「アンサング・シンデレラ」原作ネタバレ!葵みどりがなりたい薬剤師になる物語!

「アンサング・シンデレラ」原作漫画のネタバレと感想・原作とドラマの違い。

石原さとみさんが、患者の“当たり前の生活”を守る薬剤師を演じます。

病院薬剤師が主人公として描かれるのは、日本の連続ドラマ史上初。

可愛くて一生懸命な主人公が、笑いと涙、希望を与えてくれます。

当ページでは「アンサング・シンデレラ」1巻~5巻(最新刊)のネタバレと感想・ドラマとの違いをまとめています。

小野塚綾の原作ネタバレ記事はこちら



もくじ

「アンサング・シンデレラ」の原作漫画とは?



原作『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』
作者荒井ママレ(医療原案:富野浩充)
掲載誌月刊コミックゼノン
巻数既刊5巻(2020年6月19日現在)

ドラマ『アンサング・シンデレラ』の原作は、医療漫画『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』(作:荒井ママレ、医療原案:富野浩充)で月刊コミックゼノンで連載中、既刊5巻(2020年6月現在)。


患者の命を陰で支える病院薬剤師たちの奮闘記。

薬剤師法第24条で義務付けられている「疑義照会(ぎぎしょうかい)」(=薬剤師は医師の処方箋に疑問点を確認できる唯一の存在)が主要なテーマ。

病院の外の薬剤師=ドラッグストアの店員についても描かれています。


タイトルの意味


「アンサング」(unsung)とは、日本語で「称賛されない、知られざる」の意味。


薬剤師は、医師や看護師のように目立つ存在ではないが、実は見えないところで患者を支える「縁の下の力持ち=アンサング・ヒーロー(unsung hero)」なのです。


タイトルの「アンサング・シンデレラ」とは、「アンサング・ ヒーロー(縁の下の力持ち)」と、主人公が女性であることから童話でおなじみのヒロイン「シンデレラ」に由来。


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『アンサング・シンデレラ』主な登場人物

『アンサング・シンデレラ』の主な登場人物は以下です。


葵みどり:石原さとみ


小児科の薬剤師。

患者に真摯に向き合う。

薬オタクで新薬は必ず味見。


瀬野章吾:田中圭


みどりの先輩薬剤師。

みどりに厳しいが、心中では認めている。


刈谷奈緒子:桜井ユキ


調剤のプロ中のプロ。


羽倉龍之介:井之脇海


みどりの薬剤師仲間。

通称・ハク。


相原くるみ:西野七瀬


みどりの後輩薬剤師。

「医者より責任が軽そう」と薬剤師の道を選んだ。


小野塚綾:成田凌


ドラマでは、中華料理店でみどりに声をかけてきた謎の青年。

病院薬剤師に興味がある様子。

「アンサング・シンデレラ」小野塚綾(成田凌)原作ネタバレ!ドSな性格でみどりとの相性は抜群?

2020年6月26日

「アンサング・シンデレラ」簡単なあらすじ



葵みどり(石原さとみ)は、萬津総合病院の薬剤師。

国家試験に通って憧れの薬剤師になったわけだが、最近思うのが「薬剤師っていらなくない?」。


薬剤師の一番の存在意義は、患者さんに安全に薬を届けること。

だから「疑義照会(ぎぎしょうかい)」はとても重要!

「疑義照会」とは?

医師が出した処方箋の内容に疑問等が生じたときに、発行した医師に問い合わせること。

……なのだが、現実には疑義をかけても、医師にウザがられるだけ。


みどりは「処方を決める医師には疎まれ、患者さんには薬を出す窓口ぐらいにしか思われてない。薬剤師の地位ってけっこう下」と嘆きますが

先輩で主任の瀬野(田中圭)は「自分で自分の立ち位置を決めるな」と指導。


瀬野はみんなから信頼される薬剤師で、みどりの憧れの的。

いつか瀬野さんみたいになれたらいいけど……。


しかしみどりは、様々な患者さんと接することで薬剤師の存在意義を見出していく。

(医師に疑義照会できる)薬剤師は、患者さんにとって最後の砦なのではないか?


そんなみどりは、病院の外の薬剤師=ドラッグストアの薬剤師・小野塚綾(成田凌)と最悪の出会いを果たす。

24時間体制で仕事を回す小野塚の大変さにも気づかず、自分の理想を振りかざしてしまうのだ。


一方、小野塚は暑苦しい(?)みどりに出会って、忘れかけていた夢や情熱を思い出す。

みどりと小野塚は、互いに悩みを打ち明けられる良き友人となっていく。


やがてみどりは「どんな薬剤師になりたいのか?」と自問し、学校薬剤師という仕事に興味を持つ。

子供の頃から薬剤師に親しめば、大人になっても薬剤師を頼りにしてくれるはずだから。

『アンサング・シンデレラ』1巻を原作ネタバレ

『アンサング・シンデレラ』1巻を原作ネタバレします。

第1話「普通のために」:禁煙がアダに?


患者名古賀治郎
職業庭師
症状脚立から落ちて骨にヒビが入って整形外科に入院中

古賀治郎は、骨の経過は良好で退院を3日後に控えているが、顔色が悪い。

喫煙者で喘息持ちなのも気になる。


古賀の妻は、みどりが薬剤師と知って「いつもお薬をくれる身近な存在」と相談してきた。

みどりは、整形外科医に、体調が悪そうな古賀の血液検査をすることを提案。


しかし整形外科医は「それは整形外科で診ることじゃないでしょう?」と一蹴。

みどりは「怪我が治って終わりじゃないでしょう!古賀さんが病院の外で今まで通りじゃないと意味ないんですよ!」と反論。


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みどりの言葉を聞いた古賀は、入院する前から動悸・眩暈・手の震えがあることを白状した。

みどりは古賀の匂いを嗅いで、古賀が最近禁煙していることを知る。


古賀の体調不良は、実は禁煙が原因だった。

  • 医師が古賀に出す喘息の薬は、喫煙によって代謝が促される。
  • そのためその分を考慮して処方量が調整されていた。
  • 古賀は禁煙していたがそのことを医師に伝えなかったため、処方量は変わらないのに代謝量が減って中毒を起こした。

