『ノースライト』(前編)「消えた家族」の ネタバレと感想!吉野とゆかりの関係とは?

2020年12月12日(土)放送の『ノースライト』(前編)「消えた家族」のあらすじのネタバレと感想!

社会派作家・横山秀夫さん原作の、“家族”がテーマの傑作ミステリー。

繊細な演技に定評がある西島秀俊さんが、謎の失踪を遂げた一家を探す一級建築士を演じます。

西島さん以外にも、宮沢りえさん、田中みな実さん、北川一輝さんなど、豪華キャスト陣が出演しています。

当ページでは、NHKドラマ『ノースライト』(前編)のネタバレと感想についてまとめています。

『ノースライト』(後編)「夢みた家族」ネタバレと感想!繊細な大人たちの力強い再生に感動!

2020年12月20日



『ノースライト』(前編)「消えた家族」のネタバレ

『ノースライト』(前編)「消えた家族」をネタバレします。

あなた自身が住みたい家を建ててください


建築士・青瀬稔(西島秀俊)は、バブルがはじけて大手事務所を追われて妻・ゆかり(宮沢りえ)と別れて以来、流れ作業のような仕事に身を任せていた。

3年前に大学時代の同期・岡嶋(北川一輝)の事務所で働くことになり、ようやく建築家として再スタート。


そんな無名の建築家・青瀬の元に、依頼人・吉野陶太(伊藤淳史)が「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」と依頼してきた。

吉野には、妻と3人の子供(娘2人と息子1人)がいた。


青瀬が、5人家族のために信濃追分に建てた家は、ノースライトが当たる穏やかなY邸。

青瀬は、吉野一家に、子供の頃の自分の家族を重ねていた。

青瀬の父親はダム作りをしていて、家族で色んな山の中を渡り歩いた。

不思議と、引越し先のどの家にも、北側に大きな窓があった。

Y邸が「平成すまい200選」に掲載されたことで、青瀬は名を上げた。

だがその一年後、吉野一家がY邸に引っ越していない事が発覚する。


吉野一家はどこに消えたのか


青瀬と岡嶋がY邸に行くと、確かに誰も住んでいなかった。

鍵が壊れていて、部屋には足跡と電話。

北向きの大きな窓の前に、椅子が置かれていた。

吉野さんは、この家を気に入ってくれていたはず。

それなのになぜ椅子を一つだけ残していなくなったのか?

岡嶋が「これは芸術家・タウトの椅子じゃないか」と言い出す。

そしてこの椅子をどこかで見たけれど、思い出せないという。


青瀬と岡嶋は、Y邸近くのそば屋へ。

吉野とも来たことがある店だ。


店の人間にたずねると、3か月前に吉野が背の高い女とこの店に来たとのこと。

しかし青瀬が記憶する吉野の妻は背が低かった。

まさか、不倫絡みで吉野は失踪したのか?


吉野の経済状況は、問題ないはずだった。

Y邸の代金も一喝で支払っている。

しかし吉野が住む家は、年季の入った借家だった。


娘のひなこ


第3土曜日

青瀬は、月に一度の娘・ひなことのデートなのに、上の空でY邸のことを考えたていた。

ひなこは、ママ(ゆかり)から「パパと離婚したのは、パパが渡り鳥で同じ場所に住めないから」と聞いていた。


ひなこは「パパが建てた家を見てみたいな」と屈託なく笑う。

青瀬は、時々ひなこが自分の願望を見透かしているような気がする。


Y邸が吉野一家を壊した?


青瀬は、吉野を探し始めた。

吉野が家族で住んでいた家には、下町風情が色濃く残っていた。

まるで子供の頃のダムの飯場のようだった。


吉野が家族で住んでいた借家に行くが、留守だった。

隣人によると、指にギブスをしたヤクザ風の男が吉野家に来てドンドンと戸を叩いていた。


そして吉野の妻はずいぶん前にいなくなり、吉野一人で暮らしていたとのこと。

3ヶ月前に引っ越した時も、吉野一人だったらしい。


しかし青瀬は、11か月前にこの借家で吉野の妻と子供3人に会っている。

その後に妻と子供が出て行ったということか?

ギブスの男がそれに絡んでいるのか?


しかしY邸を引き渡した時、吉野は家族と一緒に喜んでいた。

俺の建てたY邸があの家族を壊したのか?


