『ここは今から倫理です』原作ネタバレ!生徒11人全員のエピソードと高柳の過去も!

2021年ドラマ『ここは今から倫理です』を原作ネタバレ!

怪優・山田裕貴さんが演じるのは、ミステリアスでセクシーな倫理教師・高柳。

謎の教師・高柳が、自傷行為、いじめ、ドラッグ、合意のない性行為など、悩みに押しつぶされそうな生徒たちに哲学の言葉を投げかけます。

当ページではドラマ『ここは今から倫理です』の原作ネタバレについてまとめています。

具体的には、以下の2つをまとめています。

  • 倫理教師・高柳とは?
  • 生徒11人の各エピソード

『ここは今から倫理です』生徒役キャスト一覧!最年長と最年少は誰?平均年齢も!

2021年1月11日



『ここは今から倫理です』原作漫画とは?



ドラマ『ここは今から倫理です』の原作は、雨瀬シオリさんの同名漫画(集英社)で既刊5巻。

「倫理」とは、人倫の道であり、道徳の規範となる原理。

具体的には、「幸せとは何か」「ジェンダーについて」「いのちとは何か」。


つまり、数学や英語と比べると、実用性が低い学問。

しかし倫理教師・高柳(山田裕貴)の授業には、人生の真実が詰まっています。

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倫理教師・高柳とは?


主人公の倫理教師・高柳(山田裕貴)は、クールなイケメンでありながら、中身は熱い男。

しかし説教したり叱ることはせず、悩んでいる生徒の心にトコトン寄り添って、哲学の言葉を頼りに「そのケースの最善」を探ります。

赤い炎ではなく、青い炎のイメージです。


スーパー教師ではなく、自分の教えが生徒に届かなくて凹んだりするポンコツな一面も。

謎めいた笑みを浮かべる陰気な先生ですが、

高柳先生の倫理の授業受けたい。こんな先生と出会えたらいいなあ

高柳の一見冷たく優しさに満ちた眼差しに心が射ぬかれた

など原作ファンは絶賛。

高栁の過去とは?


高栁は「悩んでいる人間にしか興味がない」と自虐的な態度を見せて、タバコがやめられないという致命的な欠点も持っています。

バツイチで、2度と結婚したくないというトラウマも抱えています。


気になる高栁の過去の詳細は、以下の記事にまとめています。

『ここは今から倫理です』高柳の過去を原作とドラマから徹底ネタバレ!恩師と元妻がキーマン?

2021年1月11日

作者の叔母の話が感動的


雨瀬シオリさんが『ここは今から倫理です』を執筆したのは、自殺した叔母さんがきっかけです。

長年うつ病で苦しんでいた叔母さんは、親戚の何気ない一言で苦しんで死を選んでしまいました。


その後、叔母さんのフセンだらけの倫理の教科書と哲学書と「日記」が見つかりました。

叔母さんは、必死に自分を助けてくれる言葉を探していたのです。

叔母さんのことが大好きだった雨瀬さんは、彼女の死を「うつ病だから」の一言ですませたくないと思い、執筆に至りました。

『ここは今から倫理です』高柳の生徒11人を原作ネタバレ

高柳の主な生徒11人について、それぞれのエピソードを原作ネタバレします。

「ネタバレ」の後に「感想」もまとめています。

藍沢いち子(茅島みずき)