みどりのおかげで体調不良の原因を知ることができた古賀は「今後は薬剤師に相談するってもアリだな」と言った。


みどりは「薬剤師とは、医師が処方を決めた後の砦みたいな存在なのかな」とちょっと自信を持つ。

しかし実は裏では、瀬野が整形外科医の先生にフォローを入れに行ってくれていた(笑)。


一日に全国で処方される処方箋、およそ220万枚。

うち6万枚を超える処方に疑義照会がかけられており、その約70%は処方変更になっている。

命を直接救うことはできない。

けれど医療を確実なものにするのが、私たち薬剤師の仕事なのかもしれない。



第2話「飲めない薬」:お薬入りチョコアイスの奇跡


患者名山口礼央(幼児)
症状マイコプラズマ感染症
クラリスロマイシン
問題点薬が苦くて飲めない

シングルマザーの山口は、息子の礼央がお薬を飲んでくれなくて困っていた。

大好きなオレンジジュースに混ぜてもダメ。


礼央のために仕事を早退したり休んだりして、陰口もたたかれているのに。

ある日疲れ果てた山口は、病院の椅子の上で礼央を抱いたまま思い詰める。


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みどりは山口に声をかけて、服薬指導室で話を聞くことに。

(調剤には、休憩中の瀬野に頼み込んで入ってもらった)


山口は、みどりが作ったオレンジジュース入りお薬を飲んで「まっず」と顔をしかめた。

オレンジジュースと薬の相性が最悪だったのだ。

母親の苦そうな顔を見て、礼央は久しぶりに大笑い。


みどりは、礼央の薬がチョコアイスと混ぜるとほとんど苦みが気にならないことを教えてあげた。

(みどりは薬マニアで、新薬が出ると味わって色々試している)


後日、お薬入りチョコアイスをニコニコ食べる礼央くんとママの姿があった。


医師の許可なく勝手に服薬指導をしたみどりだが、奇跡的にその後医師から服薬指導依頼書が出た。

ラッキー♪と喜ぶみどりだが、今回も瀬野が裏から手を回してくれた結果だった。




第3話「近くて遠い目の前」:アナフィラキーショックと降圧剤


患者名峰田和昭(みねた・かずまさ)
症状蜂毒によるアナフィラキーショック
問題点自発呼吸なし、血圧低下

峰田和昭が、蜂に刺されたことによるアナフィラキーショックで病院に運び込まれた。

「アナフィラキーショック」とは、血圧低下や意識障害が起こる重症化したアレルギー反応で、生命の危機を伴う。

(蜂毒によるものでは、国内で年間20人前後の死亡者が出ている)


萬津総合病院では、みどりたち薬剤師も頭数として救命救急の現場に関わる。

みどりは峰田の血圧を上げるためにアドレナリンを準備。

ところが医師がアドレナリンを投与しても、峰田のバイタルが戻らず心肺停止に……!


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瀬野は、峰田の友人に、峰田が何か薬を飲んでいなかったか聞きに行く。

すると、峰田が血圧の薬を飲んでいたことが判明。

(アドレナリンが効かなかったのは、このせいだったのか……!)


瀬野のおかげで峰田は助かり、みどりは「はああああ~、良かったあ」と涙を流す。

みどりは、投与方法ばかり気にして、内服薬の可能性を考えられなかった自分を猛省。

やっぱり瀬野さんは凄い。




第4話「資格の覚悟」:瀬野の過去


今回は、瀬野の過去のお話。

瀬野が萬津総合病院に来た頃、ちょっとした事件があったのだ。


5年前のある日の当直。

瀬野は、妊娠33週目の切迫患者・矢島詩織の容態が気になっていた。

その日の産婦人科の当直は林先生で、ゲームばっかりして研修医に任せっきり。


矢島は片頭痛が酷くて、カロナールを飲んでも効かない。

瀬野は、矢島がお腹の痛みや目がチカチカすると訴えたことから、『HELP症候群』を疑う。

HELP症候群

妊娠高血圧症候群によって妊産婦に起こる意識消失やけいれん発作。


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瀬野は、研修医に、すぐに林先生を起こしてくるように命令。

子癇が始まってたら帝王切開の緊急事態だ!


しかしやって来た林先生は「自分が何やってるかわかってる?薬剤師さーん!診察していいのは医者だけなんだよ。勝手に患者に触んないでくれるかなー?」と瀬名に言った。

瀬野は遂にブチ切れる!

「あんたにしかできないことをやってから医者を名乗れ……!」


矢島は、瀬野の見立て通り『HELP症候群』だった。

(そのまま緊急手術で無事出産)


これには続きがあり、林が「僕が止めなかったら、瀬野は医師法違反してたかもしれない」と上に申し立てた。

そして林のねらい通り、部課長会議で瀬野の処分が議題に上がった。


しかしその場に居合わせた助産婦の倉本が、瀬野がいなかったらもっと危険な状態になっていたかもしれないことを主張。

「彼のように患者と向き合う医療従事者がいる病院で働けることを嬉しく思います。これがチーム医療なんだと」

この噂はあっという間に病院内に広まり、薬剤師の重要性を皆が認識するきっかけとなった。


以上が瀬野の過去。

この話を聞いたみどりは「瀬野さんのようになりたい」と思うのだった。

しかしきっと瀬野は怒って「お前はどう在りたいんだ?」と切り返してくるような気がする。




第5話「病気とお付き合い」:1型糖尿病の中学生のキモチ


患者名渡辺奈央(わたなべ・なお)
症状3年前に1型糖尿病を発症。数値が高かったため、一時的に入院中。
問題点数値がなかなか安定してこない。

渡辺奈央ちゃんは、1型糖尿病の13歳の中学1年生。

同室の森本優花ちゃん14歳も、同じ1型糖尿病だ。

大人しい奈央ちゃんとギャルっぽい優花ちゃんは、タイプが違うがとっても仲良し。


1型糖尿病は、コントロールができていれば健康な人達となんら変わらないように見えるが、生涯に渡って毎日のインスリン自己注射が必要。

患者やその家族の精神的・経済的負担は、なかなか理解されにくい。


奈央ちゃんの数値がなかなか安定せず、みどりは焦る。

このままでは、退院が延びてしまう。


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奈央ちゃんが、意図的にインスリンの投与量を減らしていることが明らかになった。

(もしかしてカラ打ちしているのか?)


