2020年8月16日(日)放送のドラマスペシャル『嫉妬』の原作ネタバレ結末!
1971年に岩下志麻×浅丘ルリ子で映画化された名作が、檀れい×国仲涼子で蘇ります。
原作は故・藤本義一の同名小説。
人間の感情の中で最も醜いとされる「嫉妬」の行き着く先とは?
その恐ろしい結末に暑さも忘れるかも?
当ページでは、ドラマスペシャル『嫉妬』の原作ネタバレ結末をご紹介!
※ドラマ『嫉妬』の感想を追記しました。
もくじ
ドラマスペシャル『嫉妬』とは?
ドラマ【嫉妬2020】キャストとあらすじ!檀れいVS国仲涼子ドロドロの戦いをリメイク! https://t.co/0i1wdeQ3ur
— 🐈*ななち*🐈未満警察ミッドナイトランナー👮✨BLEACH20th✨ (@taizo324nana) August 3, 2020
わっくわく。
タイトル | ドラマスペシャル「嫉妬」 |
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放送日 | 2020年8月16日(日) |
放送時間 | 後9:00~11:54 |
放送局 | テレ朝/ABCTV |
ドラマスペシャル『嫉妬』とは、檀れいさん×国仲涼子さんのwヒロインによるスペシャルドラマ。
公式あらすじは以下です。
野口姿津花(檀れい)は、広告代理店に勤める夫・高史(原田泰造)と結婚10年目の主婦。小さなすれ違いはあるものの、些細な不満には目をつむり、ささやかな幸せを守ることだけを考えて暮らしてきた。
ところがある日、大阪に出張しているはずの高史が箱根の旅館で死亡した、という知らせが入る。高史は銀座の高級クラブのママ・永井文奈(国仲涼子)と宿泊しており、2人は同じ睡眠薬を飲んで心中。文奈だけが一命をとりとめたという。
激しいショックを受ける姿津花に、追い打ちをかけるような出来事が起きる。姿津花が席を外している間に文奈が葬儀に現れ、これみよがしに100万円もの香典を置いていったのだ。動揺さめやらぬ姿津花に、高史の上司・佐伯信勝(手塚とおる)がさらなる衝撃を突きつけた。なんと高史が会社の金8000万円を私的流用し、文奈に貢いでいたというのだ。それは真実なのか…!?
確かめたい一心で雨の中、姿津花は文奈のクラブに向かう。だが、そこへ姿津花を自分のものにしようと狙う佐伯が出現。拒否した姿津花は逆上した佐伯に突き飛ばされ、車道に倒れ込んでしまう。
そのとき、急停車したタクシーから降りてきたのは、ほかでもない文奈だった。心中相手の妻だとは気づいていないらしく、文奈はずぶ濡れの姿津花に手を差し伸べ、自分の店に連れていき、ドレスを貸す。「みすぼらしい格好でかわいそう」「その気になったらいつでもウチの店に来て。力になってあげる」――文奈に哀れみの言葉をかけられたとき、姿津花の胸に思いがけず、嫉妬が芽生えはじめる。
その後、高史が結婚記念日に思い出のレストランを予約していたことが判明。堅実な夫が横領、ましてや心中などするはずはない…。そう確信した姿津花は、文奈が置いていった香典100万円を惜しげもなく使い、メークや髪形を変えて再び文奈のクラブへ。夫の死の真相を探るべく、“志村実里”という偽名を使い、ホステスとして働きはじめる。だが、そんな姿津花の前に、亡き夫とどこか面影の似た雑誌記者・鈴田雄一郎(原田泰造・2役)が現れて…!?
原作
ドラマスペシャル『嫉妬』の原作は、故・藤本義一さんの同名小説。
タイトル通り、(女の)「嫉妬」がテーマ。
平凡な主婦・姿津子の夫・高志が高級クラブ「紫苑」のママ・扶美子と心中を図ります。
高志は死にましたが、扶美子は生き残りました。
強い疑惑と嫉妬にかられた姿津子は、ホステスとして「紫苑」に乗り込んで事件の真相を探ります。
果たして姿津子は高志の死の真相に辿り着くことが出来るのか?
