『女系家族(2005)』【米倉涼子版】ネタバレと感想!最後に笑うのはしたたかな愛人と亡霊?

当記事では2005年の連続ドラマ『女系家族』【米倉涼子版】のあらすじネタバレと感想についてまとめています。

大手呉服問屋・矢島屋の社長が急逝し、社長の娘で女系家族の三姉妹は遺産相続の家族会議を開きます。

そこへ社長の愛人を名乗る女性・文乃(米倉涼子)が現れたことで、熾烈な遺産争いが始まるのです!

まるで「人が死なない犬神家の一族」と例えられる、ドロッドロの面白いドラマ。

登場人物全員「強欲」です。

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『女系家族』あらすじネタバレ



2005年の米倉涼子さん主演ドラマ『女系家族』をネタバレします。

女系家族の婿養子・矢島嘉三(森本レオ)が死亡


株式会社「矢島商事」の代表取締役・矢島嘉三(森本レオ)の社葬が行われる。

嘉三には三姉妹の娘がいた。

長女は出戻りの藤代(高島礼子)で、我こそは総領娘(長女)と威張り散らしている。

次女は千寿(瀬戸朝香)で婿養子の良吉(沢村一樹)と結婚しているが、子宝に恵まれないのが悩み。

三女は雛子(香椎由宇)でまだ大学生。

矢島家は「女系家族」。

代々婿養子を取り、女の血を絶やさない一族。

女の地位が絶対の一族で、女が威張っている。

婿養子で社長の矢島嘉三は、妻や姑からだけでなく娘たちからも虐げられていた。


遺言状


at矢島家の親族会議

遺言執行人は、嘉三の指名で専務・大野宇一(橋爪功)。

遺言状の内容は、以下の通り。
■長女・藤代の相続

マンションやビルなど不動産。

■次女・千寿の相続

矢島商事の株式。
次女の婿・良吉が矢島商事の次期社長に就任。

■三女・雛子の相続

有価証券や株券・骨董品。

次回までにこの相続分で納得するか、三姉妹は決めなければならない。

また共同相続財産についても協議していく。


愛人・文乃(米倉涼子)の登場


実はもう一通遺言状があると言って、読み上げる宇一。
煩悩と不徳の致すところから、6年前から世話をしている女性がいます。

私の没後はこの女性のことをよしなに頼みます。

ここで浜田文乃(米倉涼子)と名乗る女が登場。

なんと、嘉三(森本レオ)の愛人で子供を妊娠しているとのこと。(現在4カ月)


しかも文乃はまだ29歳!

嘉三と文乃の密会は、嘉三が5年前に文乃に買い与えたマンションでおこなわれていたとのこと。

三姉妹は娘と同じ年の女を愛人にして子供まで作った亡き父親を恨むのだった。


遺産はいりません


三姉妹は文乃がお腹の中の子供を使って、矢島家の遺産を乗っ取る気ではないかとざわめく。

しかし文乃は「私は嘉三さん(森本レオ)にマンションを買ってもらいましたから遺産は一切いりません」と言った。

しかし三姉妹は文乃の言葉が信じられない。

この女は腹の中で何か企んでいるに違いない!

その後も、三姉妹は文乃にありとあらゆる嫌がらせをおこなう。

藤代の怒り:私が守るべき矢島家に乗り込んで来るんじゃないわよ!(プライドの塊の長女)

千寿の怒り:私は子供産めないのに、愛人のあんただけ産んで幸せそうな顔するんじゃないわよ!(次女は不妊治療に失敗)

雛子の怒り:私のお父様をとった女!(三女はお父さん子)

しかし文乃のお腹の中の子供が本当に嘉三の子供なら、なぜ嘉三はその旨を遺言状に書かなかったのか?