問い詰めるわけにもいかず、みどりは弱る。

とりあえず食前の注射は毎回誰かが付きそうようにするしかない。

そんな中、奈央が食膳が来るのが遅くて倒れた。


みどりは奈央の匂いを嗅いで、奈央がもうインスリンを打っていることに気付く。

(食前のインスリンの注射は食事が目の前に来た時点で打たなければならないのに、奈央ちゃんは早く打ち過ぎた。その結果低血糖に)


奈央ちゃんは、わざと間違えたのだった。

注射の時にチェックが入って誤魔化せなくなったから、少量打って残りは捨ててもう済ませたことにしようとしたのだ。


奈央ちゃんは少しずつ、心の内を話してくれた。

この病気のせいでいじめられて辛い思いをしたこと、心許せる友達である優花ちゃんと離れたくなかったこと。


みどりは、まだ中学生の奈央ちゃんが病気を受け入れていると思い込んでしまったことを反省。

彼女の気持ちも知らず、ちゃんと薬を服用できているかばかりに気を取られてしまった。

もっと患者さんに寄り添いたい。


『アンサング・シンデレラ』2巻を原作ネタバレ

『アンサング・シンデレラ』2巻を原作ネタバレします。

第6話「薬も積もれば」:刈谷女史の棚卸し


今日は、みどりが大学時代の友人との飲み会。

メンバーと職業・年収は以下の通り。
黒須佑子 製薬会社のMR(医薬情報担当者) 年収590万円

柿崎彩乃 調剤薬局勤務 年収440万円

青木千尋 調剤薬局併設ドラッグストア勤務 年収480万円

葵みどり 総合病院勤務 年収380万円
黒須は「5年以内に絶対年収一千万いってみせる……!」と闘志を見せるが、みどりは「病院じゃ部長でもそんなにもらえないよ~!私やっと手取り20万円いったところなのに~」とびっくり。

みんなから「みどり、がんばれ~」と言われて、「なんか私かわいそうな奴みたいになってない?」と焦るみどり。


翌日は、棚卸し。

棚卸しとは?

病院で扱う全ての薬剤の在庫を把握するため、病院内にある薬剤を1錠単位で数える1日がかりの仕事。


仕切り役は、調剤のプロ中のプロ・刈谷奈緒子(桜井ユキ)。

刈谷はザ・合理主義で、効率化の鬼!

思わずぞ~っとするみどり。


刈谷はここに来る前は、大手のケアーレ系の調剤薬局で店長をしていて在庫管理に強いとのこと。

「なぜ大手から病院の薬局に来たのか?お給料だって下がるし」と不思議に思うみどり。


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数日後。

刈谷から先日の棚卸しについて報告があった。

棚卸し自体に問題はなかったのだが、コストを減らしていける部分として術後抗生剤の処方量を減らして欲しいとのこと。


みどりは早速口腔外科の医師に指導を行うが、医師は「患者の安心感のため」の一点張りで減らすことを聞き入れてくれない。


刈谷は「先生の知識やご経験も財産ですが、薬の適正量を見誤って病院の経営が悪化すれば、患者さんに不利益になります」と医師に説明。

「医薬品の管理を徹底し、患者さんのために最善の策を取り続けられるようにするのも薬剤師の仕事なんです」


キャリア、収入、研究など、人にはそれぞれそこで働く理由がある。

みどりは「冷静で合理的過ぎると思っていた刈谷が、一番理屈ではない選択をしているのかもしれない」と思うのだった。




第7話「病院の外」:小野塚綾初登場回


このエピソードについてはこちらにまとめています。


第8話「独りよがり」:小野塚綾の過去


このエピソードについてはこちらにまとめています。


第9話「清く正しく」:お団子頭の正当性


接遇委員会のラウンド(見回り)が行われるとあって、ザワつく院内。

接遇委員会とは、病院職員の身だしなみや振る舞い、院内の清潔感など病院全体のマナー向上を目的とする組織。


接遇委員会委員長は、オペ室看護師長・伊吹響子。

とくに職員の身だしなみに厳しいことで知られている(恐れられている)。


今年は、伊吹の補佐として伊吹以上のヤバい人物が参加。

それは、みどりの同期で看護師の松永。

松永は、伊吹に心酔していて、とにかくマニュアル重視で細かいし厳しい!


松永のラウンドに、みどりが引っ掛かった。

指摘されたのは、紐がないスニーカーとお団子頭のトップの高さ。


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みどりは、スニーカーはこういうデザインだと説明。

お団子頭は、患者さんに認知してもらうための手段だと説明した。

(「お団子頭の薬に詳しい人」と覚えてもらって、患者さんに気軽に頼って欲しいから)


松永は「それは体のいいいい訳です!」と一刀両断。

みどりのお団子頭が、病院内の秩序を乱していると非難。


松永とみどりは大喧嘩になるが、伊吹が仲裁に入った。

「葵さんの考え方、私は素晴らしいと思います。患者さんにとって親しみやすい薬剤師像を自分なりに見つけ出したのね」


しかしその後、伊吹は厳しい顔に戻って

みどりの髪が乱れていること、ズボンに折り癖がついていること、足首を出すほどまくる必要がないことをテキパキ指摘した。

さすがは伊吹さん(笑)。




第10話「夢と懐」:治療したいけどお金がない


患者名丸岡はじめ(まるおか・はじめ)35歳
症状狭心症で救急搬送後PTCA
問題点経済的にお薬代が支払えない

丸岡はじめは、狭心症で救急搬送されたが、本業の漫画家として芽が出ていない。

その上妻が妊娠中で、経済的に困窮していた。

しかし丸岡は心臓病なので、生涯に渡って薬を飲み続けなければならない。


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みどりは丸岡が安心して薬を飲み続けられるように、医師にかけあって※ジェネリックの処方に変更してもらった。

※同じ有効成分でできた価格の低い薬。


丸岡は、妻と生まれてくる我が子と3人で、新たに生きていく決意を固める。

その後、丸岡が描いた入院体験記の漫画がSNSでバズった。

もちろんモデルはぶっ飛んだキャラのみどり。


「アンサング・シンデレラ」3巻をネタバレ

「アンサング・シンデレラ」3巻のあらすじをネタバレします。

第11話「説得と納得」:タミフルは危険な薬?