藍沢いち子(茅島みずき)は、相手の男子に望まれるまま、不純異性交遊をしていた。

高柳(山田裕貴)はその現場を目撃するが、顔色ひとつ変えなかった。

そして「ここは、今から倫理です」の決め台詞と共に、男子を追い出した。


高柳に興味を持ったいち子は、倫理の授業を選択。

放課後、教壇にパンツが見えるように座って高柳に迫った。


高柳は、いち子の色仕掛けに眉一つ動かさなかった。

しかしいち子のパンチラが気になり、いち子の手を取って降ろした。

そして「教養のない女性には興味がない」と言った。


いち子はムカついたが、書道や勉学に興味を持ち始める。

そしてもう男子の誘いに乗らなくなった。


そんないち子にイラついた男子たちが、いち子を呼び出して襲う。

そこへ高柳が入ってきて「合意ですか?」と質問。


いち子が「違う」と涙をこぼすと、高柳は男子をいち子から引き離した。

男子は藍沢を殴ったが、高柳は殴り返さない。


「私は貴方を殴れない。

異性の生徒に至っては、落ち着くようにと背をさすってやることもできません。

セクハラになってしまう。

お願いします。暴力はやめてください」


男子は去り、いち子は高柳に「あたしやっぱせんせが好き!」と告白。

高柳は「愛こそ貧しい知識から豊かな知識の架け橋である。マックス・シェーラー」と言った。


その後、いち子は奨学金で大学に行くことを決意。

全ては、高柳に似合う女性になるため。


しかし卒業式で再度高柳に告白するも、あっさりフラれた。

高柳はバツイチで、結婚はもう2度としないと決めていたのだった。

【感想】

高柳が動揺していないようで、藍沢のパンチラに反応したのが人間味があってgood。

どうやら藍沢は、家庭内暴力を受けているようです。

藍沢にとって、初めて信用できる大人が高柳だったのだと思われます。

藍沢いち子の物語は、1巻「#1知らないコト」と4巻「#18告白」に掲載。


谷口恭一(池田優斗)


谷口恭一(たにぐち・きょういち/池田優斗)の将来の夢は、学校の先生。

小学校からいじめられていた恭一は、いじめられっ子に寄り添える先生になりたいと思い、必死で勉強してきた。


そして遂に、理想の先生を見つけた。

倫理教師の高柳(山田裕貴)だ。


恭一は、授業で「いのちとは何か」「幸せとは何か」を語る高柳の悲しそうな目を見て、この人はいい先生だと直感。


恭一は、高柳と2人きりで話したくなって、社会科準備室へ。

高柳はタバコを吸っていて、小林先生に「受動喫煙で周りを巻き込まないで!」と怒られていた。

恭一は、高柳に幻滅。


そんなある日、恭一は藍沢いち子が〇イプされそうになっている現場を目撃。

見て見ぬふりをしようとしたが、外でタバコを吸っている高柳と目が合ったので、報告。

高柳はすぐに飛んで行って、男子生徒に殴られたようだ。


恭一は考える。

もし先生があそこにいなかったら、僕はどうしていたんだろうか。


at屋上

恭一:「いじめられっ子を救えるようないい先生になりたいんです」

高柳:「じゃあ、私のことも小林先生から救ってもらえますか?」

恭一:「タバコをやめるという選択肢はないのですか?」

高柳:「教えてください、谷口くん。私は不当に部屋を追い出されたいじめられっ子ですか。強制的に毒を吸わせたいじめっ子ですか


高柳は、老子の教えを語る。
老子は、善人も悪人もみな善人だと説いている。

つまり、いじめっ子も本質的には善人。
高柳は「あなたには、いじめっ子もいじめられっ子も、全てを信じて救える先生になって欲しいな」と恭一に言った。

恭一は「高柳は理想のいい先生ではないのかもしれないが、こんな先生もいいかもしれない」と思うのだった。

【感想】

いい先生ではないけれど、嘘がない高柳の態度に、恭一は心を揺さぶられました。

「いじめっ子も善人と思わなければ、いつかいじめられっ子がいじめっ子をいじめる側になるかもしれない」とは、刺さる言葉です。

タバコを辞めたらいいのはわかっているのに、それは自分の幸福ではないと断言する高柳の過去が気になります。

谷口恭一(たにぐち・きょういち/池田優斗)の物語は、1巻「#3理想の先生」に掲載。

間幸喜(渡邉蒼)


