ドロ刑 原作あらすじの結末をネタバレ・前編!泥棒と刑事の異色コンビが難事件を解決!

2018年10月13日(土)から、新ドラマ『ドロ刑』が始まります。

週刊ジャンプで連載中の福田秀氏による同名漫画が原作で、刑事×泥棒の異色バディが事件を解決します。

原作の作りこまれた世界観が、ドラマではどう表現されるのか注目です!

当記事では『ドロ刑』原作あらすじのネタバレ・前編をまとめています。


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ドラマ『ドロ刑』とは?



やる気を失っていた新米刑事・班目勉(中島健人)が、伝説の大泥棒・煙鴉(遠藤憲一)と出会ったことで心機一転。

煙鴉の巧みなアドバイスで、刑事としても人間としても成長していく刑事×泥棒の異色コンビドラマ。


やがて成長した刑事・班目は、煙鴉を捕まえるのか?

班目に手を貸す煙鴉の真の狙いとは……?

『ドロ刑』原作とは?



ドラマ『ドロ刑』の原作は、少年ヤングジャンプで連載中の福田秀の同名漫画。

現在、1巻と2巻が発売されていて、2018年10月19日(金)に3巻が発売予定。


試し読みはこちら
連載漫画『ドロ刑』|週刊ヤングジャンプ公式サイト

『ドロ刑』原作ネタバレ

『ドロ刑』原作漫画をネタバレしていきます。

刑事捜査三係・ドロ刑


物語の舞台になるのは、刑事部捜査三課。

通称「ドロ刑」と呼ばれ、日本の刑法犯の7割を占める窃盗犯を扱う花形部署です。


「ドロ刑」に憧れて三課を志望した新人刑事・班目勉(中島健人)は、1年後にはすっかりやさぐれていました。


実際の三課は、華々しい事件解決をあげるような部署ではなく、相手は盗んだ金をギャンブルで使ってしまうようなコソ泥ばかりだったから。

真の花形部署・捜査一課の安藤には“給料ドロボウ刑事”と馬鹿にされ、同僚の小平美希(石橋杏奈)にフォローしてもらう情けない日々。


そんな班目に、先輩刑事が言い聞かせます。

「一課が相手にするのは確かに重大犯罪だが、大概初犯だ。それに比べ三課は何重もの前科者ばかり。犯罪に対しての練度が違う。三課が相手にするのはその道のプロってことだ」

「でもコソ泥はコソ泥!ケチな犯罪者ってことでしょう」と言い返す班目。


大泥棒・煙鴉(けむりがらす)


三年程前から、都内を中心に高級住宅ばかりを狙った窃盗が相次いでいました。

家人が留守の間に忍び込み、その家にある一番高価な宝石だけを盗んでいく……。


侵入経路不明、手口不明、家の中を一切荒らすことなくその犯人が毎回唯一残していくものとは、タバコの香り。

そのまま逃げれば、家主すら盗みにあったことに気付きそうもないのに、あえてタバコの匂いを残していくのです。


この大泥棒は、煙鴉(遠藤憲一)と呼ばれ、いまだに何の手掛かりもナシ。

班目は煙鴉を捕まえるために、大量のタバコを買い込みました。


前科8犯の窃盗常習犯・瀬戸正次郎(せと・まさじろう)【通称・啄木の正(きつつきのまさ)】


ガラスを割って鍵をこじ開ける「三角割り」による窃盗事件が発生。


班目は、前科8犯の窃盗常習犯・瀬戸正次郎(通称・啄木の正)の仕業とにらんで、バーに行きます。

瀬戸は出所したばかりで金がないから、きっとすぐに質屋で盗品を売って金に換えたと思われ、そのバーのママが盗品を書いとるという噂があったから。


班目はバーで飲んでいた男の匂いを嗅ぎ、後を追いかけました。

「お前が煙鴉だな!!」

男は一瞬眉毛をピクッと動かしましたが、「証明できるの?ドロ刑さん」と言い返してきました。


そこへバーのママが盗品を持って逃走してきたので、班目がタックル!

