2018年12月24日(月・祝)に、平成最後の『犬神家の一族』が放送れます(よる9時半~)。
主演の加藤シゲアキさんは、今までで最も美しい金田一耕助になるのではないかと評判です。
犬神家では「斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)」になぞらえた連続殺人事件が起こるのですが、犯人は誰でその目的は何なのでしょうか?
そして犯人の知らないところで2人の人間が裏工作をしていました。
当記事では『犬神家の一族2018』の犯人の犯行を全部原作ネタバレしています。
もくじ
『犬神家の一族』犯人は?
『犬神家の一族』の犯人は、犬神佐兵衛(里見浩太朗)の長女・松子(黒木瞳)です。
目的はもちろん、我が息子・スケキヨ(賀来賢人)に遺産を相続させるため。
「犬神家の一族2018」のあらすじを原作ネタバレ!1976年の映画版をベースにわかりやすく!の記事はこちら
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『犬神家の一族2018』犯人の犯行の全容を原作ネタバレ
『犬神家の一族2018』犯人の犯行の全容を原作ネタバレしていきます。
珠世の命を狙う
若林(少路勇介)を買収して一足先に佐兵衛の遺言書を見た松子は、珠世(高梨臨)中心の内容に怒りを覚えます。
そして松子は何度も珠世の命を狙いますが、そのたびに猿蔵(大倉孝二)に阻止されることに。
若林を殺害
珠世に惚れていた若林はたびたび珠世が危ない目にあうことから、松子を疑い出します。
松子はスケキヨを迎えに行く前に、若林に毒入りタバコを渡します(その後、若林はタバコを吸って死亡)。
珠世は生かしておかねければならない?
その後、改めて遺言書を読んだ松子は、もし珠世が死んだ場合は青沼静馬に遺産の多くが渡ってしまうことに気が付きます。
青沼静馬とは、佐兵衛の4番目の愛人・青沼菊乃(安藤聖)の息子。
佐兵衛は、なんと松子たち3姉妹を差し置いて、青沼静馬に「斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)」(犬神家の家宝)を与えました。
怒り狂った松子と竹子(松田美由紀)、梅子(りょう)は、「斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)」を取り返しに行って、菊乃と静馬を痛めつけました。
菊乃は「斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)で復讐してやる!」と叫びました。
松子は憎くて仕方がない静馬に遺産を渡したくなかったので、珠世を殺すのはやめることに。
そして松子は以前から、珠世がスケキヨに好意以上の感情を抱いていることに気付いていました。
珠世と結婚しさえすれば遺産は入るので、スケキヨは圧倒的に有利です。
スケキヨが無残な姿で帰還
松子はスケキヨが復員したという知らせを受けて自信満々で迎えに行きますが、息子だと名乗りを上げてきたのは顏中に火傷を負った男でした。
松子は驚き、絶望します。
松子は以前のスケキヨにそっくりな仮面を作らせ、スケキヨに被らせます。
なぜなら、こんな顏では珠世に嫌われるに決まっているから。
松子が殺人を決意した理由
しかし苦心も水の泡で、珠世はスケキヨを嫌っているようでした(実際は、珠世は嫌っていたのではなく“偽物”だと疑っていただけ)。
これでは珠世にスケキヨを選ばせるのは難しいと思った松子は、スケタケ(笠原秀幸)とスケトモ(坂口涼太郎)殺しを決意。
松子はいったん決心すると強い女で、着々と決行。
しかし一方で、松子は犯行をくらまそうという想いはそれほど強くはありませんでした。
松子はスケキヨのために邪魔者を取り除いてやれればそれでよく、その後死刑になろうがそんなことはどうでもよかったのです。
事後共犯者が2人
なんと、松子の犯行をあとで裏工作する人間が現れました。
それは、スケキヨと青沼静馬の2人。
実は松子が博多から連れ帰った男は青沼静馬で、犬神家の財産を乗っ取ることが目的でした。
