『半沢直樹2』後編では、半沢直樹(堺雅人)が帝国航空の再建に乗り出しました。
相変わらず敵が多い中、半沢の味方として力になってくれるのが紀本平八常務(段田安則)。
しかしこの紀本、この年齢でニューヨーク支社から本社に返り咲きとは……怪しい。
当記事では『半沢直樹2』の紀本平八常務について原作からネタバレして、原作とドラマとの違いについても考察しています。
もくじ
『半沢直樹2』紀本平八役を演じる段田安則とは?
半沢直樹に出てきた紀本常務、ぱっと見でスーツ着た新おにいかと思った。本当にごめんなさい段田安則さん#半沢直樹 pic.twitter.com/BNpb90fcaf
— 小泉悠輝 (@ryou_gbr) August 16, 2020
名前 | 段田安則(だんだ・やすのり) |
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生年月日 | 1957年1月24日 |
年齢 | 63歳 |
身長 | 170㎝ |
血液型 | A型 |
出身地 | 京都市 |
事務所 | シス・カンパニー |
段田安則さんは、誰もが認める演技派で名バイプレイヤー。
温厚な父親役から風格のある悪役まで、何でも演じます。
2012年~のドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』に、野心家の外科部長・鳥井高役でレギュラー出演しています。
「ドクターX」田中圭&段田安則、5年ぶりレギュラー復帰!「御意」練習中 #ドクターX #田中圭 #段田安則 https://t.co/FILGGdZt3F pic.twitter.com/XbmPOUyErW
— シネマトゥデイ (@cinematoday) August 17, 2017
2007年からサントリー「金麦」のCMナレーションを担当していることでも有名です。
檀れい が出演する サントリー 金麦 のCM 「夏色のキミ」篇。ナレーター 段田安則。 https://t.co/NCwTMkkqdn pic.twitter.com/VKJZHrNNiK
— 動画NOW (@douganow) July 15, 2016
『半沢直樹2』紀本平八原作ネタバレ
『半沢直樹2』紀本平八について原作小説『銀翼のイカロス』からネタバレします。原作の紀本平八
原作の紀本平八は、不良債権回収を主担当とする債権管理担当常務。
旧東京第一銀行の有力の一人。
ドラマではNY支店から返り咲いていますが、原作では元々東京中央銀行にいる人間です。
タスクフォースの債権放棄に賛成
進政党の国交大臣・白井亜希子(江口のりこ)が「帝国航空タスクフォース」を結成。
半沢ら銀行に一律七割の債権放棄を迫ります。
貸した金を返さないという筋の通らないことに納得できない半沢(堺雅人)は、断固拒否の姿勢を取ります。
ところが、なぜか紀本平八常務(段田安則)は債権放棄に賛成します。
理由は相手が国交大臣だからということだが、半沢は紀本の弱腰な態度に違和感を感じます。
箕部との関係
実は紀本平八は、進政党の箕部啓治(柄本明)と深い関係があります。
旧東京第一銀行時代、紀本は箕部の金もうけに絡んで巨額の不正融資に手を染めたのです。
箕部からその時のことをネタに「君にもずいぶん甘い汁を吸わせてやったよなあ。私に恩義を返したまえ」と迫られて、紀本は債権放棄に賛成せざるを得なくなったのです。
以降、紀本は元帝国航空担当者の曽根崎(佃典彦)を巻き込んで、半沢と対立。
・旧東京中央銀行出身者を旧T、旧産業中央出身者を旧Sと呼び合い、行内では派閥争いが続いている。
・中野渡、紀本は旧T出身者。半沢、大和田、渡真利は旧S出身者。