インフルエンザの流行が拡大し、44の都道府県で警報レベルに達した。

萬津総合病院の地区も警戒レベルで、患者数は激増。


抗インフル薬はさまざまな種類があるが、吸入薬は窓口での投薬指導に時間が取られるため、萬津総合病院では基本的にタミフルを処方するように医師に通達していた。


みどりの同僚の“ハク”こと羽倉龍之介(井之脇海)は、根強いタミフルの負のイメージについて頭を悩ませていた。

  • 2004年以降、タミフルを服用した子供の転落事故が相次いだことをきっかけに、異常行動の原因が薬の副作用であるかのような報道が世間を騒がせた。
  • それにより厚生労働省は、2007年から10代患者へのタミフルの投与を原則禁止していたが、インフルエンザにかかっている時には薬の種類や服用にかかわらず異常行動が発現することが報告され、2018年使用制限が解除された。

そんなある日、タミフルの処方に文句を言う人が現れた。


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彼女は、インフルにかかった老齢の母親に付き添ってきたのだった。

彼女は、昔インフルにかかって吸入器で快方に向かった経験を持っていて、タミフルは危ないと信じる人間だった。

ハクは「吸入器は老齢の人には不向きだ。タミフルは安全な薬で異常行動とは関係ない」と説明するが、彼女はスマホでタミフルを検索した結果をハクに見せつける。


目の前の薬剤師よりネットの情報を信頼するのか、と憤るハク。

そこへみどりがやってきて「吸入器は難しいですが、点滴ではどうでしょうか」と対応して丸く収めた。


瀬野は「正しい情報、説明はもちろん大事だが、患者は不安を抱えているんだ。診察に納得して帰ってもらう。それが大事だってこと忘れるな」と言っていた。

説得より納得が大事なのだ。


その後、患者の不安を理解したハクは、インフルエンザの予防・対策の冊子を作った。




第12話「霧の中」:少女の摂食障害の理由は?


患者名柴崎樹里(しばざき・じゅり)13歳
症状摂食障害
問題点急激な体重低下

柴崎樹里は摂食障害。最近体重が激減して遂に学校で倒れた。


父親に話を聞いてみると、祖父が最近胃がんになってもうあまり長くないとのこと(父親は、食事処しばざきの板前)。

樹里は、おじいちゃんが心配で摂食障害になったのだろうか。


みどりが祖父の電子カルテを見ると、まだ本人にがんの告知はしていないと書かれていた。

樹里は同じ病院に入院している祖父に会うと笑顔を取り戻し、食事も徐々に量が増えていった。


第13話「病なき病気」:がん患者・太一の家族は第二の患者


患者名柴崎太一(しばざき・たいち)
症状胃がん
問題点告知されないまま治療されている

樹里は再び食欲をなくしてしまう。

その理由は、父親が祖父に「胃潰瘍」だと嘘をついてがんの治療を受けさせていることが耐えられなかったからだった。


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樹里:「抗がん剤ってすごく辛いんでしょ?かえって悪くなるとか。やる意味ないって言う人もいる!」

みどりは、当たり障りのないことしか言えない自分に落ち込む。

大事な人を失うかもしれない恐怖。

自分が支えなければという責任。

弱音を吐けない孤独。

患者の心労は想像もできないほど大きい。


みどりは、瀬野の紹介で、がん領域の認定薬剤師・江林に話を聞く。

江林は「がん患者さんの状態を見て治療方針を決めるから、患者さんを含めて話し合うのが望ましい」と言った。


一方婦長は、樹里の父親を呼び出した。

そして樹里が、がん患者の祖父を持つ「第二の患者」であることを告げた。

樹里の父親は、祖父にがんであることを告げる決意をした。


数日後、樹里の祖父・太一は胃がんであることを告知された。

ステージ4で転移があって手術はできず、余命3ヶ月。


太一は「治療は必要ない。そんな金があるなら孫に使ってやりたい」と言うが、樹里は「やだああああ」と泣いた。

医師は「抗がん剤を続けながら自宅で様子を見ることもできます」と説明して、家族3人は同じ方向を向いて話し合うことに。

その結果、太一は自宅に戻って通院で抗がん剤治療を継続することになった。




第14話「それぞれの闘い」:太一の抗がん剤治療


太一の抗がん剤治療1クール目が終わって間もなく、樹里は退院。

しかし今後も太一の状態に影響を受ける可能性があるため、心理士との面談は必須だ。


太一は、通院で治療を受けながらも、店に立っていた。

(太一は、がんになる前は食事処「しばざき」の店主だった)


太一は、「シスプラチン」という点滴のせいで食欲がなくなっていった。

みどりは樹里に「時間が経てば食欲も戻ってくると思う。しんどさに引っ張られちゃダメだよ」と言った。

そして太一の抗がん剤治療は一定の効果が認められ、3クール目も無事に終了し、4クール目に入った。


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季節は春になり、みどりは久しぶりに太一が点滴を受ける病室へ。

ところが太一は別人のように痩せていて、びっくりするみどり。

食欲がわいてこないとのことだが……。


江林は抗がん剤治療を中断することを提案するが、医師は続けるべきと主張。

2人とも太一の力になりたい気持ちは同じだ。


みどりは自分自身に問う。

私は、患者さんの死も理解した上で寄り添っていただろうか。


そんな中、太一が※誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)で入院することになり、抗がん剤は中止に。