そして姿津子と扶美子、何もかもが正反対の女2人が迎える意外な結末とは?
映画化
『嫉妬』は、1971年に貞永方久監督、岩下志麻さん主演で映画化されています【製作は松竹(大船撮影所)】 。
夫を寝取って心中した扶美子役を演じたのは浅丘ルリ子さんです。
岩下志麻さんが浅丘ルリ子さんにキスするシーンが大きな話題を呼びました。
残念ながら映画『嫉妬』はDVD化されておらず、中古ビデオ(高額)でしか見ることが出来ません。
とても麗しくてこの映画を観たいと思ったが、DVDは未発売で中古ビデオがえらい高額になっている。無念。 < 嫉妬(1971) 岩下志麻&浅丘ルリ子キスシーン http://t.co/MItEcEJFnB
— Ragna (@R_agna) May 23, 2013
映画『嫉妬』のネタバレはこちら
姿津子が夫野口高志の情死を知らされたのは、夫が失踪してから六日目の夜だった。相手の女は生残り、高志だけが死んだ。遺された姿津子は五歳になる亮一をかかえて、これからどう生きたらいいのか戸惑った。しばらくして高志を死に導いた、クラブ扶美のマダム扶美子が百万円の小切手を香典として届けてきた。姿律子は嫉妬心にさいなまれた末、亮一を母に預け、野村信技という変名で扶美にホステスとして乗込むことを決心した。扶美子の磨き上げられた美貌と洗練された会話は地味な団地主婦だった姿律子には、予想以上の手ごわい相手だった。扶美子の愛のテクニックに翻弄された夫、しかも相手は今も艶然と生きている。嫉妬は激しい復讐心に変った。少しづつ姿津子に気を許していく扶美子のスキに乗じて、彼女のパトロンが、亡夫の上司だった岡村営業部長であることをつきとめた。扶美の常連である画商の池沢は、姿津子に好意を持っていた。姿津子は、夫が死んで百日過ぎた頃生理的変調と若い肉体の自然な欲求にひとり悩んでいた。池沢は岡村と扶美子の関係についても詳しいようだ。池沢と親しくなれば、もう一枚扶美子のヴェールをはがせるかも知れない。結局、彼女は池沢に抱かれた。喜悦と悔恨の中で、目的を忘れまいと歯をくいしばりながら。一方、亡夫の妹節子はちょっとしたきっかけで岡村と、知り合い、岡村が仕事のスポンサーになる条件で、アッサリ肉体を与えてしまった。池沢から聞きだした話によって、夫の死が偽装心中であるらしいことが判明した。夫は、岡村が会社の金を不正融資して巨利をむさぼっている事実を掴んだのだ。岡村は扶美子に誘惑させ、夫を消すために心中という形を考えついたのだ。重大な謎が解けかかった時、扶美子が交通事故で病院に担ぎ込まれた。付添った姿津子はスキを見て、ハンドバックの中を調べたら亡夫の写真がでてきた。扶美子は夫を愛していたのか?思い悩んだ姿津子は、情死の現場である温泉を訪れ、有力な手がかりと思われる甲虫のブローチを手に入れた。姿津子はいよいよ扶美子の仮面をはぐ日の近いことを悟った。ブローチは岡村が扶美子に与えたものに違いない。しかし、姿津子はふとしたことから、そのブローチを節子に渡してしまった。全ての事情を岡村から聞いた節子は、兄を殺した男に躰を許した自分を恥じ、彼を刺して無理心中を遂げた。夫の死から半年、姿津子は仮面を捨てて対決した。恐怖にのたうち廻る扶美子。しかし、復讐を果たした姿津子の心に空しい疲労感だけが残った。
引用元: 嫉妬(1971)
『嫉妬』の主な登場人物
『嫉妬』の主な登場人物をご紹介します。1971年度版は岩下志麻さん、2020年度版は檀れいさんが演じます(名前は姿津花に改変)。
平凡な主婦でしたが、ある日いきなり夫の高志がクラブのママと心中事件を起こして死亡。
嫉妬と復讐心にかられて事件の真相を探る役どころ。
1971年度版は浅丘ルリ子さん、2020年度版は国仲涼子さんが演じます(名前は文奈に改変)。
高級クラブ「紫苑」のママ。
男から男へと華麗に飛び回る“夜の蝶”で、自分より輝きを放つ相手は容赦なく引きずり落とします。
姿津子の夫・高志と心中事件を起こして生き残っていますが、その真意は?