煙鴉は班目の名刺を盗んで、その場から立ち去りました。



バーのママの協力で、瀬戸を逮捕することは出来ました。


しかしこれで終わりではなく、三課の仕事はここからです。

前科のある窃盗常習者は余罪を抱えていることが多く、その為三課の取り調べは本件はもちろん、犯人の口からその余罪の自供を取ることが何より重要なのです。


今回の犯人・啄木の正こと瀬戸も、前科8犯もはや盗みは稼業とも言えて、十か百か余罪があるのは明らか。

班目は瀬戸から余罪の自供を取ろうとしますが、瀬戸は口を割りません。


そしてとうとう明日、瀬戸は起訴されることに。

明日の午前中までに口を割らなければ、今回の窃盗事件のみで起訴されることになります。

焦る班目。


煙鴉のアドバイス


そんな班目に会いに、煙鴉がやってきました。

なんと警察に堂々と入ってきたのです。


そして班目にアドバイス。

「一流の“ドロ刑”になりたいなら誰よりドロボウを理解できる刑事にならなきゃ」

「ああいう職人気質のドロボウってのは、本当は自分の仕事を自慢したくてたまらないんだ」


翌日、班目は、最後の瀬戸の取り調べを開始。

班目は、瀬戸の余罪と思われる犯行現場の写真を見せて、窓の「三角割り」の技術の精度の高さを褒めます。


自分の仕事を褒められて内心嬉しくてたまらない瀬戸は「誰にでもできる“三角割りだからこそその精度の高さは犯人のプライドさ」と自慢げに話します。

しかしあくまでもム所仲間に聞いた話だとすっとぼけて、自分の犯行だとは認めません。


そんな瀬戸に、班目は別の窃盗事件の写真を見せます。

その写真の窓は、三角ではなく雑に割られていて、金属の棒で開錠したらしい。

班目は「あんたと同じ犯行手口だ。今まで見せた写真の事件があんたの犯行じゃないなら、コイツの犯行だな」と瀬戸を挑発。


「どこが同じだ!」とドンと机を叩く瀬戸。

「“啄木の正”はこんな道具を持ち歩くような無粋な真似はしない!」

「小石ひとつでガラスを割る技術とこの中指のみで渡ってきたんだ!!」

瀬戸の中指は、異様に長いのです。


班目は「アンタは過去8回服役中に合計で5回骨折している。その指を作るためか?」と質問。

「そうとも折った指を少しずつ伸ばしていくんだ。毎日独房のベッドを掴んで痛みに耐えて、手に入れた俺だけの指だ!!」

「俺の仕事をそんな奴に盗られてたまるか!」


瀬戸のあまりの迫力に、ざわっとする班目。

その後も瀬戸は「俺の仕事だ……」とつぶやき続けます。


結局、瀬戸は405件の余罪を認めました。

「よくやった」と褒められる班目。


班目は連行される瀬戸に、実は最後に見せた窓の写真は自分の部屋だと話します。

ガラス加工専門の業者に協力してもらったのです。


瀬戸:「まんまと嵌められたってわけか。悔しいね」

班目:「悔しいのはこっちだよ。今回の手はアンタの腕とプライドを信じたから通用したんだ。まさか俺が……ドロ刑がドロボウを信じるなんてよ!


その夜、煙鴉は班目を待ち構えていました。

班目が「啄木のことをどうしてあそこまでわかったんだ?」と聞くと「その答えあんたもう知ってるじゃないか」と煙鴉。

「ま、証明できないんじゃ意味ないけどねー」と笑う煙鴉に「絶対捕まえてやる!」と班目。


後日、煙鴉は班目のスマホを盗み、班目のガラケーに電話。

怒って駆け付けた班目に「啄木の捜査は終わったんだ。もちろん!煙鴉の捜査を始めるんだよね」となんだか嬉しそうな煙鴉。


若い女性の部屋を狙う窃盗犯の目的は?


