「陸王」のロケ地行田の城、忍城(おんじょう)の逸話がドラマと似ている!

ドラマ「陸王」のロケ地として使われている忍城(おんじょう)は、戦国時代に豊臣方の石田三成が攻めたことで知られていますが、忍城の逸話は映画にもなっているのです。

この城がロケ地としてどんなシーンで使われ、場所はどこにあるのか、そして、忍城の逸話を扱った映画についてまとめました。



「陸王」のロケ地忍城のシーンはドラマのどこで登場するの?


忍城は、「陸王」の1話で、主人公の宮沢紘一(役所広司)が夜にジョギングするシーンで使われていました。

ライトアップされた忍城の姿が綺麗に映っていましたね。

それから、2話で飯山晴之(寺尾聰)がシルクレイの使用許諾の連絡を宮沢に電話で伝えた時、宮沢が立っていた場所は忍城のかつてのお堀の一部だった水城公園の近くです。

ここは感動した場面でしたね。

このほか、息子の大地役の山崎賢人やランナー役の茂木裕人(竹内涼真)もロケに忍城や水城公園を訪れていますので、これからの話の中でも忍城は登場することになるのだと思います。

「陸王」のロケ地、忍城ってどこにあるの?


忍城は、埼玉県行田市の中央部にあって、秩父線行田市駅から徒歩で15分の場所にあります。

もとあった旧忍城は1988年2月に取り壊されて、跡に3階建ての櫓が建てられ、現在行田市郷土博物館として使われている建物がいまの忍城です。

お堀も一部残っていて史跡もあります。


周辺にはここもドラマで登場する昔の忍城のお堀の一部だった水城公園があります。

池井戸潤の原作小説では、自宅から「1キロほど離れた会社近くまで走り、真っ暗な社屋を横目で見ながら走り続けた。 そのまま水城公園まで約400メートルの道のりをかけていく。」

とありますので、宮沢社長の家は忍城や水城公園から近いという設定なのですね。

忍城の逸話は、映画にもなっていた!!

実はこの忍城は、2012年11日に公開された野村萬斎主演の映画「のぼうの城」で登場しているのです。

この映画は、戦国時代に豊臣秀吉の家臣石田三成が小田原の北条攻めの一環として、その配下にあった成田氏の居城だった「忍城」を水攻めにするエピソードを描いた作品でした。

映画のあらすじを少しだけ書いておきます。

城主・成田長親(野村萬斎)は、「でくのぼう」の「でく」を取った「のぼう様」と領民から呼ばれるほど、大将に求められる武勇も智謀も持たない人物でした。

しかし、一方でそんな「のぼう様」は親しみがあり誰からも好かれ、領民からは異常なほど人気あり信頼されていました。

そこに石田三成が率いる2万の軍勢が忍城を取り囲んだのです。

味方は領内の農民を加えても3千人の成田勢でしたが、最初は地の利もありゲリラ戦で反撃に出るなど、けっこう良く持ちこたえました。

2万対3千じゃ勝負にならないじゃないか!

しかし、石田三成は、忍城に籠城する成田長親ら3000千の兵に対して、後に「石田堤」と呼ばれる用水路を築いて利根川から水を引いて、水攻めを仕掛けたのです。

それに対して「のぼう様」成田長親が出来たことは、水で満たされ湖のようになった忍城の周囲に船を出して「田楽踊り」を舞って味方の士気が落ちないようにすることだけでした。

大将が前線に出て敵と立ち向かいあう姿は戦国時代では勇気ある行動とされていたのです。

でも、田楽踊りはないだろう(笑)

これを見た石田三成は、狙撃隊を使って火縄銃で長親を撃ち、重傷を負わせたのでした。

しかしこのことが、「のぼう様」を卑怯な方法で傷つけたと、城に入らず石田軍の堤造りに雇われていた農民の反感を買い、自分たちの農地を水浸しにされた恨みも重なって怒りを爆発させるきっかけとなり、「石田堤」は農民によりメチャメチャに破壊されるのでした。

結局、石田三成の水攻めは失敗に終わったのですね。

石田三成がなんとなく巨大企業アトランティスの部長小原賢二(ピエール瀧)に、成田長親が「陸王」でランニングシューズ業界に参入しようと無謀な挑戦をした足袋屋の宮沢社長に見えてきました。

人が良いだけの人間でリスクを計算できない「のぼう様」が、莫大な資金力と智謀・策謀で弱小勢力を踏み潰す石田三成に勝利する忍城の逸話を扱った映画「のぼうの城」のストーリー、ドラマ「陸王」とどこか似ていると思えませんか?

まとめ

ドラマ「陸王」に登場する舞台「こはぜ屋」が、行田市に実在しランニングシューズを作った「きねや足袋」をモデルにしていることはドラマが始まる前から、ドラマの出演者が宣伝番組で「きねや足袋」を訪問していることで分かっていたのですが、

ロケに使った場所「忍城」にこんな逸話が残っていたとは、映画になっていたことを知るまで判りませんでした。

こうなると、これからドラマ「陸王」の中で忍城の登場シーンが楽しみになりましたね。