※細菌が唾液や食べ物などと一緒に誤嚥され、気管支や肺に入ることで発症する疾患。



第15話「最期の砦」:太一の死


患者名柴崎太一(しばざき・たいち)
症状胃がんで抗がん剤治療中に「誤嚥性肺炎」で入院
問題点抗がん剤は中止せざるを得ないが、がんが進行する恐れあり

太一は、抗がん剤を中止した。当面は食事が取れて退院することが目標。

みどりは「ここまでがんばってきたからなんとか抗がん剤を再開させたい」と願うが、江林は「覚悟を持って最後まで自分に何ができるか考えて」と言った。


みどりは瀬野に聞く。

みどり:「江林さんについて勉強しろと言ったのは、私がずっと小児科担当だからですか」

瀬野:「それもあるな」

みどり:「私には患者さんの死への覚悟が足りないって思ってますか」

瀬野:「やっぱり実際に経験しないとわからないことがたくさんある」


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入院から数日後、太一が痛みを訴え、※医療用麻薬を用いた治療(緩和ケア)が開始された。

※医療用に開発されたのもので、依存や中毒の心配はない。

太一は「私に何かあっても延命措置はしないでください」と医師に告げた。


太一の息子(樹里の父親)が、冷やし大根の煮物を持ってきた。

これは、太一の大好物だ。


太一が「これと熱燗が最高なんだよ」と言うと、息子は「実はこれも」と水筒の熱燗をコップに注いだ。

太一の息子が「(親父が死んだら)店も樹里も守れるのか不安で」と言うと、太一は「俺も同じだった。その不安はいつまでも消えないんだよ」と言った。


太一は、もうほとんど目を閉じたままの状態になった。

樹里が太一の右手がぎゅっと握った状態なのを気にしたので、みどりは小児科で使っている可愛い人形を太一の手に握らせた。

樹里は「あはは、なんか可愛いね」と笑う。


みどりは、太一のご臨終の場に立ち会うことができた。

調剤仲間が仕事を代わって、行かせてくれたのだ。

みどりは江林の前で「もっとできることがあったんじゃないかって……」と泣き、江林は「僕もだよ。ずっとそうやって考え続けるしかないんだ。その覚悟を忘れないで」と言った。


後日。

樹里から、みどりが貸したぬいぐるみが送られてきた。

手紙には「葵さんが最後の最後まで私たちのそばにいてくれたこと、忘れません」と書かれていた。


「アンサング・シンデレラ」4巻をネタバレ

「アンサング・シンデレラ」4巻のあらすじをネタバレします。

第16話「月の裏」:他人にわからない生理痛


患者名遠野倫(とおの・りん)
症状重い生理痛
問題点痛くて行動も制限されてみじめな気持ちになる

遠野倫は、酷い生理痛で痛み止めのロキソニンが欠かせない。

ドラッグストアの薬剤師・小野塚綾(清原翔)は、頻繁に痛み止めをもらいに来る遠野に、一度婦人科を受診することを勧める。


診察の結果、遠野は低用量ピルを試してみることになった。

みどりは、遠野に低用量ピルの服用について説明した。

(低用量ピルには細かい決まりが多い)


遠野は、会社でピルを飲むことに抵抗を感じていた。

低用量ピルは、いまだに避妊薬のイメージが強い。


遠野はピルを飲んでも改善が見られず、再び来院。

遠野が待合室でお腹を抱えて震えているのを見たみどりは、彼女をベッドに寝かせた。


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話を聞くと、遠野は『リラックスタイム』というサプリを愛飲していた。

みどりが成分を調べると、その中の成分『セントジョーンズワート』はピルと一緒に飲んではいけないものだった。


遠野は「生理痛の改善するために飲んでいたサプリで、かえって悪くしていたなんてバカみたい」と泣いた。

みどりは「あなたの生活を支える手伝いを薬剤師にもさせてください」と頼んだ。


その後、遠野は何かあったら病院に行くことにした。

拠り所がたくさんあるっていいかも。



第17話「超えられぬ線」:相原くるみ回


患者名若月陽菜(わかつき・はるな)
症状パニック障害で、薬剤の過剰摂取(OD)
問題点重複診療の可能性あり
担当医師庄司 担当薬剤師相原くるみ
薬の過剰摂取で緊急搬送されたパニック障害の患者・陽菜は、これで4度目の入院。

彼女には、いくつかのクリニックで処方をもらっている重複診療の疑いがあった。


担当薬剤師の相原くるみ(西野七瀬)は「退院後に、かかりつけにできる薬局を探してみませんか」と陽菜に提案。

かかりつけ薬剤師がいれば、陽菜の薬が重複することはなくなるから。

しかし陽菜は本気で取り合わず、軽く受け流そうとする。


陽菜はすぐに退院できる症状のはずが、病床を埋めたい内科の医師(庄司)が彼女に必要のない入院を提案。

驚くべきことに、彼女は提案を受け入れた。

理由は、家より病院の方が落ち着くからとのことだが?


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憤ったみどりは医師に「ただ入院させることが彼女のためとは思えない」と抗議。

医師は「それを葵さんが言う権利はないんじゃないかな」と言い返した。


話を聞いた瀬野はみどりに「それはお前が悪い」と一喝。

なぜなら、医師が患者の様子見のために入院させることは間違いじゃないから。

(それに国内の病院の4割が赤字経営で、萬津病院とて他人事ではない)