しかし別の窃盗事件が発生。

班目は煙鴉に手錠をかけて、車で一緒に現場へ。

現場に着いた班目は、煙鴉の手錠を車のハンドルに付けましたが、5秒で外す煙鴉。


そうとは知らない班目は、窃盗事件の聞き込みに。


今回の事件の概要は以下の通り。
  • 空き巣に入られたのは、マンションの4階にある若い女性の部屋。
  • 窓を割って中に侵入した形跡アリ。
  • 盗られたのは、現金数千円。


煙鴉が現れて「おかしいと思わない?」と班目に問いかけます。

その理由は……

まっとうなドロボウなら、このマンションではなく、侵入しやすい隣のマンションを狙うはずだから。


煙鴉は、さらに班目にアドバイス。

「ドロボウの行動原理はいたって単純。素早く、見つからず、稼ぐ。それだけ」

「けど時々その道理にはまらないモンがいる」

「合理性よりも優先させたいものがある犯人が、現場に残していく“不合理”」

「それを見つけられるのはドロボウと同じ景色を見ることができて、同じ考えをできる人」

「ドロボウを理解することが、“ドロ刑”の本質なんだよ」


班目は煙鴉のアドバイスを受けて、もう一度部屋の中を捜査。

すると、犯人はなんと部屋の中で食事や風呂もしていました!

家主である女性が帰ってこないことを、事前に知っていたとしか考えられません。


彼女の仕事はホステスなので、彼女の名前や住所、帰宅時間を聞き出せる人間は……?


先日の犯人は、別の女性の部屋に侵入、2回目の犯行に及びます。

作り置きのカレーを口に運びますが、激辛。

すぐに冷蔵庫を開けて、飲み物を口に含みます。

そしてシャワーを浴びると目が痛くなり、バスタオルを取ると、中には画びょうが!!!


犯人が泣き叫んだところに、班目たちが突入して、逮捕!

犯人は、彼女を家まで送り届けたタクシー運転手だったのです。

タクシー運転手は変態さんで、彼女のベッドで寝たり、シャワーを浴びたり、毛が落ちていたら舐めたりしていたんです(>_<)


煙鴉は一足先に彼女の部屋にお邪魔して、カレーとシャワーヘッドの中に大量の唐辛子を入れて、冷蔵庫の中の飲み物には協力な下剤を入れていました。

そして班目の携帯を盗んで、張り込みの刑事を西側に移動させて、正面から堂々と逃走。

「やられた……」と思う班目。


ドロボウと刑事で、ドロ刑


班目は、啄木の事件の時に証言してくれたバーのママのところに行って、煙鴉のことを知らないか聞きにいきます。

「知らないわ」と答えるバーのママ。


しかしそこにひょっこりと、煙鴉登場!

煙鴉はバーのママから「ハルさん」と呼ばれていました。


その帰り道、煙鴉は「どちらがよりドロボウ好みの家をみつけられるか、勝負しない?」と提案。

煙鴉が勝った場合は、班目の捜査にまたついて行けて、負けた場合は本名を教えるという勝負。


煙鴉が「この家は今家主不在中」と言ったアパートの部屋に、3人組の強盗が今まさに空き巣に入っていました。

班目は窓から入って3人を追い詰め、煙鴉は入り口のドアを固定して開かないようにしました。

実は、煙鴉の腕の内側の皮をはがすと、七つ道具が出てくるのです。


こうして班目は、無事に3人の空き巣を逮捕。

煙鴉は、また班目の捜査についていけることになりました。

「ハルト。名前はハルト、班目刑事」と名乗る煙鴉。


煙鴉:「ぼくらきっといいチームになるよ」

班目:「馬鹿言うな!!チームじゃねえ。ドロボウと刑事だ!!!」


その後、班目は小平に頼んで、煙鴉と同じタバコの残り香がある未解決窃盗事件を調べてもらいます。

それは40億とか80億の宝石が盗まれた事件で、「牛丼何杯分だよ」と思う班目。


連続車両窃盗団を追え!


