嵐・二宮和也さん主演ドラマ『ブラックぺアン』が、2018年4月22日から始まります。
タイトルの「ブラックぺアン」についてですが、原作の中で天才外科医・佐伯教授(内野聖陽)は手術に黒いぺアン(=ブラックぺアン)を使用します。
そして佐伯教授のブラックぺアンには秘密があり、渡海征司郎(二宮和也)との因縁にも関係があるのです。
当記事ではドラマ『ブラックぺアン』のタイトルの意味について、原作からネタバレしてまとめています。
ドラマのあらすじのネタバレになりますのでご注意ください。
もくじ
『ブラックペアン』原作とは?
新幹線で読み終わった🚅
— くりりん (@arashic_091503) 2018年3月22日
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ドラマの原作は、海堂尊(かいどう・たける)氏の小説「新装版 ブラックペアン1988」(講談社文庫)。
シリーズ累計150万部を超えていて「チーム・バチスタの栄光」の原点となる人気作です。
原作の簡単なあらすじ
1988年のバブル景気の頂点。
天才外科医・佐伯教授(内野聖陽)が君臨する東城大学外科教室に、帝都大の“ビッグマウス”こと高階講師(小泉孝太郎)が、食道がんの手術を簡単に行える「スナイプ」を手土産に送り込まれてきます。
「佐伯外科」には「オペ室の悪魔」と呼ばれる万年ヒラ医局員の手術職人・渡海征司郎(二宮和也)がいて、高階と対立することに。
佐伯が病院長選挙のパフォーマンスのための学会に出席中、手薄となった病院では渡海と佐伯の過去の因縁が明らかになる事件が起こります。
『ブラックぺアン』原作ネタバレ記事はこちら
→ブラックぺアン原作ネタバレ・前編!オペ室の悪魔・渡海と小天狗・高階が対立?
→ブラックぺアン原作ネタバレ・後編!渡海と佐伯の因縁の全貌と最後の決断とは?
ブラックぺアンとは?
ぺアンとは、手術や外科処置に用いる止血鉗子(しけつかんし)の一種。
組織の止血や組織把持、縫合糸の把持などに用いるために使う鉗子で、通常先端に鉤のないものを指します。
はさみのような形状をしています。
そしてここからが重要なのですが、ぺアンの色は通常は銀色(シルバー)。
しかし佐伯教授の手術セットにはシルバーのぺアンも並びますが、一番端に夜の闇より黒く光るブラックぺアンが並べられているのです。
佐伯教授は、他の医師たちの「どうしてぺアンが黒いんですか?」の問いかけには決して答えてくれません。
何故、佐伯教授の手術セットにはブラックぺアンが並ぶのでしょう?
「ブラックぺアン」に隠された過去とは?
実は佐伯教授の持つ「ブラックぺアン」(黒い止血用鉗子)には、隠された過去が関係しています。
そしてその過去とは、佐伯教授と渡海征司郎の“ある因縁”でもあるのです。
今から17年前、佐伯教授と渡海の父・一郎は、良好な協力関係にありました。
ある日佐伯はスペインの国際学会に出席することになって、留守中のフォローは一郎が引き受けます。
佐伯がスペインに出発して3日目、申し送られていなかった患者が緊急で外来を受診。
クローン病で直腸穿孔(せんこう)したために、直腸切除の術後患者でした(執刀医は佐伯)。
その患者を診察した一郎は驚愕。
X線写真には、患者の腹部に置き忘れられたぺアンが写っていたからです。
一郎は「すぐに再手術しなければいけない」と思いますが、あいにく担当医の佐伯はスペイン旅行中。
仕方なく当時の教授に直訴しますが、そこで信じられない返答を聞くことに。
なんと教授は患者の腹部にブラックぺアンを置き忘れているという報告を既に佐伯から受けていて、全て承知の上で事実を隠蔽していたのです。
それでも、一郎は教授に食い下がりました。
教授が「佐伯が了承すれば再手術する」と言ったので、一郎はスペインに電報を打ちます。
当時は国際電話が不便な時代だったのです。
佐伯はすぐに電報を打ち返してきました。
「イイヌマシノぺアンテキシュツスベカラズ」
そう、佐伯は“医療ミスの隠蔽”を一郎に命じたのでした。
佐伯の言葉は絶対であり、一郎の行為は非常識と判断されて、県外の関連病院にトバされます。
そしてそのまま一郎は亡くなりました。
渡海の復讐
一郎の息子・渡海征四郎はその後佐伯教授が君臨する東城大学に勤務、父の復讐の機会を狙っていました。
そして佐伯教授が学会で留守の間に、その患者の身体からぺアンを取り出す手術を行う計画を立てます。
渡海から電話で“ぺアン摘出手術”を行う報告を聞いた佐伯教授は「ぺアンを取り出すのはやめろ。とんでもないことになるぞ」と警告。
しかしそれでも渡海は高階(小泉孝太郎)とともに、“ぺアン摘出手術”をを開始。
手術は思っていた以上に時間がかかり、難航。
長年患者の体内にいたぺアンには、腸管やら繊維やらが複雑にからみあっていたからです。
「やめろ」
そこへ特別枠の航空便、ドクターヘリ、タクシーなどを駆使して、佐伯教授が帰ってきました。
それでも渡海と高階はぺアンを摘出、その瞬間大量の出血が!!!
