正義のセ 4話 あらすじ原作ネタバレ!白洲迅演じる勝村弘は反省しているのか?

『正義のセ』4話では、凜々子(吉高由里子)は死亡者の出ている交通事故を担当することに。

ドラマでは交通事故を起こした青年役を白洲迅(しらす・じん)さんが演じます。

死者が出ている事件を担当するのが初めての凜々子は、不安な気持ちに襲われてしまいますが……。

当記事では『正義のセ』4話・あらすじの原作ネタバレをまとめました。



『正義のセ』原作とは?



『正義のセ』の原作は、阿川佐和子さんの同名小説シリーズ「正義のセ」(1~4巻:角川文庫)。

仕事でも私生活でも失敗を繰り返しつつ、たくましく成長していく新米検事・凜々子の姿が描かれています。

ドラマ『正義のセ』4話のゲストを紹介


勝村弘:白洲迅



原作の勝村弘


殺人事件の被疑者で、ソフトウェア会社勤務。

ドラマの勝村弘


同じく殺人事件の被疑者ですが、料理人見習い。


佐藤フネ:茅島成美


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交通事故の被害者・佐藤忠徳の妻・フネ役。

『正義のセ』4話・原作ネタバレ


事件の概要


警察が作成した供述調書や実況見分調書によると、事件は以下の通り。


勝村弘(白洲迅)は大手パソコンソフト会社勤務で、事件当日は寝坊をして、電車では間に合わないので父親の車を借りて出勤。

そして交差点を右折しようとしたとき、進行方向の朝日がまぶしくて目の前が真っ白に。

しかし急いていたのでそのまま加速したところ、ドンという衝撃を受けて慌ててブレーキを踏みました。


勝村が車を止めて外に出ると、自車の前に被害者の佐藤忠徳(さとう・ただのり)が倒れており、そばに被害者の妻・フネ(茅島成美)が被害者の身体に重なるように座り込んでいました。

勝村は被害者に駆け寄りましたが意識はなく、頭から大量の出血。


勝村は、急いで携帯電話で救急車を呼びました。

フネが被害者にすがって「おじいちゃん、おじいちゃん」と呼んでいたので、勝村も動揺してすぐには声をかけることが出来ませんでした。


取り調べは父親同伴?


勝村弘ですが、なんと取り調べに父親同伴でやってきました。


父・勝村清次郎は、息子・弘の生い立ちから現在までつらつらと語ります。

弘は7歳のときに母親を亡くして、兄弟はいない。

中学を卒業するまで母親代わりに面倒をみてくれていた祖母も今は他界。


それからは父・清次郎とすっと2人暮らし。

清次郎は小さな損保会社に勤務していて仕事が忙しく、あまり弘の相手をしてやることが出来なかった。


ほとんど放任だったにもかかわらず、清次郎が夜遅くに帰宅すると弘はニコニコ語りかけてくれた。

父親の苦悩は十分に理解できますが、このままでは取り調べに支障をきたすので凜々子は困ってしまいます。

なんとか父親に出ていってもらって、やっと勝村弘単独の取り調べを開始。


凜々子は父親を不憫に思うのと同時に、こんな演出をして同情を引こうとする態度に腹が立ちます。

いかなる事情があっても、犯した罪は罰せられるべきだからです。


勝村弘は凜々子の質問に驚くほどはっきりした声で答えました。

しかし事故を起こした直後の行動について尋ねたときに、感情的に。


勝村弘は車を降りて被害者の様子を見にいったあと、気が動転して「110」が出てこなくて、被害者の奥さんであるフネに「警察は何番でしたっけ」と聞いたとのこと。

凜々子は「なんて奴だ」とため息をつきます。


勝村弘は震えながら「何故自分は何も出来なかったのだろう?」と悔やんでいました。

深く反省している様子は伝わってきますが、ここで甘い顏をするわけにもいかず、凜々子はあえて勝村の言葉に反応せずにいました。

自動車運転過失致死傷罪(刑法211条2項)は、7年以下の懲役もしくは禁錮または百万円以下の罰金です。


遺族・フネの取り調べ


なんと佐藤忠徳が死亡したのは、フネの誕生日でした。

凜々子はさすがに絶句します。


凜々子にはどうしてもフネが他人に思えない気持ちがありました。

それは凜々子が子供の頃、同じく連れ合いを強盗に殺された近所のお茶屋のおばあちゃんの思い出と重なるから。

お茶屋のおばあちゃんは、フネとよく似ているのです。


凜々子はフネの哀しみを和らげる方法は、悲しみをもたらした人間に正当な罰を与えることしかないと思います。

フネは忠徳の思い出話ばかり語って、なかなか事故の話をしてくれません。

凜々子は研修のときに教官が言っていた「遺族の取り調べには、事件や事故について調査するという目的だけでなく、遺族の辛い気持ちを軽減してあげるという役割もあるのです」という言葉を思い出して、これも検事の仕事のひとつだと思うのでした。


フネの“嘆願書”とは?