班目は車の連続盗難事件の捜査を命じられて、いつものように目の前に現れた煙鴉と一緒に調査を開始。

調べていく中で、この事件はただの窃盗事件ではなく、大きな組織が絡んだ犯罪ではないか……という結論に辿り着きます。


駐車場西口の監視カメラに、盗難車をトラックに乗せて運びだすところが写っていました。

その後の追跡で、埼玉方面に逃げたことはわかっています。


ところが、どの事件でも犯人が埼玉方面に向かった後、盗まれてた車が一台残らず全て消えてしまうのです。

トラックはレンタカーで、借主は何も知らず名義だけ貸していて、本ボシまで辿れないようになっています。


「気になる」とつぶやく煙鴉。

「盗んだ車両を隠して運ぶ目的でトラックに乗せる知恵はあるのに、それを監視カメラに撮られる迂闊さがわざとらしい」

「隠すことろを見たからといって、本当にそこにあるとは限らない」

「逆にそこばかり注意を向けていると他は見えなくなる」


煙鴉のヒントで、カメラの死角で別のトラックに盗難車を移したことが判明。

班目と煙鴉は、その車をみつけ、中から裏帳簿を発見。

そこには「大白埠頭(だいはくふとう)」と書かれていました。


2人はすぐに、大白埠頭へ。

犯人たちは、盗難車を船に積み込んでいました。

彼らは表向きは中古車販売店ですが、裏ではいくつもの解体業を仕切ってる違法ヤードの管理事務所でした。


盗難車を乗せた船は出航してしまい、班目が呼んだ応援もまだ来ません。

「もはや万事休すか」と思われましたが、なんと船を運転しているのは犯人ではなく煙鴉でした!


煙鴉が船を盗んだのです!

こうして、またしても煙鴉のおかげで、班目は犯人を逮捕することが出来ました。


煙鴉は、盗難車の中にいた犬を飼い主の少女に返しました。

どうやら、煙鴉がこの事件の解決に協力した一番の理由は、少女の犬を探すことだったようです。

煙鴉の意外な優しさに、びっくりする班目。


婚活パーティーでの盗難


ここのところ、婚活パーティー狙いの盗難被害が連続して起きています。

班目と煙鴉は、犯人のターゲットになりそうなパーティーに潜入。


コスプレパーティーだったので、班目は刑事、煙鴉は囚人の扮装をします。

ちなみに班目の警官の服は、本物です(笑)。

身体の大きい班目のサイズは置いていなかったのです。


猫の仮面を被り、胸の谷間を強調したドレスの女が、どんどん盗みを働いていきます。

こういった初対面の相手と話さなければならない場所では自分自身への意識が散漫になることを利用した、狡猾な犯罪です。


猫女は、煙鴉の手にジュースを引っかけて、ハンカチに隠してロレックスを盗りますが、煙鴉に手首を掴まれました。

「見切られた?」と焦る猫女。

しかし煙鴉は「僕は大丈夫ですよ、そのキレイなハンカチを汚すこともない」と言って去っていきました。


次に猫女は、班目のポケットから財布を抜き取りますが、それはひもでポケットと繋がっていました。

猫女は逮捕されて、持ち主に盗品が返却されます。


ロレックスを受け取りに来たのが煙鴉ではなく他の男性だったので、「まさかアイツ、私と同じレベルの技を……?」と猫女。

そんな猫女に彼女から盗んだネックレスをつけてあげながら「同じレベル?それは図々しいね」と煙鴉。


猫女は「ちくしょう!!あんたなんかおばあちゃんの足元にも及ばないんだから」と悔しがりました。

猫女の盗みの腕は、祖母譲りのものだったのです。


無面の平助こと山口平助


無面の平助こと山口平助は、“学校荒らし”で前科5犯。

“学校荒らし”とは、職員、保護者、用務員、色んな人物に化けて学校に侵入し、金品を奪うこと。


無面の平助はとにかく顔に特徴がなく、目撃者がいても性別くらいしか出てきません。

今回、班目が足跡(そくせき)を取って、無事に逮捕に至りました。


「ぼくは子供の頃から空気のような子でねえ、それがずっと嫌で嫌で。でも皮肉にもこの稼業ではそれが何よりの武器だって気付きましてね。長所は短所の隣にある」と無面の平助。

