2017年10月15日(日)よる10:30~ドラマ『今からあなたを脅迫します』が始まります。
この記事では『今からあなたを脅迫します』原作のあらすじのネタバレと感想【後編】をまとめました。
『今からあなたを脅迫します』原作のあらすじのネタバレ【前編】は以下です。
→今からあなたを脅迫します 原作をネタバレ【前編】!澪の過去が可哀想過ぎる…
もくじ
『今からあなたを脅迫します』原作のあらすじのネタバレと感想【後編】
『今からあなたを脅迫します』原作のあらすじのネタバレと感想【後編】を書いていきます。【ドラマ化記念特製フル帯!】『今からあなたを脅迫します』1・2巻がドラマverに衣装替え!昨日から店頭に並び始めています。2巻目はディーンさん、武井さんが原作小説のために撮りおろしてくれました。20日頃発売の最新刊ではどんなお二人が登場するのか…どうかお楽しみに!#今キョー pic.twitter.com/gR8ja3eHYi
— 河北壮平@講談社ノベルス&タイガ (@so__hei) 2017年10月5日
第4章 決別のコーンポタージュ
湧き上がる疑惑
バイトの休憩時間中に、澪は気がかりなニュースを目にします。
「川崎の遺体は暴力団幹部か?」
「先日川崎駅近くで発見された40代男性の遺体が、指定暴力団不破組の構成員と見られる」
不破組と言えば、笠谷の事件の時に、立花絵瑠の事務所と癒着していた組。
さらに、川崎という地名にも聞き覚えがありました。
千川が早坂を脅迫して「川崎の情報を寄こせ」と言っていなかっただろうか……?
澪は千川がこの殺人事件に関わっているのではないかという疑惑を抱きます。
澪はひとりで栃乙女の部屋を訪ねることにしました。
栃乙女は、千川と目黒が澪に何やら隠し事をしている事実を教えてくれました。
澪は目黒に「(千川は)まさか、殺人事件に関わってるのですか?」と聞きますが、「千川本人に自分で聞け。」と言われてしまう。
千川がいるファミレスに、目黒と向かう澪。
会うなり「呼んでない、金坂澪は呼んでない。」と眉を上げる千川。
フリージャーナリスト・音城を脅迫する千川
千川は澪にはかまわず脅迫を始めます。
「音城一馬、今からあんたを脅迫する。」
音城は、フリーのジャーナリスト。
千川からの要求内容は、政治家の新戸部文夫から手を引いてほしいということ。
新戸部は、のほほんとしたキャラクター性と相反する強さがウリの政治家ですが、全て計算尽しなのでは、という噂も流れていました。
澪は、新戸部の笑顔を仮面のようだと感じていて好きにはなれない……。
ここで音城が、立花絵瑠のバッシングの原因にもなった「赤坂の自爆テロ事件」のことを口にします。
あの事件は率先して救助活動をしていた新戸部が仕組んだことなのではないか、と。
自らを英雄視させるために、事件を利用したのではないか、と。
新戸部の黒い噂は他にもあって、暴力団と癒着して資金集めをさせて、警察や官僚にもその権力が行き渡っているからまともに捜査もされることはないのだと。
澪は、音城の話を聞いて「これが本当ならば新戸部は完全な悪人だ。」と思います。
しかし千川は脅迫をやめるつもりはない。
「引かないなら、あなたの東京レッドネット時代のプロフィールが世間に出回ります。」
音城は顔をこわばらせますが、引く意思は見せません。
「私は新戸部を追い詰める、君が欲しがっているカードを使って。」
音城が去った後、澪は「私に何を隠しているんですか?」と千川に尋ねるも「後悔する覚悟は出来てるのか?出来てないなら聞くべきじゃない。」と睨まれてしまう(>_<)
今回の依頼人は政治家秘書?