しかし陽菜の場合、どこか病院に依存している気配がある。

陽菜ともっと話さなければならないが、ODの危険性や薬の管理について話すことぐらいしかできない。

そして退院後は何もできない。


すると瀬名は「俺たち薬剤師は退院後も患者さんと接することができる。病院の中と外を切り離して考えすぎじゃないか」と一言。



第18話「与えられた役割」:相原くるみの反省


くるみは、薬の説明をするために陽菜の病室を訪れた。

陽菜から「この薬って妊娠してたら飲んじゃダメなやつ?」と聞かれて、答えられないくるみ。

もっとしっかり調べておけばよかった。


陽菜は自分のことについて話す。

陽菜が初めてパニック障害の症状が出たのは、電車の中。

そして入って1年たたない会社を辞職。


その時付き合っていた彼(現在の夫)が結婚してくれて、生活の心配はなくなった。

でも自分が何なのかわからなくなった。


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でも病院にいれば、「患者さん」という役割がある。

陽菜が入院を長引かせたかった理由は、役割を求めていたからだったのだ。


一方、みどりは小野塚から『かかりつけ薬剤師』について話を聞いていた。

陽菜のためにも、知識をつけないといけない。


小野塚は『かかりつけ薬剤師』は地獄のように大変な制度だが、陽菜には必要だと言った。

そしてみどりに「この付近の薬剤師の飲み会に来ます?」と誘ってきた。



第19話「私の“精一杯”」:相原くるみが動き出す


病院に依存していた陽菜だが、最近妊娠・出産を考え始めた。

彼女なりに変わろうとしているのかもしれない。

婦長は、庄司に、そろそろ陽菜の退院を考えた方がいいと進言。


みどりとくるみは、小野塚に誘われた『地域の薬剤師の飲み会』に参加。

話題は陽菜の退院後のかかりつけ薬剤師についてだが、患者さんに特定の診療科に強い薬局を紹介するのは禁止されている。

病院同士の紹介は問題ないのに、おかしな話だ。


くるみが「陽菜さんが少しでもかかりつけ薬剤師に心開いてくれるといいけど」と気弱な発言をすると、「それは相原さんが信頼されているかどうかも大きいんじゃないかな~」と他の薬剤師のメンバー。

くるみは「私は、存在感ゼロっていうか」と自虐的にうつむく。


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すると小野塚が「僕も患者さんにとってそういう存在だった」と話す。
・何もかも最初から線引きしていたけど、みどりに会ってそれが変わった。

・今は、どんなことでも、ひとりの薬剤師の関わりがその後に影響すると信じている。

小野塚はみどりに「新田さんに調剤ミスの謝罪をしました。彼は今でもみどりさんのお薬カレンダーを愛用してますよ」と言った。


小野塚の話を聞いて、くるみの心にも変化が生まれる。

病院に向いてないとか言ってる場合じゃなかったんだ。

どこだってやらなきゃいけないことは同じ。


くるみは、庄司に「御木本医院」が精神科に強いという評判を伝え、おかげで陽菜の退院後の通院先が決定した。


くるみは、陽菜のために「御木本医院」周辺の薬局地図を作成してわたした。

これを見れば、薬局ごとに個性があることがわかってもらえる。


庄司医師は、くるみの薬局マップを褒めた。

くるみは「みどりさんならもっと何かできたかもしれませんが、もうそういうこと考えるのやめたんです。あれが“私の精一杯”です」と笑った。

その後庄司の口添えで、陽菜の夫も退院時のお薬説明に来てくれた。


くるみは「若月さん、ありがとうございました」と陽菜に頭を下げた。

陽菜は「あはは、変なの。こっちこそありがとうだよ~」と言って退院した。


くるみにとって、陽菜とのかかわりは重要な一歩を踏み出させてくれた。

そのことをいつか陽菜に言える日がくるだろうか。

今度問題が起きても、全力で向き合おう。



第20話「長く診ること」:在宅特化薬局


みどりとくるみは、小野塚と待ち合わせて、在宅特化薬局の「笹の葉薬局」を見学させてもらうことに。

「笹の葉薬局」の薬剤師・仁科は、陽気に3人を迎えてくれた。


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仁科さんが、ざっと「笹の葉薬局」のことを説明。
・在宅医療に特化した薬局として2年前にオープン。

・患者さんは主に高齢者。

・地域の医師・訪問看護師・ケアマネージャーとかと連絡を取り合って患者を診ている。

・退院後も安心して家で過ごしてもらうため、家の中で病院のような環境を作り出している。

・病院は「退院」がゴールだが、在宅医療は「長く看る」ことが目的でそれは「最期まで看る」ことを意味する。

・仁科は元病院薬剤師だったが、そこでは薬剤師が患者さんの臨終の番に立ち会うことはなかった。

・その後調剤薬局に転職したら、そこが訪問サービスもやっていることろで、自分にももっできることがあるんじゃないかと気付いた。

・そのうち在宅医療に特化した薬局で働きたいって気持ちが強くなったが、この地域では無菌調剤できる薬局がなかったから「笹の葉薬局」を開いた。

みどりたちは、調剤室も見学させてもらう。

ここで、注射剤や点滴の調整ができるおかげで、退院して自宅で過ごせる患者さんが増えたという。


仁科は「正直儲かっている薬局かと言われたら微妙だが、地域社会に必要な薬局だと胸を張って言える」と言った。

(それでも病院薬剤師よりは給料は良い♪)


仁科は、小野塚に「笹の葉薬局」に来て欲しいと思っていた。

小野塚はDS勤務でOTCに強いし、動じない態度が医師や看護師と対等にやり取りする上で素晴らしいから。


小野塚は、今までちゃんと終末期の患者と向き合ってこなかったことに不安を感じていた。

だが、それでも仁科は大丈夫だと言う。


一番大事なのは、患者の生活に寄り添うという覚悟だから。

仁科は、地域で見守る事が当たり前になるのは自分の勝手な使命だと思っていると笑った。


帰り道。

みどりとくるみは、今まで在宅医療のことを何も知らなかったんだと痛感した。

でもこれで、薬剤師として凄く大きな選択肢のひとつを知ることができて良かった。


「アンサング・シンデレラ」5巻をネタバレ

『アンサング・シンデレラ』5巻のあらすじのネタバレをします。

第21話『巨人の肩』:薬を他人にあげてはダメ


『巨人の肩』には2人の患者さんが出てきます。

まず一人目。

患者名岩下(いわした)
症状腰痛
問題点自分に処方された湿布薬を妻や他人にあげてしまう

刈谷(桜井ユキ)は、自分用に処方されている湿布を周りの人間にあげてしまう岩下に困っていた。

刈谷が追加の湿布を渡すのを拒否すると、岩下は「ケチ」と捨て台詞を吐いて去って行った。

患者さんは「市販で買うより安いからもっとくれ」となりやすいが、「安い」んじゃなくて税金で賄われていることを忘れがちだ。


二人目。

患者名増田航平(ますだ・こうへい)
症状花粉症
セレスタミン(ステロイド含有)
問題点自分の息子に薬をあげてしまう

増田航平は、妻が臨月で入院中で一人で息子・翔の面倒を見ている。

翔が鼻をずるずるさせたので、航平は「1錠ぐらいならいいか」と自分用の抗アレルギー剤を小さな息子にあげてしまう。

翔の症状が改善したため、その後も何度も自分の薬をあげていた。


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その事実を知ったみどりは、子供には子供用できちんと処方してもらうように注意。