遺言状には文乃のお腹の子供のことには一切触れていない。



三姉妹はそれぞれ味方を付ける


相続など法律に疎い三姉妹は、(相続争いで有利になるために)それぞれ味方を付けます。

長女の藤代(高島礼子)が味方に付けたのは、幼馴染の家元・梅村芳三郎(高橋克典)。

梅村は超イケメンで紳士的だが、実は藤代が知らない裏の顔を持つ。そんなことは全く知らない藤代は梅村にほのかな恋心を抱いていた。


次女の千寿(瀬戸朝香)が味方に付けたのは、夫で次期社長の良吉(沢村一樹)。

婿養子の良吉は夫婦なのに千寿に敬語を使っている。


三女の雛子(香椎由宇)が味方に付けたのは、おばの芳子(渡辺えり)。

実は芳子は自分の店の借金を返すために、雛子を養女にして相続分を自分のものにしようとたくらんでいた。


梅村芳三郎(高橋克典)の奇行


梅村(高橋克典)は藤代(高島礼子)の相続の相談に乗りながら、(藤代に内緒で)文乃(米倉涼子)にも近づく。

梅村は藤代の前では藤代の味方をし、文乃の前では文乃の味方をした。


自らも非嫡出子として生まれた梅村は文乃の出産を応援する。

しかし藤代の前では文乃の悪口三昧。

梅村は本物の金の亡者で、藤代と文乃のどちらからも金を取ろうとしていたのだった。


遂に梅村は藤代に

「あなたの相続分は不動産で登記書があるから逃げられない。

その点雛子さんの株券は名義を変えずに売れば相続税を逃れられる。

千寿さんだって矢島商事を自分のものにできれば、矢島商事は非上場だから会社の価値は言い値です。

つまり三姉妹の中であなたに相続分が一番損だ。共同相続財産からは価値のあるものを取らないと

いけない


とそそのかす。

藤代は梅村のすすめで、共同相続財産の中でもっとも価値がありそうな山林に目を付ける。


もちろん梅村の目的は、藤代の金のみ。

そのために不動産屋と組んで藤代を騙して、藤代の相続する不動産について査定額より低い金額を伝えて、差額を不動産屋と山分けする計画を立てている。


また梅村は藤代にアドバイスしつつ、藤代からお金の無心もした。

藤代はなけなしの一千万円すら梅村に与えた。

【梅村芳三郎の正体】

梅村芳三郎こと石田一雄。

表面的には名門の家元として紳士的に振る舞うが、非摘出子として生まれたせいで無責任な父に対する反抗心がくわわり、冷酷残忍な反面が見られる。

金のことになると相手によっては残忍露骨なまでに金銭欲を絡ませる。

知り合いの不動産売買の相談に乗っては、労をとるふりをして平然と利材をかせぐ。

遊びも相当なもの。弟子やホステスなど3名の女性の出入りが見られその出入りは極めて盛ん。

複数の女性にみつがせ、金を搾り取ったら後腐れなく切り捨てる。後処理も見事なもの。 


やり手の専務・宇一


次期社長となるはずの良吉(沢村一樹)は、遺産相続がなかなか進まないため常務のまま。

宇一(橋爪功)に会社の仕入れのことを聞いても、宇一はのらりくらりとかわす。


実は宇一は仕入先と組んで、水増し請求させてその分を着服していた。

その上、本来なら雛子の取り分である効高価な掛け軸(3000万円)を自分の家に隠していた。

また、三姉妹の共同相続財産である山林に生えている木を売り払って丸裸にし、山林を抵当に金まで借りていた。

しかしこれらのことは死んでも三姉妹にバレてはならない。


藤代が文乃に「堕胎しなさい」


三姉妹は無理やり文乃を病院に連れていき、本当に妊娠しているのか確かめる。

文乃は妊娠4カ月だったが、妊娠中毒症の恐れがあるとの診断結果。

妊娠中毒症は、母子ともに危険な状態になることもあるという。


藤代(高島礼子)は「あなたの体のために子供を堕胎しなさい」と文乃に迫る。

しかし文乃は「私の命にかえても産ませていただきます」と堂々と宣言した。


おば・芳子が動き出す


芳子は雛子をそそのかして見合いをさせた。

雛子は相手と意気投合し、話が進んでいく。


芳子の狙いは、雛子を結婚させて子供を産ませること。

もし文乃の子供が生まれても、雛子にも子供がいれば太刀打ちできる。



次女・千寿と良吉のたくらみ


不妊治療をしても子供ができなかった千寿は、夫・良吉から「文乃さんの子供を養子をして育てよう」と提案される。

文乃さんをうまく丸め込んで生まれてくる子供を僕らの養子にするんです。

そうすれば藤代さんが何を言おうと、僕らの地位は不動のものになります。

千寿は今まで忌み嫌っていた文乃に優しくすることに抵抗を感じるが、プライドを捨てて文乃に取り入る。

しかし文乃は「この子は養子に渡しません。私が育てます」と養子話を一掃した。

あらためて文乃への怒りがこみ上げる千寿。


へこたれない文乃


文乃は四十九日のお参りや形見分けまで、ずうずうしく参加。

「申し訳ございません」という割には、したたかな女?

そして文乃は自宅マンションの引き出しに「遺言状」を隠し持っている?


