新ドラ『トレース』が、2019年1月7日(月)からスタート(フジテレビ系列:よる9時~)。
“月9初主演”の錦戸亮さんが、凄惨な過去を持つクールな“科捜研”の男を演じます。
当記事ではドラマ『トレース』の原作あらすじの結末ネタバレ・前編をまとめています。
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もくじ
- 1 ドラマ『トレース』とは?
- 2 ドラマ『トレース』の原作とは?
- 3 ドラマ『トレース』原作あらすじのネタバレ・前編
- 3.1 23年前の6月
- 3.2 新入研究員・沢口ノンナの理想と現実
- 3.3 科捜研のエース・真野礼二
- 3.4 杉並の強盗殺人事件を鑑定
- 3.5 沢口にとって、真野は正義のヒーロー
- 3.6 沢口ノンナは合コンに7戦7敗
- 3.7 強姦事件の胎児を鑑定する
- 3.8 法医研究員なら完全犯罪も可能?
- 3.9 家族間殺人事件の鑑定
- 3.10 真野はまだ鑑定を続行
- 3.11 衝撃の鑑定結果
- 3.12 予想外の事実
- 3.13 家族間殺人事件の真相
- 3.14 23年前の練馬区一家殺人事件
- 3.15 バラバラ殺人事件の鑑定
- 3.16 玄関の外に事件の証拠が!
- 3.17 バラバラ殺人事件の真相
- 3.18 沢口ノンナの妹・カンナは素敵女子?
- 3.19 沢口の業務
- 3.20 器物損壊被疑事件
- 3.21 無理心中
- 3.22 本田の友人の話
- 3.23 ターゲットは3人
- 3.24 腐乱死体を鑑定
- 3.25 佐保のDNAをゲット
- 3.26 許されざる悪
ドラマ『トレース』とは?
ドラマ『トレース』とは2019年1月7日(月)から始まる新月9ドラマで、科捜研を舞台にした本格サスペンスです。
元科捜研の研究員・古賀慶さんによるコミック「トレース~科捜研法医研究員の追想~」を原作に、数々の難事件をリアリティーたっぷりに描き出します。
主演は大河ドラマ『西郷どん』でも抜群の存在感を見せた錦戸亮さんで、“月9”初主演にして“陰惨な過去”を持つ科捜研の男をクールな魅力たっぷりに演じます。
ドラマ『トレース』の原作とは?
ドラマ『トレース』の原作は、累計40万部突破の大人気コミック「トレース~科捜研法医研究員の追想~」(ノース・スターズ・ピクチャーズ「月刊コミックゼノン」連載)。
2018年12月現在、1~5巻まで出ています(6巻は2019年1月19日の発売予定)。
原作者の古賀慶さんは科捜研の元研究員なので、劇中で描かれる鑑定シーンはリアルそのもの。
知的好奇心をくすぐる科捜研トリビアも、大きな見どころになりそうです。
コミック「トレース~科捜研法医研究員の追想~」は以下から無料購読・購入できます。
→トレース 科捜研法医研究員の追想 – pixivコミック | 無料連載マンガ
ドラマ『トレース』原作あらすじのネタバレ・前編
ドラマ『トレース』原作あらすじのネタバレ・前編です。
23年前の6月
23年前の6月。
小学生の真野礼二は、正義の味方 スコルピオン・マンを楽しみに帰宅。
しかしドアを開けると、両親と姉が血まみれで倒れていて、兄は自殺(?)。
テレビはつけっぱなしで、正義の味方 スコルピオン・マンのテーマ曲が流れていました。
お葬式の日、人々は「かわいそうに、たったひとり残されて。しかも噂によると……どうも……犯人は……」と噂しました。
真野少年は小さな声でスコルピオン・マンの歌を歌っていましたが、遂に「キモチワルイ」とつぶやきました。
そしてスコルピオン・マンの人形を握って「キモチワルイ。こんなの全部デタラメだ。僕が必ず真実を暴いて悪を裁いてやる」と涙を流しました。
新入研究員・沢口ノンナの理想と現実
現在、東京。
ここは、都道府県警察刑事部に設置される研究機関「科学捜査研究所」(通称「科捜研」)です。
科捜研は、軽擦組織にありながら組織のためでも被害者のためでもなく、ただひたすら真実解明のためにのみ存在する特殊な機関。
沢口ノンナ(新木優子)は、新人研究員。
まだ2年目で、鑑定資格認定前の見習いです。
沢口は、科捜研とはもっと派手でかっこよくて正義のヒーローみたいだと思って入ってきたのに、実際は地味でキリがない作業の連続にため息をついてしまいます。
DNA鑑定の目的のひとつは
➀事件現場の遺留物のDNA型
➁被疑者のDNA型
これらのデータベース登録を行うことだ。
このデータベースで犯人の特定や過去の余罪を確認することが出来る。
全国の年間DNA型鑑定数はなんと20万件を優に超える!