でかくて目立つから尾行には使えないと言われる班目は、なんだか羨ましい気分に……。


農作物の盗難事件


班目は所轄の刑事の要請で、最近多発している“農作物の盗難被害”について捜査することに。

練馬区内で起きている農作物の窃盗事件は、一件ごとの被害は少ないものの、約半年前から被害は増え続け、現在までに83件。

このあいだは、篠木という老人の畑の苺が盗まれました。


このあたりでは春苺(ハルベリー)を作っている菅と、酸っぱい苺を作る篠木が対立。

ハルベリーは甘い苺で人気があるので、このあたりの販売契約は全部菅に持っていかれています。


そんなわけで、篠木は菅を「金の亡者」と非難。

菅はそれなら篠木もハルベリーを作ればいいいと言いますが、篠木は亡くなった妻が自分の苺を美味しいと食べてくれていたので、いまさら甘い苺を作ることが出来ないでいたのです。


篠木の話を聞いて、涙もろい班目は泣いてしまいます。

そしてフリマアプリの「バイバイ」で苺を売ってはどうかと提案。

このアプリを使えば、個人売買ができるのです(班目は、ナシ割り捜査で利用)。


篠木は商品の中に、自分が原という女性にあげた苺があるのに気が付きます。

ラブレターのかわりに、ハートの苺を入れておいたのですぐにわかったのです。

班目がアカウント名を見ると、原でした。


原は幼少期から平凡で、いつも背景の一部でした。

はじめは子供のいらなくなったおもちゃを家計の足しになればくらいの気持ちで売り始めたのですが、お金以上に喜んでくれる人の声は心地いいものでした。


売るものがなくなり、かといって何かを作る技術もなかった原は、作物を盗むことにしたのでした。

フォロワーがあと1人で1000人になり、みんなに必要とされていることが嬉しくてたまりません。


後日、原は、菅の苺を盗むところを現行犯逮捕されました。


しかし原は完全黙秘。

実際、ネット販売履歴と荷物の発送履歴だけでは証拠にはならず、立件できるのは現行犯の今日の事件だけになってしまいます。

疑いだけで言えば、半年で83件もの余罪があります。


そして警察は原の幼い子供・翔太から、証言が取れそうだと判断します。

「ちょっと待ってください!!子供に母親を売るような真似をさせるんですか?」と父親は反対。

今はわからなくても、大人になったらわかってしまいます。


ドロ刑としては?


「刑事としてやることはやった」とうなだれる班目に、「ドロ刑としては?」と煙鴉。

班目が、原の犯罪を調べなおしてみると、今まで二回以上盗まれた畑は、どこも一ヶ月以上期間があいていました。

盗難にあえばしばらく住人も注意を払うので、連続して狙わないのは賢明。


けど今回は違いました。

菅さんの苺は二週間前にも被害に遭ったばかり。

班目は煙鴉の「合理性よりも優先させたいものがある犯人が、現場に残していく不合理」という言葉を思い出します。


原の不合理は、購入者からの以下のメッセージでした。

「この間の春苺が美味しくて明々後日のホームパーティーでどうしても苺が使いたいです。お願いします!!」


班目は、原を取り調べることにします。

子供に証言させるのではなく、原本人に罪を認めさせるため。


班目は、もし起訴されれば、裁判所は翔太の証言とネットの履歴だけで判断すると告げます。

つまり、原が小金目的で盗みを働いたと判断されると。

(本当は初犯なので、不起訴の可能性もあるのですが……)