間幸喜(はざま・こうき/渡邉蒼)は、高柳の授業でいつも居眠り。

高柳(山田裕貴)が「正直不快です。何か授業で起きていられない理由があるのですか」と聞くと、

幸喜は「てめーの授業がつまんねーからだよ!」とブチ切れ。


実は、幸喜の家は母子家庭。

母親が夜の仕事をしているため、幸喜はいつも家に独りぼっち。

その結果、悪い仲間とつるんで、寝る時間がメチャクチャになっていたのだ。


翌日、高柳は「あなたと話がしたい」と自分の携帯番号を書いたメモを幸喜に渡した。

「夜、遊びに行く前にでも電話してください。

ただし1回でもイタズラ電話してきたら2度と出ません」


幸喜は「誰がかけるか」と思いつつ、「コレで遊ばない手はない気もする」とモヤモヤ。

そんな中、話を聞いた夜の仲間が勝手に高柳に電話をかけてしまった。

「ふざけんなよ、1回しかかけられないのに」とムカつく幸喜。


幸喜は、なんだかとんでもない損をしたような気分に。

家にいるのもつまらないが、夜の仲間にももう会いたくない。


その夜、幸喜は思い切って高柳に電話。

高柳は・・・・・・出た!


ちょうど『ローマの休日』のDVDを見ていたという高柳は、間にも映画を見るように勧めてきた。

幸喜は、母親の『雨に唄えば』のDVDを発見。


高柳は「僕も『雨に唄えば』が好きだ、お母さんは趣味がいい」と絶賛。

そして幸喜に見るように勧める。狙いはもちろん夜遊びをやめさせるため。


「キルケゴールの言葉に、“不安は自由のめまいだ”というものがあります。

どこまでも高く飛べる自由さは、不安というめまいを起こすのですよ。

貴方は今、その自由な生活がどこか不安なのではないですか?

そうでなければ、なんで私に電話したのですか?」


幸喜は「自分でもなんで電話したのかわからない」と言った。

高柳は「映画に縛られる2時間は、自由がないが不安もない。

それは本当にただ単純に楽しい時間だから。

イタズラ電話のお詫びとして、明日感想を聞かせてくださいね」と言った。


翌朝、母親は幸喜が『雨に唄えば』を見たと知って喜んだ。

登校した幸喜は、高柳に言った。

「ゴメン。昨日途中で寝ちゃったから、感想、明日まで待って!」

【感想】

「過度の自由は不安」の言葉が、刺さりました。

縛られるのは不自由だけど、その時間は不安に悩むことはないのです。

これ以降、間は夜に映画を見ては、その感想を高柳に話すようになります。

間幸喜(はざま・こうき/渡邉蒼)の物語は、1巻「#5学校は眠い」に掲載。

深川時代(池田朱那)