今日も、法医科科長・海塚(小雪)から、今日の仕事がどっさり配られます。
その膨大な数の鑑定資料は30名足らずの法医研究員にランダムに分配される。
沢口の担当は、杉並の強盗殺人事件の鑑定資料3点=被疑者の上下着衣とスニーカー。
被害者が路上で刺されて相当出血していたので、被疑者の着衣とスニーカーに被害者の血液が付着していないか調べるのがお仕事。
「私の憧れていた正義のヒーローとはおよそかけ離れた存在」と思う沢口ノンナ。
科捜研のエース・真野礼二
そこへ「ただいまあ」と真野礼二(錦戸亮)が入ってきました。
真野は、本日付けで帰庁した科捜研のエースで、沢口が入庁する前から警察庁に出向していたのです。
沢口は「よろしくお願いします」と挨拶しますが、真野のポケットに入っている人形(正義の味方 スコルピオン・マン)を見てびっくりします。
真野はいきなり沢口の手を掴んで「キモチワルイネ」と言いました。
驚いた沢口が真野の手を振り払うと、「時計、1分23秒ずれてるよ」と真野。
先輩の水田まり子は「ちょっとだけ融通きかないけど有能な男だよ」と言いますが、納得がいかない沢口。
海塚が「真野くん!せっかくだから杉並の強盗殺人、沢口さんの指導しながら一緒に鑑定してほしいのね!」と頼むと、「別にかまわないよ」と真野。
沢口が「何なのあのひと」と思っていると、翌日沢口の机はみかん箱になっていました。
沢口の使っていたデスクは、元々真野のデスクだったそうです(笑)。
杉並の強盗殺人事件を鑑定
沢口が「真野主任、酷いじゃないですか。私のデスクが段ボール箱なんて」と言いに行くと、真野は検査室で杉並の強盗事件の鑑定をしていました。
杉並の事件の概要は以下の通り。
被疑者は犯行を否認していて目撃証言もない、さらに物的証拠も乏しく、鑑定が頼みの綱だとのこと。
ただ事件発生時は土砂降りで、着衣は被疑者が洗濯しているとのこと。
真野が「被害者・田沼誠司、被疑者・中村健だよ」と被害者と被疑者の名前を言うのを聞いて、「名前なんて鑑定には不必要なのに……」と思う沢口。
真野と沢口が今から行うのは、ルミノール検査です。
微小な発光も見逃さぬよう、遮光した暗室で行う。
また血液以外(野菜の汁等)でも発光反応の触媒になるため、あくまでも血液予備検査として用いられるものであるが感度は非常に高く、肉眼では確認できない微量の血液も検出可能だ。
真野は被疑者の上下着衣、スニーカーにルミノールをまきましたが、光りません(ルミノール反応は陰性)。
沢口は「血液の付着はありませんね。洗濯してるって話だし仕方ないですね」と電気をつけようとしますが、「まだだ」と真野。
真野は、ポケットの中、衣類の内側など、普通は返り血がつかないと思われる部分までルミノール検査をします。
真野は『考えうる全てを追求するんだ。ここには唯一の証拠が遺されているかもしれない。被疑者・田沼誠司が被害者・中村健に殺されたという証拠が。それはきっと田沼誠司の想いだ。「なぜ?」「痛い」「死にたくない」という想い……それは真実の欠片。それをみつけることができるのはただ研究員(ぼく)だけだから』と言ってポケットの人形を触りました。
そしてとうとう、上着の裏側の一部分にルミノール反応が出ました!
これで被疑者・中村健の着衣に、被害者・田沼誠司の血液が付着していることが証明されたというわけです。
真野はまた人形を触って「鑑定(こんなこと)で、被害者(かれ)の命が戻るわけじゃない。それでも真実の欠片を見つけ出す……それが僕の使命だ」と言いました。
研究員はみな、複数の署、複数の事件を同時に受け持ち、毎日事件は発生します。
あまりに膨大な数の事件なので、そのひとつひとつの詳細を把握することは不可能。
そうして被疑者も被害者もただの記号になってしまうのですが、真野は違いました。
沢口が真野のポケットの人形について水田に聞くと「そういや昔真野が言ってたな。あの人形は戒めなんだって」と教えてくれました。
沢口にとって、真野は正義のヒーロー
数日後、ネットニュースで中村健が強盗殺人の罪で逮捕されたことを知る沢口。
そしてもう遅い時間なのに、真野はまだ仕事をしていました。
沢口は「胸ポケットの人形は正義のヒーロー スコルピオン・マンですよね。私実は正義のヒーローみたいになりたくて警視庁に入ったんです」と真野に言います。
そして現実は、殺人、強姦、強盗事件はいくらでも起きて、キリがなく毎日ただ淡々と鑑定をこなす日々で、いつの間にかひとつひとつの事件には必ず傷ついた被害者や糾弾すべき犯人がいるってことを忘れていたと話しました。
そんな自分は、正義の味方からほど遠いということも。
沢口は「ルミノール検査をしている時、真野主任はまるで正義のヒーローでした」と言って、照れて汗をかいて「お先に失礼します!」と退散。
沢口がいなくなった後、「正義のヒーローか……ふふ……」とやはり胸ポケットに人形を触る真野。
その後真野は人形を握ったまま「はははは……」と高らかに笑い、彼の脳裡には昔の事件が鮮烈によみがえりました。