後から復員したスケキヨは、新聞で自分の偽物が犬神家に入ったことを知りますが、大ごとにせずに人知れず入れ替わろうと決意。
その理由は、スケキヨには偽物が青沼静馬だと見当がついていたし、静馬に同情的な思いもあったから。
スケキヨはとりあえず、顔を隠して柏屋に宿泊。
しかしスケキヨが青沼静馬を呼び出して話をしている時に、松子がスケタケを殺害する現場を目撃(恐ろしい偶然)。
スケキヨと青沼静馬の立場は逆転して、スケキヨは静馬に絶対服従しなければならなくなります。
青沼静馬は「お前のおふくろを守るためだ」と言って、「斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)」で犯行を裏工作して、スケキヨにも手伝わせたのです。
スケタケの遺体は頭を菊人形の首とすげ替え、スケトモの首には琴の糸を巻き付けました。
青沼静馬が「斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)」で反抗を行ったのは、母の無念を晴らすという目的もあったのでしょう。
「犬神家の一族2018」スケキヨと静馬はいつ入れ替わったのか原作ネタバレ!スケキヨの誤算とは?の記事はこちら
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青沼静馬の死
松子がスケタケとスケトモを殺害後、青沼静馬はゴムマスクを取って自分の正体をバラします。
その後、松子は静馬を斧で殺害。
こうして青沼静馬の死をもって「斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)」の連続殺人が完成したのです。
松子の自殺
原作では、松子は若林殺害のときに使った毒入りタバコで自殺。
スケキヨの罪に情状酌量の余地があることを刑事に確認して、珠世にスケキヨが罪を償うまで待っていてほしいと頼んだあとに。
悲しき母の愛の結末でしたが、スケキヨは珠世と結婚して莫大な遺産を相続することでしょう。
『犬神家の一族2018』松子の犯行動機は佐兵衛翁の呪い?
松子の犯行動機ですが、スケキヨに遺産を相続させるためだけなのでしょうか?
悲しき生い立ち
犬神佐兵衛は、生涯妻を取らず、3人の妾を自分の欲望処理のためにおいていました。
そしてそれぞれの妾から産まれた松子、竹子、梅子に愛情を注ぎませんでした。
それなのに、佐兵衛は50を過ぎてから若い女工・青沼菊乃を第4の愛人にして寵愛したのです。
後に「犬神佐兵衛伝」でわかるのですが、菊乃は佐兵衛が生涯でただひとり愛した女・晴世の血縁者でした。
そんなことは露ほども知らない松子たち3姉妹は、菊乃を激しく憎悪することに。
父親から愛情を受けなかった松子が、遺産だけに価値を見出したのも仕方がなかったのかもしれません。
松子の犯行は佐兵衛の呪い?
佐兵衛は菊乃の息子・青沼静馬に「斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)」と譲ろうとしますが、松子たち3姉妹が阻止。
佐兵衛はこのことで、3姉妹を憎んでいたと思われます。
1976年の映画『犬神家の一族』では、松子が殺人を犯すときに後ろで今は亡き佐兵衛の亡霊が操っている姿が現れます。
そして金田一耕助(石坂浩二)は「この一連の殺人事件は、犬神佐兵衛がやらせているように思えるんですよ」と語っています。
実は、珠世は犬神佐兵衛の本当の孫でした。
佐兵衛は若い頃に恩人の妻・晴世と辛い不倫関係を結び、珠世はその恩人夫婦の孫として育てられたのです。
佐兵衛はなんとしても珠世に財産を相続させたくて、このような血塗られた遺言書を書いたのかもしれません。
そして佐兵衛は、珠世がスケキヨを深く愛していることにも気付いていました。
松子に取りついて犯行を誘導したとしても不思議はありません(怖い)。
まとめ
『犬神家の一族2018』犯人の犯行の全容を原作ネタバレしてまとめました。佐兵衛のすさんだ過去のせいで、こんなにも恐ろしい殺人事件が起こってしまったのです。