深川時代(ふかがわ・ときよ/池田朱那)は、いつもクールぶっている高柳(山田裕貴)の絶望に歪んだ顔を見たくてたまらなかった。

友達2人と作戦を練って高柳をセクハラ教師に仕立て上げたが、高柳は眉ひとつ動かさなかった。

高柳は、時代をゴミを見るような目で見た。


2年生になった時代は、今度はキモイ物理教師・松田に接近。

わざと下着を見せたり胸を当てたりして、松田はドキドキ。


女性経験の乏しい松田は、高柳に相談。

高柳は「それは愛ですか?性欲ですか?あなたはその女生徒を本気で愛してしまったのですか?」とド直球質問。

松田は「僕のは性欲だと思います。女生徒から離れます」と言った。


しかし今日も時代は、松田のことを待っていた。

時代の内心は以下の通り。
・松田に勘違いさせて襲わせる。

・その音声をテープレコーダーに録音して証拠にする。
高柳を狙ったのはただ見た目がイケてたからだが、今回は違う。

キモイ変態教師が消されるトコが見たいからだった。


遂に時代は、スカートを捲ってパンツを見せた。

松田は「深川さんっ」と迫ってきた。

「きゃあああああ」と逃げる時代。


そこへ高柳が来て、時代のテープレコーダーを手に取る。

「大事な証拠です。このままにしておきましょう」


松田は土下座をして「違う、違うんです」。

「深川さんを、愛してしまったから」。


松田は、時代を襲ったわけではなく、

お互いの気持ちも確認せずにそんな大事なことできないからと、止めようとしたのだった。


高柳が「彼の本当の気持ちです。一言でいい、返事をしてあげてください」と言うと、

時代は「無理」と答えた。


高柳は、時代がなぜ教師を陥れるのか、その理由について話す。
・深川の姉はテレビにも出るモデルで、幼少期の深川は寂しい思いをしていた。

・だから大人の気を引きたくて、教師にイタズラした。
時代は「違う!」と絶叫。

高柳が「スカッとしましたか?」と聞くと、「冷めた」と深川。

そしてレコーダーの音声を消して「親へのチクりも好きにすれば」と言った。


高柳は時代に言う。

「ソクラテスは若者に言った。

たえず鏡に自分を映し、美しければそれにふさわしい者になるように。

醜ければ教養によってその醜い姿をかくすようにと。

深川さん、貴方は

とても とても美しいですよ


深川は「姉ちゃんに比べれば全っ然ブスだっつーの」と言って出て行った。

失恋した松田は「高柳先生、一杯付き合って下さい」と言ったが、高柳は「無理です。仕事は直帰がモットーなので」と断った。

【感想】

高柳が時代に「あなたはとても美しい」と言ったことで、時代は内面も美しくあろうと思ったのではないでしょうか?

深川時代(ふかがわ・ときよ/池田朱那)の物語は、2巻「#6の見たい顔」に掲載。

都幾川幸人(板垣李光人)


都幾川幸人(ときがわ・ゆきと/板垣李光人)は、保健室登校だが、高柳(山田裕貴)の授業にだけ出席。

幸人は、高栁に過度なスキンシップをしてくる。


幸人は、幼少期から母親に暴力を受けていた。

その結果『愛情障害』になってしまい、人との距離感がうまく掴めなくなったのだ。


保健室の先生は「大目に見てあげてください」と言うが、高柳は「ダメです」と言った。
(高柳の回想)

大学時代、高柳は恩師から以下のことを言われた。

生徒の1人1人を抱き、1人1人に金を渡すことはできない。

抱く人間と抱かない人間がいるのはもっと悪い。

高柳。こんな時・・・我々が行うべき“最高の善”とは何だ?

こんな様々な制約の中、お前は人を救えるか。
高柳が幸人のスキンシップを避けたせいで、幸人が家に帰ってしまった。

保健室の先生は「なぜ体の触れ合いを避けるの?」と高柳を問い詰める。


高柳は「幸人が問題があるのは心だから、体に触れても直らない」と答える。

保健室の先生は「考え過ぎよ!私たちはただの教師なのよ!」と叫んだ。

そしてこれを、幸人が聞いていた!


「うわああああ」と逃げる幸人を、高柳が追いかける。

幸人:「本当は俺のことが邪魔なのに、無理して俺の相手していたんだろ!」

高柳:「私は、貴方の心を救いたい」


振り向いた幸人が「先生、ぎゅっとして」と泣いた。

高柳の青ざめた顔を見た幸人が再び逃げると、高柳がバックハグ!

「先生、ありがとう」


しかし高柳の顔を見た幸人は「ごめんね」と再び青ざめる。

「そんな顔、させるつもりなかった」


その後、高柳は「間違った」ともがき苦しんだ。

都幾川の心を救うために、何が正解だったのか?

【感想】

高柳の真剣さが伝わる回。

生徒を平等に救おうとしている高柳の気持ちがグッと来るが、現実は難しい。

都幾川幸人(ときがわ・ゆきと/板垣李光人)の物語は、2巻「#7教師の資質」に掲載。

山野亮太(浦上晟周)