両親や姉のむごたらしい死体を思いだした真野の動悸は早くなり、人形を壁に投げつけます。
真野は人形を拾って、泣きながら叫びました。
いないよ 正義のヒーローなんていない それが真実だ
だってもしいるのなら あの時パパやママやお姉を……僕を救ってくれたはずじゃないか
そう、正義のヒーローなんていない。裁きを下すのはこの俺だ引用元:漫画「トレース」1巻より
その頃、沢口は「悪は絶対許さな~い♪裁きをくだァす♪正義のヒーロー」と歌を口ずさみながらご機嫌で街を歩いていました。
沢口ノンナは合コンに7戦7敗
今夜は、新宿署地域課対科捜研の女の合コン。
沢口ら科捜研の女たち(沢口、秋川、河村)は、今日は白衣ならぬ白ワンピ。
今回の合コンをおぜん立てしてくれたのは、新宿警察署刑事課の巡査部長・虎丸(船越英一郎)です。
生涯異動のない科捜研は出会いが0なので、この機会に彼氏を作ろうと意気込む沢口。
合コンの最中に、23年前の「練馬区一家殺人事件」の話が出ます。
虎丸は、この事件で一番乗りで現場に臨場した刑事だったのです。
しかし虎丸はなぜか話を遮りました。
合コン後、科捜研の女たち(沢口、秋川、河村)は、カフェで反省会を開きます。
これでPM(ポリスメン)との合コンは、7戦7敗。
全員白のワンピで挑んだのに、今回も“恋”という名の化学反応は起きませんでした(笑)。
ま、沢口にいたっては片方つけまつ毛が剥離していましたが(^_^;)
秋川と河村から「ノンナちゃん、あの人はどうなの?真野主任」と言われて赤くなる沢口。
強姦事件の胎児を鑑定する
真野は超がつく甘い物好きで、今日のランチは高級つぶあんぱんに飲み物はおしるこ。
さらにデザートは羊羹1本です。
「だめ……見てるだけで血糖値上がっちゃう」とくらくらする沢口。
そこへ虎丸が「鑑定嘱託お願いします」とやってきました。
今回も、真野と沢口で担当することに。
事件は強姦事件で、渡された重いボトルの中には胎児が入っていました。
父親と思われる人物、つまり容疑者は被害者・佐藤洋子の知人・山本彰。
この2名の口腔細胞(バッカル)検査結果と併せれば、親子関係は一目瞭然です。
DNA鑑定とは……
したがって胎児と被害者(母親)と容疑者のDNA型検査を行えば、親子関係が成立するか否かは容易に判明する。
シャーレに移した胎児は、男の子と識別できる状態でした。
沢口:「この赤ちゃんもうこんなに大きいのに、中絶が許されるんですか」
真野:「母体保護法によると人工妊娠中絶が認められるのは、21週6日までだ。この胎児は体長約19㎝、外性器も形成されているし16週から20週だろう。これほど成長していても範囲内だよ」
「女性なら1、2か月で自分の体の変調に気が付くはずなのに、どうして5か月も放っておいたのだろう?」と思う沢口。
中絶された胎児が鑑定嘱託されることはしばしばあり、その多くはまだはっきりと人間の形を成していない状態のものですが、12週以降の胎児を鑑定することも珍しくはありません。
真野は「もっと早く中絶していればよかった、もっと人間らしくない見た目なら良かったというのは、君の気持ちの問題じゃないのか?」と沢口の心中を鋭く指摘。
「そんなこと言ったって、誰だってこんなの見ていて辛いでしょう!?」と思う沢口。
胎児を洗い終えた真野は、胎児の細胞採取に取り掛かります。
沢口は、真野が胎児を切るところを見たくなくて、部屋を飛び出して給湯室へ。
真野は沢口を追いかけました。
「真野が進んで誰かに関わろうとするなんて珍しい」と思う水田。
沢口は「赤ちゃんには何の罪もないのに大人の都合で勝手につくられて大人の都合で無理矢理お腹の中から出されて、おまけにハサミで切っちゃうなんて……モノみたいに」と号泣していました。
真野は「胎児は、あの子は被害者だ。守られるべきときに守られなかった被害者だよ。研究員ならその事実から目を背けるな。かわいそうなんて表面だけ取り繕った居心地のよい言葉で覆い隠すな」と言いました。
沢口は自分の顏をパンパンと叩いて、気合をいを入れなおしました。
そして真野が切り取った胎児の体の部分は、かかとでした。
「わかんないくらい目立たない場所。天国に行ってどこか欠けてるのに気付いたら、きっとこの子悲しむからさ」と真野。
翌日、DNA検査の結果「胎児は被害者と被疑者の子どもとして矛盾しない」ことが判明しました。
真野が胎児のかかとを切ったことを知った虎丸も「そりゃよかった。天国に行くのに体がどっか欠けてちゃあ、坊や悲しむだろうからよ」と真野と同じことを言いました。
2人ともきっと強くて優しい人なのだと思う沢口。
その後、真野とすれ違った虎丸は、23年前の事件の現場をまざまざと思いだします。
残酷な殺人事件の現場を目の前に、「うあああああ」と叫んでしまったことを。
虎丸は「疲れてんのかな」と思いますが、真野は「虎丸良平。23年前最初に現場へ臨場した警察官。憶えていないようだが警戒するに越したことはない」と思っていました。
今はまだ誰にも邪魔させるわけにはいかないのです、正義のために。
法医研究員なら完全犯罪も可能?
