『満願』第二夜「夜警」【安田顕】あらすじ原作ネタバレ!川藤の小細工に驚愕……!

米澤穂信のベストセラーミステリー短編集『満願』の中から、「万灯」「夜警」「満願」が3夜連続でドラマ化されます。

第二夜【2018年8月15日(水):NHK総合よる10時から10時59分】は、安田顕さん主演で「夜警」。

当記事では『満願』第二夜「夜警」について、原作からあらすじをネタバレしてまとめています。


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ドラマ『満願』とは?


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  • 放送予定日 2018年8月14日(火)、15日(水)、16日(木)(NHK総合:よる10時から10時59分)
  • 原作 米澤穂信『満願』
  • 脚本 大石哲也(第1夜・第2夜)、熊切和嘉(最終夜)
  • 制作統括 出水有三(NHK)、仲野尚之(日テレアックスオン)
  • 演出 萩生田宏治、榊英雄、熊切和嘉
  • 収録予定 2018年6月から7月

米澤穂信さんの小説『満願』は、2014年のミステリー界で、史上初めて「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリー・ベスト10」「ミステリーが読みたい」のそれぞれで1位になり、3冠に輝いたベストセラーミステリー短編集。

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この中から、「万灯」「夜警」「満願」を3夜連続でドラマ化。

緻密な謎解きはもちろんの事、岐路に立たされた人間の葛藤、業などを精細に描きだすミステリードラマです。

  • 第1夜「万灯」業の闇に飲み込まれていくやり手商社マン:主演・西島秀俊(2018年8月14日放送)
  • 第2夜「夜警」若い巡査の殉職の謎:主演・安田顕(2018年8月15日放送)
  • 第3夜(最終夜)「満願」美しき下宿屋の女将が守りたかったもの:主演・高良健吾(2018年8月16日放送)