千川が今回の依頼人に会いにいくというので、澪も強引に同行します。
依頼人は、新戸部の秘書・児玉でした。
「新戸部は無関係で、秘書の私が独断でやったことです。」と言われて、いざとなったら秘書に全部罪を被せるという算段じゃないのか?と嫌な気持ちになる澪。
千川は「今度は彼(音城)の過去を直接的に責めるつもりです。」と物騒な話をしています。
澪は、我慢できずに児玉に対して質問の嵐。
「二年前の事件に新戸部さんは関わっているのですか?」
「音城さんが言う新戸部さんを追い詰めるカードって何ですか?」
当然ですが、全てさらりとかわされる始末(;^_^A
児玉が帰った後、澪は千川を責めます。
「犯罪の隠蔽に手を貸すなんて、正真正銘の悪人!」
しかし千川の「俺たちは殺人事件に関わってる」の不意打ちをくらって、澪はすごすごと帰ることになりました。
千川が殺人事件に関わってるってどういうことなのでしょうか?
東京レッドネット時代のプロフィールとは?
千川が音城を脅迫する手段として口にした「東京レッドネット」とは15年前に存在したカラーギャングのことでした。
カラーギャングとは要するに不良集団のことで、暴行、恐喝といった犯罪にも関わっていて、音城はそのメンバーだったのです。
問題は、音城がその過去を公表していないこと。
現在の音城は、痴漢の冤罪に問われた男性や、職場で強烈なパワハラに遭った女性の取材など不遇なひとの立場に立った問題提起をした記事を執筆、素直に好感が持てると思う澪。
しかし千川は「過去の罪は100の善行を重ねても消えない。」と言い放つ。
音城を徹底的に脅迫
千川は音城に茶封筒の中身を見せて脅迫。
「あなたがやんちゃだった時代に犯した罪の記録と、本人達の証言です。
あなたが彼らに対する罪で裁かれた記録はない、あなたは彼らに償っていない。
この告発文を流されたくなければあなたのカードを……。」
音城は、明らかに動揺を見せながらも、脅迫には屈しない姿勢を崩さない。
千川の仲間、目黒は音城を脅迫できそうな新しいネタを掴んでいました。
それは、音城の恋人の存在。(音城は彼女が事件に巻き込まれるのを恐れて隠していましたが、彼女の方がジョギングを装って音城に近付いて、そこを目黒にみつかった。)
女は、一ノ瀬清美、30歳、職業、アパレル関係、てんびん座のA型。
目黒と一緒に一ノ瀬のマンションに行く澪。
目黒はポケットから小さな工具を取り出すと、あっという間に鍵をあけてしまいます(;^_^A
しかし残念ながら収穫無しで、千川に報告。
千川は「一ノ瀬に直接揺さぶりをかける」と帰宅した彼女を脅迫。
しかし「付きまとわないでください!」と毅然とした態度でかわされてしまう。
「彼女を人質に取って音城を脅迫する」と言う千川を目黒が「慌てるな。」と抑制します。
「花火まで時間がない!」と叫ぶ千川に「おい。」と目黒。
千川はいつもの軽い口調に戻ります。
とりあえず栃乙女の部屋で作戦を練り直すことになりますが、澪は自分の部屋に帰ることに。
澪は新戸部を知っていた?
部屋に帰った澪は、昔のことを思い出します。
15年前、祖父とクリスマスツリーを飾った日、確かに新戸部と会ったことを。
児玉があの頃から秘書だったかは思い出せないけれど、どうやら児玉は澪のことを知っていたようだ……。
そして覚悟を決めてネットを開いてみると、音城を中傷する掲示板が出来ていました。
間違いなく千川がやったことだと思うと、裏切られた気持ちになる澪。
あのひとたちは出会った時から犯罪者なのに、いつから信頼していたのだろうか?
翌日の午後、大学にコーンポタージュを飲みながら千川が現れました。
そして音城がとうとう脅迫に応じる意思を見せたことを報告、今からここに来るという。
音城は疲れた様子で数分後、到着。
千川にUSBメモリーを渡します。
脅迫に応じた理由は、恋人・一ノ瀬清美の妊娠を知ったからでした。
「俺の過去が明かされたら、生まれてくる子は犯罪者の子になる。
俺はそれを恐れたんだ……、俺は他人よりもまず家族を守らなくちゃいけない。」
ここまで話して音城は「答え合わせは終わりだ、満足したか。」
千川はうなずいて、音城は離れていきます。
澪の裏工作とは?
