『この世界の片隅に』で、すず(松本穂香)を母と呼び、北條家の家屋を所有する北條節子(香川京子)とは何者でしょうか?
すずは栄養失調で子供が出来にくかったので、実子ではなさそうです。
当記事では『この世界の片隅に』北條節子の正体について、原作から詳細にネタバレしてまとめています。
『この世界の片隅に』北條節子とは?
北條節子(香川京子)は、ドラマ『この世界の片隅に』の現代パートに登場。
すずを母と呼び、北條家の家屋を所有するものの、自らの出生を詳しく語らないなど謎の存在。
北條節子は、北條家の過去と現在を知る重要な存在ですが、すずとの関係は何なのでしょうか?
『この世界の片隅に』すずと北條節子の関係を原作からネタバレ
北條節子の正体は、原作に出てくる少女・ヨーコです。
昭和21年1月
幼いヨーコは、ピカドン(広島の原爆)で、母親を亡くしました。
ピカドンはまずヨーコの母親の右手を奪い、その後その命も奪ったのです。
死んだ母親の右手にハエがたかり、耳からウジが湧き出て、においも酷くなったので、ヨーコはひとりに。
目の前にコロコロと転がってきたおにぎりにヨーコはかけよりました。
拾い上げ、嬉しそうに立ち上げります。
今日初めての食事でした。
しかし顔を上げたユーコはギョッとしました。
まるで母親のような短い右手が、目に飛び込んできたから。
駅の待合ベンチに軍服姿の周作(松坂桃李)と一緒に座ったすず(松本穂香)がひざの上にお弁当を広げて、食べていました。
ヨーコは、拾ったお握りをすずに差し出しました。
すずは「ありがとう。ええよ、食べんさい」と微笑みます。
ユーコはすずにぴったりくっつくようにベンチの端に座ると、おにぎりを食べ始めました。
すずは気にせず、周作と会話。
「でも遠うて大変ですね」
周作の新しい職場は、広島なのです。
周作:「いっそ家を出て、こっちで所帯持つか?お母さんやらすみさんのこともあるし」
すず:「いいえ。それはうちがこっちへ通います。広島のことも心配じゃけど呉はうちが選んだ場所ですけえ」
どこにでも宿る愛
お握りを食べ終えたヨーコは指についた飯粒も丁寧に舐めて、まだないかとチラッとすずを見ます。
ヨーコはすずの頬についた飯粒に手を伸ばし、ぱくっ。
顔を見合わせるすずと周作。
「あんた……よう広島で生きとってくれんさったね」
すずはヨーコの小さな手に自分の左手をそっと重ねました。
すずと周作は、ヨーコを呉の家に連れていきました。
茶の間でこっくりこっくり船を漕いでいるヨーコを、北條家の面々が囲んでいます。
しかしなんだか痒いと思ったら、ヨーコには大量のシラミがわいていました。
サン:「大鍋に湯をわかし。着とるもんもみんな煮るで!」
周作:「とりあえず風呂かのう?」
すず:「この子は最後の方がえんじゃないですか?」
径子:「晴美の服じゃ小まいかねえ……」
ヨーコは、どうやら北條家の養女になったようです。
この後の記述はないですが、現在の北條節子がすずのことを母と呼んでいることからまず間違いないでしょう。
まとめ
『この世界の片隅に』北條節子の正体について、原作から詳細にネタバレしてまとめました。幼い北條節子は、すずたちの救いだったのではないでしょうか?