1971年度版は槙摩耶さんが、2020年度版はトリンドル玲奈さんが演じます(名前は聖子に改変)。
姿津花の義理の妹で、亡くなった高志の妹。
1971年度版は南原宏治さんが、2020年度版は榎木孝明さんが演じます。
亡くなった高志の上司。
1971年度版では加藤潤さんが、2020年度版では原田泰造さんが演じます(名前は高史に改変)。
姿津花の夫で、やや神経質ですが真面目な性格で家庭も大切にしてきました。
ところが突然、扶美子(文奈)と心中して他界してしまいます。
鈴田の息子だが血は繋がっておらず、母親の姓を名乗っています。
鈴田の妻が岡村と不倫して生んだ子供。
なぜか姿津子に近づきます。
1971年度版では池沢達也という名前で、細川俊之さんが演じました。
2020年度版では、原田泰造さんが1人2役。
原作では会社の重役、1971年度版では扶美子の店の常連である画商、2020年度版では雑誌記者。
夫・高志の死の真相を知っている様子の鈴田に、姿津子は……。
『嫉妬』のあらすじを原作ネタバレ
『嫉妬』のあらすじを原作ネタバレしていきます。夫が心中事件で死亡
ヒロイン・姿津子(檀れい)は、20代後半の専業主婦。
平凡だが幸せな結婚生活を送っている……つもりだった。
ある日、何の前触れもなく夫・野口高志(原田泰造)が水商売の女と心中事件を起こして死亡。
相手の女は生き残り、高志だけが死んだ。
一週間前に失踪した高志は、相手の女と東京から東北、紀州へと旅行。
(東京の都心の一流ホテルに泊まったという証拠もある)
遂に白浜で睡眠薬を飲んで服毒自殺したのだった。
残された姿津子は、5歳になる息子・亮一を抱えて途方に暮れる。
不倫相手・扶美子は生き残る
高志の不倫相手で生き残った女とは、クラブ「紫苑」のママ・扶美子(国仲涼子)。
(姿津子は、高志が不倫していたことさえ知らなかった)
高志の妹・節子によると、扶美子は何事もなかったかのように楽しそうに仕事をしているという。
姿津子の心は、扶美子への嫉妬でいっぱいになる。
高志に死ぬ理由などなかったはず。扶美子にそそのかされたに違いない。
姿津子の中で扶美子が「夫に死をそそのかした女」から「夫を殺した女」に変わるのに時間はかからなかった。
高級クラブ「紫苑」に潜入
姿津子は、心中事件の真相を知るために、クラブ「紫苑」に野村信技という偽名で潜入。
扶美子は磨き上げられた美貌と洗練された会話の持ち主で、つい最近まで平凡な主婦だった姿津子には予想以上に手強い相手だった。
何も知らない扶美子は、上から目線で姿津子にホステスの心得を教える。
姿津子は内心燃えたぎる嫉妬を抱えつつも、いつか扶美子を追い詰めるその時までじっと耐えることを決意。
扶美子は、見た目32歳だが、客の話では35~6歳らしい。
姿津子は、高志が自分よりずっと年上の女と関係を持ったことが不潔で許せなかった。
扶美子は、店では平然と仕事をしている。
これは高志を愛してなかったから出来ることなのではないだろうか?