科捜研は、月曜~金曜の毎日勤務、定時は8時30分~17時15分。
残業もほどほどにアフター5を楽しむ夜もあるのですが、そこは警察職員。
飲酒時は平日休日問わず「飲酒届」の提出が必須で、さらに二次会は厳禁なのです。
沢口と水田、清松トオルの3人(科捜研の仲間)で、中華料理屋でご飯中のはなし。
「完全犯罪なんて不可能ですよね。何の証拠も残さないなんて現代科学の前じゃ不可能だし」と言う沢口に、「私達法医研究員なら完全犯罪もできる」と水田。
ひとつの事件を担当するのは基本ひとりだから、誰にも知られず意図的に結果をなかったことにしたりすり替えることも可能だというのです。
清松トオルも「まァ善良な公務員が意図的そんなことするわけないけど、法医研究員は完全犯罪を作れるのよ」と言いました。
家族間殺人事件の鑑定
虎丸が、緊急鑑定を持ってきました。
重大事件やマスコミが大きく取り扱う事件、いわゆる「社会的反響の大きい」事件では緊急でのDNA型鑑定を要求されることがあるのです。
鑑定は、真野と沢口が担当することに。
事件の概要は以下です。
一家は被害者(父)と長男・長女の3人暮らし。
事件発生当時、長女は就寝していて、警官が鳴らすチャイムで目覚めたそうだ。
長男は3年前から引きこもりで被害者と口論が絶えず、刺そうと思って刺したと供述。
血だらけな現場なので資料数が多く、人血か否か、人血であればそのDNAを鑑定してほしいという依頼です。
法医科のDNA鑑定、その目的の半分は「誰の何がどこについているかを証明する」ということに集約できる、すなわち「事件の現場状況や事実関係を証明すること。
殺人や傷害では「被害者の血」が「どこ」についているかは重要な証拠で、血の飛び散り方は殺意の大きさの指標ともなりうるのです。
現場血痕のDNA型と被害者のDNA型が一致すれば、その血痕は被害者のものであると証明できます。
被害者のDNA型を知るためには心臓血を検査します(心臓血は解剖時、医者が採取)。
現場写真を見せられた沢口は「メッタ刺し……しかも父親を」と信じられない気持ちになります。
被疑者(息子・片山洋平)の供述だと、被害者(父・片山良孝)は風呂上りで、台所にいた被疑者(息子)と口論になったそうです。
まず背後から、さらに馬乗りでメッタ刺しにしたのです。
父親の腕の防御創、他の傷の様子からも、息子の供述に間違いはないとの見立て。
虎丸:「出血しているのは父親だけだ。全ての血痕が父親のDNA型と一致してくれりゃいい。包丁も着衣ありゃ全部父親の血だな」
真野:「真実(ほんとう)にそうかな。キモチワルイね」
虎丸は「捜査員(おれら)の言葉が信用できないってことかい」とすごみ、真野は「俺は誰の言葉も信用しない」と答えました。
被害者(父親)が区議会議員だったこともあって、マスコミが事件を騒ぎ立てます。
被疑者である長男は、まるで最悪の人物のように言われることに。
真野はまだ鑑定を続行
そして真野はまだ鑑定を続けていました。
被疑者のズボンの血液の付着部位8か所をそれぞれ切り取って検査するつもりです。
沢口:「鑑定の目的は被害者の血だと証明することですよね?1か所で十分じゃないですか。捜査員も迅速な回答を求めてますしもっと効率的に」
真野:「君は何のために鑑定するの。捜査員のため?ちがうだろ。真実のためだ。そして真実を教えてくれるのは鑑定結果だけだ」
沢口は「最低の人間が最低なことをした。ただそれだけでしょう?」と思うのでした。
テレビでは、区議会議員だった父親が周囲からの信頼も厚かったという報道をしています。
真野は「ねェ、沢口さん。真実は究極の客観さ。人間はその正反対、主観のかたまりだ。だから僕は誰の言葉も信じない」と真野。
衝撃の鑑定結果
虎丸が、鑑定結果を聞きにきました。
真野は、包丁の血痕11か所のうち1か所だけ女性の血だったことを報告。
あの家で女性と言えば、妹です。
沢口が「妹さんの血だとしたらどう言うことなんですか?」と聞くと「刃物が凶器の場合、その根元で加害者が手指を負傷することは珍しくねェ」と虎丸。
虎丸が「すぐに妹に聴取して、口腔内細胞を提出させる」と言うと、「それから」と真野。
虎丸:「まだあるのか?」
真野:「被疑者のズボン右腰、それと包丁の柄にわずかに血とは異なる何かが付着していたから、顕微鏡で観察したら精子があったよ」
「精子ィ?!なんだってそんなもん。一体誰んだ?」と驚く虎丸と沢口。
真野は適切な書面がなければこれ以上の検査はできないと言い、虎丸は妹の口腔内細胞と新しい嘱託書を持ってくると言いました。
予想外の事実
父・片山良孝の遺体が見つかった事件で警視庁は、自ら110番通報した長男・片山洋平を殺人の容疑で緊急逮捕しました。
片山容疑者は「殺すつもりで刺した」と容疑を認めています。
家族間の殺人は、殺人事件全体のうち約半数をも占めます。
この事件もありふれた事件のはずだったのに、捜査員らは予想外の事実を突きつけられます。
