現在、金曜日の夜10時から放送中のTBSドラマ「アンナチュラル」。
視聴率もコンスタントに二桁台をマークして、好調をキープしていますね。
最近は原作もののドラマがほとんど中で、この「アンナチュラル」は珍しくオリジナル作品となっています。
そして、その脚本を手掛けているのは野木亜希子(のぎ あきこ)さん。
野木さんは、みなさんご存知のあの大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS 2016年)の脚本も書いていた、いま大注目の作家さんですよね。
野木さんの作品は、とにかく劇中で繰り広げられるテンポのある会話が楽しくて、その世界観に引き込まれるファンが急増中です!
そこで、今回は脚本家・野木亜希子さんのこれまでの経歴と、その作品の魅力を考察してみたいと思います。
脚本家・野木亜希子の経歴
野木亜希子プロフィール
- 本名 野木亜希子(のぎ あきこ)
- 生年月日 1974年(月日は非公表)
- 出身地 東京都
野木亜希子さんはプライベートな事は殆ど公表されていませんが、年齢はアラフォーと言う事で間違いなさそうです。
私も同世代なので、それだけで勝手に親近感(笑)
野木さんは高校を卒業後、映画監督を志して1992年「日本映画学校」に進学します。
ちなみにこの「日本映画学校」、その前身は「横浜放送映画専門学院」と言う名称の専門学校で、映画監督の三池崇史さんや俳優の長谷川初範さん、ウッチャンナンチャンのお二人、出川哲郎さんなどなど、これまで多くの映画関係者、芸能関係者を輩出していている学校なんです。(現在の名称は「日本映画大学」)
学校を卒業後、野木亜希子さんは映像制作会社に就職しますが、本人曰く「うっかり面接に行って、うっかり採用されてしまった」と語っています(笑)
制作会社ではドキュメンタリー番組を手掛けていて、企画書からリサーチ、取材、スケジュールの組み立てまで、殆ど全てを一人で回していたそうですよ。
なかなかのハードワークですね。
そんな生活を8年程過ごした程野木さんは、改めてドキュメンタリーよりもフィクションをやりたいと一念発起、会社を辞めてしまいます。
ここからアルバイトや派遣で生活をしながら、フジテレビの「ヤングシナリオ大賞」への挑戦が始まりました。
そして6年にわたって応募を続けた結果、2010年遂に『さよならロビンソンクルーソー』(2010年12月29日放送、出演:田中圭、綾野剛、菊地凛子など)と言う作品で第22回「ヤングシナリオ大賞」を受賞して、脚本家デビューを果たしたんですね。
野木さん36歳の時です、粘りましたね~頑張りました!
野木亜希子の主な作品
- 「ラッキーセブン」 (フジテレビ 2012年)
- 「主に泣いてます」 (フジテレビ 2012年)
- 「空飛ぶ広報室」 (TBS 2013年)
- 「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」 (TBS 2015年)
- 「掟上今日子の備忘録」 (日本テレビ 2015年)
- 「重版出来!」 (TBS 2016年)
- 「逃げるは恥だが役に立つ」 (TBS 2016年)
野木亜希子さんの脚本家としてのキャリアは10年弱なので作品数は多くありませんが、どれも印象に残っている話題作ばかりですよね。
ドラマの他にも「図書館戦争シリーズ」(東宝 2013年~)や、「俺物語!!」(東宝 2015年)、「アイアムアヒーロー」(東宝 2016年)などの映画作品も手掛けられています。
マンガや小説を原作とする作品が多いのが特徴ですね。
いわゆる原作モノは、その原作ファンからの批判を受けやすいと言われています。
しかし野木亜希子さんは、原作のエピソードを丁寧に抽出して、ドラマや映画ならではの世界観を表現出来る作家さんとして定評を得ているんですね。
「空飛ぶ広報室」や「図書館戦争」の原作者である有川浩さんは野木さんの脚本を「ドラマオリジナルのエピソードやキャラクターは原作に書かれていてもおかしくない馴染み方でした。原作を正しく読み解いて、きちんと取捨選択がされている」と高く評価しています。
また野木亜希子さんは原作を脚色する時の考え方として、「重要なのはパーツではなく作品の哲学を曲げないようにすること」だと言い、「原作は何度も読みません。大事なのは物語の根幹を理解して、印象的なセリフやシーンが頭に入っていること。そして原作のファンであること。」と語っています。
私の想像ですが、野木さんはきっと部屋の整理整頓も得意に違いありません!(笑)
そんな野木亜希子さん、数々の脚本賞も受賞されています。
- 東京ドラマアウォード2016 脚本賞(2016年 「重版出来!」)
- 第6回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 脚本賞(2017年1月「逃げるは恥だが役に立つ」)
- コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞2016 脚本賞(2017年「重版出来!」、「逃げるは恥だが役に立つ」)
今や、ドラマ業界では欠かせない存在となっているんじゃないでしょうか?
野木亜希子作品の魅力とは?
今回のドラマ「アンナチュラル」の脚本は法医学ドラマであることと、出演者5人が既に決まっている状況でのオファーだったといいます。
野木亜希子さん、満を持してのオリジナル脚本ですね。
それにしても、どのキャラクターも役者さんにぴったり、ドンピシャじゃないですか?
野木亜希子さんの描く作品の中では、キャラクターの誰もがちゃんと自分の言葉を発しています。
だからこそ魅力的に映るし、観ている側は引き込まれるんですよね。
そしてキャラクター達の会話も自然に流れて、セリフもどこかチャーミング。
更に言えるのは、野木さんが手掛ける女性キャラクターはみんなタフです!
「空飛ぶ広報室」のリカ、「重版出来!」の心、「逃げるは恥だが役に立つ」のみくり、そして「アンナチュラル」のミコト・・・みんな気持ち良いくらいタフに生きています、だからこそ共感を呼びます。
これ絶対、野木亜希子さん自身が相当タフな方なんじゃないかと・・・そして魅力的な生き方をされているんだと思うんですよね。
まとめ
野木亜希子さん、脚本家としては遅咲き?しかし、そんなことも何のその!逆にこれまで様々な紆余曲折を経てきたからこその、持ち味のある作品ですよね。
現在放送中の「アンナチュラル」の後半戦も気になるところですが、今後の新たな作品もますます注目していきたい脚本家さんです。