扶美子のパトロンは岡村部長
扶美子の私生活も見たいと思った姿津子は、※保険外交員として扶美子の豪華マンションを訪問。
扶美子はまさかの姿津子の訪問に驚く。
※扶美子は生活のために昼間は保険外交員をしている。
プライベートの扶美子は、店で見るのとは違って、気後れしたおどおどした印象だった(こっちが本性?)。
部屋の中に高志がうちに持ち帰ったの同じ大理石の平皿を発見した姿津子は、大きなショックを受ける。
しかも本棚には、高志と同じ趣味の本が並んでいる。
高志はこの部屋によく来ていたのだろうか……。
その後、姿津子は扶美子のパトロンが高志の上司・岡村部長(榎木孝明)であることを知る。
岡村部長と扶美子が共謀して高志を殺したのだろうか。
岡村を恨む男・鈴田
そんな中、扶美子が昼間も働く姿津子のためにパトロンを紹介してきた。
お相手は、「紫苑」の客で大会社の重役・鈴田(原田泰造・1人2役)。
鈴田は、扶美子と高志の心中事件を知っていて、一つの疑問を抱いていた。
それは、扶美子が生き残った理由が高志を愛していなかったからではないかというもの。
鈴田は、岡村と大学の同期で、妻を寝取られた過去を持っていた。
義妹・節子の奔放な異性関係
そんな中、姿津子は義妹の節子(トリンドル玲奈)から信じられない話を聞く。
なんと節子が、会社のPR雑誌の仕事を得るために岡村と関係を持ったというのだ。
(節子は、岡村が兄の高志と心中を図った女のパトロンとは知らない)
姿津子を取り巻く人間関係を整理してみると……
- 鈴田の妻は岡村部長と不倫。
- 岡村は扶美子のパトロン。
- 扶美子は高志を死に誘った女。
- 姿津子は鈴田に誘われている。
- 節子は仕事を取るためと割り切って岡本と関係を持つ。
鈴田の仮説
それでも姿津子は、鈴田と関係を持った。
鈴田から岡村についてもっと聞き出せるかもしれないと思ったのもあるし、若い肉体の自然な欲求を満たしたい思いもあったからだ。
鈴田は、妻を寝取った岡村の社会的地位を奪いたいと考えていた。
岡村には弱みがあり、会社の金を流用して「紫苑」を経営しているのだ。
鈴田は、姿津子に一つの仮説を聞かせる。
・岡村はその男が邪魔になった。だから扶美子に誘惑させた殺した。
・彼は扶美子に誘惑に負け、結果は扶美子の思い通りとなった。
鈴田の仮説が正しいとすると、やはり高志は岡村と扶美子に殺されたことになる。
扶美子が交通事故に遭う
そんな中、扶美子が交通事故に遭ったという知らせが入る。
病院へ向かう途中、姿津子は扶美子が生きていることを祈っていた。
今死なれたら、姿津子の今までの執念の行き先がなくなるから。
扶美子の怪我は命に別状はなかったが、入院することになった。
姿津子は、扶美子の手帖に高志の写真が挟んであるのを見つける。
それは、姿津子が見たことがない高志の写真だった。
背景は海で、高志の表情は明るい。
姿津子は、扶美子の付き添いを自分から申し出た。
憎んでいる女の世話をする心理は、完全に狂っていると言わなければならない。
ところが岡村は見舞いに来ないし、扶美子も岡村の名前を口にしない(収穫ナシ)。
姿津子は、扶美子に手帖の男性の写真(=高志)を見たと言った。
扶美子は、その男は事故で死んだと嘘をつき、「愛していたわ、とても」と言った。
姿津子は、扶美子は何もかも嘘で塗り固めようとしていると思うのだった。
事件のあった白浜へ
姿津子は、高志が心中事件を起こした白浜のホテルへ一人で行った。
その日の高志の部屋付きの女中は、偽装心中の疑いがあると言った。
その理由は、扶美子が途中で薬を吐きに行った時に電話で助けを呼ぶことが出来たはずなのにしなかったから。
女中が扶美子に「薬を吐きに行った時に電話していたら高志が助かったのではないか」と言ったら、口止め料?として10万円もらったとのこと。
姿津子は、女中が現場で盗んだカブトムシのブローチを受け取って東京に戻った。
高価な宝石がちりばめられているこのブローチは、岡村が扶美子に送ったものに違いない。
姿津子は節子と会うが、なんと岡本の子供をおろしたとのこと。
姿津子は、節子にカブトムシのブローチを渡した。
扶美子にプレゼントしたブローチを節子が胸につけているのを見たら、岡村がどんな反応をするか知りたかったからだ。
鈴田が夫を殺した犯人?
