『まんぷく』第25週で腹痛を訴えて緊急入院となった鈴ですが、「大腸憩室症」という命にかかわる病気でした。
無事に手術を終えて元気に我が家に戻った鈴ですが、なんと「私、決めた。お葬式をあげます」と言い出しました。
当記事では、朝ドラ『まんぷく』の鈴の生前葬(せいぜんそう)について全ネタバレしてまとめています。
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『まんぷく』鈴の生前葬をネタバレ
『まんぷく』鈴の生前葬をネタバレしていきます。生前葬がやりたい
鈴(松坂慶子)が退院してからというもの、咲(内田有紀)が夢枕を訪れることが増えていました。
もうすぐお母さんはこっちに来るんだから、と、あの世への誘い文句のようなことばばかり口にする咲に、恐れおののく鈴。
しかし今日の咲は違いました。
鈴が「あんなに早くに亡くなってしまって、たくさん悔いが残っているでしょう」と聞くと、咲は「そんなことないわよ。最後にみんなにありがとうって言えたもの」と答えたのです。
亡くなる寸前、夫の真一(大谷亮平)、克子(松下奈緒)夫婦、福子(安藤サクラ)、そして鈴に囲まれて、微笑をたたえ、ありがとうと言った娘の顔を鈴は思い出しました。
その瞬間、天啓を得た気がしました。
鈴は福子に言いました。
「私、決めた。お葬式を挙げます」
福子は「ちょ、ちょっと待ってお母さん」と慌て、萬平は「そんなことできるんですか」と半ば呆れ、半ば疑いながら問います。
鈴が図書館に行って調べたところによると……
- 明治42年に2代目三遊亭金朝
- 大正12年に2代目曽呂利新左衛門
の2人が生前葬をやっていることがわかりました。
「みんな落語家じゃないですか」「洒落でやったんじゃないの?」と福子と萬平。
幸(小川紗良)は「せやけど面白い」と目を輝かせますが、萬平は「面白いじゃないっ!葬式だぞ!」と叱りつけます。
幸:「なんでおばあちゃんは生前葬やりたいと思たん?」
鈴:「突然ポックリ逝ってしまったら、みんなにありがとうって言えないやない。いつかはやるんだから、生きているうちにお葬式を挙げて、みんなに感謝の気持ちを伝えたいのよ」
幸:「私はええと思う!」
源(西村元貴)も乗り気満々の顔で「僕も面白いと思うな」と言いました。
萬平は「葬式だぞ!人を呼ぶんだぞ!みんなどんな顏してりゃいいんだ!」と言いますが、「にこにこしていればいいのよ」と泰然自若、落ち着き払って鈴が言いました。
鈴の生前葬が始まる
家具が運び出された立花家の居間には、葬儀屋によって祭壇がしつらえられ、白く美しい菊の花がふんだんに盛られました。
中心に鈴の遺影、その横に忠彦(要潤)の描いた肖像画、一段下には白木の棺が置かれています。
通常の葬儀と違うところは、棺の蓋が開いていることと、棺に向けて短い階段が据えられていることで、参列する人々もそれに気づくと、一様にぎょっとした色を浮かべました。
親族全員と親しい知己、全員が揃ったところで萬平が立ち上がりました。
「えー、皆様。本日はお忙しいところ、今井鈴の生前葬にご参加いただき、まことにありがとうございます。私、喪主を務めます立花萬平でございます」
生前葬という未経験の儀式を前に、萬平をはじめ、誰もが戸惑った表情になっています。
萬平が「それでは式に先立ちまして、故人より、じゃないか。まだ生きておりますが、今井鈴よりご挨拶申し上げます」と言うと、白装束の鈴がしずしずと入場し、室内にざわめきが広がりました。
続いて、鈴の挨拶。
「私はもう齢80、いつ死んでもおかしくありません。そやけど死んでしまっては、皆さんとお別れの挨拶はできないのでございます。ですから、このような生前葬という形で先にお葬式を挙げさせていただくことにいたしました」
自分の勝手を詫びると鈴は階段を昇り、棺に入って、「では始めましょう」と横になりました。
世良の弔辞
弔辞を読み上げる一番手は、なぜか鈴の指名を受けた世良(桐谷健太)でした。
世良は、まだ遺族ではないけれど、福子たち4人と遺影に向かってそれぞれ一礼し、奉書紙の包みを開きました。
今井鈴さん、僕はあえてお母さんと呼ばせていただきます。
お母さんとはもう三十年近い付き合いです。発明家の立花君、立花君を支える福ちゃん、その二人をお母さんはいつも温かく見守っていらっしゃいました。
お母さんは僕のことをうさんくさい男やといつもおっしゃっていましたが、僕はその言葉の裏に深い愛情を感じておりました。
お母さんは少女のように、無邪気で明るくて正直な方でした。お母さんがいらっしゃらなければ、今の立花君や福ちゃんはなかったと思います。
