから逃げていました。


そんな青瀬の心を開かせたのが、吉野。

「あなた自身が住みたい家を建ててください」

なんてミステリアスで素敵な響きなのでしょう。


実際の吉野は妻に逃げられた悲惨な男だったわけですが、この吉野の言葉のおかげで青瀬は再生できました。

青瀬の父親は吉野の父親ともみ合って死んだわけですが、人と人との巡り合わせは本当に神秘的ですね。


大人なら誰でも、今更どうにもしようがない胸の痛みを抱えています。

そして、傷つき過ぎた大人だからこそ一歩が踏み出せないまま、今日に至っています。


しかし何か、あたたかなきっかけがあれば自分の本心を思い出せるのではないか?

このドラマは、そんな気持ちにさせてくれました。


そして再生を決意した大人には、覚悟があります。

青瀬はローンを組んでY邸を買い取り、岡嶋の息子のために事務所を続行することを決意しました。

大人は、何もかもを背負って再生するのです。


最後、岡嶋の作品がコンペに勝ったのか?

青瀬はゆかりと復縁できたのか?

想像を残すラストが、また余韻たっぷりで素敵でした