「ステロイド含有の薬は、子供が長期で使用すると免疫が落ちたり肥満になることもあります」


航平は「大げさに言ってるだけなんじゃないの?実際にそういう子見たことあるの?少しぐらいならいいじゃないか」と反論。

みどりは返答に詰まる。


刈谷は「私はステロイドにより成長抑制がかかってしまったお子さんに会ったことがあります」と答えた。

ステロイドが子供の成長に影響することが周知されたのは10年前。

みどりがその症例を知らないのは、医療従事者が防いできたから。


10年以上前には、その症例はあった。

2年にわたってセレスタミンを服用していた子供に、ステロイドの影響が認められたのだ。


その子は12歳の平均身長より20㎝低く、体重は10㎏重かった。

刈谷は、その子の母親が泣いた姿が忘れられないと言った。


航平は「そんな副作用が強い薬、大丈夫なんですか?」と聞いてきて、刈谷は「用法・用量を守っていただければ」と答えた。


帰宅した航平は「ごめんな」と翔を抱きしめた。


刈谷はみどりに「嫌われてでも納得してもらわなければならないことがあります。回り回って患者さんの不利益になることは絶対避けたいから」と言った。

みどりは、そんな刈谷のブレない態度に改めて敬意を表するのだった。



第22話「星に願いを」:海くんの願いは


患者名海(かい)
症状喘息
フルタイド(吸入剤)
問題点薬の回数を守れてない

喘息で入院中の海くんは、病院にいる人間みんなが嫌い。

みどりは海くんにお薬日記を付けてきちんとお薬を服用するように言うが、海くんはみどりが一番嫌い。


仕事で忙しいお母さんは、なかなか見舞いに来てくれない。

病院は七夕会の準備に忙しいが、海くんは「くっだらね~」。


そんな中、海くんは発作を起こす。

でも……喘息持ちの自分が一番嫌い。


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夢の中で、海くんは彦星。

織姫のみどりが現れて「ちゃんと薬を飲めば、また一緒になれますから~」と笑った。


海くんが「いやだ~!」と絶叫して目を覚ますと、そばに念願のお母さんがいた。

部屋に飾ってあった短冊には『海くんの願いごとが叶いますように みどり』と書かれていた。


そこへみどりが「海くん、体調どうですか」とやってきて、真っ赤になる海くん。

やっぱりこいつが嫌いだ!



第23話「果てなき地平」:みどりはどんな薬剤師になりたい?


みどりは、これからどんな薬剤師になるか目標が定まらず、悩んでいた。

瀬野も「長期的な目標を持て」と言うし、「毎日患者さんのためにがんばる」だけじゃダメなのはわかっているけれど。


そこへ小野塚から「11月から笹の葉薬局で働くことになりました」のラインメッセージが。

「ぐうう」と思ったみどりは、その足で小野塚がいるファミレスに行く。

続きはこちら。


第24話「頼られる人」:ドーピングに引っ掛かる薬


患者名夏目紗由紀(なつめ・さゆき)
症状※前十字靭帯損傷で手術のため入院(術後の経過良好)
問題点ドーピングに引っ掛かる薬はNG

※スポーツの現場で見られる膝の外傷の一つで、急激なジャンプの着地時に発生することが多い。


夏目紗由紀は、中学3年生でバスケをやっている女の子で、前十字靭帯損傷で手術のため入院。

高校バスケで国体に出るのが目標で、ドーピングに引っ掛かる薬は飲むことができない。

(高校でもドーピング検査はある)


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みどりは、すぐにドーピングの勉強をスタート。

※スポーツファーマシスト認定の基礎講習を受けているハクが、「もう処方出てるならGlobal DROというサイトを見たらいいですよ」と教えてくれた。

※最新のアンチ・ドーピングに関する知識を持った薬剤師。


調べた結果、紗由紀の薬は全て問題なし。

みどりは「これからも気になることは聞いてください。ちゃんと調べますから」と紗由紀に約束。

紗由紀は、はじめてみどりに笑ってくれた。


ハクはみどりもスポーツファーマシスト認定を取ればいいと勧めてくるが、認定を取るにはお金も時間もけっこうかかる。

「やっぱり今携わっている小児領域で頼られる存在になりたい」と思うみどり。


紗由紀はリハビリも順調で、みどりは紗由紀が普段口にするもの全てについてドーピングに引っ掛かからないか調べた。


そして退院の日。

紗由紀は「お薬手帖の※このシールありがとね」とみどりにお礼を言った。

※『バスケの選手なのでドーピング禁止物質ではないかご確認お願いします』シール。


そこへ紗由紀の母親が来て「葛根湯買っといてあげたわよ」。

みどりと紗由紀は口を揃えて「葛根湯も(ドーピング禁止物質だから)ダメ」と言った(笑)。


紗由紀は「みどりさんもスポファの資格取ってくれたらいいなあ」と言って帰って行った。

みどりは、紗由紀のように子供の頃から薬剤師と接していれば、この先も頼ってくれるに違いないと思う。


みどりはやっと目標を見つけた。

それは、子供や若者に薬剤師を身近に感じてもらう布教活動!

