松本清張氏による不朽の名作『砂の器』が、東山紀之さん主演で「現代版にアレンジ」されて蘇りました。
殺人鬼・和賀英良(わが・えいりょう)を演じたのは若干25歳の中島健人(Sexy Zone)さんですが、『ドロ刑』と同じ人物とは思えない鬼気迫る演技でびっくり!
そして愛人役の土屋太鳳さんが、これでもかと事件の証拠となるものをバラ撒いていきます(^_^;)
さらに高嶋政伸さん演じる三木が、およそ善人とは思えないセリフを吐いて……?
当記事では、大反響を呼んだSPドラマ『砂の器2019』のあらすじの結末のネタバレをまとめています。
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もくじ
『砂の器2019』あらすじのネタバレ
『砂の器2019』のあらすじのネタバレを簡単にまとめます。
ハロウィンの夜の殺人事件
2018年の渋谷。
ハロウィンの夜、天才ピアニスト・和賀英良(中島健人)は“ある人物”を撲殺。
“ある人物”は、顏と指紋をつぶされ、身元がわかるものは全て持ち去られていました(身元不明)。
死因は頭部打撲による失血死、凶器はコンクリート片。
警察は「怨恨」の線で捜査を開始。
警視庁捜査一課のベテラン刑事・今西栄太郎(東山紀之)と、渋谷西警察署の若手刑事・吉村弘(野村周平)はペアで捜査に当たります。
目撃情報は、以下の2つ。
ひとつめは、警備員が、黒いマントに黒いマスク、大きなバッグを抱えた男にぶつかったこと。
警備員がその男のバッグに触れた時についた血液が、被害者の男のものと一致。
男は20代で身長170㎝のやせ型で、犯人である可能性が極めて高い(人相は確認できず)。
ふたつめは、居酒屋の店員が、被害者だと思われる50代の男性と、犯人と思われる若い男性が話しているのを見たこと。
被害者と思われる男性はズーズー弁(東北弁)を話していて、「カメダ」という言葉を口にしていたそうです。
警察は「カメダ姓」の東北の人物と、東北にある「亀田」という土地を当たることに。
その頃、和賀英良は「宿命」という曲の作曲に取りかかっていました。
自分の犯罪は「完全犯罪」であることを確信しながら。
和賀の愛人・成瀬梨絵子
和賀の愛人・成瀬梨絵子(土屋太鳳)は、代官山のバーテンダー。
その店は和賀と仕事仲間らの行きつけで、ある夜恋に落ち、誰にも知られぬまま恋人関係になりました。
ハロウィンの夜、殺人を犯した和賀は、梨絵子の部屋に逃げ込みました。
和賀には、文部科学大臣・田所重喜(北大路欣也)を父親に持つ婚約者・佐知子(桜井日奈子)の存在がありましたが、本当に愛しているのは梨絵子でした。
その頃、警察は「手がかりナシ」で行き詰まっていました。
しかし科捜研が、男性の損傷部分の顔面のCG復元を完了、今後はそれを元に捜査を行うことに。
亀嵩(かめだけ)
今西は、国立国語研究所へ。
「東北以外で、東北弁が使われている場所はないか?」とたずねますが、「そんな場所はない」とのこと。
しかし東北弁に音韻(おんいん)が非常によく似た方言を話す地域はあり、それは出雲(島根県東部)。
今西は、鳥取県に「亀嵩(かめだけ)」という地名があるのを発見!
どうやら「カメダ」の正体は「亀嵩」だったようです。
ガイシャの身元が三木謙一であることが判明
島根県警に照会をかけたところ、行方不明者の三木謙一が例のCG画像に似ているとの情報提供がありました。
そして三木謙一の自宅から採取した毛髪によるDNA鑑定をすると、一致。
三木謙一は、島根県の「亀嵩ひかり学園」という児童養護施設の職員を勤めていましたが、ここ5年間ほどタイに滞在しており、事件の2日前に帰国したばかりでした。
今西と吉村は、三木の人物像を探るために「亀嵩」へ出張。
「亀田家ひかり園」の園長は「三木さんを恨む人間なんぞ、この世にひとりもいません」と断言。
三木謙一は善人を絵に描いたような男だったのに、なぜあんな無残な殺され方をしないといけなかったのか?