宇一が相続の決着を付ける


宇一はなかなか終わらない相続に、イラつきを感じ始めていた。

残すは、山林を三姉妹で分割するのみなのに。


宇一が三姉妹に提示した共有相続財産目録は、実はインチキだった。(差額分は宇一がしっかり着服している)

宇一はこのままイカサマで乗り切るつもりだったが、三姉妹はそんな宇一の不正に気が付き始めている。

特に藤代は宇一の具体的な不正にも気が付いている。


「こうなったらひとりひとりと取引してかたっぱしからつぶしてやろうじやねえか」

宇一は三姉妹のそれぞれの弱みを握り、示談を持ちかける。

長女・藤代には、梅村と2人で山林を内緒で見に行ったことなどを黙っている代わりに、山林の持ち分について宇一に従わせた。

次女・千寿には、毎年2000万円の所得隠しを黙っている代わりに、山林の持ち分について宇一に従わせた。

三女・雛子の後見人の芳子には、雛子を養女にするという悪だくみを黙っている代わりに、山林の持ち分に付いて宇一に従わせた。

こうして三姉妹の相続は決着。


藤代は文乃を呼びつけ、マンションも矢島家の財産で買ったのだから返せと迫る。

文乃は「嘉三さんとの思いでの場所だからどうかそれだけは」と懇願し、宇一も味方になってなんとか許してもらえた。

ただし、文乃の相続は(既にもらっている)マンションのみという決着になった。


文乃が倒れる


文乃が倒れ、三姉妹が自分たちの息のかかった病院へ運ぶ。

出産を2カ月後に控えた文乃は妊娠中毒症になっていた。

ここぞとばかりに「子供を降ろせ」と迫る三姉妹。


事情を知った梅村は、三姉妹の目を盗んで文乃を連れ去った。

梅村が運転する車に文乃を乗せ、県外の病院へと急ぐ。

梅村:「あんな病院にいたら、明日にでも子供を降ろされてしまいますよ!」

文乃:「ありがとうございます」


しかし文乃が車酔いしたため、途中で休憩。

梅村は急に目の色を変えて「あなたは本当は掛け軸を持っているんじゃないですか?」となぜか矢島家に見当たらない掛け軸を文乃が持っているのではないかと聞いてきた。

実は文乃は掛け軸を宇一が持っていることを知っていたが、内緒にした。


掛け軸が欲しくてたまらない梅村は、しつこく文乃に迫る。

文乃は「あなたの目的は掛け軸だったのですね」と言った。


梅村は自分の生い立ちについて話す。

非嫡出子の梅村は父親に認知されず愛されなかった。

そんな梅村が家元になれたのは金を手にしたから。


梅村:「金がすべてだ。あなたのお腹の息子さんも金がなければ幸せになれない。僕と手を組みましょう。矢島家から取れるだけぶんどってやる」

文乃:「あなたは寂しい方ですね」


文乃は梅村を振り切り、一人で山の中へ歩いて行った。

やがて夜になり激しい雨が降ってきた。


文乃が男の子を無事に出産


病院に緊急搬送された文乃は危険な状態だった。

しかし夢枕に現れた嘉三に励まされ、文乃は無事に男の子を出産した。


文乃は宇一に電話。

「私男の子を出産しました。

それでお願いなのですが、次の矢島家の親族会議に出席させてください


文乃の逆襲


若草色の着物を着た文乃は、矢島家へ向かう。

矢島家では、宇一、三姉妹(藤代・千寿・雛子)、芳子、梅村が待ち構えていた。

(梅村は藤代の婚約者として親族に加わったのだ)


文乃は「このたび男の子を出産しました」と報告した後に、

「名前は嘉三さんのお言いつけ通り嘉男と名付けました」と言った。


藤代は「お父さんの子かわからない子のくせにずうずうしい」と憤る。


文乃は「今日は子供が嘉三さんの子であるという法的な証拠をお持ちしました」。

文乃が持ってきたのは、認知届の写しと認知受理証!

なんと嘉三は生前に「文乃のお腹の中の胎児」を認知していたのだった。


文乃の圧倒的な切り札に、静まり返る一同。

「あなた、ずっと嘘ついて騙していたのね」と千寿。

文乃は「黙っていたのは矢島嘉三様からそう言われていたからです」と平然と反論。


ここで宇一が非嫡出子の嘉男の相続分を計算。

嫡出子である三姉妹の2分の1だから、ざっと10億円!