ありがとう、お母さん。
どうぞ安らかにお眠りください。
世良勝夫引用元:小説「まんぷく」下巻・世良のセリフより
鈴は感激して「ありがとう」と身を起こしました。
生きていると知ってはいても、いざ弔辞を読むと、相手は死者だと頭が信じてしまうのか、世良は「どわああっ!」と仰天して腰を抜かしかけました。
鈴は「世良さんがそんな風に私のことを思ってくれていたなんて。ほんまにうれしい。もうあなたのことをうさんくさいなんて思いません。ありがとう、世良さん。ほんまにありがとう」と言いました。
その後も、何人かの弔辞が続きます。
その中には、赤津裕次郎(永沼伊久也)の姿もありました。
塩作りの時に、鈴のしもべとして台所の手伝いを務めていた男です。
赤津が「大奥様、私を覚えておいでですか?」と言った途端に、「赤津ッ!」と鈴は飛び起きて、参列者の度肝を抜きました。
克子と福子の弔辞に、鈴が涙を流す
通常有り得ないことですが、鈴の希望で、克子と福子姉妹も別れの挨拶を述べることに。
克子:「お母さん。お母さんはほんまに面白い人やわ。
私は武士の娘ですっていっつも言うてたくせに、生前葬やなんて。
武士の娘がそんなこと考える?
せやけど、お母さんがほんまに亡くなってしもうて、これが本物のお葬式やったら、私はきっと泣いてばかりで何も言えなかった。
私にとってお母さんは一番の喧嘩相手で一番の仲良しでした。
……お母さんの娘で本当に良かった。
ほんまによかった……、ありがとう、お母さん」
克子の目からは、こらえようのない涙が流れています。
福子:「私は咲姉ちゃんと一緒に挨拶します。
お母さんは咲姉ちゃんのことが大好きで、凄く凄く頼りにしていました。
咲姉ちゃんもお母さんが大好きやったよね。
咲姉ちゃんが亡くなって、私とお母さん2人だけになって、私は咲姉ちゃんの代わりになろうとしたけどダメだった。
お母さんに心配かけてばっかりやった。
そやけどお母さんは萬平さんを受け入れてくれました。
あの時、結婚を許してくれなかったらどうなっていたか。
お母さんには本当に感謝しています」
けれど、母には苦労をかけてばかりでした。
塩作り、ダネイホン作り、萬平が信用組合の理事長職に就いていた間は楽ができたけど、そのあと一文無しに身を落としてしまいました。
福子の弔辞はまだ続きます。
「そこから即席ラーメンを作ることになって、こんな山あり谷あり私たちに、お母さんは文句を言いながらもずっと一緒にいてくれました。
……心の底から感謝しています。
向こうに行っても、咲姉ちゃんが待っていてくれるから大丈夫よ。ずっと今のままのお母さんでいてください」
福子、と呼び鈴が起き上がり、母と姉妹は笑顔を浮かべて泣きました。
娘の手を借りて階段下り、鈴は一同の前に立ちました。
「明るいお葬式にしたいって言うたのに、私が泣いてしまってごめんなさい。
今日は本当に良かった。集まってくれた皆さんに心から感謝いたします。
私の人生を豊かなものにして下さって、本当にありがとうございます」
鈴は、何度も涙をぬぐいます。
不意に、萬平が口を開きました。
「僕からも、お礼を言わせてください、お義母さん。
さっき福子が苦労ばっかりかけて、と言いましたが、それは全部僕のせいです。
お義母さんには本当に心配をかけてしまいました」
鈴は「もう終わったことよ」と言いますが、萬平は「お義母さんには何よりも、福子を産んでくださったことに感謝しています。本当にありがとうございました!」と頭を下げました。
鈴は「はい。ありがとう、萬平さん」と、この日、初めてにこりと笑いました。
ありがとう、の言葉が行き交う葬儀など、生前葬でなければ有り得ない、と福子は思いました。
最初は当惑していた参列者たちも、幸せな気持ちに包まれて、鈴の前から、立花家から離れていきました。
生前葬が終わった感想は……
その夜、疲れが出たのか、鈴は早めに床に就きました。
福子と萬平は久しぶりに2人きりで乾杯し、生前葬が素晴らしかったと言い合いました。
翌朝、台所に立った鈴は、まるで澄み渡った秋空のような清々しい顔で福子に言いました。
「お葬式が終わってすっきりした。もう思い残すことはありません」
さらに、忠彦が描いてくれた観音様になると宣言しました。
まとめ
『まんぷく』鈴の生前葬を全ネタバレしてまとめました。ドラマで放送されたら、もらい泣き間違いなしのシーンです。
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