法医科の鑑定で、包丁の刃体に微量の女性の血液の付着と、包丁の柄及び被疑者・片山洋平のズボン・右腰付近に精液の付着が発見されたのです。
虎丸は妹の人差し指に小さな切り口をみつけて、どうしたのかと尋ねました。
すると、妹は本当のことを話しました。
家族間殺人事件の真相
妹は、中学の頃から毎週月曜日の夜に父親から性的虐待を受けていました。
事件の日も、父親は妹を襲いました。
その後、偶然まだ台所を方付けていないと思った妹は、台所に行って自然と包丁を手に取ってしまいます。
そして父親の脇腹を刺してしまい、怒った父親は包丁を抜いて妹に襲い掛かってきました。
そこへ兄がやってきて父親から包丁を奪い、メッタ刺しに。
妹に向かって「部屋行け。それで寝てろ。あとは兄ちゃんがやるから」と言ったそうです。
妹を想う兄の行き過ぎた行為、それが妹が語った真実でした。
「妹に対する性的暴行が直前にあったのなら、包丁や息子のズボンに付いた精液は父親のモンだろうな、ひでえ話だぜ」と虎丸。
翌日、真野の鑑定で妹・片山咲のDNAが判明して、包丁に付着する血液は妹・片山咲のものであると証明されました。
このことは、彼女の証言を強力に裏付けることになったのですが、その後また驚きの鑑定結果が出ます。
なんと包丁の柄とズボンについて精液は、被疑者(兄・片山洋平)のものだったのです。
手に本人の精液がついているのは不自然なことじゃないので、今回の事件とは無関係かもしれませんが……。
つまり、直前に自慰行為をしていたのなら手に精液はついていたはず。
片山洋平が、真実を告白しました。
洋平は毎週、妹が父親に性的暴力を受けるのを見て、あげく自慰をしていたのです。
洋平は「こんなことで摘み滅ぼしになるわけがない、ごめんな」と思いながら、父親を刺したとのこと。
妹の咲は不起訴処分になりました。
その夜、真野と沢口は、虎丸と一緒に飲みにいきました。
真野と虎丸は同じタクシーで帰ることになるのですが、虎丸は「真野先生、寄りたいところがあるんだ。先生は若いから知らないだろうけど、23年前の練馬一家殺人事件」と言い出しました。
今日も雨ですが、あの日も雨でした。
23年前の練馬区一家殺人事件
タクシーを降りた虎丸は「以前ここには民家があった。だが23年前にある事件が起きてその翌年には取り壊され公園になった」と真野に話します。
23年前、虎丸が20歳の時。
卒配してから1年と少し経ち、交番勤務にだいぶ慣れた頃、「家族が血だらけで倒れている」「動かない」という旨の110番通報を受けて臨場。
通報者は子供(真野礼二)で、玄関にうずくまっていました。
リビングの扉を開けた虎丸は思わず「うあああああ」と叫んでしまいます。
その家の両親と長女の3人が刺殺されて倒れてたのです。
虎丸は、あまりの匂いに口を押えました。
なんだ?これは?鉄の匂いか血の匂いなのか?
その後虎丸が血痕のあとをたどると、二階の部屋まで続いていました。
その部屋のドアがあいていたので入ると、長男がドアノブで首を吊って死んでいて、「お父さん、お母さん、仁美、礼二、ごめんなさい。僕は死んでお詫びします」の内容の遺書も置いてありました。
警察は「この家に住長男が、両親と妹の3人を殺害した後自殺した」ものとし、警視庁は長男を被疑者死亡のまま書類送検しました。
彼の遺書の存在が、犯行を強く裏付けたのです。
しかし虎丸は、長男の犯行ではないのではないかと感じていました。
場面は現在に戻って「当時8歳の次男・源礼二。あんたなんだろう」と虎丸。
虎丸は真野の胸ポケットの人形を見て「もしや」と思っていたのです。
虎丸は真野に「それで真野礼二、いや源礼二、なぜ警視庁に来た?真実を知るためか?よく聞いてくれ、この事件には触れねェ方がいい」と言いました。
バラバラ殺人事件の鑑定
その10日後、気象庁が関東地方の梅雨明けを発表した日にその事件は発覚しました。
ゴミ袋から女性の生首と胴体がみつかったのです。
数日後、被害者は都内在住の大学生・五十嵐美加だと判明。
「娘の遺体ではないか」と名乗り出た夫婦のDNA型の間に親子関係が認められたのです。
発見されたのは頭部と胴体のみで、手足はみつかりませんでした。
日刊ゲンザイによると……
Oさんは夜11時半頃、五十嵐さんをアパートから送り出したと本誌記者に語った。
しかし、五十嵐さんがアパートから出て行く姿をとらえた映像は、一切確認されていない。
警視庁はOさんに任意での事情徴収を行っている。
虎丸の要請で、真野と沢口も臨場。
臨場するのは、バラバラ殺人の被害者の交際相手・越智俊介の住むアパート。
試薬や器具なども万一のため持参します(荷物持ちは沢口)。
臨場先へ向かうタクシーの中で、沢口は虎丸に質問。
沢口:「やっぱり彼氏が犯人なんですか?」
虎丸:「物的証拠はまだ出ていない。遺体発見3日前の夜9時頃、被害者と越智がアパートへ向かうところが防犯カメラで確認できた。これが生きている被害者の最期の姿だ。アパートから出て行く映像は確認できねェ」