紙吹雪の女
亀嵩からの帰り道、今西が新聞を開くと「紙吹雪の女」というタイトルが目に入ってきました。
記事の内容は、記者が電車の中で、紙吹雪のようなものを撒くミステリアスな美女を目撃したというもの。
記者はその後、代官山でその美女を見かけて後を付けました。
実は「紙吹雪の女」の正体は梨絵子で、英良が事件の日に着ていた血染めのシャツを小さく切って、電車の窓から“紙吹雪”のように撒いたのでした。
今西は梨絵子を訪ねて行ってその電車に乗ったかを訪ねますが、梨絵子は「そんな電車には1度も乗ったことがない」と返答。
梨絵子は、今西が警察官と知って内心激しく動揺。
この後、入れ替わりに和賀が店に来て、コースターのメッセージ(「警察が来た」)を読みました。
2人は、しばらくは会わないようにすることに。
紙片が見つかる
今西と吉村は、線路周辺から「紙吹雪」を見つけました。
それは血で赤く染まっていて、紙ではなくシャツでした。
その血液を調べると、三木謙一のものと一致。
梨絵子は、任意で取り調べを受けることに。
うっかり「シャツの切れ端」と捜査関係者しか知らない事実を口走ってしまいますが、自分が「紙吹雪の女」とは絶対に認めようとしませんでした。
三木と和賀が繋がる
その後、三木が東京に滞在した時に和賀英良のCDを買って、和賀が出演している番組を見たことが判明。
さらに、事件の前日に、和賀が所属する「早川音楽事務所」に電話をかけていたことも判明!
ニューヨーク生まれで、天才ピアニストだった和賀康介(2010年死去)の長男。
帰国してからは、軽井沢に父親と一緒に住んで英才教育を受けた。
田所文部科学大臣・田所重喜の末娘でフルート奏者の田所佐知子の婚約者。
今西と吉村は、早川音楽事務所へ。
和賀は、三木という男は知らないと言い張りました。
その後「会いたい、どうしても」というメッセージが梨絵子から届きました。
梨絵子は、和賀のファム・ファタール
和賀は、梨絵子と密会。
梨絵子は「今日はお別れを言いにきた。今度のことがなくてもしばらく前から考えてたの。カナダのケベックにいとこがいるの、そこに行こうと思ってる」と別れの言葉を告げました。
梨絵子がマンションに戻ろうとすると、警察の姿が……!
尾行されていることに気づいた梨絵子は、ビルの屋上から飛び降り自殺。
梨絵子のお腹には、和賀の子供もいたのに……!
梨絵子の訃報を聞いた今西は、吐きそうになってしまいます。
今西の妻(国仲涼子)も今西と別れて5年後に自殺したのです。
さらに彼女は、流産した過去を持っていたのです。
今西たちは、梨絵子の部屋を家宅捜査。
すると、ゴミ箱からちぎられた便せんが!
