『テセウスの船』最終回の終わり方に賛否両論!岸田由紀が可愛そう?

『テセウスの船』最終回が終わりましたね!

加藤みきお(柴崎楓雅)の共犯者の正体には度肝を抜かれましたが、動機がやや薄っぺらい?

複雑なミステリーというよりは、家族愛に感動するドラマという見方が正しい気がしました。

当記事では『テセウスの船』最終回の終わり方について

最終回の終わり方と原作との違い

Twitter(ツイッター)の評判や感想

筆者の考察

についてまとめています。



『テセウスの船』最終回の簡単なネタバレ

まずは『テセウスの船』最終回を簡単にネタバレします。

文吾が犯行を認める?


田村心(竹内涼真)は、犯人の目的が、佐野文吾(鈴木亮平)を確実に死刑にするために今までの事件の罪を着せることだと確信する。

警察に捕まった文吾は、馬淵(小籔千豊)から取り調べを受ける。


そんな中、みきお(柴崎楓雅)が意識を取り戻した。

ところがみきおは飲まされた青酸カリの後遺症で記憶喪失になったとのこと?


刑務所の文吾に、サラダ記念日の本が届く。

犯人からのメッセージ「罪を認めないと家族を狙う」を見た文吾は、面会に来た心と和子(榮倉奈々)に「俺がみきおの共犯だ。家族の縁を切る」と言ってしまう。


みきおが作戦変更?


心は、みきおの病院のベッドの下の手紙を読んで音臼小の多目的室へ。

みきおは、心に犯行動機を語った。

僕は鈴ちゃん(白鳥玉季)のヒーローになりたかっただけ。

転校してきた時、いじめられた僕を守ってくれたのは鈴ちゃんだけだった。

僕は、鈴ちゃんのそばにず~っといると決めたんだ。

でも鈴ちゃんは佐野文吾を正義の味方だって言った、だから邪魔だったんだ、鈴ちゃんの正義の味方は1人でいい。

千夏(湯本柚子)をパラコートで殺した。

明音(あんな)は翼(竜星涼)にやらせたが、うまくいかなかった。

田中義男(仲本工事)は老齢からか、苦しまずに死んだ。

みきおは「でも作戦変更!いま鈴ちゃんが喜ぶのは、佐野文吾を無罪にしてあげることだよねえ」と言って、「ジエンドー!」と青酸カリを飲んだ。


心はみきおの犯行告白をボイスレコーダーに録って、馬淵ら警察に聞かせた。

文吾は無事に釈放された。


12年前の音臼村祭で文吾を恨む人間とは?


文吾は、心に12年前の音臼村祭で起こったことを話す。

・きのこ汁に毒きのこが混入され、徳本(今野浩喜)の母親が亡くなった。

・田中義男は「犯人を探してくれ」と文吾に依頼。

・文吾が調べた結果、義男の妻が犯人だった。

・義男は県警にまで掛け合ってもみ消そうとしたが、ダメだった。

・その後、音臼村祭は中止になった。

この事件で文吾を恨む人物がいるとすれば、徳本?


その後、音臼村祭りに石坂校長(笹本高史)の息子・徹(当時18歳)も来ていたことが判明。

徹は、東京の大学から里帰りしていて、祭で喧嘩に巻き込まれて軽い怪我をしていた。

文吾はきのこ汁騒ぎでそれどころではなかったが、徹がそれだけで文吾を恨むとも思えない?


木村さつき(麻生祐未)と石坂校長には秘密があった。

さつきが高校1年生の時に妊娠して、中学の担任だった校長に相談に来た時、校長はさつきのためを考えておろすように言ったのだ。

校長は「あの時、あんたの身になって考えてあげられなかった」とさつきに詫びた。


心と文吾は、校長の息子について調べた。

東京の会社でいじめられていたが、ここ10年は誰も近況を知らないとのこと。

校長の机の上には、親子を黒く塗りつぶした不気味な絵が何枚もあった!


心が一人で犯人のもとへ


明日は、12年前に音臼村祭が開催された3月19日!