「やってくれたな、金坂澪。
君が昨日一ノ瀬清美を口説いた、音城を説得するように。」
千川に自分の裏工作がバレていたことを知って落胆と同時になんだかほっとする澪ですが、一体何をしたのでしょう?
昨日、目黒と一緒に一ノ瀬清美のマンションに行った澪は、脱衣かごの中に男物のハンカチが混ざっているのを発見しました。
さらに男物のシャツと妊娠検査薬も!
目黒に気付かれないように自分のバッグに入れて持ちかえります。
そして再度一ノ瀬の部屋を訪ねて、一部始終を説明して「本当はお腹の中の子供のために音城さんと平穏に暮らしたいんじゃないですか?音城さんを脅迫じゃなくて、あなたの言葉で変えましょう。」と説得したのでした。
「たいてい愛が信念を殺すんだ。」と言う千川に、「信念が死んで命が助かるなら十分です。」と澪。
新戸部を守ろうとするひとの命を奪うことを厭わない誰かがいる……直接手を下していなくても新戸部を守っている点で千川達は仲間なのです。
澪の秘密
昨日の出来事には、千川に話していない続きがありました。
実は一ノ瀬に音城を呼び出してもらったのです。
「一ノ瀬さんと赤ちゃんのために今回の戦いはやめてください。」
それでも、音城はなかなか首を縦にはふりませんでした。
以下の理由から、新戸部を放っておくわけにはいかなかったからです。
- 暴力団・不破組との繋がりがある。
- 今まで新戸部の悪事を暴こうとした者は、左遷されたり不審死を遂げたりしている。
- 立花絵瑠の事務所絡みの薬物事件は明るみに出たが、逮捕された人間はトカゲの尻尾。
- さらに薬物売買の中心にいた人物は、川崎で殺害された。
口封じのためならひとを殺す新戸部を平然とのさばらせるのは危険だ、と嘆きます。
「音城さんのかわりに私が戦います。」と躊躇なく言う澪。
立花絵瑠の事件の依頼者も、本当は笠谷ではなく新戸部だったのかもしれない……。(千川が本当の依頼人・新戸部をカムフラージュしていたとしたら?)
澪は祖父・轟雄之助(近藤正臣)の名前を出しました。
すると音城は、信じがたい表情を浮かべながらもUSBメモリーを渡してくれます。(千川に渡したのはコピーでこっちが本物)
澪の祖父・轟雄之助の名前を出しただけで音城の態度が変わりました。
轟雄之助とは何者なのでしょうか?
新戸部の罪を巡って澪と千川が対立?
澪は、新戸部が不破組を操っていること、不破組の人間が殺されたことも新戸部が命じてやらせたことを千川に訴えます。
「新戸部さんは本当に危険です!」
「はっきり言う。新戸部の罪が明るみに出ることはない……俺たちがそうはさせないからさ。」
澪は、千川に対する恐怖が怒りに変化するのを感じます。
「新戸部さんの罪を隠蔽するなら、千川さんも許せません!」
澪と千川は敵対関係になってしまったようです(;^_^A
第5章 Tip of the iceberg
新戸部のニュースを見た澪はため息をつきます。
単純明快で物事の善悪をわかりやすく説明する政治家・新戸部は、依然人気が衰えることはありません。
黒い噂があってもかき消されてしまう……自分は証拠(音城から預かったUSBメモリー)を握っているのに。
栃乙女が澪の味方に?
澪は栃乙女の部屋に行きます。
「千川さん達にナイショで頼みたいことがあるの。」と切り出した澪に、「うち、澪っちの頼みは聞くから。」と快諾してくれる栃乙女・なかなかいいヤツです。
澪は、新戸部にメールでコンタクトを取ってもらうように頼みます。
栃乙女は、千川達が新戸部という悪党の悪事をもみ消そうとしていると知らされて「アイツ(千川)最低じゃん。」とブーブーけなす。
調べがついたら連絡をくれると言うので、いったん帰宅する澪。
栃乙女が調べた結果とは?
栃乙女が調べた結果、恐ろしいことに、新戸部は「爆弾」を使って何かしようとしているらしいことが判明!