鈴田とのホテルでの密会。
鈴田が「僕は岡村を社会的に失脚させるためにあらゆることをした」と言うのを聞いた姿津子は、鈴田が夫の高志を死においやった犯人ではないかと疑う。
岡村を社会的に失脚させるために、高志を扶美子に近づけたのではないか?
姿津子が高志の妻と知った鈴田は、明らかに怯えを見せた。
鈴田:「違う、野口くんを扶美子にに近づけたのは岡村だ」
姿津子:「でも自分の愛人を部下に近づけるなんて考えられない」
鈴田は、岡村から紹介される形で2度高志に会っていたとのこと。
1回目は、新たに観光会社をやるという鈴田に、岡村が高志を出向させようと言った時。
しかし鈴田は断ったという。そんなことをしたら岡村の力が強く働くことになってしまうからだ。
2回目に鈴田が高志に会ったのは「紫苑」で、その時には暗い印象だったという。
(この時にはもう扶美子との心中を考えていたのだろうか)
これ以降、鈴田は姿津子に対してどこか怯えた雰囲気を見せるようになった。
退院した扶美子は、皆に姿津子が親身になって世話をしてくれたおかげだと話した。
そんな彼女の様子を見ていると、根は善女なのではないかと思えてくる。
扶美子が姿津子に調査を依頼
Rホテルのロビー。
扶美子が姿津子を呼び出したのは愚痴を言うためだった。
扶美子:「ある人が私を裏切って若い女に走ったのよ」
姿津子は、若い女=節子と知っていたが、知らないフリをして話を聞く。
すると扶美子は「私もその人に対して過去に不義理をしている」と言い出した。
これは、高志との心中の件に違いない。
姿津子:「不義理のお相手は、この間バッグに入っていた写真の男性(=高志)ですか」
扶美子:「そうよ」
姿津子は淡々と質問しつつも、感情が波立たずにはいられない。
扶美子は姿津子に、岡本の浮気相手の女がどこのだれか探してほしいと言ってきた。
しかし扶美子は岡村を愛しているわけではなく、店の名義が若い女に移ることを恐れているだけだった。
節子が自殺未遂
そんな中、節子が睡眠薬で自殺未遂を図った。
節子の遺書には、自殺したのは姿津子のせいだと書かれていた。
節子は、カブトムシのブローチについて全てを知ってしまったのだ。
それは、やはり岡村が扶美子にプレゼントしたものだった。
節子は、このことを故意に黙っていた姿津子に「騙された」と思い、兄と心中した女のパトロンと関係を持ってしまった自分に絶望したのだった。
姿津子は、岡村が節子の自殺未遂をどう受け止めて扶美子にどう伝えるのかと見守っていたが、岡村は扶美子に何も伝えなかった。
節子の事件で、何もかもが扶美子の目の前にさらけ出されると思っていたのに。
節子は、日に日に人間嫌いの“狂える女”になっていく。
そして姿津子のことを激しく憎んでいた。
姿津子は、自分の今までが間違っていないか整理してみる。
夫が死んだ、夫と情死を図って助かった女・永井扶美子に近づいた。
そして扶美子のパトロンであり、夫の上司である岡村営業部長の存在を知り、その岡村に妻を寝取られた恨みを持つ鈴田と肉体の関係を持ち、夫の妹の節子は仕事上の資金問題から岡村と肉体的関係を持つに至った。
ああ、節子さえ冷静でいてくれたらうまくいったかもしれないのに。
一人で秘密を抱えるのが苦しくなった姿津子は、鈴田に自分の過去や目的について全て話した。
夫の死、岡村と夫の関係、扶美子と自分の感情、節子の自殺未遂。
もう、間もなく鈴田との関係も終わるだろう。
その直後、なぜか鈴田の息子・池沢高志が姿津子に接触してきた。
酔った扶美子が高志の名前をつぶやく
at紫苑。
姿津子は、シャンパンに酔った扶美子をマンションまで送って行った。
酔った苦しさから扶美子は、ベッドの上で帯をほどいて着物を脱ぐ。
