当ページは、2017年秋に放送されるドラマ「陸王」の原作に登場した「タラウマラ族とワラーチの作り方」について解説しています。
靴職人のうさぎとDIY初心者の亀の茶番にお付き合いください。
靴職人さ〜ん!陸王で「ワラーチ」ってのが出てきたんだけど、ワラーチの作り方を教えて!
え〜…けど、君しか教えてくれる人いなさそうだし…
仕方ない…
じゃあ、まずはタラウマラ族が何者なのかから語っていこうか。
じゃあ、まずはタラウマラ族が何者なのかから語っていこうか。
えぇ〜!ワラーチはよ!!
黙って聞け
あ、はい。
もくじ
陸王に登場するタラウマラ族とは?
タラウマラ族とは、ララムリとも呼ばれるメキシコ北西部に住んでいる先住民族で、常日頃から長距離を走ることから「走る民」とも呼ばれています。民族は5万〜7万人ほどで、主食はとうもろこしや豆、そして移牧をしながら牛や羊、ヤギなどを飼って生活をしています。
タラウマラ族はアステカ帝国にも支配されることなく、数々の戦争の中でも生き抜いてきた民族ですが、今でも土地の資源を求めた企業などから圧力を受けていたりします。
小説「陸王」にタラウマラ族が登場したのは、彼らの履く「ワラーチ」と呼ばれるサンダルがこはぜ屋の地下足袋と性質が似ているのではないかと話が繋がったからです。
ワラーチは自転車のゴムタイヤを靴底に仕立て、牛革の紐で足に固定した履物。
それだけ薄いのであれば足にかかる負担も多いはずなのですが、タラウマラ族はそのワラーチで当たり前のように長距離を怪我もせず走るというのです。
そこには、タラウマラ族の走り方に秘密があります。
タラウマラ族の走り方
実は、タラウマラ族は来日してトレイルマラソンに参加したことがありました。2015年の9月に、タラウマラ族の伝説的ランナー「アルヌルフォとシルビーニョ」がウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)に出場したのです。
二人は性格も独特で、アルヌルフォは無口でマイペース、シルビーニョは真面目で負けん気が強い。(アルヌルフォはスペイン語があまりわからず通訳できなかったことも原因)
マラソンの結果、二人は半分も走らないところでリタイアしてしまいました。
え?タラウマラ族も大したことないのでは?
黙れ小僧。彼らは確かに完走はできなかったけれども、日本ではコースや雨が影響して、運悪く彼らの履いているワラーチが合わなかったかもしれないんだ。
この記事の一文が彼らが当たり前のように体力があることを綴っているんだ。
この記事の一文が彼らが当たり前のように体力があることを綴っているんだ。
メキシコで、自宅から最寄りのバス停まで7時間歩いたというアルヌルフォは、「十数時間の飛行機の方が苦痛だった」と笑って見せたが、地球の反対側に近い日本に来るのは大変だったのだろう。
ヒエェ…7時間歩くのは半端ないね…
どちらか選ぶなら、僕は喜んで飛行機で10時間寝るよ…
どちらか選ぶなら、僕は喜んで飛行機で10時間寝るよ…
また、この記事では次のようにも語られているんだ。
足音がしないんです。普通は暗闇の中から足音が聞こえてくるものなんですが、気配を消すと言いますか、スーっとやってきて、そのまま静かに走り去っていきました。そして、呼吸音がまるでない。シルビーノは4位争いをしていましたからね、トップ選手たちは『ハァハァ』と音が聞こえてくるので、あ、来たな! って分かるんですけど、シルビーノは全く呼吸が乱れていませんでした。
「足音がない」ということは、いかに無駄な動きをしていないのかがわかるのです。
長距離を走るアスリートの多くは、かかとではなく足の中央から着地をする「ミッドフット着地」をしています。
ワラーチは薄っぺらいため、かかと着地をすると足にかかる負担が大きいのですが、ミッドフット着地であればクッションが効いて怪我や筋肉痛を抑えながら走れます。
忍者の「忍び足」はつま先(小指)から着地をして足音を消すのですが、タラウマラ族は普段からミッドフット着地で音がしない分、どれだけ無駄のない走りをしているのかが証明されたというわけです。
ワラーチを履いているからこそ、これ以上にない効率的な走りを習得できたと言えるんじゃないかな。
なるほど!ワラーチは「かかとのクッションがないからこそ」ミッドフット着地を覚えるにはぴったりというわけか!
ワラーチを作ってみた!
ワラーチを作れば、僕も早く走れるようになるかな?
亀のくせに生意気な。
そもそも、君はDIYとかやったことあるのかい?
そもそも、君はDIYとかやったことあるのかい?
・・・が、頑張ればなんとかなるよ!
