コウノドリ2・出生前診断って何?21トリソミー陽性の診断結果とは?

今期のドラマの中でも人気があり、視聴率も好調の『コウノドリ2』。

10話完結のドラマが多い中、11話まで放送されることになりました。

テーマは重いことも多いけれど、キャスト陣の熱演で毎回涙なくしては見られない感動ドラマです。

そんなドラマ『コウノドリ2』ですが、10話(2017年12月15日放送)では“出生前診断”を取り扱います。

そしてその検査の結果、2人の妊婦が“21トリソミー陽性”と診断されます。

この記事では、『コウノドリ2』10話に出てくる“出生前診断”とその診断結果である“21トリソミー 陽性”についてわかりやすくまとめました。



『コウノドリ2』10話・出生前診断とは?

高齢出産や女性の社会進出が増加している現代においては、お腹の赤ちゃんに先天性の異常がないかどうかが気になる妊婦さんもいます。

“出生前診断”の知識の普及に伴い、検査を希望する妊婦は増加の一途をたどっています。

出生前診断とは?


「出生前診断」は、胎児に先天性・遺伝性の病気、奇形、染色体異常などがないかどうかを調べる検査の総称です。

一般的な妊婦健診で行う超音波(エコー)検査でも、胎児に異常がないかどうか、また胎児の心拍や羊水量などをチェックしますが、夫婦のどちらかが染色体異常を持っていたり、胎児が重い病気にかかる可能性があったりする場合などに、出生前診断が行われることがあります。

引用元: 出生前診断とは?検査の費用や種類、時期は?問題点もある?


出生前診断には、主に「胎児スクリーニング検査(胎児ドック)」「母体血清マーカーテスト」「母体血胎児染色体検査(NIPT)」「絨毛検査」「 羊水検査」の5つがあります。

2013年に日本で認可されたばかりの「NIPT(Non-invasive prenatal genetic testing)」は、「新型出生前診断」として区別されるケースもあります。

このうち非確定的検査は「胎児スクリーニング検査(胎児ドック)」「母体血清マーカーテスト」「母体血胎児染色体検査(NIPT)」の3つ、確定的検査は、「絨毛検査」「羊水検査」の2つです。

流れとしては、非確定的検査でさらに詳しい検査が必要と判断された場合に確定的検査を行います。

出生前診断のメリットとデメリット

出生前診断については賛否両論があります。

メリット、デメリットの両側面から見ていきましょう。

出生前診断のメリットとは?


そもそも出生前診断の目的は、日本産科婦人科学会の産科ガイドラインによると、染色体異常や遺伝性の病気にかかっている赤ちゃんの予後を向上することです。

出生前診断を受けて異常が見られなければ、高齢出産で染色体異常のリスクが高い妊婦さんや、過去に染色体異常がある赤ちゃんを授かった妊婦さんの不安要素が減る場合があります。


また、出生前診断を受けて先天性の病気や染色体異常の可能性が高いことが判明したとしても、以下のメリットが考えられます。

  • 妊婦(父親)が、赤ちゃんが生まれてくる前に心の準備をしておける。
  • 赤ちゃんの障害について事前に学べる。
  • 生後必要となる赤ちゃんのケアや資金面の調整を考える余裕が出来る。

つまり、心と資金面の準備をしておけるということです。


出生前診断のデメリットとは?


出生前診断で異常が見られた場合のデメリットについては、以下が考えられます。

  1. 心の準備が出来ず、悩みが深くなる。
  2. 人工中絶を選択する妊婦が増えるかもしれない。

➀で悩みがかえって深くなるのも問題ですが、➁でやむを得ず人工中絶を選択した妊婦に肉体的のみならず精神的な傷が残る場合があることも大きな問題です。


出生前診断は完璧ではない?


出生前診断を受けることによって、かなり高い確率で染色体異常がわかるとはいえ、すべての胎児異常が明らかになるわけではありません。

また、出生前診断は誰でも無条件に受けられるわけではないので、関心のある人はかかりつけの産婦人科医に相談し、検査を受けられる条件を満たしているかどうか聞く必要があります。


出生前診断のリスクとは?


出生前診断のための検査のうち、確定的検査にあたる絨毛検査や羊水検査は、母体のお腹に針を刺したりする必要があるため、母体と胎児にわずかですが、負担がかかります。

21トリソミーとは?



出生前診断で胎児異常がみつかった場合でも手術などで対応できるケースも増えてきているのですが、21トリソミーの場合は根本的治療が出来ないケースにあたります。

21トリソミー

先天的な染色体異常の疾患のひとつ。

1つの細胞内には46本の染色体があり、2対で23組に分かれているのが通常ですが、23組のうち、21番目の染色体が3本になっているケース。

別名、ダウン症候群。

母親の出産年齢が上がるほど発症率が上がる傾向にある。

21トリソミーを引き起こす原因については、現状はっきりした原因はわかっていない。

21トリソミーの子供は、新生児期にはあまり泣かなかったり、母乳やミルクの飲みが悪かったり、成長過程ではダウン症とわかる身体的特徴が現れます。

また、以下のような症状が現れることがあります。

言語機能や認知機能の発達の遅れや白内障や斜視などの症状

しかしダウン症の子供をサポートしてくれる特別支援学校や職業訓練の場などは増えており、一人で生活したり、結婚したりしているダウン症の人も増加していますし、寿命が延びているという現状もあります。

『コウノドリ2』10話のストーリーは?

『コウノドリ2』10話では、“出生前診断”と“21トリソミー”が扱われます。


『コウノドリ2』10話では、以下の2人の妊婦が“出生前診断”を受けます。

辻明代:キャスト・りょう

出生前診断を受け「21トリソミー 陽性」と診断された妊婦。

小さい弁当屋を営んでいて、4歳の娘・愛莉がいる。

高山透子:キャスト・初音映莉子

出生前診断を受け「21トリソミー 陽性」と診断された妊婦。

3年間不妊治療をしてきた。

辻明代、高山透子の両方とも「21トリソミー陽性」の診断を受けます。

サクラ(綾野剛)は2人の心に寄り添ってともに考えて行く姿勢を取りますが、予告編では2人の妊婦の暗い顔やサクラの泣きそうな顔が映っていました。



かなり重いテーマになることが予想されますが、誰もが直面するかもしれない大事な問題です。

まとめ

『コウノドリ2』10話で、取り扱われる出生前診断とその診断結果の21トリソミーについてまとめましたが、いかがでしたでしょうか?

あくまでも概要をまとめたに過ぎませんので、もっと詳しいことを知りたい方はかかりつけ医の先生などにきちんと聞いてくださいね。

下屋(松岡茉優)先生が言っていた通り、妊婦にかかる負担はあらゆる意味で大きすぎるのが現状です。

もっと妊婦が安心して子供を産める世の中になるように考えていかなければ、根本的解決にはなりませんよね……。

『コウノドリ2』10話はそんな思いも含めて、しっかり視聴しようと思います。