山野亮太(やまのりょうた/浦上晟周)は、自分のことを「特技の夢もやりたいこともない普通の人間」と思っている。

そんなある日、亮太は自分からトラックの前に出てしまう。

幸い命に別状はなかったが、亮太は「普通の人間は起こす事故も大事件にはならないのか」と落胆。


高柳(山田裕貴)が見舞いに来た。

担任教師が外せない用事があるので、代わりに来たのだ。


亮太は、高柳と話すのが初めてなので、居心地の悪さを感じる。

高柳は「おみやげを持ってきました」と言って、なんと『折り紙セット』を出した。


亮太がドン引きすると、高柳は「スベりましたね」とショボン。

これがたかやな流のギャグだと気付いた亮太は、大ウケする。


亮太は「たかやなにとって、特別な生徒ってどんな奴」と聞いてみる。

高柳は「貴方ですかね。お見舞いにきて折り紙を折ってあげた生徒は貴方だけです」と答えた。

そして「なぜそんなことを聞くのですか」と聞いてきた。


亮太は「死にたい」と思ったわけではなかった。

しかし「一度でいいから目立ちたい」と思って、信号を待たずに一歩前に出た。


亮太は「俺、おかしいよな」と自虐的に笑う。


高柳は「貴方はおかしくない。必死で考えていたのです。自分が何者なのかを」と亮太を肯定した。

「貴方は自力でなぜあんな行動を取ったのかの答えを導き出した。

貴方が貴方という“人格”を有した。それが一番素晴らしい。

みすみす死なすには惜しすぎます。本当に無事でよかった」


高柳から亮太に質問。

「特別な人間って誰ですか?芸能人ですか?」


亮太は、今まで自分が何に憧れてきたのか、わからなくなった。

しかし目の前にいる高柳が、特別な教師であることはわかる。

ところが高柳は「自分は酷い教師で、悩んでいる人間にしか興味がわかない」と言った。


高柳はソクラテスの『悩まぬ豚より悩めるソクラテスであれ』を話す。

悩むことは、人間にしか出来ない特別なもの。どんどん悩んでいいと思う


亮太が自分で折った「足つき鶴」をプレゼントすると、高柳は大爆笑。

そしてそれを持って帰って行った。

【感想】

高柳の「私は酷い教師です。悩んでいる人間にしか興味がわかない」発言が衝撃的。

高柳がバツイチである理由も、この辺りにあるのではないかと思われます。

山野亮太(やまのりょうた/浦上晟周)の物語は、2巻「#8の普通の人間」に掲載。

高崎由梨(吉柳咲良)