黒崎の金融庁検査
半沢は、白井大臣(江口のりこ)の前で臆することなく債権放棄の拒絶を堂々宣言。
紀本は「白井大臣は次期政権では財務大臣になるかもしれない人だぞ!」と叱責しますが、半沢はもちろん反省などしません。
ムカついた白井大臣は、金融庁の黒崎(片岡愛之助)に、帝国航空の与信がここまで膨らんでしまったことに対する監督不行き届きの責任を追及します。
メンツを潰されて怒り心頭の黒崎は、東京中央銀行の帝国航空への融資が適切かどうかの調査に来ます。
紀本は内心、半沢と因縁がある黒崎の来訪にほくそ笑みます(これで半沢を失墜させられるかもしれない)。
黒崎は、帝国航空の担当になったばかりの半沢に前担当者の曽根崎の与信判断の不適切さまで追及してきます。
(自分の担当時代の話をされているのに、曽根崎は涼しい顔で知らぬ存ぜぬ)
ちなみに黒崎の目的は調査なんかじゃなく、銀行(=半沢)をぶっ潰すこと。
そのため重箱の隅をつつくようなネチネチした指摘を繰り返します。
半沢はいつも通りに筋の通った返答をしますが、黒崎は逆上。
紀本は銀行内に、半沢の黒崎に対する態度に問題があったと言いふらします。
紀本が曽根崎を持ち上げる
そんな中、帝国航空の再建案の資料に数字のミスがあることが発覚。
黒崎は激しく半沢を追求しますが、曽根崎が「帝国航空側の事務ミスです」と言ったことで難を逃れます。
紀本はここぞとばかりに曽根崎を持ち上げ、「金融庁に突っ込まれたピンチを曽根崎が救った」と行内に言いふらします。
その結果、半沢の立場はますます悪くなります。
曽根崎の失脚で面目丸つぶれ?
なんと事実は、曽根崎が意図的に数字を改ざんしたのでした。
紀本は曽根崎を叱責しますが、このままでは曽根崎を支持した紀本の顔にも泥が塗られることになります。
曽根崎と紀本はこの事実をもみ消すため、帝国航空の山久に嘘の状況説明書を書かせようとします。
しかし山久も、やってもない数字のミスを認めるわけにはいきません。
そんな中、半沢が山久と組んで、曽根崎が意図的に改ざんしたという動かぬ証拠を突きつけます。
こうして曽根崎は出向待ちのポストに。
紀本は、曽根崎さえいなければ半沢を担当から外せたかもしれないのに……と悔しく思います。
業務改善命令
東京中央銀行は黒崎から「業務改善命令」を突きつけられて、中野渡頭取がマスコミの前で謝罪。役員全員震え上がる結果に。
その中には「航空業界全体への影響を考えろ」という白井大臣の息のかかった命令も入っていました。
紀本は、これで債権放棄の案を進められると内心ほくそ笑みます。
自らの進退を懸けて債権放棄案を通す
at東京中央銀行・役員会。
金融庁の意見書が来たにも関わらず、半沢は『債権放棄の拒絶』を押し通します。
その理由は、タスクフォースの債権放棄などしなくても帝国航空は自力再建が可能だから。
紀本は「金融庁の意見を無視するのか」と食い下がりますが、半沢の上司・内藤(吉田鋼太郎)も中野渡頭取(北大路欣也)も半沢の意見に賛成。
すると紀本は、自身の進退を懸けて『債権放棄案』を通したいと主張。
中野渡頭取もこれは無視するわけにはいかず、紀本の言う通り『債権放棄案』に同意することに決定してしまいます。
焦った内藤は「帝国航空のメインバンクである開発銀が債権放棄に反対したらこの限りにあらず」の条件を付けさせますが、紀本は勝利を確信していました。
乃原との関係
実は紀本が債権放棄に固執する理由は、もう一つありました。
それは、小学校時代の旧友である乃原に脅迫されていたからです。
紀本は、小学校時代に乃原をいじめた過去がありました。
乃原は、ずっと紀本を恨んでいて、紀本と箕部の癒着ネタを掴んで「バラされたくなければ債権放棄しろ」と迫ったのです。