繋ぎ合わせると……
私は、あなたの瞳の奥に、私と同じ深い孤独の陰を感じました。
多分、あなたも同じ。
だから私たちは、ただ、静かに暗闇の中で、寄り添うことが出来た。
でも、こんなことになって私があなたの運命を狂わせてしまった。
私があなたのファム・ファタールに
ファム・ファタールとは、男を破滅させる宿命の女。
その後、捜査本部は縮小。
しかし今西は和賀のところに行き、宣戦布告。
「梨絵子は妊娠していました。犯人が殺したのは三木謙一ひとりではない。梨絵子と自分の子供を殺したんだ、必ず逮捕して見せます」
今西が帰った後、和賀は泣き崩れました。
児童養護施設の元職員・岡本多恵の話
今西と吉村は、三木をよく知る女性・岡本多恵から話を聞きます。
彼女によると、当時世間を騒がせた「本浦せいやによる幼女連続殺人事件」が事の発端。
息子に続いて自らも殺人を犯した本浦千代吉(柄本明)は、お遍路の装いで、次男の秀夫と一緒に四国地方を渡り歩き、島根に戻ってきました。
三木は2人を保護して、児童施設で一時的に面倒を見ていました。
三木の説得で千代吉は警察に出頭して、秀夫は和歌山の子供がいない鈴村家に養子にもらわれていきました。
鈴村一家は、7年前の和歌山の集中豪雨で死亡。
夫妻と次男が死亡したことは確認されていますが、秀夫の消息は不明。
今西と吉村は、鈴村家をよく知る美容師に話しを聞きます。
彼女によると、鈴村夫婦は、秀夫を引き取ったあとに自分たちの子供(次男)が生まれました。
秀夫の居場所はなくなり、さらに「幼女連続殺人事件の犯人の弟だ」という噂も流れて、いじめに遭いました。
秀夫は中学にあがって不登校になって、家出をしてしまったのです。
そして秀夫は、ピアノが上手かった……!
今西と吉村は、今度は和賀が幼少期に住んでいたという軽井沢へ。
車内で今西は「お前、宿命って信じるか?宿命は、前世で決められてることで、絶対に自分で変えられないことだ」と言いました。
和賀家に出入りしていた男によると、和賀康介の息子・英良の姿が一時的に見かけなくなった時期があり、そのとき康介が悲しいメロディのピアノを弾いていたとのこと。
さらに康介は、庭に大きな穴を掘っていたという。
「宿命」披露コンサートと、和賀英良の逮捕状の請求
ここからは、和賀の「宿命」披露コンサートと、捜査本部で今西が和賀の逮捕状を請求する場面が平行して描かれます。
美しくも切ないピアノの音色の中で、今西が和賀が殺人を犯した悲しい理由を読み上げていきます。
三木は帰国後、東京での宿泊先のテレビのニュースで、偶然、和賀英良を見た。
三木にとって、和賀は20年の歳月を経ても忘れることのできない顏だったのだ。
その後、和賀のCDも買って本人であることを確認した三木は、和賀がハロウィンイベントに出席することを知って渋谷へ。
イベント会場で三木の姿を確認した和賀は、激しく動揺。
三木は前日「早川音楽事務所」に電話をかけていたので、和賀は三木の連絡先をゲット。
このまま三木を放っておいたら正体をバラされかねないと考えた和賀は、公衆電話から折り返しの連絡を入れた。
和賀は、三木を秘密裏に自分の部屋に呼び出した。
三木は「お前が何と言おうと、おやじに会わせてやりたいけんね。立派になった姿を見せてやってくれ」と無理やり和賀を連れて行こうとした。
しかし和賀は「会う気はない」と拒絶、三木は「ええか、秀夫。いくら成功しても、お前は本浦千代吉の息子だよ、本浦せいやの弟だ。今も昔も同じ血がながれてる。それがお前の宿命なんだ」と言った。
三木への説得が不可能と悟った和賀は、三木を殺害を決意。
もし三木が自分のことを話したら、今までの努力が水の泡だ。
そして和賀は例の現場で、犯行に及んだ。
和賀は愛人の家に逃げ込んだが、ひとつミスを犯した。
返り血を浴びたシャツを梨絵子の部屋に置き忘れたのだ。
梨絵子は、そのシャツを切り裂き、電車の窓から紙吹雪のように捨ててしまった。
佐知子と婚約していた和賀は、梨絵子との関係をひた隠しにしていた。