駐在所に、文吾宛ての封筒が送られてきた。

心が中を見ると、未来のノートのコピーと警官家族3人惨殺されるの記事と、最後に以下のメッセージが。

皆殺しが嫌なら一人で来い

音臼神社 明朝8時


翌朝、心は一人で音臼神社へ向かった。

文吾は、心と似た背格好の男の目撃情報を得て、明音が発見された小屋で向かった。


そんな中、和子は1日ぶりに帰ってきた校長と話す。

・長く疎遠だった東京の息子に会いに行き、孫に絵をプレゼントした。

・息子も謝ってくれて、和解できた。


真犯人の正体と動機


真犯人は、正志(せいや)だった。

文吾は、小屋の近くで不意に正志に刺された。


正志の母はきのこ汁で捕まった後に、夫である義男に捨てられ、散々苦労して体を壊してあっけなく死亡。

正志は妹を育てる為ならなんでもしたが、妹はいじめられて自殺した。


父親の義男が大病したと聞き、正志は仕方なく帰郷。

そこで久しぶりに会った文吾は正志に「家族は大事にしろよ」と言ったが、この言葉が正志の殺意に火を付ける結果になった。

正志は、自分の家族をメチャメチャにした文吾がどうしても許せなかった。

みきおと手を組んだのは、たまたま文吾が憎いという点で利害が一致したから。


正志は心を殺したと嘘をつき、文吾はもう少しで正志を殺しそうになるが思いとどまった。

正志の目的は、自分を殺させることで文吾を殺人犯にすることだったのだ!


文吾は正志に(苦しみに)気付いてやれなくてすまなかったと謝罪。

そこへ心がやってきたが、正志が「お前を殺人犯にするんだ」と文吾ともみ合うのを止めようとしてナイフが刺さってしまう。

文吾は「死ぬな!心!」と叫んだが、心は死亡。

『テセウスの船』最終回の終わり方

『テセウスの船』最終回の終わり方をネタバレします。


30年後、加藤みきおはさつきの養子となり、一緒にカフェを経営していた。

カフェの名前は「CAFE MADRE」。


佐野心(竹内涼真)は、家族の食事会で妻・由紀(上野樹里)の妊娠を発表。

文吾、和子、鈴(貫地谷しほり)、慎吾(ハライチ澤部)は祝福、まさに絵に描いたような幸福な光景。


しかし文吾の表情は、どこか複雑だった。

文吾は生まれてくる女の子の名前を未来(みく)はどうかと提案、偶然にも心が考えていた名前と同じだった。

文吾の手には、田村心がタイムカプセルに入れた由紀との結婚指輪が握られていた。

『テセウスの船』最終回の終わり方に対するTwitterの評判と感想は?

『テセウスの船』最終回の終わり方に対するTwitterの評判と感想を見てみましょう。





意外な人物が黒幕で、とにかくびっくりした最終回。

構図としては田中正志が子供の加藤みきおを操って殺人を犯させたというもので、みきおではなく正志が極悪人ってイメージでしょうか?


正志の動機が、ちょっと逆恨み入っているような?

文吾が母親を捕まえたのは義男の依頼だったわけで、文吾は別に点数稼ぎがしたかったわけではないと思うので。

でも加害者家族として相当辛い人生を歩んできたようなので、逆恨みしても仕方ないのかも。


それでも、音臼小事件を起こして子供たちを大量殺害する動機にはならないと思います。

やはりきのこ汁事件と同じような設定にしないと気が済まなかったということかな~?


原作のみきおの共犯者は2020年からタイムスリップしてきた大人のみきお(安藤政信)で、2人で鈴と和子、慎吾を誘拐(これはドラマも同じ)。

心と文吾を殺そうとしますが、心が止めに入って心だけが刺されて死亡します。


原作ではみきおの鈴へのこだわりが半端ないので、ドラマの正志の動機が少し物足りない感じはしました。

安藤政信さんの怪演も見たかったな~と思います。


終わり方ですが、2020年の心は死亡したけど1989年の心が生まれて30歳になって、由紀との間に未来(みく)を授かっていました。

家族もみな幸せそうで、和子も変なシワもなくよい年の取り方をしていましたね。

鈴(貫地谷しほり)が整形後の顔だったり、大人の慎吾がハライチの澤部さんだったりと、ツッコミどころは満載ですが(^_^;)