タウトの椅子ではなかった


Y邸の椅子がタウトの椅子かもしれないと思った青瀬は、タウトが妻のえりかと暮らした家を訪れる。

そこでタウトの特集記事を組もうとしている記者の池園と出会い、本物のタウトの椅子には「タウトイノウエ印」があると教えてくれた。


その夜、青瀬はY邸に行って椅子を調べるが、そんな印はなかった。

そこへ電話がかかってきて、留守録を聞こうとしていた。

青瀬は「吉野さんですか」と聞くが、切れてしまう。


藤宮春子メモアールのコンペ


日曜日

岡嶋が、青瀬の家にやってきた。

岡嶋:「お前もY邸を建てられるようになった。家族だってどうにかなるかもしれないぞ」

青瀬:「いまさらどうにかなるもないだろう」

岡嶋:「またそうやって逃げる」

青瀬:「お前が死んだらどこに帰る?」


ここで岡島が本題に入る。

市が建設を予定している藤宮春子メモアール(記念美術館)。

その建設業者の候補のひとつに、岡島設計事務所が選ばれたのだ。

つまりコンペに参加できるのだ。


岡嶋は「言いにくいが俺に力を貸してほしい。お前のアイデアを俺のものとして出したい」と言ってきた。

「お前はもうY邸があるからいい。でも俺にはまだない。ひとつでいいから息子に誇れる家がほしい」


青瀬:「何言っているんだよ」

岡嶋:「お前がデスマスクを被ったら、帰る家はY邸だ。お前にはあるが俺にはないんだよ」


ひなことのデート


第3土曜日

青瀬は、ひなこに「平成すまい200選」のY邸の写真を見せた。

ひなこは「これがパパの建てた家なのね。鳥類のパパがこれだと思った家なのね!」と感動して喜んだ。


昔、青瀬とゆかりは、建てたい家が合わなかった。

ゆかりは木の家がいいと言って、青瀬はコンクリートの家がいいと言った。

結局、家を建てることなく離婚したが。


青瀬は、子供の頃に野鳥(渡り鳥)を拾ったことをひなこに話す。

しかし父親が九官鳥を買ってくれたので、野鳥は野に放した。

青瀬は、言葉を覚える九官鳥(名前はきゅうたろう)に夢中だった。


しかしこの九官鳥のせいで、青瀬の父親は亡くなった。

青瀬が高校生になって家を出た後、青瀬の父親は逃げた九官鳥を探しに行って穴に落ちて死んだのだ。



青瀬:「パパはいつも肝心な時に大事な人のそばにいないんだ」

ひなこ:「だけど、ママの好きな家は建てられたじゃない。この家にどんな人が住んでいるのかなあ

青瀬:「吉野さんが住んでいる」

ひなこ:「ママによく電話をかけてきた人の名前も吉野さんだった。偶然だね

青瀬:「えっ?


青瀬がゆかりに会いに行く


青瀬と岡嶋は、藤宮春子メモアール建設予定地へ。

そこには、コンペのライバルの能勢設計事務所の能勢と鳩山も来ていた。


能勢によると、ゆかりがインテリアプランナーとして参加しているとのこと。

青瀬は、ゆかりから何も知らされていない。


その夜、青瀬はゆかりに会いに行く。

ゆかりは、青瀬のY邸が載っている「平成すまい200選」を買ったと言った。


それならひなこはとっくにその本を見ていたはず。なのにどうして初めて見たと嘘をついたのか?

ゆかりは「パパに見せてもらって嬉しかったからじゃない?」と軽く受け流すが、青瀬は納得いかない。


青瀬は、ひなこが「最近吉野という男が、ママ(ゆかり)に電話をかけてきた」と言ったことを思いだす。

青瀬:「もしかして君は、吉野さんのことも知っているんじゃないのか」

ゆかり:「どうして?」


記者の池園から連絡があり、熱海の旅館にY邸のタウトの椅子そっくりの椅子があったという。

旅館の女将によると、吉野が来たとのこと。

吉野は、タウトの設計図を持っていると言っていた。


岡嶋の収賄疑惑


そんな中、岡嶋に収賄疑惑が持ち上がる。

コンペの審査員に飲食やサッカーを接待した疑いだが、岡島には心当たりがあるという。

すっかり自暴自棄になった岡島は、青瀬のことも罵ってしまう。


青瀬は、岡島に自分の推論を話す。

吉野に自分のことを紹介したのは、ゆかり。

蕎麦屋に吉野といた背の高い女も、ゆかり。


ただのカンだが、このカンを無視してはいけない気がする。

最初から、何かが始まっていたんだ。

今までの俺は、家族の気持ちを考えて来なかったのかもしれない。

でも俺はもうそこから逃げたくない。

だからお前も逃げるな。また立て直そう。

翌日、岡嶋の収賄の記事が新聞に載った。

そして岡島が倒れた。

『ノースライト』(前編)「消えた家族」の感想



西島秀俊さんが、別れた妻から人類じゃなく鳥類と思われている夫役。

吉野一家を失った自分の家族のように思い入れしてY邸を建てるとは、なかなかこじらせた男ですよね。

しかし西島さんが演じると、儚くも美しい。


Y邸もまた、儚くも美しい。

ノースライトとは、あえて北向きの家を家を建てることで、北からの光を取り入れること。

その結果、画家のアトリエのようにとてもやわらかで物静かな光になるなんて、素敵過ぎます。


岡嶋の闇も深いですね。

建築にも女性にもいい加減な男だけど、息子への思い入れだけはピュア。

そのために収賄事件を起こして、体まで壊してしまいました。


2人の彷徨える男に、光は差すのでしょうか?

後編に続きます。

『ノースライト』(後編)「夢みた家族」ネタバレと感想!繊細な大人たちの力強い再生に感動!

2020年12月20日