梨絵子は全てを知った上で、自分が尾行されていることに気づき、死を選んだ。
和賀英良は、和賀英良ではない。
和賀英良こと本浦秀夫は、造船業を営む家に生まれた。
地元での聞き込みによると、秀夫には並々ならぬピアノの才能があった。
そんな中、秀夫の兄・せいやが、かつて日本中を震撼させた幼女連続殺人事件を起こした。
和賀こと秀夫は、せいやの弟だったのだ。
せいやは物静かな少年で、事件までその凶暴性を発揮したことはなく、動機は不明。
その解明を待たず、せいやは刑務所で自殺を遂げた。
本浦一家は「連続殺人犯の弟」として生きることを余儀なくされ、まさに生き地獄を味わった。
造船場は苦しい経営状態となり、母・まさこは心労から倒れて死亡。
幼くしてこの世に不幸を全て背負ったかのような秀夫に、さらなる不幸が。
地元の青年から嫌がらせを受けた千代吉が、青年を殺してしまったのだ。
千代吉と秀夫はお遍路のかたちをとり、しばらくは四国を放浪、中国地方へと進んで行った。
それはとても辛い日々で、秀夫は自分の不幸を呪い、あるいは怒りの矛先を父親に向けることも。
そんな悲惨な旅は、秀夫が高熱を出したことで終止符を打つことに。
やがて島根県の亀嵩で、三木謙一に会い、保護されることになる。
三木は善意の人間で、秀夫に適切な治療を施し、千代吉に警察に出頭するように説得。
そして千代吉は、自首。
秀夫は鈴村家に養子として引き取られた。
しかし2年後に実子が誕生したことで、関係性が変化。
同時期に秀夫が本浦せいやの弟であるという噂が広まり、秀夫は家出を決意。
しかしここから、秀夫少年の運命は開運の兆しを見せていく。
かねてから和賀康介の演奏に見せられていた秀夫は、自らの意思で康介の軽井沢の別荘を訪ねた。
宿命にあらがって、自らの手で運命を切り開こうとしたのだ。
ただ康介には和賀英良というひとり息子がいたが、すでに死亡していた(おそらく「転落死」などの事故)。
世間との接触を遮断し、精神を病んでいた康介は、その死を役所に届けるでもなく、庭に埋め、ただただレクイエムを弾き続けていた。
和賀家の庭から、本物の英良の骨が見つかった。
和賀英良のパスポート写真が発見されたが、全くの別人だった。
鈴村秀夫の生徒手帳の写真は、和賀だった。
秀夫は康介にその才能を見出され、実子となった。
秀夫は、和賀英良になったのだ。
その後和賀康介が死亡、豪雨による被害で鈴村一家が死亡、和賀英良の素性を知る物は三木ひとりとなった。
和賀の創作の源は、父・千代吉との放浪の旅。
彼は家族の罪を背負って作曲家の頂点を目指した、彼にとって宿命という見えない鎖を断ち切る作業だった。
音楽を通して自分が生きてきた証をこの世に打ち立てること、その栄光をこの世のどこかにいるもう会うことのない父親にささげること、そのためにどんな努力も惜しまなかった。
本浦秀夫は和賀英良になることで栄光をつかみかけたが、宿命のくさりを断ち切ることが出来ず、父親に会わせたいと強く願う三木を殺害。
本浦千代吉は現在刑期を終えて、老人養護施設に暮らしている。
しかし和賀英良の写真を見せても、泣きながら「知りません」と答えた。
千代吉もまた、息子に会いたい気持ちをぐっとこらえた。
自分が会うことが、息子のためにならないと悟ったのだろう。
親子は、互いに距離を置くということで、通じ合っていたのだ。
2人は「宿命」という音楽の中で会っているのだ。
場面は、和賀のコンサート会場。
たくさんの拍手をもらい、和賀はお辞儀をしました。
和賀の目には、観客席にいる両親の姿が見えました。
そんな栄光の頂点に立ったはずの和賀の前に、今西と吉村が逮捕状を持って現れました。
和賀は静かに目を閉じて、覚悟を決めました。
(終)
まとめ
『砂の器2019』のあらすじの結末のネタバレをまとめました。「大衆による差別意識が生む悲劇」は、永遠のテーマです。
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