取調室では事故についてほとんど話さなかったフネですが、後日“嘆願書”を郵送してきました。


その内容は以下です(要約)。

事故直後、勝村弘は110番という番号を忘れてフネに聞いてきて、「ずいぶん変わったひとだ」と思った。

勝村弘は救急車を待つ間も、フネの背中をさすってくれたが、フネははらわたが煮えくり返る思いで触られるのも嫌だった。

フネは勝村弘に怒りをぶつけることはしなかったが、口を聞くのもおそろしくてただきたすら救急車が来るのを待った。


フネが二度目に勝村弘に会ったのは、忠徳の通夜の夜。

勝村は父親と一緒に来ていて、フネの息子に激しい言葉を浴びせられて、黙ってうなずき、言われっぱなし。


最後には息子が勝村弘のネクタイを掴んで「帰れ!」と怒鳴って突き飛ばして外へ追い出した。

フネはさすがに驚いてでていき、息子を小声でたしなめた。

息子は「おふくろはなぜあんなヤツの肩を持つんだ」とフネを叱った。


お通夜のあとも、勝村弘は何度も何度もフネの家を訪問。

お葬式はもちろん、ふた七日、み七日、一週間ごとに、もうお寺さんに来ていただかないで身内だけで供養を済ませようという日にも、きっちり現れる。


気が付くと玄関先に喪服で立っていて、ギョッとするフネ。

勝村弘は玄関のベルを押すでもなく、門の前に直立不動で目を閉じ、両手を合わせ、深くお辞儀をしてそのまま帰っていった。

お通夜以降は、父親の姿はなかった。


その律儀な姿に同情した息子の嫁の助言で、フネは勝村弘を家にあげてお参りをしてもらうことに。

フネはお参りをしている勝村弘の背中を見ながら、勝村弘の父親の顔や忠徳が可愛がっていた工場の若い従業員たちの顏が浮かんでくる。


すると、急に忠徳の声が上から聞こえてきた。

おい、フネ、この人だって、何も悪気があって俺を撥ねたわけじゃねえんだぞ

いつまでもじめじめしてねえで、このひとの将来のこともちゃんと考えてやれよ

引用元:『正義のセ』忠徳の声より



その後も勝村弘は、四十九日の法要まで欠かさず訪ねてきた。

その上、お墓参りもしてくれている様子。


実は、事故当日、忠徳は信号が点滅していたにもかかわらず、横断歩道を渡り始めた。

フネも追いかけたが、横断歩道に足を踏み入れる前に信号が赤になったので立ち止まった。


すると渡りかけていた忠徳が「なにをしているんだ、早く来い」と怒鳴って、手招きしながら戻ってきた。

そしてその直後に忠徳は撥ねられることに。


フネは今でも勝村弘のことを完全に許したわけではなく、複雑な心境。

それでもフネや息子が勝村をどれほど憎み続けても、亡くなった忠徳は喜ばないような気がする。


フネの手紙の最期には「勝村弘のことをあまり厳しい処分にせず、ほどほどにお咎めくださるよう、お願いします」と書かれていました。


凜々子はいくら反省し、誠意を尽くしたとはいっても償うべき義務を逃れていいものかと思案。

しかし、赤信号についてはどう斟酌すべきか難しい事案です。


凜々子は友人の朋美に相談しますが、飲み会に誘われます。

その飲み会で凜々子は神蔵守(かんぞう・まもる)にホテルに誘われて大憤慨。


珍しく朝の4時まで酒を飲んでしまい、帰宅すると父親に怒られました。

それでもフネの嘆願書のことを家族に聞いてもらって、ちょっと落ち着く凜々子。


凜々子の結論は?


凜々子の結論は、略式請求、罰金100万。

つまり公判請求はナシ。

理由は以下の2つ。

  • 被疑者の反省の度合いが十分に深いこと、事故後の対応に誠意がみられたこと、そして遺族から嘆願書があったこと。
  • 罪を犯した人間には心を鬼にして刑罰を与えなけらばならないと同時に、罪を犯した人間をできるだけ早く更生させることも大事。本件においては被疑者の更生に期待をかける余地があると判断した。


同情や温情ではなく、あくまでも勝村弘の更生に期待し、またその請求により、検察の一般社会における必然性を知らしめる一端になるのではないかと思った次第でした。

まとめ

『正義のセ』4話の原作ネタバレをまとめました。

事故とはいえ、人が亡くなっている事件を扱うのは大変です。

ドラマ『正義のセ』を通して、検事さんのお仕事の困難さがよくわかりますよね……。


原作ではこのとき出会った合コン相手・神蔵守(かんぞう・まもる)が凜々子にベタぼれで、今後も関係は続いていきます。

ドラマではどんな展開になるでしょうか?