高梨由梨(たかさき・ゆり/吉柳咲良)は、小学校の頃からリストカットを繰り返している。

理由は、なんとなくスカッとするから。


そしていつしか、血を見れば落ち着くようになった。

友人に話すと深刻な顔して心配してくれるけど、そんなの偽善だ。


家ではいつも怒られるし、生きてるってめんどくさい。

もう死んじゃいたい。


由梨は、同じゲームをしているという理由で、不登校の都幾川幸人(板垣李光人)と話が弾む。

よく見ると、幸人はけっこう可愛い顔をしている。


at高柳の倫理の授業

昨夜も家で嫌なことがあった由梨は、ふと今リストカットしたら高柳がどんな顔をするのか興味を持つ。

由梨がリストカットした瞬間、幸人が「うああああああ」と叫んで飛びかかってはさみを取り上げた。


幸人が過呼吸になって、由梨と高柳(山田裕貴)が保健室に連れて行く。

幸人は由梨がはさみを持ってないのを確認した後に「本当に良かった」と抱き締めた。


そんな2人を見ながら、高柳と保健室教諭の藤川が話す。

高柳「私は高崎さんがリストカットする理由も、

都幾川くんが極度の刃物恐怖症になった原因もわからない。

きっとその行為の根本的原因を解決する力は、我々にはない」

藤川「知る努力をしましょうよ」

高柳「今彼らが戦うべきは自分自身。

私たちが無理に入り込んだら、戦う相手が増えてしまう。

私が彼らの過去を探ろうものなら、私は彼らの敵になる。

それでも助けを求めてきてくれたなら、全力で応えましょう」


由梨は、本気で心配してくれた幸人に感動していた。

高柳の必死の倫理の授業より、幸人の一瞬の激情の方が由梨の心を動かしたのだ。



高柳はタバコを吸いに屋外へ。

高柳は「報われない。こちらの愛も誠意も、向こうに受け取る気がなければ一切届かない。

それを見せつけられたから」と同僚教師に愚痴る。

【感想】

高柳は、このタバコを吸うという行為も(由梨のリスカと同じで)自傷行為の一種かもしれないと思います。

そして同僚教師の「タバコをやめた方がいい」の忠告を無視する自分は、本当に最善に生きてはおらず、矛盾だらけだと。

高柳もまた、由梨や幸人同様、自分自身と戦っていくしかないのです。

高崎由梨(たかさき・ゆり/吉柳咲良)の物語は、3巻「#15切っちゃおうかな前編」と4巻「#16切っちゃおうかな後編」に掲載。

近藤陸(川野快晴)


近藤陸(こんどう・りく/川野快晴)は、もう2週間も学校に来ていない。

担任教師が電話をすると、父親と名乗る男性が「体調が悪い」「夏風邪」と答える。

何か事件に巻き込まれてないといいのだが・・・。


2週間前、陸はに頼まれて、運び屋の仕事をした。

具体的には、兄から金をもらってヤクを受け取りに行く。


ここで、陸の家庭事情。

陸の母親は、兄がグレたことがきっかけで、家に寄り付かなくなった。

陸は、それでも兄のことが好きだった。

父親はガテン系ですぐに外へ飲みに行ってしまうから、陸にとって兄は父親のような存在。

陸が運び屋の仕事をヤバイと思いつつ断れなかったのは、兄に頼られるのが嬉しかったからだ。


そんな中、兄がヤクと金を持ってトンズラした。

陸は、兄の仲間に呼び出されて、ボコられる。

そこへエキセントリックな雰囲気の男・ジュダが来て、陸を助けてくれた。


ジュダは、陸を自分の店であるBARに連れて行った。

ジュダの目的は、なんと陸の体だった。

しかし陸の緑のネクタイを見たジュダは「今のは全部冗談だから」とどこかに電話をかけた。


しばらくしてやってきたのは、高柳(山田裕貴)!

高柳は「あの男に何かされませんでしたか?あの男の言うことは聞かないでください」と陸を連れ帰ろうとした。

するとジュダが「センセ、それはないでしょ。さすがに今の態度はムカついたわ」と叫ぶ。


ジュダ:「アンタは今ハナから俺を悪とみなした。倫理のセンセとしていかがなもんかね」

高柳:「それについては申し訳ない。気が動転していた」


ジュダと高柳は、旧知の間柄だった。

高柳は、2年前、教え子をジュダに取られた。

教え子は善の世界では生きられなかったが、悪の世界では生きられたのだ。


ジュダは、もう陸に手を出さないようにと、陸の兄の仲間に電話してくれた。

ジュダは高柳と倫理の話をするのが気に入っていて、「また来てくれ」と言った。


帰り道、高柳は陸に「ちゃんと考えなさい!自分にとって何が善か悪かぐらい!」と怒鳴った。

翌日、陸は登校して何もなかったかのように勉強していた。

【感想】

高柳とジュダの関係に興味津々。

100%悪のジュダなのに、高柳と倫理の話をするのが好きというのが面白すぎです。

ジュダの本名は川村くん。川村がどんな経緯で悪の道に染まったのかも知りたいところ。

近藤陸(こんどう・りく/川野快晴)の物語は、2巻「#10優しくていい人」、3巻「#11善と悪」に掲載。

田村創(杉田雷麟)


