「民衆の敵」でいま全国に広がりつつある「子ども食堂」が扱われていました。
子供の貧困や孤食など根深い問題に見た人が関心を寄せられるように明るく描いていて、ネットでは「(今回は)ドラマのチカラを感じる」と評している人もいます。
ドラマ「民衆の敵」の劇中、子ども食堂の決議で提案されたこととは何だったのかを考察します。
民衆の敵で少数派岡本議員の「子ども食堂」の提案を決議!
ポスターの岡本遼の真似をする未亜ちゃんと遼くん。
— 【公式】民衆の敵 (@minshuuno_teki) 2017年11月9日
未亜ちゃんの再現度高いっ👏👏
おーい、遼くーん!それ、ちょっとおちゃらけですよ‼️顔同じなのに似てないー笑。#民衆の敵 #前田敦子 #千葉雄大 pic.twitter.com/XO41CdcBne
市議会で、岡本遼(千葉雄大)が商店街の活性化を訴えコミニュティを復活させたいと演説するシーン、感動しました。
岡本の提案した決議案の中味が気になるところですが、彼の真意を確認しておくためにまず、その演説の場面に至る経緯を振り返ります。
きっかけは佐藤智子(篠原涼子)達、あおば市議会の新人議員の部屋で小出未亜(前田敦子)が言った「ファミレスにすることもなく入り浸っているおばさん達」の話と、園田龍太郎(斉藤司)が言った「子ども見てくれる人がいないママさん達」の話が飛び出して、
智子が「一緒にしちゃえばいいじゃん」と叫んだところから始まったのです。
さっそく新人議員たち5人は岡本遼(千葉雄大)の知り合いの商店街で食堂を営んでいたおばさんに子育てを支援してもらえないかとお願いに行くと、「それ、子ども食堂って言うんでしょう!それならやってあげたいね」と大乗り気。
そこに来ていた商店街のおじさんやおばさんも協力すると言ってくれていました。
そこで智子は、まずは市議会の決議を経て始めた方がいいという岡本たち他の新人議員4人の意見を無視して、子ども食堂を見切り発車してしまいます。
しかし、始めは順調に商店街の人たちの善意で運営されていた子ども食堂が有名になってしまい、子供や親が大勢押しかけてきたために対応しきれなくなり閉鎖せざる得ないことになります。
ガッカリして落ち込む智子に、藤堂誠(高橋一生)は「必殺技があるでしょ」と智子にしかできない究極の一手を伝授。
それは、 議会のボス議員犬崎和久(古田新太)に頼み込んで、対立する川原田市長派の岡本が提案する「子ども食堂」の決議に賛成してもらう事だったのです。
こうして智子の根回しが功を奏して、岡本の提案が決議されたのでしたね。
提案された決議の中味ってなに?
では、岡本議員が提案した決議の中味です。
演説では具体的には触れていなかったのですが、結論から言ってしまえば、 「子ども食堂」の運営に市が予算を付けて欲しいということです。
議会の目的は予算を審議することですから当然ですね。
智子が犬崎に頼みに行った際にも、決議書と一緒に予算修正の提案書も渡しています。
劇中、記者で智子の友達の平田和美(石田ゆり子)が伝えたように、「子ども食堂」の継続的な運営には協力する人材の確保が必要でボランティアの協力では長続きしないということを岡本議員たち4人は判っていたため、始める前に決議が必要だと智子を解いていたのですね。
そのことは、最初「子ども食堂」がうまくゆきかけた時にボランティアでコックを引き受けていたおじさんも、智子が「もっと子ども食堂に大勢の子が来て欲しい」と言った時に、「それじゃガソリン入れてもらわなくっちゃな」と議員としての智子に要望していました。
そしてここがポイントなのですが、
岡本議員がドラマの演説の中で、 「商店街はかつて大きな家族、失なわれたコミュニティを復活させたい」と言って、商店街の活性化とコミュニティの復活を提案の主旨にしていることです。
シャッター商店街にいる人の気持ちを考慮して提案をしているのがポイントですね。
それからもう1つのポイントは、岡本議員は演説の中で「子ども食堂」という言葉を一度も使っていないことです。
その理由の1つに実際にある「子ども食堂」では、本当にそれを必要としている子供だけでなく、余裕があるのにファミレス代わりに家族で使っている例や、親の手抜きの例もあり、そのことに対する批判の声があるからです。
また、「子ども食堂」に通う子供が、貧困家庭の子供だと言われてイジメや仲間外れにされたり、設置した場所が貧困地域だと認識されるケースもあり、実際に「子ども食堂」という名前を外して別な名前へ替える例が多く出てきているのも理由になっています。
その辺りも岡本議員の演説のセリフに考慮されていることが窺がえて、「深いな」と思ってしまいます。
ネットの反応
「子ども食堂」を扱ったドラマ「民衆の敵」についての反応を、ツイッター投稿の中からピックアップしてみました。
録画した民衆の敵、見てる。ドラマのチカラを感じる。
— なお(.˙∠) (@naoki0828) 2017年11月13日
やっぱり月9ドラマだけあって、フジテレビのプライドを感じる内容だったと私も思いました。
これで「子ども食堂」に対する認識も広まったんじゃないかな。
登場していたおばちゃんの「テレビだっていいことやってるんだよ」っていうセリフ、あれテレビ局の代弁かな?
篠原涼子さん主演の「民衆の敵」、なかなかおもしろい。主演の市議会員になって、孤食してる子などのための「こども食堂」を見切り発車したことに対して「学園祭じゃないんだよ」(続けられるようにするのが議会員の仕事だろう)と言われるのが今日のグッときたところ。
— 辻 恵子 (@tsujikeiko) 2017年11月13日
そこだと思いますよ、今回の大事なところ!市議会議員の仕事ってやっぱり本当に必要なことに予算をあれこれ議論して決めることじゃないですか、智子も今回そこを知って成長したのかな。
それでも、智子の行動力は素晴らしいですね!
今日の#民衆の敵はこども食堂についてだったけど、なるほどねぇ~
— みそぽんずす (@misoponzusu) 2017年11月13日
現代のこども食堂ってこんな感じなわけね…
「民衆の敵」の子ども食堂の話にはいろんな問題が含まれていて深いなって感じますよね。
それと、シャッターを閉めていた食堂が使われていたこともなんかヒント与えられた感じしますね。
ツイッターに投稿されていた書き込みは、こんな風に「子ども食堂」に関心を持ったという内容の意見が多かったようです。
やっぱりドラマで子育てに関連する問題を取り上げると反響がありますよね。
まとめ
今期は、「子どもの食の問題」をずっと扱っている同じフジテレビのドラマ「さくらの親子丼」も放送されていて「子ども食堂」は視聴者の関心の高いテーマです。
「民衆の敵」でも議員の提案した決議案が認められて予算が付いたように、 「子供の食」に関しては親の自己責任とばかり言っていられない状況がすでにあると思います。
そういう意味で今回の「民衆の敵」の結末は、テレビ局のこの問題に対する提案の様にも感じました。