しかしそれらを差っ引いても、王道のハッピーエンド。

心と由紀が結婚して未来を授かったことについては、素直に良かったな~と思いました。


Twitterの評判・感想は大きく分けて、以下の2つ。

・ハッピーエンドで本当に良かった。

・ドラマの真犯人の動機が薄っぺらい、原作の終わり方の方がいい。

原作の方がドラマチックだったと思いますが、日曜9時放送で小学生の男の子を極悪人設定にするのは無理だったのではないでしょうか。


以下からは、終わり方について色々考察していきます。

『テセウスの船』終わり方考察・みきおのラストが原作と全然違う







心の名誉の死から30年後、みきおは義母のさつきとカフェをしていました。

鈴とは結婚していませんが、とても幸せそう。


みきおは多目的室で「作戦変更!」と愛する鈴のために佐野文吾の無罪を証明するために青酸カリを飲みました。

この行動から見て、みきおの鈴への愛は純粋なもので、正志がそれを悪用していたという感じなのだと思います。


大人のみきおは既に改心してさつきの愛情を受けて幸せに暮らしているようですが、違和感はありますね。

みきおは殺人、殺人教唆などけっこう罪を重ねているから。

原作のみきおは元少年Aとしていまだにマスコミに追いかけられている生活なので、終わり方は180度違うと言っても過言ではありません。

『テセウスの船』終わり方考察・小藪は何のために出てきたの?





9話から、すごい存在感で登場したのが小藪さん演じる馬淵刑事。

最終回で文吾が釈放された後も物陰から見てたけど、どうやら事件には全く関係がなかったようですね。

その割には闇を感じたし、文吾を恨んでいるようにも見えたのですが?


小藪は「警察がそんなんだから(文吾が)30年も冤罪で捕まってたんだな!!」と思わせる要員なのでは?の声がありましたが、なるほどこれは納得。

警察の威信を保つことに命かけてて、犯人は文吾でもみきおでもどっちでもいい的な言い方でしたからね。

『テセウスの船』終わり方考察・岸田由紀はどうなるの?








A軸を心がはじめにいた世界、B軸を心がタイムスリップして変えた世界、C軸を心が再度タイムスリップした世界とすると

C軸では心と由紀はハッピーエンドですが、B軸の岸田由紀は帰ってこない心をずっと待っているに違いないからバッドエンドなのではないでしょうか?


由紀は由紀でも、岸田由紀は素敵な女性でしたよね。

岸田由紀と田村心の再会・結婚エンドが見たかったです。

『テセウスの船』現代で正志が殺されたのはどういうこと?



最終回の終わり方とは関係ないですが「B軸で正志が殺されたのが何故なのか?」という疑問が残っています。

正志のアパート前のカメラに映っていたのは、フードを被った身長が低くも高くもない男。


大人みきお役の安藤政信さんは、175センチとやや高い身長です。

なので筆者は徳本(171㎝)が犯人かと予想していたのですが、どうやらみきおが正志を殺した犯人のようですね。


殺害した理由は、自分の身代わりにするためでしょうね。

みきおはさつきを殺したので、その罪を着せる人間が必要だったのです。

『テセウスの船』終わり方考察・タイトルの意味は?

最後に、『テセウスの船』のタイトルの意味について簡単に説明します。


まずは、『テセウスの船』1巻冒頭にある説明文を抜粋します。

その昔、クレタ島から帰還した英雄・テセウスの船を後世に残すため、修復作業が行われた

古くなって朽ちた部品を徐々に新しい部品に交換していくうちに、当初の部品は全てなくなった

ここで矛盾(パラドックス)が生じる

この船は最初の船と同じと言えるのか


ドラマ『テセウスの船』最終回ラストシーンに当てはめると、心、和子、鈴、慎吾は元のA軸、B軸の経験がありません。

つまりC軸の彼らは、A軸やB軸の彼らとは構成物(経験、記憶)が全く違うのです。


果たして、それは同じ人物と言えるのか?

特に心は、2020年の心が死んだときは和子のお腹の中にいたので、事件についてな~んにも知りません。


知っているのは、佐野文吾ただ一人。

原作では文吾はせめて心を由紀と結婚させてやりたいと考えますが、ちょうどそのタイミングで心が由紀を家に連れてきて終わります。

文吾の立場で考えると、けっこう辛いんじゃないかなと思います。

まとめ

『テセウスの船』最終回の終わり方についてまとめました。

冒頭でも述べましたが、緻密なミステリーではなく家族愛に感動したドラマと考えれば成功だと思います。