原:「だ……だめよそんなの違うもの!」

班目:「俺にはわかります。この値段は儲けを考えてる人のものじゃない」


原:「聞いて……私はみんなを傷つけないように本当に少しずつしか採らないの。中には全く気付いてない人もいるくらいよ」

班目:「同じところから続けて採ることをしなかったのはあなたの優しさだ」


原:「そうなの!今日のは困ってる人のためにやむを得なくて」

班目:「周りの人のためにあなたはずっと尽くしてきた。誤解している人たちにそのことを伝える役目を僕にください!」


班目は「ご自身の名誉のために!」と原の手を握り、「ありがとう、私の1000人目」と涙を流す原。

原の夫は「息子に重荷を背負わせずにすみました、ありがとうございました」と班目に頭を下げました。


その後、篠木の酸っぱい苺の間にハルベリーの苺で作った甘いクリームを挟んだデザートが、ネット販売でもの凄い人気に。

「これも長所は短所の横にあるってことか」と思う班目。


「初めてだったな、犯人をオトしたのにこんなに気分が晴れなかったのは」とうなだれる班目に、「人を善悪だけで量れればもっと楽なんだけどね」と煙鴉。


煙鴉は、今回自分は何もしていないから最後の苺のデザートを譲ると言いますが、「いいやお前にやる」と班目。

なぜなら煙鴉の「ドロ刑としては?」の言葉があったからこそ、今回の結果に辿り着けたのだから。


マジックのような窃盗犯


有名人・井伊谷実のマンションに空き巣が入り、金庫の中にあった500万円を盗んで逃走。

この部屋の窓にはもれなく防犯センサーが付いているので数ミリ動かしただけですぐアラームが鳴り、そもそも家に庭にも空間センサーがセットしてあるから窓に近付くことすらできません。


どうしたって形跡なく侵入するのは不可能なはずなのに、犯人は家に入り、金庫は壊さず、暗証番号を解いて現金を奪い、裏口から逃走。

まるでマジックでも見せられているかのような鮮やかな犯行です。


「言っておくけど(盗んだのは)僕じゃないよ!」と煙鴉。

確かに現場には、タバコの匂いはありませんでした。


班目は「ほんっとーにお前じゃないのか?」と疑いますが、「しるしを残す気がないなら、そもそも煙鴉は盗みに入られたことすら気付かせないよ」と煙鴉。

「何だこの説得力!!」とムカつく班目。


井伊谷実はハタチで企業、IFAビジネスで今注目のベンチャー企業社長で、イヤミな男でした。

「500万なんて女の子呼んだら一晩で無くなる額だし別にいらないけど、俺の家に勝手に入ったのが許せないからさ~、早いとこ捕まえてね君たち」


班目と煙鴉は、井伊谷実の許可を得て、もう一度マンションの中を調べます。

すると犬並みの嗅覚を持つ班目が「点検口から、変なにおいがする」。


班目は点検口に登ってみて「やっぱりここからだ!」と再確認。

そして監視カメラの映像の一ヶ月分の録画データを全て送ってもらえるように電話でたのみ、その映像が来ました。

班目は「わかったんだよ!監視カメラに映らずセキュリティにも引っ掛からず侵入した方法がな!」と自信たっぷりに言い放ちました。


「でも金庫をあけた方法がわかってない」と言う班目に「ああ10桁の暗唱番号ね。約100億通りからひとつをみつけたらいいんでしょ?」と煙鴉。


入り待ち


窃盗の手口に「入り待ち」というものがあります。

店などの営業時間中に人に気付かれない場所に隠れ、人のいなくなる閉店時間後に盗みを働くというものです。

この手口も泥棒によって大きく変わり、大抵は忍び込んだ翌日には逃走するものですが、稀に何日も居座る泥棒もいます。


班目は今回の窃盗犯は、点検口で「入り待ち」をしていたのではないかとにらみます。

二週間前の監視カメラの映像を見ると、ガスの作業員が3人入ったのに2人しか出てきていません。

ということは、2週間前から犯人は点検口にいたということになります……!


犯行の全容


班目の推測通り、犯人は「入り待ち」という手口で窃盗をしました。

2週間前にガスの作業員を装って井伊谷実のマンションに入り、点検口でじっと機会を伺っていたのです。


以下、犯人の心の声です。

入り待ちで仕事をする時のコツは、自分の頭の中に楽園を作ることだ。

天井裏にいながら太陽の下、美味いコーヒーと葉巻きと音楽を堪能できる。


寝てはいけない、住人がいる間に寝がえりを打ったりイビキをかこうものならおしまいだ。

あくまでこれは夢ではなく「意識の乖離」。


寝るのは家が無人になってから、しかし意識はスレスレのところまで覚醒させておく事だ。

そしてしばらく不在とわかれば仕事だ。


静かに出ていき、トイレ、食事、水分補給。

風呂は痕跡が残るので使えない、トイレで体を拭き終わる。


そして金庫、暗証番号はわからないが罠を仕掛けてある。

ブラックライトで発光するパウダーだ。


こいつを適当な番号に薄く塗っておく。

運がよければその次に押したボタンまではわかる。


こいつの金庫は1~10桁で自由に番号が設定できる仕組みで、3回間違えたら一時間作業できなくなるので、先は長い。

「入り待ち」とはこのように、気が遠くなるほど辛い作業なのです(^_^;)