その老いたからだを見た姿津子の嫉妬の感情が後退していく。
なぜなら、姿津子の若いからだの方が圧倒的に美しかったから。
扶美子は、姿津子に口移しで水を飲ませて欲しいと言ってきて、応じる姿津子。
今や扶美子は、姿津子のことを絶対的に信頼しているのだ。
姿津子は、「紫苑」が鈴田のものになり、自分がママに収まれば、これほど鮮やかな成功はないと思った。
しかし扶美子が「タ、カ、シ、サン」と呟くのを聞いて、凍り付く姿津子。
もしかしてこの女は、高志を純粋に愛していたのだろうか。
すると、夫も姿津子よりも扶美子を愛したのだと思えてきた。
物事を冷静に判断する高志が、死の相手として扶美子を選んだのは、やはり扶美子を愛していたからではないのか。
at鈴田との密会。
鈴田が、2千万の保険契約に入って受取人を姿津子にすると言ってきた。
姿津子は有難いと思いつつも、不吉な予感を感じた。
対決の日
at紫苑
(姿津子に全幅の信頼を置く扶美子が「あなたに姉妹店のママになってほしい」と切り出す)
姿津子が「あたしは野口姿津子です。あなたに殺された野口高志の妻です」と言って、扶美子は驚きで絶句。
姿津子:「今日まであたしはどんなに待っていたことか」
扶美子:「ああ……」
扶美子は耳をふさいだが、姿津子は「もう、永井扶美子はどこにも逃げられないのです」とその手を叩き落とす。
姿津子:「でもあなたは生きている」
扶美子:「彼が誘ったのよ」
姿津子:「嘘です、誘ったのはあなたです。あなたは見殺しにしたんです。あなたは殺人者なんです」
扶美子:「白浜へ……行って……」
姿津子:「あなたは苦しんでいる夫を横目に薬を吐きに行った。そして助けを呼べるのに呼ばなかった」
扶美子:「ああ!」
姿津子:「東北へはどうして行ったのですか」
扶美子:「死に場所と……旅のお金なのよ」
姿津子:「何もかも白状したらどうなの」
扶美子:「岡村部長の秘密を彼は知っていたの。会社のお金を流用していたことを」
姿津子:「だから野口を殺したんでしょう」
扶美子:「違う、一緒に死のうと思ったの。でも高志さんだけ」
姿津子:「一緒に死のうなんて嘘。岡村は情婦のあなたに野口を誘惑させたんでしょう?」
扶美子:「あたしと高志さんは純粋な愛だった。誰の前でも言えるわ」
こんな扶美子にこれ以上付き合えないと思った姿津子は、部屋を出て行った、
もう十分だ、これからはただあの女の行く末を見守るだけでいい。
しかし予想に反して、姿津子に訪れたのは限りない虚しさだった。
こんなはずではなかったのに……。
岡村が死亡
翌朝、姿津子は岡村に会うことを決意。
昨夜の扶美子との対話、節子のことなどずべてぶちまければ、今度こそこのドラマの幕もきっちり降りるはず。
しかしそこへ、岡村死亡のニュースが。
琵琶湖の水上スキーでの事故で、鈴田も一緒だそうだ。
鈴田が岡村と無理心中を図ったと思った姿津子は、現場へ。
鈴田が死んだ場合、保険金2千万の受取人は姿津子なのだ。
鈴田は一命をとりとめていたが、再起不能で妻の元で余生を送るしかない状態だった。
鈴田の息子・達也も来ていて、姿津子に送っていくから車に乗るように言った。
達也は、姿津子が野口高志の妻で、「紫苑」のホステスで、ママの扶美子が自分の実の父親・岡村の愛人だったことまで知っていた。
姿津子は、なぜ達也が何もかも知っているのか驚く。
彼が姿津子の本名を知っているはずがないし、彼が岡村の実子であることは鈴田と姿津子の秘密だったはず。
扶美子は自首
昨夜、扶美子は警察に自首していた。
本当は扶美子も鈴田に琵琶湖に誘われていたが、断ったとのこと(その時すでに錯乱していた)。
もし姿津子が扶美子を追い詰めなければ、扶美子も琵琶湖で死んでいたのだろうか?