実行するのは不破組だろうけれど、司令塔は新戸部で間違いないだろう……。
澪はまずは秘書の児玉に会おうと、栃乙女が調べてくれた電話番号にかけて留守電を入れておきます。
その時チャイムが鳴って……?
優しい管理人の正体は?
警戒心たっぷりの澪でしたが、ドアの外にいるのはマンションの管理人さんでした。
ほっとした澪はすぐに鍵をあけて外へ……ところが次の瞬間、澪の背中に衝撃が走り、意識を失います。
目を覚ますと、管理人さんの運転する車の助手席に拉致されていました。
羊のように優しい外見の管理人さんの正体は、「監視屋」でした。(脅迫屋があるなら、監視屋も裏の世界には存在するのです。)
管理人さんがくれたぬいぐるみやお守りのプレゼントに、盗聴器や発信機が取り付けられていたことを知らされてぞっとする澪。(依頼主は明かしてくれませんが、多分新戸部でしょう。)
このまま殺されてしまうのだろうか……?(実際に殺すのは「監視屋」ではなく「殺し屋」に引き渡してからになるようですが)
その時、車がパンクして澪にチャンスが訪れます。
監視屋がドアを開けた途端にポケットからはみ出たスタンガンを抜き取って、監視屋に押し付けてスイッチを入れて、奪われたUSBを取り戻して逃走!
澪はお金も何も持たずに出てきたが、警察は新戸部の息がかかっているので頼れません。
フードとダッフルコートの2人組(正体不明)にも追いかけられながら、逃げ続けます。
そして車道を挟んだ反対の道で、監視屋が殺意の目をこちらに向けているのを発見・大ピンチ再び。
ところが次の瞬間曲がってきたスクーターに監視屋は、はねられてしまいます。
澪は監視屋の財布を拾って引き続き逃走します。
監視屋の財布からとんでもないものを発見?
誰にも頼れない澪は、ホテルで身を潜めます。
お腹がすいてきたので「監視屋さん、ごめんなさい。」と言いながら財布を開けますが、そこには折られた「代々木公園の見取り図」が入っていました。
澪の親友・カンちゃんが彼氏と行くと言っていたクリスマスイベント会場のことです。
よく見ると、ステージの辺りに×(バッテン)がついています。
そして監視屋に襲われる直前に、栃乙女が送ってきたデータを思い出す……確か「地図」と言っていたような……。
そしてイベント開催日はなんと明日です。
新戸部がクリスマスイベント会場を爆破?
新戸部が爆弾を使ってイベント会場で何かをすることは間違いない。
そう確信した澪は、翌日代々木会場へ電車で向かいます。
既に人でごった返していて、パンフレットによると、新戸部の講演は午後の予定。
澪がなんとかするしかありません。
そこへトナカイ(正確にはトナカイの着ぐるみを来た人間)がやってきて澪に赤い風船をくれました。
このトナカイは一体誰なのでしょう(;^_^A
新渡戸と直接対決する澪
澪は、スタッフジャンパーを身に着けて秘書・児玉のあとをつけますが、背後から近付く男に腕をねじ上げられてしまいます!
「新渡戸さんに会わせてください!」
すると意外にも、新渡戸は会うことを承諾します。
「こんにちは、金坂澪さん。」
小太りで人のよさそうな笑顔ですが、目だけは澪を射すくめる力を持っていました。
澪は新渡戸を睨みつけて、どんどん質問していきます。
新渡戸は、単純明快に以下のことを答えてくれました。
- 昔、幼い金坂澪に会ったことがある。
- 2年前の爆弾事件のことは事前に知っていて、出世に利用した。
- 全ては、澪の祖父・轟雄之助の理念を実現するため。
澪は頭をハンマーで殴られたような気持ちになります。
まさか自分の祖父が関係があるのか?
澪の祖父・轟雄之助とは?