「こんな女の子供に10億もやるなんて、納得できないわ」と藤代。

しかし認知が有効である以上、誰にも覆せない。


もう一通の遺言書


藤代(高島礼子)は「遺言書にはよしなに頼むとしか書かれてないくせに偉そうに!」とまくし立てる。

文乃(米倉涼子)は「もう一通の遺言書がございます」と最後の切り札を出す。


最後の遺言状の内容とは……

三姉妹の特定相続財産については前の遺言書と同じ。

しかし以下の点が違っていました。

文乃について新たに追加。

1.文乃のお腹にいる子は私の子供に間違いなく、生前胎児認知届けをしました。

無事に生まれた場合は、嫡出子の2分の1を相続すること。

文乃の息子は10億円を相続する。


2.ただし生まれた子が男児の場合は

成人するのを待って矢島商事の株式を半分与えること。

また矢島商事の敬遠を千寿夫妻と共同で行う。

千寿と良吉に文乃の子供と共同経営城と命令!


3.遺産相続の後に藤代は別居する。

女系家族で最も勢力が強いはずの藤代に「出て行け」命令!


4.未婚の雛子は他家で嫁ぎ、当家又は分家婿を迎えることは避けられたし。

おば・芳子の雛子に婿養子を取らせて養女にする計画は崩れ去った。


5.この上さらに女系と重ねることを禁じる。

事実上、女系家族を断ち切る!


6.万一私の財産目録と宇一の財産目録の内容が違う場合は、宇一の不正のなすところであります。しかし長年勤めてくれたので、着服分を返済させ退職金として三千万渡し、その後はおとがめなしとする。

宇一の不正が完全に明るみに出た!


7.新たな遺言執行人として宇一の代わりに良吉を指名する。

宇一が遺言執行人の座を奪われた!

藤代は女系の解体にワナワナ。

宇一は不正をまるっと暴かれワナワナ。

宇一は最後に三姉妹の不正や梅村のあくどい正体をバラして、去って行った。


すべては嘉三の女系への復讐?


藤代は「やっとわかったわ!あなたは長年女系家続に虐げられた父の復讐を果たすためにここに来たのね」と文乃に言う。

しかし文乃の答えは違った。

「違います。矢島様は女系というしきたりによって人の人生が変えられてしまうことを嘆いておられたのです。

お嬢様方も昔は無邪気だった。でも女系の教育のせいで自由を奪われてがんじがらめになってしまった。

矢島様が遺言書に女系を辞めるように書かれたのは復讐心だけではございません。

お嬢様方に女系の呪いから逃れ本当の幸せを手にしてほしいという、父親としての願いが込められていたのだと思います」


藤代「総領娘として女系を守るのが私の幸せです」

文乃「それではお嬢様は今お幸せですか?」

藤代「……」

文乃「世間が何と言おうと自分の価値観で生きることができた時に、人は本当の幸せを手に入れられるのだと思います」

文乃は去り、藤代は遺言書を早口で読んでパニック状態に。

千寿と雛子が「女系でなくなっても私たちは姉妹よ」と藤代を抱きしめる。


エピローグ


その後、大学で友人と楽しく話す雛子。

一度は夫婦仲が壊れかけた良吉と愛を確かめ合う千寿。

藤代は梅村に別れを告げた。

「宇一さんが置いて行った興信所の調査書であなたの正体はわかったわ。

これからは誰にも頼らずにやっていこうと思います」


ラストシーン。

文乃が勝ち誇ったような悪い笑顔。

そして矢島家の内装と先祖の女系の写真が映り、最後に嘉三の笑い声。(カシャーン)

(FIN)

『女系家族』感想


最後の文乃(米倉涼子)の笑みが怖い!本当に愛を貫いた清廉潔白な女なのか?



矢島嘉三(森本レオ)への愛を貫いて子供を産んだ聖女・文乃(米倉涼子)。

亡き嘉三の遺志を汲んで、子供を産むまではもう一通の遺言書のことも黙っていました。

しかしこの聖女・文乃はすべてが終わった後に勝ち誇った不気味な笑みを浮かべていましたね。

「矢島家のお嬢様方のために」と言っていたけれど、本当は遺産をがっぽり奪って女系も解体してやって「ざまあみろ」とか思っていたのではないでしょうか?


嘉三(森本レオ)の女系への復讐が怖!最後のカシャーンは何


死んでから女系家族への復讐を果たした矢島嘉三(森本レオ)は相当な男です。

しかも愛する文乃を使って復讐するとは、文乃への愛も本物かどうか怪しいもの。

子供を産んでからでないと認知届けが出来ないように仕組んでいるのが、あざとい。

ラストシーンは矢島家の家の中にある先祖の女系の写真が映り、嘉三の勝ち誇った笑い声が。

そして最後にカシャーン!

一体何が割れたのでしょうか?

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