田村創(たむら・はじめ/杉田雷麟)は、過剰な期待をかける母親のために、好きでもない受験勉強を頑張っている。

母親は、パートで稼いだお金を全部田村のために使ってくれている。


マザコンと言われたくないが、母親の期待は裏切りたくない。

ちゃんとした大学に行って、立派な会社に就職して、父親のような学歴なし・低収入の男になってはいけない。


しかし田村は、がんばり過ぎて疲れていく。

高柳(山田裕貴)は、そんな田村に「大学に入ったら好きな勉強をしてほしい」と言った。

そしてホッファーの言葉を告げる。

「他社への没頭は、それが支援であれ妨害であれ、愛情であれ憎悪であれ、つまるところ自分から逃げるための手段である」


帰宅した田村は、父親と久しぶりに話す。

高卒の低所得者の父親だが、自分の仕事に誇りを持っていた。


田村の、母親思いの性格は変わらない。

でも、大学に合格したら何の勉強しようか。

それだけは少し楽しみになった。

【感想】

田村の母親に対する優しさに、感動。

高柳の「他社への没頭は自己からの逃避」発言には、ドキッ。

田村創(たむら・はじめ/杉田雷麟)の物語は、3巻「#13自分の為の勉強」に掲載。

曽我涼馬(犬飼直紀)


曽我涼馬(そが・りょうま/犬飼直紀)は、文武両道で友達も多い生徒だが、ほとんど喋らない。

教師たちは、いくら勉強ができてもコミュニケーションが取れないのは、社会に出たら厳しいと心配する。


涼馬は、真夏なのに外で昼食を食べる。

高柳(山田裕貴)は、涼馬の隣に座って他愛のない話をしたが、やはり喋ってはもらえない。


そんなある日、高柳はぐったりしている涼馬を発見。

高柳は「心から辛い時だけでいいから、声を上げて欲しい」と頼んだ。


高柳は、ショーペン・ハウアーの『我々は他人と同じようになるために、きびしい自己放棄によって自身の4分の3を棄てねばならない』を語る。

貴方は決して他人と同じになろうとしていない。4分の2ぐらいな気がします。棄てているとしても。棄てすぎているよりずっといい


ここで涼馬が口を開く。

「2分の1」


高柳は「約分しない方が伝わりやすいと思ったのですよ」と言った後に「やっぱり4分の1かもしれないですね」と訂正。


翌日、涼馬はドロドロに溶けたチョコを高柳にくれた。

「本当に変な人」と高柳。

【感想】

高柳は、他の教師が心配する涼馬のことを、完全肯定。

理由は、自分を捨てすぎているよりはいいから。

今回も、考えさせられる深い話でした。

曽我涼馬(そが・りょうま/犬飼直紀)の物語は、3巻「#12セミの声」に掲載。

南香緒里(中田青渚)


南香緒里(みなみ・かおり/中田青渚)は、クラスのLINEが面倒くさいと感じている。

うるさいのも群れるのも苦手で、交友関係は狭く深くが好み。


藍沢いち子が「めんどくね?ウチのクラスのLINE」と言ってきた。

香緒里は一瞬「仲間かも?」と思うが、いち子はクラスの仲間とLINEの話で馬鹿笑いしていた。

やっぱり自分とは違う。


多分このクラスは「全体主義」で、「個人主義」は私だけなのだろう。

主義が違うって面倒だ。私だけ確実に浮いている。


そんな中、香緒里といち子は、外でタバコを吸っている高柳(山田裕貴)に遭遇。

高柳は「全体主義に同調しろとは言いません。受容するんです。私だって世の中の嫌煙ブームを受け入れているからこんな寒空の下、外でタバコを吸ってる」と言った。

そして個人主義でも全体主義でも、どうすればより多くの幸せを手に入るかを考えるのが倫理だと語る。


いち子は、LINEグループを抜ける選択をした。

香緒里は、もうちょっと考えてみることにした。

この件がきっかけで、香緒里といち子は親しくなる。

【感想】

「個人主義」と「全体主義」で反発し合うのではなく、どうすればより幸せになれるかを考えるべきという高柳の考え方に納得。

この後、高柳は生徒たちに「個人主義」と「全体主義」で論議させますが、大事なのはお互いの立場を想像する心。

こちらも、本当に納得です。

南香緒里(みなみ・かおり/中田青渚)の物語は、3巻「#14主義探し」に掲載。

『ここは今から倫理です』生徒役キャスト一覧!最年長と最年少は誰?平均年齢も!

2021年1月11日