澪が物心ついた時には、祖父・轟雄之助は、大物政治家で、世間では「平成のフィクサー」とか悪徳政治家と呼ばれていました。
澪は優しい祖父の姿を信じていたかったけれど、その実態は不正献金を受け取るのは日常茶飯事だったし、邪魔者は巧みな人脈と金の力で排除するといったものでした。
とは言え、祖父は総理大臣になりたいわけではなく、裏からひとを、世界を動かす力を欲しがっていたのです。
何故澪がこんなに詳細に知っているかというと、祖父が自分のしていることを隠さなかったから。
「信念を貫いているだけだ。」
悪事であっても、国を良くするための「必要悪」だと言い切るのが、祖父でした。
そして家族が自分を告発することなどないという自信に満ちていました。
両親の意思を授かり、優しく正しく生きることを決めた澪には、祖父は許せない存在でした。
そして長年海外にいた祖父ですが、最近日本に帰国したとの情報が入っています。
「新戸部の悪事の背後には、おじいちゃんがいるんだ。」
新戸部がテロリストになる?
「私はあなたのおじいさまを、轟先生を心から尊敬しているんです。」
澪の祖父は新戸部に、政界で生き残るためのイロハを教えてバックアップし、政治家にとって大事な信念を授けたのでした。
その信念とは、「政治は歴史を遡れば、まつりごと。真の政治家は迷える国民を導く司祭であるべきだ。」
新戸部は「爆弾でひとを殺します。」とさらりと言います。
自分がテロリストになって世の中に衝撃を与えて世の中を良くする、と。(「必要悪こそが世の中を救う」という澪の祖父の教え)
澪は「そんなことをしたら音城のデータ(不正献金の帳簿)を公表する。」と脅迫しますが、もはやそんな小さなネタどうでもいいと言われてしまいます。
澪が何も出来ないまま、新戸部の講演の時間が来てしまいます。
野外ステージの客の隅に目黒がいるのを目撃して失望する澪。
やはり千川たちはこの爆破テロに関係があるのだ……。
児玉は目黒に「(澪の)見張りをお願いします。」
澪は、目黒とサングラス男に見張られて身動きが取れなくなります(>_<)
新戸部は「必要悪がいかに世の中に大事か、恩師(=澪の祖父)は力も好機も持っていたのに実行しなかった、自分は実行したい。」と言って足元の紙袋からラッピングされた箱を取り上げました。
澪は「あれは爆弾!」とサングラス男をはねのけ駆け出します。
新戸部は確かに澪の方を見てから、小さなボタンを押しました。
爆発しない?
爆音が響いて、絶対絶命。
しかし爆発はせず、流れてきたのはレモンスカレの「なるようになれ」という曲のサビでした。
そして人工雪と風船がクリスマス・ツリーの根本から空に向かって吹き上げられています。
曲は立花絵瑠の「たぐいまれな君へ」に変わり、会場のひとたちは次々に風船を手放していく……。
新戸部はスイッチを投げ捨てて、舞台そでに向かっていました。
誰ももう新戸部のことなど見ていません。
「逃げられる!」澪がそう思った瞬間、トナカイが新戸部の部下を蹴り上げ、新戸部を連れ出す!
澪は、黒子男に殺されそうになりますが、目黒に助けられてその場を離れます。(川崎の殺人事件の犯人は黒子男でした。)
千川と感動の再会
黒塗りの高級車にさっきのトナカイがいました。
そしてトナカイの中身は、脅迫屋・千川でした。
千川の目的は、新戸部の計画を阻止することだったのです。
「俺、新戸部に付いてるなんていつ言ったっけ?」と軽く言う千川のみぞおちを澪は鋭く殴ってしまいます。
そりゃそうですよね~(;^_^A最初っから言っとけって話ですよね。
爆弾が爆発しなかったのは、実は秘書の児玉も千川とグルで、すり替えておいたから。
さて、依頼主は誰でしょうか?
新戸部を脅迫する
「新戸部文夫。今から、あんたを脅迫する。」
いつもの千川のセリフが決まります。
しかし新戸部は「喜んで罪を認めて警察に行くよ、当初の半分以下かもしれないが、私の目的は達せられる。」と満足気。
ところが千川は「あんたの目的は達せられない。」
どういうことなのでしょう?