警察から「扶美子が岡村に頼まれて高志と偽装心中したと供述しました」と聞いた姿津子は「やはり」と思う。
しかし精神鑑定の上裁判は決定しても、殺人罪が成立するかはわからないという。
本人の自供があっても物証がないし、白浜警察は心中事件と断定しているから。
岡村が流用していた会社の金は、東北のガソリンスタンドの運営、神戸のスーパーの経営、東京のブティック、北新地の「紫苑」、事故のあった鈴田の観光会社に流れていた。
しかし岡村が死亡した今となっては裏付ける資料もなく、これも手の届かないことで終わりそうだ。
「なにもかもが遅かったのか」と落胆する姿津子。
もう岡本はいないし、鈴田も節子も証言できる状態じゃない。
嫉妬の結末
扶美子は、今も精神錯乱で檻に閉じ込められている。
警察から「扶美子は最初は高志を愛していたようです。だからパトロンの岡村の行状を言ったようです」と聞いた姿津子は「嘘よ!」と叫ぶ。
警察は「わからんのは、あんたが6か月も永井扶美子に疑いを持ちつつも警察に言わなかったことだ」と言ってきた。
それはあたしという女が扶美子を裁くため、それが嫉妬なんです。
達也は「もうこれ以上何をするっていうんだ。できないよ」と言ったが、まさにその通りだった。
達也:「おれ、今夜あんたを抱きたいんだ。いいだろう?」
姿津子:「いやです」
達也:「いいじゃないか、どのみちあんたは俺に助けてもらわなきゃいけない」
いつの間にか、『紫苑』の名義は岡村から鈴田達也に書き換えられていた。
達也が岡村を脅迫したのか、岡村が達也に店を譲ったのかはわからない。
達也の「助けてもらわなきゃいけない」とは、姿津子を「紫苑」の新しいママにすることだった。
そのうち鈴田が死ねば、姿津子には2千万の保険金まで手に入る。
しかし姿津子は達也に抱かれながら、涙さえ枯れ果てていた。
『嫉妬』の感想
「殺したい」という衝動は当然あって何度も犯行に及びかけますが、結局殺しません。
その理由は、そんな程度で「嫉妬」がおさまるものではないから。
そして遂に対決の瞬間がやってきます。
半年も押し殺した思いを爆発させる時が!