ところが事情徴収で越智は、夜11時半頃、被害者がアパートから出て行ったと供述しているのです。
越智の証言は裏付けが取れません、なにしろ被害者がアパートから出て行く姿は一切確認できないのだから。
被害者の死因は、心臓を刃物で刺されたことによる失血死で、凶器はおそらく包丁。
さらに被害者のまぶたに出血、腹部には古いあざが認められました。
被害者は、越智から暴力を受けていると周囲に相談していたとのこと。
「許せない!彼女に暴力ふるって殺して……しかもゴミみたいに捨てたってこと?」と激しい怒りを覚える沢口。
警察も、DVがエスカレートした殺人と見ています。
被疑者のアパートに到着した真野と沢口は、まずズボンのすそを靴下の中へしまいフットカバーをはき、マスク・ゴム手袋を着用します。
これは言わずもがな、現場の汚染防止が目的です。
いよいよ越智俊介立会いのもと、真野と沢口は臨場。
越智のアパートの風呂場と洗面所を流しを検査します。
もし死体をアパートで解体したなら、血液反応が出るはず。
真野は「沢口さん(ルミノール)まいて」と言いますが、現場が初めての沢口は躊躇。
しかし真野が「僕が見てる、大丈夫だ」と言うと、うなづいてルミノールをまいていきます。
ルミノール検査は実は難易度が高く、発光は数秒で消光してしまいます。
また、DNA鑑定を考慮すると同部位に何度も試薬を噴射することは望ましくありません。
浴槽の周りから排水口、換気扇カバーの裏までくまなく検査していきます、検査部位のもれは決して許されません。
しかしどこの部位もルミノール反応は陰性でした。
しかし、リビングのビール瓶に陽性反応が出ました。
DNA型鑑定が必要であれば、その資料は後日改めて警察署から科捜研へと鑑定嘱託されます。
この日夕方には、ビンに付着する血液は、被害者・五十嵐美加のものであるとの検査結果が得られました。
越智は事件の日のことを告白。
カッとなった越智はビール瓶で被害者を殴ってしまい、彼女は左まぶたから出血。
彼女が「バンソウコウ買ってくる、コンビニ行ってくるね」と部屋を出ていき、越智は「悪いことをした」と反省。
しかしそれきり彼女は戻らなかったという。
越智は「嘘じゃない!嘘じゃない!俺は美香を殺してない!」と虎丸に泣きつきますが、「あんたは初めからそうだ。ただ俺はやってねェとわめくだけだ。彼女が死んじまったことへの悲しみや苦しみはちらとも見えねェ。犯人だろうがなかろうが、あんたクズだよ」と虎丸。
玄関の外に事件の証拠が!
捜査第1課・巡査部長・狐谷は「絶対に越智が本ボシだ。科捜研が証拠を見逃してる。再鑑定しろ」と沢口に迫ります。
しかし「再鑑定は不要だ。僕が見てた、沢口さんの鑑定に落ち度はない」と真野。
真野は「玄関の外、廊下の鑑定をやらせてよ」と言いました。
真野は、風呂場が遺体解体に使われた可能性を全面的に否定。
たとえ越智が風呂場を洗浄したとしても、ちょっとやそっと洗ったぐらいではルミノールは誤魔化せないからです。
さらに風呂場の排水口や換気扇はだいぶ汚れていました、もし証拠隠滅するなら隅々まで洗いたくなるはずです。
真野は、五十嵐美加が出て行く様子が確認できないのであれば、アパート敷地内で事件に巻き込まれた可能性が濃厚であると説明。
そして真野が追いたい血液とは、五十嵐美加のまぶたの出血でした。
狐谷:「越智が犯人ではないと?甘い!犯罪者は息を吐くように嘘をつく!犯罪者など1ミリたりとも信じられない!」
真野:「信じる?キモチワルイね。僕は越智の言葉も捜査員の言葉も同等に信じない。鑑定は推測を証明するための手段じゃない。鑑定結果こそが真実だ」
バラバラ殺人事件の真相
真野がルミノールを玄関の廊下にまくと、隣の部屋のドアまで反応が出ました。
廊下から採取された人血のDNA型と被害者のDNA型が一致したとの報告を受けて、捜査本部は越智の隣人・飛田慎吾宅の家宅捜索に踏み切りました。
すると、ベッドの下の引き出しの中に人形の手足が大量に入れられていて、冷凍庫に女性の手足が入っていました。
おそらく被害者・五十嵐美和のもので間違いないでしょう。
死体遺棄容疑で逮捕された飛田の供述は以下です。
暴れてどうしようもなくて刺した。
自首しようと思ったが、どうしても手足(かのじょ)が欲しくなってしまった。
飛田はバンソウコウを買おうと部屋を出てきた五十嵐美和を、強引に自分の部屋に連れ込んで殺害したのです。
五十嵐美和は廊下に自分の指についた血液でで跡を残していたので、真野は真実に辿り着けました。
事件の残虐性・異様性から報道規制がしかれ、真実は秘されることに。
飛田は幼少期に両親から虐待されていて、太ももや二の腕に多数のタバコを押し当てられた跡がありました。
自分の手足へのコンプレックスが、やがて美しい手足への異常な執着を産んだのかもしれません。
その後、真野は源家の墓参りに行きました。
「パパ、ママ、お姉、アニキ。もう少し待ってくれ。もう少しで裁きの準備が整う」
沢口ノンナの妹・カンナは素敵女子?