澪の祖父・轟雄之助が登場
「俺たちの依頼人からのメッセージ。」
千川は動画をスタートさせます。
そこに映っていたのは、澪の祖父・轟雄之助でした。
轟雄之助は新戸部に向かって話します。
「君は俺の足元にも及ばない。
爆弾テロが失敗した今、逆転のチャンスはないんだ、なぜなら俺がもみ消すからさ。
警察に行って洗いざらいぶちまけても、俺が警察上層部にひとこと言ったら終わり。」
迫力満点の轟雄之助に、新戸部の顔色は悪くなります。
「君の罪を裁けるのは俺だけだ。
俺は俺以上の悪党など欲しないし、中途半端な奴は片っ端から潰す。
だから俺の手足に……ケツ毛の一本になって粉骨砕身協力しろ。」
澪のおじいちゃん、マジでコワイひとでした(>_<)
この申し出を断ることは新戸部には出来ません、なぜなら「断る=死」を意味するから。
澪は千川から「監視屋」が逮捕されたことを聞きますが、なんと監視屋をはねたスクーターは千川でした。
「打ちどころが悪かったら死んでましたよ!」と怒る澪。
もちろん監視屋の雇い主は、新戸部。
いざとなったら孫である澪を利用して、轟雄之助を牽制出来るかもしれない、と悪だくみしていたのでした。
そして澪は今まで千川から手伝わされた数々の仕事が、全て今回の事件に繋がりがあったことを知らされます。
全て千川の計算ずくだったということで(;^_^A
深~い事情があったとはいえ、澪がこんなに勘違いする前にもうちょっと教えといて欲しかったですよね(笑)
祖父との再会
その後、澪は祖父・轟雄之助と両親の墓参りで再会しました。
「澪の両親には許してもらえないだろうな……。」とうなだれる祖父。
色々後悔もある様子。
澪の両親が澪を連れてお屋敷を出た理由は、新戸部だったのです。
「私はおじいちゃんが新戸部さんを脅迫したのが正しいとは思えない、昔からしている悪さも。
けど、やっぱり家族だから他の人みたいに自首してくださいなんて言えないの、卑怯でしょ。」
祖父は、「澪には自分にはない強さがある。」と言ってくれました。
千川が澪を事件に巻き込んだことだけは最初解せなかったが、きっと澪を試したかったのだろう。
まっすぐな道を進む澪がきっと眩しかったのだろう、と。
千川達との別れ
千川が大学にやってきて「俺らは去る(猿)」と変なダジャレとともに別れを言いに来ました。
新戸部は潰したけれども、残党がいて命を狙われないとも限らないから。
「去るってどこにですか?本当はふつうの生活をしたいんじゃないですか?」と聞く澪。
千川は、澪にはなんだかつらそうに見える時があったから。
「君が本気で祈れば戦争のひとつぐらい減らせそうだね。」
千川は背を向けます。
澪は大声で叫びます。
「私は、今からあなたを脅迫します。」
「消えないでください。さもなければあなたは、私に会えず、悲しくなります!」
千川が肩を上下にゆすった時、チャイムがキャンパスに日々きました。
『今からあなたを脅迫します』感想
この小説の主人公は、うさんくさいぐらいお人よしの女子大生・金坂澪。人をイライラさせるほどの善人ですが、幼少期に両親を事故で失った悲しい過去にその原因はあります。
そんな重い過去を引きずる澪を癒してくれるのが、なんと脅迫屋。
脅迫屋とは言っても、人を殺したりせず、あくまでも脅迫をすることだけがお仕事。
裏稼業には存在するということですが、実在するのでしょうか?
脅迫屋の事件に巻き込まれていくことで澪の本来の良さが引き出されて、危険も一杯だけど成長もしていくストーリーです。
また、癒されているのは澪だけではなく、脅迫屋・千川も同様。
小説にはまだ出てきていませんが、千川の方にも悲しい過去があることは間違いないようです。
澪をわざわざ事件に巻き込んだことからも、澪の素晴らしさに誰より気が付いているのは千川でしょう。
小説は2巻が発売中、そして10月中に3巻も発売になりますから澪と千川は再会を果たしてまた事件を解決するのだと思います。
澪と脅迫屋・千川が導き出す未来のカタチに興味があるので、読んでみようと思います。