さらにその後の犯人の声です。

一週間、暗証番号は4桁の並びまでわかった。

大丈夫、俺はプロだ。

2週間後、犯人は見事金庫の暗証番号を押すことができ、500万円を持って泣きながら逃走したというわけです。

まさに、忍耐の勝利。


その後、煙鴉も金庫を開けました(井伊谷実は、事件の後に暗証番号を変えていましたが)。

「ぽけもん」を使って、暗証番号を推した井伊谷実の指紋を浮かび上がらせて、押した数字から暗証番号を推測したのです(スゴイ!)。

※「ぽけもん」とは、ポケット指紋採取セットのこと。

それは「1.618033988」という黄金比でした、ナルシストの井伊谷実らしい暗証番号です。


佐田伸司(さた・しんじ)【通称・借り暮らしの佐田】


犯人は、佐田伸司(さた・しんじ)【通称・借り暮らしの佐田】と判明。

佐田の住所はわかっているので、あとは部屋から井伊谷実の指紋がついた金がみつかれば逮捕できます。


それなのに、いきなり「被害届を取り下げたい」と言い出す井伊谷実。

「俺よく金ばらまいちゃうからさぁ、あのガス屋にもチップとして渡したんだよね」

これは何か裏があるとしか思えません。


佐田の指紋は天井から採取できたのですが、佐田はニセ業者だとしてもいったん井伊谷実の家に招き入れられています。

足跡も指紋も証拠として扱うには、その犯人の指紋が絶対に付いているはずのない状況が前提なので、これは使えません。

「佐田から自供を取ります!それが俺たちドロ刑の本文っすから!」と班目。


そこへ、捜査二課の辺里と江津が入ってきました。

捜査二課とは、詐欺、汚職、金融犯罪、知的犯罪などを取り締まる部署で、2人は井伊谷実のインサイダー容疑を疑っていました。


辺里:「昨夜、井伊谷実が被害届を取り下げたことで確信したんです。おそらく佐田は井伊谷実の犯罪の証拠を聞いている」

班目:「佐田にそれを証言させれば……?」

辺里:「ええ、しかし大きな問題が。井伊谷実の犯罪を暴く証言が、佐田自身の犯罪の自供にもなるということです」


「二週間耐えて手に入れた大金を捨てて、自ら刑務所に入ってくれ」と説得しても、そんなの拒否するに決まっています。

「ダーツの勝負に勝ったら、(佐田を説得する)方法を考えてあげてもいいよ」と言う煙鴉。

班目の投げた矢はド真ん中に刺さり、ごく周辺に刺さっていた煙鴉の3本の矢を飛ばしました(笑)。


イイトコ取りの作戦


さて、煙鴉の考えた「イイトコ取りの作戦」とは?

班目はまずは井伊谷実を取り調べ室に呼び、「どうですか?井伊谷実ともあろう人が、ドロボウにまんまとしてやられた気分は?」と挑発。

しかし井伊谷実は「もし本当に二週間で500万を盗んでいたとして、言ったよね、僕の1分は君の給料の1ヶ月分。君の月給は35万くらいか?500万のために2週間頑張っちゃった“借りぐらし”とやらの大仕事だけど、僕にとってはたった14分の価値しかない」と言い返しました。


そのとき、この取り調べの様子を鏡越しに見ていた佐田(借り暮らしの佐田)がダン!と扉を叩きました。

自分の仕事をコケにされた佐田は怒り心頭、何でもしゃべってやると言い放ちます。


こうして佐田は、井伊谷実のインサイダー容疑の証拠となる会話を聞いたことを証言。

井伊谷実はインサイダー取引規制で逮捕、佐田も協力はしたものの懲役5年の実刑をくらいました。

2課も3課もお手柄というめでたい結果に。

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