安田顕主演「夜警」キャスト一覧

「夜警」のキャストをご紹介します。

柳岡潔:安田顕



交番勤務の巡査部長。

川藤浩志を「警察官に向いていない」と思っていましたが……。

川藤浩志:馬場徹


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警察学校を出たばかりの新人。

名誉の死を遂げて、二階級特進して、警部補に。

川藤隆博:吉沢悠



川藤の兄。

安田顕主演「夜警」あらすじを原作ネタバレ



第2夜「夜警」(安田顕主演)のあらすじを原作ネタバレします。

川藤浩志巡査の殉職


川藤浩志巡査が、ある事件で命を落としました。

その事件は、11月5日午後11時49分ごろ、市内に住む40代の女性から、夫の田原勝が暴れていると110番通報があったことから始まりました。

現場に駆けつけて警察官3人が説得を試みるも、田原が短刀で警官たちに切りかかったため、川藤浩志巡査が拳銃を計5発発砲。


胸部と腹部に命中し、田原はその場で死亡。

川藤巡査は切りつけられて病院に搬送されましたが、死亡。


少しの賛否両論はあったものの、川藤巡査は適正な銃の使用をしたという見方が多数でした。

殉職した川藤は、勇敢な職務遂行を賞されて二階級特進、警部補に。


しかし、川藤の上司・柳岡巡査部長(安田顕)は、聞こえないように独り言を言いました。

「あいつは所詮、警官には向かない男だったよ」


川藤は警察官に向いていなかった


柳岡は、川藤が死ぬまでを思い返します。


警察学校を出た川藤の最初の配属先が、柳岡巡査部長のいる「緑1番交番」でした。

交番長を勤めていた柳岡は、初対面から川藤のことが何となく気に入りませんでした。

川藤は妙に甲高く、なよなよした声で、初日とはいえ、緊張の度が過ぎていたから。


柳岡は自分の目の届く範囲に置こうと川藤と組むことにして、もう一人、二年後輩にあたる梶井と三人で勤務にあたることに。

梶井も、川藤がスナックの客同士のトラブル程度で拳銃のある腰に手を回したのを見て、「警察官としては厳しい」という評価をします。


その後も川藤は、違反車の運転手にすれた口のききかたをしたり、浅知恵と小細工で自分のミスを誤魔化そうとしました。

「川藤のような小心者は、仲間にしておくのが怖いタイプの男だ」と思う柳岡。


そして柳岡は、こういうタイプの部下を持つのは初めてではありませんでした。

柳岡が刑事課にいた頃、三木という警官に向いていない新人が入ってきて、柳岡は厳しく指導。


しかし柳岡の度を過ぎた厳しい指導のせいか、三木は警察を辞めて自殺。

柳岡は「俺は、もう部下を殺したくない」と思っていました。


川藤が殉職した日はおかしな事が続いた


川藤が殉職した日は、朝からおかしなことが続いていました。


柳岡はこの日に限って手元が覚束なく、五発入りの弾倉に一発入れたところで、手からばらばら弾が滑り落ちました。

装備課長から「一発でもなくしたら、クビを飛ばしてやるからな」と怒鳴られる始末。


そして交番に行くと、常連の通報者である田原美代子が待っていて、旦那である田原勝に殺されるかもしれないと言う。

田原勝は前科があり、美人の妻への執着が強いようでした。


美代子は勝が最近刃物を買って、家でじっと見てると告げます。

しかしそれだけでは逮捕できないので、美代子には帰ってもらい、一応パトロールを強化することに。


午前中に警邏に出た柳岡と梶井が交番に戻ると、川藤から工事現場で交通整理の誘導員が倒れたという報告を受けます。

ヘルメットに小石が当たって派手な傷がついていましたが、特に怪我はなし。

ところが、柳岡に対する川藤の態度は不自然なほど挙動不審で、何かを恐れている様子。


そして、午後11時49分に署に110番通報が入ったのです。


川藤の兄・隆博の話


ここで回想は一旦途切れ、柳岡は川藤の兄・隆博を訪れます。

隆博は、川藤の親代わりでした。


柳岡が「立派な警官でした。川藤君のおかげで人質は助かった」と言うと、「違うとおもっているんですよ」と隆博。

隆博は、弟の川藤は頭は悪くないけれど、肝っ玉が小さく、開き直るとくそ度胸があり、銃を持てるからという理由だけで警官になったのではないか……と話します。

「だから、人質を守ろうとして発砲したなんて話は違う。そんな立派な死に方は、俺の弟がするもんじゃないですよ」


隆博は、弟の川藤が死んだ現場にいた柳岡に、あの日なにがあったのか全部話してほしい、と言います。

遺族に現場のことを話すのは論外なのですが、柳岡は疲弊していました。


柳岡は、全てを話します。

田原美代子は午前中に相談に来ていたこと。

夫で前科者の勝の様子がおかしいことは、事前にわかっていたこと。

徘徊老人を探しに出たことや、スーパーマーケットでの事故、迷子の中学生、常連からの緊急性の低い通報、川藤の昼飯がカツ丼だったことまで話しました。


そして話は、午後11時49分に辿り着きます。

通報に従って、現場である田原美代子の自宅に向かう柳岡、川藤、梶井。

自宅からは、美代子の悲鳴が聞こえます。


本部の応援を待つかどうかという話になりますが、「突入しよう」と言う川藤。

柳岡は川藤を睨みつけますが、夫の勝が刃物を持って暴れているのだから一刻を争うのも確かです。


梶井、川藤、柳岡の順番で突入。

中では、勝が美代子の首に刃を当てています。

柳岡が説得を試みますが、女房の浮気に疲れたと言う勝。


しかし川藤が「諦めろ。緑1番交番だ!」と叫ぶと、田原が豹変。

「緑1?貴様か!貴様が美代子を!」と言って、突っ込んできました。


短刀が川藤に向けて突き出されましたが、梶井の体が邪魔になり、その先がはっきり見えません。

銃声が一続きで、何発分も響きました。


撃たれた田原は止まらずに川藤に切りかかる形になり、川藤は首から血を吹き出しました。

田原は即死、川藤も死亡。


後から美代子に事情徴収すると、浮気はしていなかったことが判明。

そして川藤は亡くなる前に「こんなはずじゃなかった。上手くいったのに」と言っていました。


川藤が撃った銃弾が合計5発で、内4発は勝に命中、残りの1発は庭に落ちていました。

状況から考えて、空に威嚇発砲したと考えられますが、柳岡は自分自身の目で確認したわけではない……。


真実に辿り着く


ここで隆博が、口をはさみます。

実は事件当日、交番にひとりでいた川藤から隆博にメールが来ていたという。

内容は「とんでもないことになった」の一文。


これまでも川藤は兄の隆博に同様のメールを送ったことがあり、それは兄に尻ぬぐいしてほしいことがあった時でした。

隆博は今まで散々、川藤の尻ぬぐいをしてきましたが、事件の日は携帯電話を忘れてしまい、何もできなかったそう。


柳岡は隆博の話から、何があったのか真実にたどり着きます。

あの日、ひとりで交番にいた川藤は、拳銃に触っている内に、誤って発砲。


弾は外へ飛び出して、誘導員のヘルメットをかすめてしまいます。

幸い誘導員は怪我をしませんでしたが、銃弾を紛失したらまずいと思う川藤。


川藤は兄にメールを打ちますが、返信はありません。

今回は兄の助けが期待できない以上、ひとりでなんとかするしかありません。


川藤は、失敗を隠すためなら有り得ないことでもしようとする奴。

遂には「暴発を隠すには発砲すればいい」という結論に至ったのです。


事件を誘発するために、川藤は田原に電話。

内容は、奥さんは緑1番の警官と浮気している。


事はうまく運び、勝は帰宅した美代子を襲い、美代子は警察に通報。

しかしいざ対峙した田原が予想外に大人しかったので、川藤は「諦めろ!緑1番だ!」と叫んでわざと田原を怒らせます。


柳岡はその後、何発銃声を聞いたかよく覚えていません。

しかし「銃声は、4発だったのではないだろうか?」と思います。


川藤は全弾を命中させ、交番勤務中に暴発した一発を、足元に落としました。

おそらくは上から踏みつけ、土にめり込ませもしたのだろう、全ては一瞬の出来事でした。


川藤の隠蔽工作は上手くいくはずでした……、しかし川藤は一つ大きな誤りを犯しました。

それは、人間の執念を甘く見たこと。


隆博はおそらく、弟が何をしたのか気付いていて、柳岡は自分も警察に向いていない人間として、警察を去ることを予感していました。

まとめ

『満願』第二夜「夜警」について、原作からあらすじをネタバレしてまとめました。

ぞっとするネタバレですが、案外現実にも同様のことが起こっているのかもしれません。


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