フフッ(失敗しろ!)
・・・(心の声が聞こえる…)
というわけで、作り方はこちらのサイトを参考にさせていただきました。
→Kiss My Earth:ワラーチの作り方
材料を確認
- ビブラムシート 2枚(セット)
- ペレマット 300x300x5 1枚
- 靴用補修剤・ボンド(Shoe Goo 100g)
- 真田紐 3m
他に、以下の工具を使います。
- ハサミ
- やすり
- 穴あけポンチ(トンカチで打つやつ)
- トンカチ
- つけもの石など重りになるもの
- 彫刻刀(穴開けの補助)
ソールの型を作る
初心者だからちょっと大きめに…
走る前提なら足ピッタリになるようにした方がいいんだけどね〜。
ビブラムを型に合わせてマジックで塗る
ビブラムの色が茶色でよかった…マジックの色が見えやすい!
黒のビブラムだと白マジックやポスカの方がいいね。
ビブラムを切り抜く
僕は左利きで、右利き用のハサミしかなかったから切るのが大変だったよ…
おやおや、指が痛そうだねぇ…(ニヤニヤww)
靴用の補修剤をビブラムの裏にベッタリ塗る
写真パシャッ!
悠長にやっているとペレマットに張り付かなくなっちゃうぞ
Oh! Hurry!! Hurry!!
ペレマットにビブラムを貼り付ける
写真パシャパシャッ!
さっさと重り乗せろ
重りを乗せる
つけもの石なんて無かったから、CDと漫画の詰まった段ボールを乗せてみたよ。
東京タラレバ娘、猿ロック、ドラゴン桜、ヤングヤングフルーツ…趣味の方向性がよく分からんやつだ…
どれくらい待てばいいの?
だいたい24時間だな。
じゃ、おやすみ!
お、おう…
乾いたらハサミでペレマットを切り取る
ペレマット側がビブラムより少し大きくなっちゃった…
右利きだったらビブラムとペレマットを一気に切れたかもしれないね。
穴あけポンチで紐を通す穴を開ける
空いたー!(←不器用すぎて1つ穴あけパンチを壊した人)
どうやったら頑丈な穴あけパンチ壊すんだよ…
にしても、左足の内側の穴が少しズレてるね!おめでとう
にしても、左足の内側の穴が少しズレてるね!おめでとう
・・・な、なんとかなるさ!
真田紐の太さに合わせて彫刻刀で切れ目を入れておくのも重要だよ。
穴の開け方は参考にしたサイトでチェックしておこう!
穴の開け方は参考にしたサイトでチェックしておこう!
真田紐をつける
できた!すごいできてる!
紐はゆるすぎると走った時にワラーチがすっぽ抜けちゃう、キツすぎると血流が悪くなる…何度も歩きながら確認してみるのが良いね。
左足は穴を開けた部分を間違えたせいで、かかと部分がかなり余ってるな。
左足は穴を開けた部分を間違えたせいで、かかと部分がかなり余ってるな。
歩いてみた感覚だけど、確かに左足のかかと部分に違和感が…
右足はどうだい?
逆に親指の先の部分が少し出っ張ってて、走った時に引っかかっちゃうね…
というわけで、大きく作るよりはピッタリに作った方が良いんだね。
見るからに、横幅も少し大きすぎて不恰好になってるよ。
見るからに、横幅も少し大きすぎて不恰好になってるよ。
う〜ん…また機会があれば、ワラーチ作りにリベンジしてみるよ!
いや、君はセンスないからやめた方がいいよ。
ふぇぇ〜…
まとめ
陸王に出てきたタラウマラ族とワラーチの作り方についてまとめてみたけど、ワラーチ作りはなかなか面白かったよ!
君はDIYが下手すぎたから実践のランニングで使用するのはおすすめしないけど、ちゃんとサイズを上手く調節できればフィット感も出てきて快適に走れるようになるんだ。
そして、ワラーチは普通のランニングシューズとは違ってかかとのクッションがないから、ミッドフット着地をマスターしよう。
陸王の茂木(竹内涼真)も怪我に苦しんでいるけど、きっとミッドフット着地なら今後同じ怪我をすることもないのではないだろうか。
そして、ワラーチは普通のランニングシューズとは違ってかかとのクッションがないから、ミッドフット着地をマスターしよう。
陸王の茂木(竹内涼真)も怪我に苦しんでいるけど、きっとミッドフット着地なら今後同じ怪我をすることもないのではないだろうか。
僕のワラーチじゃランニングは少し危険かな〜…
けど、せっかく作ったし外に出るときに履いて友達に自慢してやるぞ!
けど、せっかく作ったし外に出るときに履いて友達に自慢してやるぞ!
ん?君、友達いたっけ?
・・・
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