沢口ノンナは、都内の一軒家に妹・カンナ(山谷花純)と2人暮らし。
元々は家族は4人だったのですが、田舎暮らしに憧れていた両親は去年父の退職を機に、母の実家がある栃木に移住を決めたのです。
カンナは、新宿警察署の会計課事務。
お洒落な素敵女子で、いつも地味な姉に「だから彼氏できないんだよ!」ときつ~い一言。
沢口は、カンナにカーラーで髪をカールしてもらいました。
カンナは、今日も明日もデートの予定でモテモテです。
電車の窓ガラスにうつるいつもと違う自分を見て、ウキウキする沢口。
沢口の業務
法医科といえば、DNA型鑑定ですが、これを行うためには……
- 3年以上の実務経験後に
- 科警研にて研修を受け
- DNA型鑑定資格認定試験にパスすることが必須なので
2年目の沢口は、DNA型鑑定以外の鑑定や先輩の鑑定補助などが業務の中心。
朝の掃除も沢口の担当ですが、法医科には検討室、事務室、血液型検査室やDNA型検査室など部屋がとても多く、疲れます。
そして妹のカンナに作ってもらったカールですが、真野に「ねぐせすごいよ」と言われた沢口はいつものひとつしばりに(^_^;)
器物損壊被疑事件
その日は先輩の水田に頼まれて、沢口は中に液体が入って縛られたコンドーム(全部で4つ)の中身を検査することになりました。
4つのコンドームの被害者は異なるのですが、被害者はみな同一私鉄の利用者だから捜査員は同一犯の犯行と見ているとのこと。
例えばある被害者は、満員電車の中でこの液体入りコンドームをバッグに入れられたのです。
ピンセットではコンドームの結び目がほどけなかったので、水田の指示で手で直にほどくことに(もちろん手袋は2枚重ね)。
コンドーム内の液体のDNA検査と顕微鏡観察を行います。
レンズ越しに見る精子には嫌悪感はなく、むしろ悪事を暴いてやったという爽快感すらわいてきます。
コンドーム検査の後は、さすがに食欲がない沢口。
しかし水田は、冷やしとろろぞばをモリモリ食べていました(笑)。
そして夕方の鑑定もコンドームで、さすがにうんざりする沢口。
科捜研は生涯異動がなく、また一日中所内で過ごすため、研究員同士がまるで家族のような存在になっていきます。
ただ、真野にだけは壁を感じる沢口。
妹のカンナが「それは恋ね!!」と鋭く指摘して「それはない!!絶対ない!!」と焦って否定する沢口。
無理心中
荒川区の公園で50代男性・本田正彦の首つり遺体が見つかった事件で、現場近くの本田の自宅から母親の80代女性・絹代の遺体がみつかりました。
衣代の首には手で絞められた跡がありました。
共に死後5~8時間で遺書はみつかっておらず、部屋は荒らされた形跡はありません。
絹代は認知症で体が不自由でした。
警視庁では、介護に疲れた本田が無理心中をはかった可能性が高いとみて調べていきます。
本田は10年前に同僚への傷害事件で仕事を辞めていて、以来定職にはつかず、発見時の所持金は18円。
鑑定を依頼にしにきた猪瀬刑事は「本田はすこぶる評判が悪い。ろくでもない男です。カッとなってつい殺したんでしょう」と言いますが、「君の主観や憶測は聞いていない」と真野。
資料はまず絹代の手の爪の付着物10点です。
首を絞められた時に抵抗して犯人をひっかけば、爪の間に犯人の細胞が残る可能性があるから。
沢口:「犯人がわかっているのに鑑定を……?」
真野:「仮に犯人が明らかでも、第3者の関与を否定することを目的として行う鑑定は多い」
雅彦と絹代以外のDNAが出なければ良しとなります。
付着物10点と2人の心臓血は真野の担当。
沢口は、2人の胃内要物を担当。
結果は……
絹代の爪からは本人のDNA型しか検出されず、抵抗せずに殺されたことが判明(少なくとも、正彦のDNAは検出されなかった)。
胃の内容物は、絹代からはネギようの植物片と種別不明のタンパク質片、正彦からは米粒ようのものと種別不明の異色のもの。
猪瀬刑事がやってきました。
その後の捜査で、正彦が死亡推定時刻の4時間前、ひとりでコンビニに行き、ネギトロの軍艦巻きを1パックだけ購入していたことが判明したとのこと。。
ネギトロの軍艦巻きは560円で、正彦の所持金で買える唯一の寿司でした。
「もしかして2人の胃の内容物、ネギトロ部分は母親、米と海苔を息子が食べたんでしょうか?」と沢口。
「そうだとしても矛盾はない」と真野。
猪瀬が「どう思います?」と真野の方を見ると「僕の主観に意味はない。鑑定結果は真実の欠片のひとつ、欠片を集めれば自ずと真実の形に近付く、それが死者への弔いで僕たちの使命じゃないのか」と真野。
本田の友人の話
猪瀬は本田という男を知るため、本田の友人に話を聞きに行きました。
本田の友人は3ヵ月ほど前に本田と飲みにいき、その時本田は自分は病気でもう半年もたないと漏らしたとのこと。
自分には妻子はいないが、母親がいると言ったそうです。
「おふくろはボケてるし体も悪い、俺が死んだら……どうなっちまうんだ」
本田が母親に自分が長くないことを話すと、母親は「お前が死ぬなら私も殺しておくれ」と言ったとのこと。
本田は酒を飲みながら、何度も「お袋には迷惑かけっぱなしだった。今度は俺が面倒見なきゃいけねェのに。とんでもねェ親不孝もんだ。すまねェ、すまねェ」と何度も謝っていたそうです。
おそらく本田は……