そう思ったら、学校薬剤師にがぜん興味が出てきた……。



第25話「新しい戦場」:みどりが産科へ


産科病棟の鶴田が産休に入るため、みどりが小児と産科を兼任することになった。

みどりにとって大任だが、鶴田は「出産の現場で薬剤師ができることはほとんどないって思う人には任せたくなかった」とみどりを信頼していた。


みどりは鶴田の案内で、産婦人科の入院患者さん達と会う。


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最初の患者は、三戸千夏・34歳・初産婦。

昨日経腟分娩で女児出産して、経過順調・新生児所見問題なし。


しかし会陰切開の痛みで、股が燃えるように痛いとのこと。

カロナールが処方されているが、飲むことに不安がある様子。

妊婦の鶴田が「私も飲むよ」と言うと、安心した。


次に切迫流産で入院している4人部屋の患者さん3人と顔を合わせる。
➀星名優 28歳 初産婦

27週の検診で子宮頸管長の短縮が認められ、保育士という職業柄安静にすることが難しいため管理入院。

現在31週目。

リトドリンの服用で、どうしてもほてりとか動悸が出る。


➁千川恵美 32歳 お子さんは2人目

現在35週で来週退院予定。


➂藤井かな 29歳 お子さんは3人目

切迫早産のほか、軽度の妊娠中毒症もあり現在32週目。


➃向坂千歳 37歳 初産婦

現在30週。てんかんの既住あり。

ハイリスクのため絶対安静。

未婚で相手の男性には伝えておらず、母と2人暮らし。

薬の影響で辛い体調の星名は、一度流産の経験もあって、不安に思っていた。

そして向坂千歳は、持病と不倫で授かった子供のため、厳しい母親から「あなたには育てられない」と言われていた。


感想


この漫画を読むと、薬剤師さんってこんな仕事だったんだ~と目から鱗が落ちます。

今までいかに薬剤師さんを意識せずに生きてきたことか。


葵みどりは、とにかく患者さん第一主義の薬剤師。

医療従事者なら当たり前のことに思えますが、忙しい病院内では効率や利益を重視すべきという意見もあります。


患者さん第一主義がちょっと行き過ぎて、病院の外の薬剤師・小野塚綾と最悪の出会いを果たします。

しかし小野塚も昔はみどりのような熱血薬剤師で、2人はいつしか悩みを打ち明け合う信頼関係を築いていきます。

本当に気の合う2人って最初はぶつかり合いやすいんですよね~。


思ったまま突き進んでしまうみどりを時に厳しく、時に裏からフォローする瀬野もまた患者さん第一主義の薬剤師。

みどりには特に厳しいようですが、5巻が終わってもloveの兆候はありません。


この漫画はとにかく薬剤師について深く掘り下げていて、それでいて人間模様も(恋愛要素はないけど)面白い。

理詰めな刈谷(桜井ユキ)に、自信なさげなくるみちゃん(西野七瀬)、ちょっとSな小野塚(成田凌)と、みんな見事にキャラ立ちしているからです。

是非、まずは1巻を試し読みしてみてください。

『アンサング・シンデレラ』原作とドラマの違い

『アンサング・シンデレラ』原作とドラマの違いは以下です。

主人公・葵みどりの勤続年数が違う


葵みどり(石原さとみ)は原作では小児科のキャリア2年目の薬剤師ですが、ドラマでは8年目の中堅薬剤師の設定に。

演じる女優・石原さとみさんは以下のコメントをしています。

ドラマで描かれるみどりは原作よりもキャリアを積んでいる設定なので、患者さんに寄り添う温かさや優しさを持つ一方で、冷静な部分も持ち合わせていると思います。患者さんにとっての“最後の砦(とりで)”という自覚をもち、単にがむしゃらなだけではなく、優しさが本当の強さだということが伝わるように演じていきたいです。

引用元: 「アンサング・シンデレラ」公式HP


原作のみどりはとにかく“体当たり”なイメージですが、ドラマのみどりは経験を積んで“冷静”な部分もあるということなんですね。

さらに原作では相原くるみはみどりの後輩の薬剤師ですが、ドラマではみどりがくるみの指導にあたっています。


瀬野章吾の設定も違う


みどりの憧れの薬剤師像である瀬野章吾(田中圭)ですが、原作では小児科の主任薬剤師で、ドラマでは薬剤部副部長。


相原くるみのキャラクターが違う


原作の相原くるみは、自信がなくて「私なんか」と口にする気弱なキャラクター。

みどりに憧れていて、みどりのような薬剤師になりたいともがいてます。


ドラマの相原くるみは、医者より薬剤師の方が責任が軽そうという理由で薬剤師になった人物。

ヤル気がなくすぐに不満や疑問を口にします。

「向いてなかったらやめる」と初日から口にしますが、日々患者のために一生懸命なみどりを見て意識に変化が……?


オリジナル・キャラクターが多い


ドラマでは原作にない以下の4人の人物が登場します。


➀工藤虹子(金澤美穂)

萬津総合病院薬剤部。キャリア4年目の病院薬剤師で監査を担当。病院内の噂話やゴシップが大好きで、自分が知った情報は薬剤部のメンバーに得意げに話す。



➁七尾拓(池田鉄洋)

池田鉄洋萬津総合病院薬剤部副部長。薬剤部メンバーの中で独特な空気感を漂わせる不気味な男。治験管理を担当する七尾は、薬の開発の臨床試験で実績を上げ、その優秀さゆえに他のメンバーとは一線を画した“治外法権”の立場にいる。



➂辰川秀三(迫田孝也)

迫田孝也中華料理店・娘娘亭(にゃんにゃんてい)の店主。辰川は萬津総合病院では“待たせると激ギレする”として有名な外来患者。辰川の扱いには薬剤部メンバーの誰もが手を焼いている。



➃荒神寛治(でんでん)

萬津総合病院薬剤の医薬品情報を専門的に管理するドラッグインフォメーション室(通称:DI室)責任者。ひょうひょうとした物腰の柔らかい雰囲気で、たとえどんなに厄介な患者でも荒神を前にすれば不思議とクールダウンしてしまう“調剤の魔術師”という異名を持つベテラン薬剤師。



豊中瑠衣の設定が違う


原作の豊中瑠衣(臼田あさ美)は救急看護師ですが、ドラマでは救急救急医。

原作では瀬野と年齢が近くて仲もいいようでしたが、ドラマではどうなのか。