紀本は「そんなことをしたら、俺だけじゃなく箕部と白井も失墜するぞ」と言いますが、乃原は自分だけが得をすればいいと考える恐ろしい男で白井や箕部がどうなろうと知ったことではありませんでした。
紀本が時折携帯で「もうすぐ……わかってる……こっちだって……」と電話していた相手は、箕部ではなく乃原だったのです。
紀本が敗れる
ところが、開発銀の民営化が閣議決定されるという事態が発生。
開発銀のサッチャーこと谷川幸代(西田尚美)が「債権放棄を見送ります」と宣言したせいで、東京中央銀行も債権放棄を拒否することが出来る事態となりました。
紀本はメンツ丸つぶれ状態になり、行内での評価も地に落ちました。
乃原が中野渡頭取に全てをバラす
乃原は、役に立たない紀本に見切りをつけ、単身・中野渡頭取(北大路欣也)と面会して債権放棄を迫りました。
もちろん脅しのネタは、紀本が行った箕部への不正融資。
乃原が頭取に全てをバラしたことを知った紀本は青ざめます。
紀本自身はなんとか言い逃れをする自信はありますが、自分の仲間である旧Tの人間を窮地に陥れてしまうことになります。
半沢が紀本の不正の証拠を掴む
そんな中、半沢は、紀本が箕部に20億円もの金を5年間も無担保で融資した事実を知ります。
半沢が旧T時代の問題貸し出しを調べていることを知った紀本は、半沢の調査をあらゆる手段で妨害。
それもそのはず、紀本は旧Tの元頭取で自殺した牧野の側近で、旧Tの名誉を守るために問題融資の書類を隠していたから。
しかし半沢は、かつての上司で検査部の富岡の力を借りてその書類のありかを突きとめ、紀本が箕部の金もうけに絡んで巨額の不正融資に手を染めた事実を掴みます。
半沢は中野渡頭取の命令で、タスクフォースに出向いて債権放棄の拒絶を改めて表明。
さらに旧T時代の箕部への問題貸し出しについても洗いざらい話しました。
中野渡頭取が紀本を呼び出す
半沢がタスクフォースで会見していた頃、頭取は紀本を頭取室に呼んで話をします。
頭取が半沢に代理を任せたことを知った紀本は驚愕。
中野渡頭取は、過去に旧Tの牧野が自殺した事件とそれについての思いを語ります。
しかし合併後間も無く、旧Tの乱脈融資が発覚。
銀行内では、他にも旧Tの乱脈融資があるのではないかと騒ぎになった。
しかし旧Tの頭取だった牧野が自殺して、真相は闇に葬られた。
自殺の理由は、旧T時代の乱脈融資の隠蔽だった。
具体的には、自らの名誉と紀本ら旧Tの将来を守るためだった。
中野渡頭取は、今でも後悔している
あの時、旧Tと旧Sはお互いの融資内容について徹底的に究明しあうべきだったと。
その後、中野渡地頭取が検査部の富岡に命じて調べさせたところ、いまだに旧T時代の多くの乱脈融資は解消されぬまま隠蔽されていた。
中野渡頭取は、牧野の決断は間違っていたと思っている。
死に逃げずに向き合うべきだったと。
中野渡が「君は行内融和など夢のまた夢と思っているかもしれない。だがそんなことはない。我々が間違わなければ必ず心を一つにできる」と語ると、紀本の胸に様々な思いが去来します。
旧Sへの反感、合併前夜に問題貸し出しを前にした行内のやり取り、牧野の自殺の一報を聞いた時のこと、葬儀に押し寄せるマスコミ。
紀本は、故・牧野の側近でした。
紀本は、牧野が自殺して以来、自分の銀行員生命の全てを旧東京第一銀行の尊厳=過去の不正融資の隠蔽に捧げてきました。
しかし今はそれらが守るべきだったのかどうかさえ、曖昧に感じられます。
観念した紀本は、以降は全ての問題貸し出しについて行内調査に協力的な態度を示します。
しかし紀本の出向は免れようもない事実ですが。
ドラマ『半沢直樹2』紀本平八(段田安則)とは?