死ぬ前に母親の好物のネギトロ軍艦を買って、母親にネギトロの部分を全部たべさせてやって、自分は残ったご飯と海苔を食べたのでしょう。
真野は「全部想像だ」と言いますが「せめて親子の愛情があったんだって思いたいじゃないですか」と沢口。
ターゲットは3人
真野は疲れから公園でうつらうつらしてしまい、23年前の出来事を断片的に思いだしていました。
小学生だった真野が階下に降りていくと、母親とお姉が泣いていて、父親がアニキをぶっていました。
「礼二くん」と呼ばれてハッと我に返る真野。
声の主は、姉の元担任教師です。
彼は「3人目。新妻大介の居場所がわかりました」と真野にメモを渡しました。
教師:「3人全員が揃った。壇浩輝(だん・ひろき)、佐保優作(さぼ・ゆうさく)、新妻大介(にいづま・だいすけ)。必ず成し遂げましょう。悪を裁くのは我々です」
真野:「わかってるよ、先生」
腐乱死体を鑑定
事件の解決には「捜査」「鑑識」「科捜研」の協力が不可欠です。
いわゆる「捜・鑑・科の一体化」が重要なのです。
相互の連帯を強め、かつ現場を知るために科捜研の新人には約1ヶ月間の鑑識研修が行われます。
というわけで、沢口は今日からしばらく鑑識の女です。
新宿警察署・鑑識課の巡査部長・剛木から、臨場要請がありました。
沢口の鑑識としての初めての臨場です。
沢口が「どんな事件ですか」と聞くと「事件ではないんですがね」と剛木。
聞けば、独居老人・佐保慎作66歳の腐乱死体で、場所はアパート室内で死後一週間ほどだという。
「佐保」の名前に衝撃を受ける真野。
佐保慎作は、真野のターゲット・佐保優作の父親です。
真野は「僕も(腐乱死体の現場に)行く」と言いました。
腐乱死体の現場に初めて臨場した沢口は、あまりの匂いに激しく動揺します。
死体を霊安室に運んで、死体見分を行います。
真野が気持ちを落ち着けるために顏を洗いに行った帰り、佐保優作と出くわします。
父親が腐乱死体で発見されたと聞いて、やってきたのです。
「佐保優作、まずはひとりめ」と思う真野。
場面は戻って、死体見分を行う剛木と沢口。
沢口はやはり匂いに耐えられなくなり、「線香をたいてください」と剛木。
すると、線香の匂いでご遺体の匂いがまぎれました!
そこに息子・佐保優作がやってきました。
親子関係の鑑定のために、DNA鑑定を行うことに。
歯ブラシ状のキットで頬の内側を何度かこすってもらい、口腔内細胞を提供してもらいます。
佐保優作:「父に申し訳ないことをした。もう少し気にかけてやればよかった」
真野:「あなたがいくら悔やんでも真実は何も変わらない。彼がただ独りで死んだという事実はね。だけどそうやって後悔を口にすることであなた自身は楽になるんだろうな」
部屋を出た真野は「反吐が出る」と打ち震えますが、すぐに沢口が追ってきて「どうしたんですか、真野主任」と聞いてきました。
沢口が「いつもは元気な変で、今日は元気じゃない変と言いますか」と言うと、「なんだよそれ」と笑う真野。
真野でも笑うことがあるんだ……と思う沢口。
佐保のDNAをゲット
真野は、姉の元担任教師と公園で待ち合わせ。
真野:「佐保優作のDNAがわかった。佐保優作、壇浩輝、新妻大介、兄貴のいじめの主犯3人、そしてこの3人のうち誰かが僕の家族を……全てを奪った裁くべき悪」
教師:「当時の現場資料は入手出来そうですか」
真野:「古い事件だからか関係者の記憶が薄れている。有力な情報が得られない。いや、意図的に隠されているのかもしれない。あまり執拗に聞くことはできない。僕の素性を知られたくない。警察は信用できない」
真野にとって虎丸良平が自分のことを覚えていたのは痛手であり、もし彼が自分の邪魔をするなら、その時は……!
姉の元担任教師が「仁美さんを、君のお姉さんを解剖した犯人がみつかりましたよ」と言ったので、2人でその医師に会いにいくことに。
許されざる悪
23年前、仁美は担任教師に休学手続きをしたいと言いにきました。
理由は妊娠していて、子供を産んで育てるため。
仁美が5か月ほど前に兄に呼ばれて体育館倉庫に行くと、壇浩輝、佐保優作、新妻大介の3人にレイプされました。
兄は3人に脅されて、言う通りにしなければ殺されるかもしれないと思ったとのこと。
担任教師は「なぜ警察に行かないんですか?今からでも」と主張しますが「私妊娠しているんです。この子のためにも兄のためにも警察沙汰にしたくないと家族で決めました。産みます、この命に罪はないんです。だから休学手続きをしたいんです」と仁美。
仁美の意思の強さ、魂の高潔さを前に、担任教師はなすすべがありませんでした。
そして休学を1か月後に控えた頃、練馬区一家殺人事件が起こって仁美も死亡。
マスコミによると、兄・義一が両親と仁美を殺して自殺したのだという。
義一がいじめの被害にあっていたことや仁美が妊娠していたことは、一切報道されませんでした。
担任教師は「もしも私が仁美さんを無理にでも警察へ連れて行っていれば」と激しく悔やみ、教師を辞職。
場面は現在に戻って、公園にいる真野と担任教師。
「真実の犯人を見つけることが私に出来る唯一の償いです」と担任教師。
(『トレース』原作あらすじの結末をネタバレ・後編に続く)
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