それは仙骨前面静脈叢(せんこつぜんめんじょうみゃくそう)からの出血でした。
17年前の真実とは?
佐伯教授の口から17年前の真実が語られました。
17年前、佐伯教授がこの患者(飯沼)を直腸穿孔(せんこう)で手術したとき、仙骨前面の静脈叢からの出血が止められず、やむを得ずぺアンを体内に残したまま閉腹。
つまり“置き忘れ”ではなく、“外せなかった”のです。
本来ならば家族と本人に事実を打ち明けるべきでしたが、説得に自信がなかった佐伯教授は状態を伏せたまま飯沼を退院させました。
ところがそこで行き違いの悲劇が起こったのです。
年に一回の検診の飯沼が腹痛で入院することは、当時の佐伯教授には予想できませんでした。
一郎から連絡を受けた佐伯教授はすぐに国際電話しようと思いましたが、スペインの田舎町からはなかなか連絡が取れませんでした。
仕方なく佐伯教授は電報を打ちました。
とりあえず緊急手術さえ避けられれば、後から説明できると信じて。
しかし佐伯教授が帰国したときには、一郎はすでに大学病院を追われたあとだったのです。
その後佐伯教授は風の噂をたよりに一郎を探しましたが、やがて離島の医師になっているという話を聞きつけて訪れたときには、一郎が亡くなった後でした。
佐伯教授が“ブラックぺアン”を取り入れた理由
一郎の死後、佐伯教授は手術器具にブラックペアンを加えました。
ブラックぺアンは佐伯教授の自分への戒めであり、心の支えでした。
そしてもし今度ブラックぺアンを使う時がきたら、それは外科医を辞める時だと覚悟もしていました。
「ブラックぺアン」
佐伯教授は、渡海と高階がぺアンを取り出したことで出血が止まらない飯沼の身体の奥深くに“ブラックぺアン”を沈めました。
出血は見事に止まりました。
ブラックぺアンが止血してくれたのです。
そして佐伯教授はそのまま閉腹。
高階は「それでは術後撮影や、亡くなった時にぺアンを留置したことがばれます」と抗議しますが、佐伯教授に「そのときは肚をくくれ」と言われてしまいます。
ブラックぺアンの正体は、特注のカーボン製でレントゲンには写らないし、火葬されたら一緒に燃えて後には残らないというものでした。
佐伯教授は「あの日のような出来事は二度と繰り返してはならない、そしてまたあのようなことが起こったらブラックぺアンを使う」と心に決めていたのでした。
『ブラックぺアン』原作ネタバレ記事はこちら
→ブラックぺアン原作ネタバレ・前編!オペ室の悪魔・渡海と小天狗・高階が対立?
→ブラックぺアン原作ネタバレ・後編!渡海と佐伯の因縁の全貌と最後の決断とは?
まとめ
『ブラックぺアン』タイトルの意味について、原作からネタバレしてまとめました。ドラマではおそらく原作とは違った展開が考えられるのですが、ブラックぺアンの成分については同じ解釈かと思います。