段田安則さんが紀本常務か・・・
— 青いユニフォーム (@aoiuniform) August 9, 2020
原作「銀翼のイカロス」を読んでいた時、帝国航空の山久部長をイメージしていたんだけどな。 (^^;#半沢直樹 pic.twitter.com/G3XvLElDEV
ドラマの紀本平八(きもとへいはち/段田安則)は、東京中央銀行・債権管理担当常務。
旧東京第一銀行出身者(旧T)で、行内に広い人脈を持つ有力者の一人。
……とここまでは原作と同じです。
中野渡頭取(北大路欣也)によってニューヨーク支店から本店へと異動を命ぜられ、債権管理担当常務に着任したエリートバンカー。
中野渡頭取はなぜこのタイミングで紀本を本店に呼び戻したのか?
ドラマ『半沢直樹2』紀本に関する原作とドラマの違いは3つ
紀本の設定において原作とドラマの違いが3つもあります。➀頭取が旧T
原作では中野渡頭取が旧Sで、紀本が旧T。
ドラマでは中野渡頭取も紀本も旧Tなので、両者とも旧T時代の問題貸し出しを知っているであろう仲ということになります。
しかし誇り高いバンカーの中野渡が不正を隠蔽するとは思えないので、紀本は中野渡に内緒で箕部に問題貸し出しをしたのだと思われます。
➁中野渡頭取がわざわざNY支社から呼び戻している
5話で渡真利(及川光博)は「中野渡頭取が紀本を本部に呼び戻したのが変だ」と紀本の本部への返り咲きを怪しんでいます。
これは中野渡頭取が、紀本が箕部に行った不正融資を暴こうとしているからだと考察します。
中野渡は以前から紀本と箕部の癒着を疑っていたけれど、今回半沢に帝国航空の再建案を任せたのをきっかけに、いよいよそれを明らかにしようと思っているのではないでしょうか。
➂紀本と乃原はどう考えても同級生にはならない
原作では紀本と乃原は同級生ですが、ドラマの2人は大きく年齢が離れているので同級生ではありません。
しかし何らかの理由で乃原が紀本を恨んでいて弱みを握っているのだと思われます。
ドラマ『半沢直樹2』6話の紀本
愛すべきヒール
— ゆうみお (@youmio2722) August 23, 2020
大和田
憎むべきヒール
紀本
そう思いたい
#半沢直樹 pic.twitter.com/Ix7jltaePk
ドラマ『半沢直樹2』6話で、曽根崎が上司の命令で意図的に帝国航空の再建案の数字を改ざんしたことが判明。
曽根崎はその上司の名前を言いませんでしたが、大和田か紀本のどちらかであることは明白。
Twitterでは「どっちが裏切り者?」で盛り上がっていますね。
原作通りならば、もちろん紀本です。
女将との関係
女将と紀本なんか関係があるな#半沢直樹 pic.twitter.com/p7ZErv8gSM
— apricot (@apricot5629) August 16, 2020
以前半沢が小料理屋で紀本の話をした時、女将(井川遥)がピクッとなっていました。
女将は紀本の秘密を知っていそうですね。
ドラマ『半沢直樹』7話・8話の紀本
紀本悪魔かよw
— 鬼滅のぽんた頼光Pontapon@Tarkov (@PontaponRaikou) September 13, 2020
#半沢直樹 pic.twitter.com/lx435DPCPM
7話の紀本は、自身の進退をかけて債権放棄案を通しました。
しかし結果は、全ての銀行が債権放棄を拒否。
8話の紀本は、もはやメンツ丸つぶれかと思いきや、頭取を国会の参考人招致から守るために役員を全うすると宣言。
紀本の後釜を狙っていた大和田は、悔しい思いをします。
そんな中、タスクフォースの再建案を見た半沢は、箕部空港の異名をとる羽田ー伊勢志摩路線が撤退リストから外されていることに気付きます。
これでは忖度だらけの再建案ではないか!
箕部について徹底的に調べると、15年前に旧Tが20億円もの金をマンション建設目的で箕部に融資したことが判明。
半沢と大和田は再びタッグを組み、箕部のクレジットファイルを手に入れた。
紀本は、箕部に不正融資を行った張本人だったのだ。
しかし箕部は、10年前に自殺した牧野副頭取に全ての罪をかぶせるべく証拠まで捏造していました。
紀本と箕部の前には、半沢といえど太刀打ちできないのでしょうか?