ところが高志の死の真相をはっきり言わないうちに、扶美子は狂ってしまいます。
その直後に扶美子のパトロンである岡村も死亡、鍵を握る鈴田も植物状態に。
岡村の愛人だった節子も、今では姿津子を憎んでいて話もしてくれません。
そう、真相は闇の中へ。
結果的に、姿津子は「紫苑」のママに収まってきっと間もなく2千万もの金も手に入れます。
しかし肝心の夫の死の真相は、永久にわからない。
法律ですら扶美子は裁かれない。
最低最悪の結末だと思います。
『嫉妬』夫・高志の死の真相を考察
ヒロイン・姿津子は夫・高志の死の真相を追いますが、原作でははっきりわからないまま幕を閉じます。なので、高志の死の真相について考察します。
となると、(姿津子の見立て通り)岡村と扶美子が結託して高志を殺したということでしょうか。
しかし扶美子は「高志とは純愛だった」と原作の至るところで主張しています。
姿津子は「嘘だ」と言っていますが、原作の節々に扶美子が高志を愛していたのではないか?と思われる箇所があります。
たとえば、事故に遭って麻酔で眠った状態の扶美子は「タカシサン、スミマセン、クルシイ」と詫びています。
これは2人で心中しようと約束したのに自分だけ生き残ってしまって高志に謝っているのではないでしょうか。
さらに扶美子は、手帖に高志の写真を持ち歩いています。
本当に策略的ならば、死んだ後まで持ち歩かないはず。
扶美子は高志を愛しつつも、岡村の金の力に抗えなかったのではないでしょうか。
鈴田の会社にも岡村の金が流れていたので、鈴田も偽装心中を企てた仲間だと思います。
鈴田は岡村を憎んでいますが、新会社を設立したいという夢に抗えなかったのではないでしょうか。
鈴田が最後、自身に生命保険を掛けた直後に扶美子と岡村を水上スキーに誘って全滅しようとしたのは、姿津子に対する贖罪だったのではないでしょうか(結果的に扶美子は生き残ったが)。
『嫉妬』原作とドラマの違い
約半世紀を経て復活した不朽の名作『嫉妬』ですが、スペシャルドラマでは大胆アレンジがされています。➀高史の設定が違う
高史が会社の金8000万円を私的流用して文奈に貢いでいた疑いを受けている設定は、ドラマオリジナルです。
葬儀で姿津花が席を外している間に文奈が現れてこれみよがしに100万円もの香典を置いていったのも、ドラマオリジナルです。
原作では、単に高志と史奈が心中したことだけが描かれています。
➁年齢設定が違う
原作の姿津子は20代後半、扶美子は35歳程度。
しかしドラマで姿津子を演じる檀れいさんは49歳、扶美子役の国仲涼子さんは41歳です。
令和の40代女性は若くてきれいですからね~。檀れいさんの49歳は奇跡としか言いようがありませんが!
➂聖子の設定が違う
高志の妹・聖子の設定も改変されています。
ドラマ:大好きな兄・高史を奪った姿津花に対して“嫉妬心”を抱いて陰湿な嫌がらせをする。兄の死の真相を掴むために『電宝堂』で働きはじめる。
最終的に姿津子を恨むのは原作もドラマも同じだと思われます。
④鈴田雄一郎の設定が違う
鈴田の設定が原作とドラマで全然違います。
ドラマ:雑誌記者で、高史の死後まもなく姿津花の前に現れ、夫の死の真相を探る彼女に協力を申し出る。高史とどこか面影を持つ。
鈴田が高史と似ているという設定に驚きです。結末にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
姿津子と男女の関係になって実は岡村と裏でつながっている設定は原作通りだと思うのですが……?
ドラマ『嫉妬』を視聴した感想!原作と全然違って期待外れ?
ドラマ『嫉妬』を視聴した感想ですが、正直「原作と全然違うな」と思いました。ラストでヒロイン・姿津花が正論(=嫉妬からは何もいいことを生み出さない)を言うために、嫉妬の怖さをひたすら表現したドラマだったという感想です。
原作や映画の醍醐味であるドロドロした感情や人間関係はいっさいありませんでした。
原田泰造さん演じる高史も妻一筋だったようだし。
年齢設定や睡眠薬、泰造さんの一人二役の必要性などツッコミどころが多くて、Twitterでの評価は稀にみるほど低かったです。
ドラマ作成において、令和というモラルに厳しい時代が影響し過ぎたたのかもしれませんね。
ドラマ『嫉妬』の詳しいネタバレ・感想記事はこちら
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